こんにちは。「クロジカ請求管理」コンサルティングチームの花田です。
皆さんの会社では見積書の発行をどのように行っているでしょうか?
見積書の発行には、手書きで作成する方法、エクセル等のアプリで作成する方法、請求管理システムを利用する方法があります。取引先の件数が多い場合には、システムによって見積書を発行した方が効率的ですが、件数がそれほど多くない場合には手書きやエクセル等で対応している場合も多いと思います。
また、見積書を発行して契約に進んだ場合、取引完了後に請求書を発行することなります。
見積書の発行は営業活動の一環となりますので、営業部門で行っていることが一般的であると思いますが、請求書の発行は会社の業務分担により、営業部門で発行する会社もあれば、経理部門で発行する会社もあります。前者は営業部門の業務を販売から代金回収までと考え請求書の発行も同一部門で行っているケース、後者は請求業務を定型的な事務作業と考えて間接部門である経理部門で行うケースです。
規模がそれほど大きくない会社では、見積書の発行は営業部門で行い、請求書の発行は経理部門で行っている場合が多いように思われます。
このような場合には結果として見積書と請求書が異なる部署から発行されることとなりますが、取引先からみれば同じ会社が発行した書類に変わりはなく、両者は当然一致している必要があります。
特に、見積書と請求書の金額が一致していることはもちろんですが、品名等の書き方等、細かいところで不一致があったりすると、取引先の立場からすれば発注したものと納品されたものが実は違うものなのではないかと、不要な心配をすることにもなりなねません。
そのため、取引先が確認しやすいように、見積書と請求書はきちんと連動していることが必要です。
本来であれば、システム的に連動する仕組みとしておくことが確実で効率的ですが、取引先の数が限られている場合には、エクセルの仕組みをつかって見積書を請求書を連動することも可能です。
そこで、以下ではエクセルで見積書と請求書を連動する方法について解説していきます。
エクセルで見積書と請求書を連動する方法
エクセルでデータを連動させる際のポイントは、見積書と請求書を同じファイル内に作成しておくことです。
以下の例では、便宜上、見積書と請求書を似た様式のものとしていますが、実際の様式は任意のもので構いません。請求書の各セルに見積書の値を参照する設定をすることで簡単に見積書と請求書を連動させることができます。
例えば、見積書の品名を請求書側で参照する設定にしてみましょう。請求書のC7のセルに以下の式を入力します。
=見積書!C7
この式は「見積書というシートのC7のセルの値を表示しなさい」という意味になります。
請求書の他のセルにも同じように参照設定を行うことによって、見積書のデータを連携させることができます。
<見積書>
<請求書>
請求管理システムの検討
以上、エクセルで見積書と請求書を連動する方法についてご紹介しました。請求書の枚数がそれほど多くない場合には、この方法で業務効率化を図ることができます。
しかし、売上の増加等によって請求書の枚数が増えてきた場合には、やはり請求管理システムの導入を検討する必要があります。
請求管理システムの導入によって見積書からの連動はもちろんのこと、それ以外にも様々なメリットを享受することができます。
特に請求書をめぐる環境については、近年大きく変わってきており、このような変化にシステムで対応することのメリットはますます大きくなっていると言えます。
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例えば、目前に迫っている請求書対応としては2023年10月から導入されるインボイス制度が挙げられます。インボイス制度とは、具体的には消費税の適格請求書等保存方式と呼ばれているもので、制度導入により請求書に登録番号の記載が求められたり、消費税の税率別の内訳や税率の明記が求められる等、請求書の様式に大きな影響を及ぼすこととなります。手書きやエクセルで請求書を作成している場合には、このような様式変更を自社で行わなければなりませんが、システムを導入していればシステム側で対応してくれることとなります。
また、近年話題となっている電子帳簿保存法も請求書対応に無関係ではありません。
電子帳簿保存法は国税に関する帳簿書類を電子データで保存することを認める法律です。近年では、この法律を適用しやすくなるように数度にわたる改正がされており、国が取引の電子化を推進する姿勢を鮮明にしています。
このような流れの中で、各社においても今後は、請求書を電子データで受領する機会が増えていくことが予想されますし、取引先から電子データで請求書を発行するように求められることもあるかもしれません。システム化によってこのような事態にもあらかじめ備えておくことができます。
請求書を電子化というのは、このように社会の流れであると同時に、実は導入によって業務効率化を図ることができるというメリットもあります。
例えば、請求書を紙で送付する場合には、封筒にあて名書きをしたり、印刷した請求書を封入したりと発送するための作業に時間を要することとなります。これに対して請求書が電子化されていれば、これらの郵送作業は不要となり、電子メール等で送信するだけでよくなります。郵送料もかかりませんし、取引先にも郵送より迅速に請求書を届けることができるようになります。
請求書の電子化というと少し難しく感じられるかもしれませんが、請求管理システムを利用すれば電子化を容易に行うことができますので心配いりません。
以上のような、環境変化への対応は避けられないものであり、どちらかという受け身の対応となりますがシステム化を積極的に導入すべき理由もあります。
例えば、システムを導入すれば請求業務自体の効率化を図ることができるのはもちろんのこと、関連する他の業務と連携することによってさらに業務効率化を推進することができます。
具体例を挙げると、請求業務は売上計上業務と密接に関連していますが、それぞれの業務が別々に運用されていることも少なくありません。これらの業務をシステム的に連携させることができれば、各業務で重複している部分を効率化することができますし、同時にミスを減らすことにもつながります。
また、請求業務は、入金消込業務とも関連しています。請求管理システムでは、銀行の入出金データを取り込むことによって、そのまま請求書の消込に使用することができます。銀行やATMで記帳する必要もありませんし、タイムリーに未回収の残高を確認することができることとなります。
さらに、未回収の残高を早期に把握することができれば、営業部門と情報共有することによって、速やかに代金回収への対応をとることもできるようになります。
まとめ
以上、エクセルで見積書と請求書を連動する方法と、請求管理システム導入の検討について解説してきました。
エクセルによる業務効率化は、比較的手軽に導入できる反面、複数の業務をまたがるようなデータの連携が難しいという点で効率化に限界があります。
請求管理システムの導入によって請求業務自体が効率化されるだけでなく、関連する業務の効率化にもつながり、会社全体としての最適化を図ることができます。
請求書の枚数が多くなってきたと感じた際には、是非、システムの導入についても検討してみると良いでしょう。
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