保守料の勘定科目は修繕費?前払費用?会計処理の仕方を簡単解説

保守料の勘定科目は修繕費?前払費用?会計処理を簡単解説

こんにちは。「クロジカ請求管理」コンサルティングチームの花田です。

ソフトウェアやコピー機の購入に伴い保守契約を結ぶことがあります。保守契約に基づき発生した費用は「保守料」として処理するのが一般的。しかし、「どのような商品に付随する保守料か」「保守料の期間はどれくらいなのか」によって、会計処理は異なります。

本記事では、保守料の取り扱いから保守料の経理処理の仕方までを解説しています。保守料の経理処理に悩まれている方はぜひ参考にしてみてください。

そもそも保守料とは?

保守とは、機材やシステムが不具合を生じた際に正常な状態に直すことです。保守料が発生する商品には以下の商品などがあげられます。

  • ソフトウェア(プログラム・制御等)
  • ハードウェア(コピー機・PC・モニター・マウス等)
  • アプリケーション

保守料を支払うことによって、ハードウェアの修理や部品交換、ソフトウェア・アプリケーションの不具合に対応してくれます。さらに、サイバー攻撃などのセキュリティ面の強化にも繋がります。

保守料は原則前払費用

例えば、コピー機90,000円を購入した際に1年間の保守契約10,000円が締結された場合、コピー機の代金と保守料は分ける必要があります。なぜなら、保守料はコピー機に付随する費用に該当せず、取得原価にならないからです。

10万円未満のコピー機の購入代金は、消耗品または雑費などの勘定科目で処理します。一方、保守料は保守期間の経過に合わせて必要経費にしていくので、「前払費用」で処理します。購入した期に必要経費とする部分は「修繕費」、1年を超える保守料は、「長期前払費用」で処理するのが一般的です。

保守料は原則前払費用

保守料の勘定科目と仕訳

この章では、コピー機を「購入した時点の仕訳」「決算月の仕訳」に分けてご紹介しています。今期の経費にする保守料は修繕費と処理するのが一般的なので「保守修繕費」という勘定科目で処理します。

購入した時点の仕訳

7月1日
消耗品(コピー機代)90,000円現金 100,000円
前払費用(保守料) 10,000円

決算月の仕訳

12月31日
保守修繕費 5,000円前払費用 5,000円

※10,000×6/12=5,000円

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1年を超える保守料

コピー機の購入時に前払費用として現金を支払ったもののうち、来期以降の費用となる前払分の金額については、当期の必要経費に計上できないため、バランスシート(貸借対照表)上の「前払費用」として資産に計上されます。

この前払費用のうち、1年を超えて必要経費となる部分を「長期前払費用」で処理します。

購入した時点の仕訳

7月1日
消耗品(コピー機代)90,000円現金 100,000円
前払費用(保守料) 10,000円

決算月の仕訳

12月31日
保守修繕費  2,500円前払費用 7,500円
長期前払費用 5,000円

※10,000×6/24=2,500円

結果は同じですが、以下のように表すこともできます。

12月31日
保守修繕費  2,500円前払費用 10,000円
前払費用   2,500円(1年以内の保守料分) 
長期前払費用 5,000円(1年を超える保守料分) 

1年以内の保守料は短期前払費用になるの?

短期前払費用とは、前払費用として計上した資産が支払日から1年以内にサービスの提供を受ける場合に、一定の条件下で必要経費にすることが認められます。

簡単にいうと1年以内の前払費用については当期で全額必要経費とすることができるというものです。この考え方だと、保守期間が1年以内のコピー機保守料が7月に発生した場合でも、購入時に全額短期前払費用として必要経費に算入できるということになります。

ただし、短期前払費用とするためには、「等質・等量のサービス」である必要があります。その点からすると、コピー機の保守料は等質・等量のサービスであるか否かは意見が分かれるため、スムーズな税務調査を望む方は、「前払費用」で処理するのがおすすめです。

まとめ

保守料の会計処理について理解は深められたでしょうか。

保守料の会計処理は複雑なものではありませんが、「保守料の種類」や「保守料の期間」によって勘定科目と必要経費にできる金額が変わります。

また、今後ソフトウェアの需要は高まり、ソフトウェア市場は益々増加するといわれています。当然、ソフトウェアなどに付随する保守料の会計処理も今後増えてくることが予想できます。

そういったことを踏まえて、保守料などの前受金管理の効率化が期待できるグループウェアなどもおすすめです。

また、保守料の会計処理についてより詳しく知りたい方は、税理士または税務署の相談窓口で相談してみましょう。この機会に保守料の正しい会計処理ついて、より理解を深めてみてはいかがでしょうか。

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