エクセルで請求書を管理する方法とメリットを解説!請求管理システムとどっちを使うべき?

こんにちは。「クロジカ請求管理」コンサルティングチームの花田です。

エクセルは広く普及しているツールであり導入設定が簡単なため、誰でもすぐに使い始めることができます。サービスを立ち上げたばかりの中小企業や、少しずつ軌道に乗り始めた中堅企業、成熟した大企業においても、エクセルの数式やマクロを組み込むことで、業界や取引形態に合わせたカスタマイズが可能です。

一方、経理業務には多種多様な業務があり、膨大な請求書の作成や集計、発送に至るまでの手間が大きく、業務効率化や作業ミスの防止を目的に請求管理システムを導入する企業も見られます。当記事では、エクセルで請求書を作成する方法とエクセル使用によるメリットとデメリットに加え、企業の規模に応じてエクセルと請求管理システムのどちらを使用すべきかについて解説します。

エクセルで請求書を管理する方法

まずは、エクセルで請求書を管理する方法について、解説します。

エクセルで請求情報を管理するポイント

エクセルで請求情報を管理するためには、必要な情報を一覧でき、請求書にリンクさせやすい様式にすることがポイントです。請求書には、請求先の氏名または会社名、自社の情報、発行日、取引内容、取引金額だけでなく、請求書番号、請求内容、振込先、振込手数料、振込期限なども記載する場合があります。

サブスクリプションビジネスの場合は、契約期間も重要です。契約開始月、請求月、契約期間、終了予定月を入力できるようにしておくと便利です。

ここで、請求書番号の役割について少し補足しておきます。請求書番号は、請求書を発行するたびに採番するものです。毎月継続的に同じ金額で請求書を発行する場合は請求書番号が特に重要で、請求書を何月分まで送付したか、また何月分まで入金を受けたかなどを把握できます。顧客側も毎月同じ金額を支払うため、何月分まで支払ったかを把握できるよう、番号を控えておくと良いでしょう。契約番号などがある場合は、それらと紐付けた採番をすることで参照しやすくなります。

実際に様式を作成するにあたっては、エクセルのA列に請求書番号、B列に取引先、C列に請求内容など、一覧性の高い様式を作成することがポイントです。また、検索や参照がしやすいように表記ルールを決めておくことも重要で、英字入力であれば半角と全角、法人格の入力(「株式会社」か「㈱」か)などのルールをあらかじめ統一しておくことで、効率よく請求情報を管理できます。

エクセルで自動化できることは?

エクセルを使うことで、取引先情報や請求内容の自動入力や計算式の自動適用など、様々な作業を自動化でき作業時間短縮や正確性アップに役立ちます。

まずは、取引先情報の自動化についてです。多くの企業では会計ソフトで管理するために、各取引先に「取引先コード」が設けられており、この取引先コードを使って取引先マスターを作成します。取引先マスターには取引先の会社名や住所、担当者、メールアドレスなどを記載し、請求書の様式にVLOOKUPの式を使って、取引先コードを入力するだけで、自動で取引先情報が参照できるため、多くの入力作業を減らすことができます。

次に、請求内容の自動化についてです。例えば契約の種類が限られている場合は、「導入費用」「年間保守料」などをプルダウンメニューで選択できるようにすることで、各種入力を省略できます。また、請求内容に応じた消費税や手数料などの自動計算式を設定することで、正確な請求書を自動で作成することができます。

最後に、エクセルのマクロ機能を使った繰り返し作業の自動化についての紹介です。毎月同じ取引先に同じ内容の請求書を送付する場合、エクセルのマクロ機能を使って、自動で取引先情報や請求内容を参照し、請求書を作成できるため、時間と手間の削減につながります。

エクセルで入金管理を行う際はデータの更新スピードが重要

エクセルで請求管理を行う場合、入金管理も重要なポイントです。入金データを管理し、どの請求に対して入金されたのかを把握し正しい会計処理を行うためには、入金日と入金額を入力する列は欠かせません。

