こんにちは。「クロジカ請求管理」コンサルティングチームの花田です。
経理担当者にとって入金消込は煩雑になりやすい業務のひとつです。業務負荷を感じつつも、全体のボリュームが少なかったり、既存の業務フローを踏襲したりして、そのままの方法で処理をしているという担当者も多いのではないでしょうか。
少しでも効率化しようとエクセルで管理するなど、ある程度の自動化を図るなどしている事例もよく耳にします。ただ、エクセル管理では手作業の入力などの作業が多く、また、確認は目視で行うなど、完全に自動化しているとは言い切れないのが実情のようです。ミスが出る可能性もあるため、完全な自動化を目指すには入金消込専用のシステム導入などが求められるでしょう。
もし入金消込のシステムを導入するとしたら、どのようなメリットがあり、どのような点で注意が必要になるでしょうか。この記事では産業機器向け基板の設計・開発・製造企業へのインタビューから、入金消込のシステム化のメリットと注意点について記載します。
目次
エクセルを利用した入金消込の作業は手間と時間がかかる
今回インタビューをした企業では、複数部門があり、商材が特殊用途(航空・宇宙・防衛等)向け電源の設計、製造、各種検査などの多様なものがあるそうです。また、自社製品の設計や製造、販売、保守も行っています。産業機器向けの商材がメインのため、取引先の業種もさまざまです。
そのなかで、経理担当者が現在いちばんの課題に感じているのが「エクセルによる手作業の入金消込に手間と時間がかかる」という点でした。煩雑で時間がかかることで、作業にミスが出る可能性があり、これは最も改善したいポイントのようです。
企業間の取引においては掛け売りが基本のため、売上代金はすぐには回収されません。後日、売上代金が入金されて初めて売上計上の処理が可能になります。このため、企業は売上として入金される予定(売掛金などの債権)を管理するのです。そして入金がされた後、予定と入金実績とを照合し、売上代金の回収が確認された分の消込みを行います。この入金消込の作業では、予定通りに回収できているか、また、実際の入金額が予定額とズレていないかを把握します。そのため入金消込は経理担当者にとって煩雑になりやすいものです。ここの入金消込を正確に行わないと、売上計上する額に影響が出る場合などがあり、重要な業務のひとつです。
その他、企業の経理担当者が入金消込を煩雑に感じやすい背景として、以下のような例があげられます。
- 請求件数の増大に比例し、同じような入金消込処理に費やす時間も増大する
- 商材や部署によってさまざまな請求パターンがあり入金予定日がバラバラになりやすい
- 顧客の振込みのタイミングにより入金期日にズレが生じて確認モレ、回収モレのリスクがある
- 顧客の振込み金額のミスや同じ金額の入金が多数あった場合の判別が煩雑
現在の入金消込に関係する業務
インタビューのなかで現在の入金消込作業についてお聞きしました。顧客口座は銀行システムで管理を行っているそうです。そして入金情報は銀行サイトからCSVデータをダウンロードすることで入手しています。そのCSVデータをもとに、エクセル上のデータと照合して消込を手作業で行い、目視でチェックを行います。ちなみに、請求時は発送した納品書の内容をまとめ、月末にエクセルで作成して紙ベースの請求書を郵送で送付しています。月に数度、この請求書の発送業務のためだけに出社している日もあるとのことでした。
実際の業務内容を確認すると、やはり手作業で入金消込業務を行っていることが手間や時間がかかっている要因のようでした。
入金消込のシステム化によるメリット
今回のようなケースでは、入金消込専用、もしくは入金消込の機能に優れたシステムを導入することが最も効率的にできるでしょう。入金消込をシステム化することで得られるメリットには、以下のようなポイントがあります。
ヒューマンエラーを防止できる
どのような分野でもシステム化により、ミスを防止できるというのは大きなメリットです。同じ作業を繰返すだけでも手作業ではミスの発生の可能性があります。とくに定期的な請求などはシステム化をすることでヒューマンエラーを低減することができるでしょう。
債権管理がスムーズになり、キャッシュフローの動きも把握可能に
売掛金管理が正しく処理され、迅速かつ正確に行われことは請求ミス防止につながります。債権回収がスムーズになれば、結果的に企業のキャッシュフローの流れが改善し、正確な把握が可能になります。
他システムとの連携でより効率化できる
入金消込のデータを他システムと連携させる、もしくは、他システムからエクスポートしたデータを入金消込のシステムにインポートし、チェック作業などに活かせるというような、システム間の連携が可能な場合、手作業の部分が減り、時間の削減やミスの防止策になり得ます。
入金消込のシステム化における注意点
システム導入を目指すことになった場合、どのような点に注意が必要でしょうか。検討するにあたって注意したいポイントには以下のようなものがあります。
- 業務フローを再確認し、どこを自動化できるか検証する
- すでに利用している他のシステムやデータのうち、活用可能なもの・逆に不要なものがないか確認する
- システム連携をさせたい場合はシステム間のデータの相互性を確認する
- コスト面の確認、予測を立てて予算に見合ったシステムを選ぶ
- 導入するシステムの候補を絞り、細かな機能もできる限り調査して比較検討する
入金消込業務の課題を解決するには
入金消込作業は重要な作業です。その一方で煩雑になりやすく、また、ミスが生じやすい側面があります。経理担当者としては、正確に、そして迅速に作業を進めたいと思うところですが、どうしても慎重にならざるを得ない業務のひとつです。
手作業をしていれば、より注意深くチェックする必要が出てしまいますし、案件によって作業のタイミングや入金の時期のズレなどのイレギュラーにも注意が必要です。これではボリュームが多くなればいずれ限界が出てきます。ただでさえあらゆる業務の電子化が進んでいる時代です。
この入金消込処理もシステムを活用した自動化を求められるのは当然の流れではないでしょうか。
今回のインタビューでの事例では、銀行システムからCSVデータを出力することが可能でした。そのCSVデータを活用することを前提とした場合、次のような機能を持つシステムを導入すると、よりメリットがあるでしょう。
- 遠隔から作業やチェック・共有を可能にする、クラウドサービスのシステム
- 銀行のデータを利用して自動で一括消込をできるシステム
- 万が一のミスに備えてシステム操作のログが記録されるシステム
- 支払期日が過ぎている場合は督促を速やかに行えるように、支払期日に応じて通知してくれるシステム
- 入金済み(回収済み)か、未収金(未回収)かが、ひと目で分かるように可視化、自動集計されるシステム
- 郵送のための出社をなくすため、WEB上から1クリックで送付まで可能なシステム
いかがでしょうか。この記事の企業と同様に、システム導入がしづらそうな製造業であっても業務効率化のために自社に最適なシステムを導入したいものです。煩雑な作業を少しでも自動化し、他の作業に時間を割けるような業務体制づくりにも、システム化は有効ではないでしょうか。
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