サービス提供が完了する前に受け取った入金は前受金となり、すでにサービスを提供し売掛金を計上している分の入金は売掛金の回収となります。これらの情報を正確に把握し、入金データと請求データをスピーディーに紐づけることで、売掛金回収状況の早期把握に役立ちます。また、入金予定日を入力しフィルタ機能を使うことや、ピボットテーブルを作成することで、いつ、いくらの入金が予定されているかを把握し、資金繰りに活用できます。

さらに、入金管理においては、自動化することで作業効率を向上させることができます。例えば、銀行からの振込明細データを取得し自動で入金データを作成することや、自動で支払期限を算出し通知メールを送信することも可能です。このような自動化を行うことで、管理の負担を減らし、正確性と効率性を上げることができます。このように、データの更新スピードを速め、正確な情報を迅速に管理することが重要です。

エクセルで請求書管理を行うメリットとデメリット

次は、エクセルで請求書管理を行うメリットとデメリットについて解説します。

エクセルで請求書管理を行うメリット

エクセルは広く普及しているツールであり導入設定が簡単なため誰でもすぐに使い始めることができます。また、担当者に合わせてカスタマイズしたり関数やマクロを組み合わせたりすることで、業界独自の取引形態や自社で使用頻度の高い形式に最適化できることがメリットです。

大企業においても、会計システムへのデータ入力と取引先への請求書発行システムが連携していないこと、あるいは請求書発行機能が使いにくいこと等の理由で、CSVの請求データをシステムからダウンロードし、担当者が手作業でエクセルの請求書を作成している場合があります。また、エクセルで入力した請求書データはエクセルファイルとして残るため、請求書の修正や再発行にも対応可能です。ただし、エクセルでの請求書管理にはいくつか注意点があるため、次の項目で解説します。

エクセルで請求書管理を行うデメリット

エクセルは各担当者がカスタマイズしやすいというメリットがある一方で、属人化しやすいというデメリットが挙げられます。特定の人にしかわからないマクロや関数を使用している場合、その人の異動や何らかのアクシデントでファイルが破損したときに対応できなくなる点には注意が必要です。

また、契約件数の増加に伴いデータ量が増えると、エクセルの集計動作が重くなりフリーズすることがあります。さらに、新規請求情報の入力はどうしても手作業になるため、契約が急増した場合は特定の人に負荷が集中しミスが起こりやすくなります。顧客に請求書を送った後でミスが発覚すると修正に多くの時間がかかるだけでなく、顧客の信用を失う事態になりかねません。

さらに、エクセルで請求管理を行う場合、ファイルが更新されるたびにすべての内容が更新されていることの確認が必要です。新規で追加した最終行が集計から漏れている場合やピボットテーブルの更新漏れは起こりがちな失敗であり、前受金の残高集計や入金管理をエクセルで行っている場合には特に注意しましょう。

脱エクセル!エクセルでの請求管理の限界はいつ?

次に、企業の規模に応じてエクセルでの請求管理に限界があると言われる理由やその内容について解説します。

大企業の場合

大企業においては、取引件数が数千件を超える場合もあり、取引先や請求情報の管理には多くの人員やリソースが必要です。また、エクセルでは膨大な量の情報を扱うことが難しく、処理速度や信頼性に課題があります。

そこで経理の要望を満たすシステムを自社で開発することもありますが、メンテナンスコストや社内開発リソースの都合もあり、ほとんどの企業は外部ソフトウェアベンダーの請求管理システムを利用する傾向にあります。外部サービスを活用すると、高度な機能やセキュリティが担保され、大量のデータ処理が可能です。また、外部サービスは、専門のエンジニアやサポートスタッフが常駐しており、問題が発生した場合にはすぐに対応してもらえます。

取引件数が多くなり、エクセルでの請求管理に限界を感じた場合には、見直しを行うと良いでしょう。

中堅企業の場合

次に、中堅企業は大企業に比べて取引数が少ないため、請求管理を行う経理担当者の作業のしやすさを優先し、エクセルを使うケースがよく見られます。しかし、会社の規模が大きくなるにつれて、会社の規模に見合った仕組みや体制を構築し、業務の適正を担保する施策を講じることが法令上求められるようになります。

このような法令上の要請があるにもかかわらず、属人化しやすい業務を特定の人物に依存する状況は、業務の適正を確保できる体制とは言いがたく、法令上の要請に反することになるため、システム化により業務上のミスを防ぐ仕組みの構築が重要です。中堅企業においても、情報の共有や引継ぎをスムーズにするために、請求管理システムを導入する事例が見られます。

中小企業・個人事業者の場合

最後に中小企業や個人事業者では、請求書の発行件数が概ね100件未満となることも多く、システムを利用するよりもエクセルで請求管理を行うケースが多くなります。エクセルを利用する背景としては、導入が簡単でいつでもどこでも作業できる手軽さが挙げられます。また、ITの専門家や専属担当者がいない場合もあり、経理担当者がシステム面まで対応することが難しいという環境も一因です。

しかし、エクセルで請求書を発行する際には、日付や金額の入力が必須となり、入力の手間や入力ミスが生じやすいという一面があります。そのため、中小企業や個人事業者であっても請求管理システムを導入する場合があるため、業務効率化施策として検討してみるのもよいでしょう。

以上より、企業の規模によってはエクセルで請求管理を行うこともありますが、業務量増加への対応や、業務上のミスを防ぐために請求管理システム導入は有効な手段となることがわかります。

エクセルで限界がきたら請求管理システムを検討しよう

請求管理システムとは、企業が請求業務を効率化するために導入するシステムです。請求業務は毎月変動する請求額を管理し、数百社に及ぶ取引先へ請求書を発行するなど非常に手間がかかります。エクセルは導入が簡単でカスタマイズしやすいというメリットがありますが、データの手入力や集計作業が必要になることや、効率よく使いこなすためにはエクセルで数式やマクロを組み込むなど一定の知識と経験が必要です。

そこで、請求業務に特化した請求管理システムを導入すると、操作が直感的でわかりやすく業務の可視化が進められるため、業務を理解できる担当者が増加します。業務シェアを進めてフレキシブルな体制を作ることにより、繁忙期やトラブル発生時に対応できる強い組織づくりにも効果的です。

さらに、請求管理システムでは、請求情報の管理だけでなく請求書発行まで一貫して自動化できます。これにより、請求管理業務だけでなく、請求書発行や送付業務も大幅に効率化できます。また、電子帳簿保存法に対応した請求管理システムを導入すると、請求書の電子化が可能です。請求書を紙で印刷し郵送する場合、税法上の要件を満たすシステムを利用し、電子帳簿保存法の適用を受けることで、請求書を紙に変えて電子データで送付することができます。これにより、人手の合理化と郵送にかかるコスト削減を実現できます。

請求管理システムの導入は、業務効率化や入力ミスの防止など多くのメリットがあります。エクセルでの請求管理が限界に達した場合は、請求管理システムの導入を検討することをおすすめします。

まとめ

今回はエクセルで請求書を管理する方法や、請求管理システムの導入について解説しました。

エクセルには導入しやすい、カスタマイズしやすいなどのメリットもありますが、手入力による業務負荷や、関数やマクロを使いこなすためには知識も必要です。エクセルでの手作業の増加や業務の属人化が見られる場合は請求管理システムの導入がおすすめです。

請求管理システムを導入し業務効率化を図ることで、人的資源はより重要な業務へ集中させることができ、経理業務の精度向上やコスト削減につながります。請求管理システムの導入は今後ますます重要性を増していくことが予想されます。ぜひ、自社の業務に合わせた最適なシステム導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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