こんにちは。「クロジカ請求管理」コンサルティングチームの花田です。
近年、多くの企業で導入されている継続課金(サブスクリプション)ビジネスをご存じでしょうか。
従来は、商品やサービスを直接顧客に販売してお金を受け取るような、売り切り型の取引(以下、従来型)が主流でした。
しかしこの継続課金ビジネスでは、商品やサービスを一定期間利用する顧客から、その対価としての利用料を継続的に受け取るビジネスモデルとなっており、従来型とは大きく異なります。
目次
継続課金ビジネスの普及~モノの「所有」から「利用」への変化~
継続課金ビジネスモデルの具体例としては、一定の料金を支払うことで利用し放題となる「音楽配信サービス」などが挙げられます。
近年、継続課金ビジネスが普及されている理由としては、顧客がモノの「所有」から「利用」を重視するようになった点が考えられます。
例えば、これまで音楽を聴く場合は、レコードやCDをショップで購入することが多かったと思います。しかし、現在では音楽配信サービスを利用するユーザーのほうが増えており、リサーチ会社「GfKジャパン」によると、2019年度の音楽ストリーミング配信サービスにおける再生回数は、前年の1.6倍以上に拡大し、今後も増加すると見込まれています。
継続課金ビジネス提供者の請求業務・売上管理業務
継続課金ビジネスを提供する企業の主な管理業務として、請求業務・売上管理業務があります。
継続課金ビジネスでは、月額課金や年間ごとの支払いを通じて、利用期間に応じた対価を顧客から受け取る仕組みとなっていますが、その課金体系や支払条件は顧客ごとに様々です。よって、顧客から対価を受け取るつど売上計上や請求を行う従来型のように、「単価×数量」といった形で、売上金額を単純に計算することができません。
そのため、継続課金ビジネスを提供する企業の請求業務・売上管理業務は、従来型に比べ複雑化しやすいと考えられます。
請求業務・売上管理業務の複雑性
継続課金ビジネスを提供する企業の請求業務・売上管理業務の特徴としては、以下のような点で複雑化しており、業務負荷が大きいと考えられます。
請求書発行業務の複雑化
従来型のような受注1回・請求1回といった請求方法ではなく、受注1件に対し、解約されない限り継続的に請求書の作成業務が生じます。
また顧客の中には、追加的なオプションを利用するケースもあります。この場合、月額料金以外にオプション料を加えた請求書を作成する必要がありますが、当該オプションの内容も多岐にわたるため、複雑な料金計算が請求月のたびに発生し、作業負荷が大きくかかります。
さらに顧客によっては、月1回の支払ではなく、半年分または1年分を一括など、支払サイクルが異なる場合があります。よって誤ったタイミングで請求してしまったり、逆に請求が漏れるなどのミスも生じやすくなります。
請求ミスによる顧客とのトラブルを防ぐため、複数の担当者間で二重三重のチェックを行う必要があり、このチェックでも大幅な時間が取られます。
契約変更履歴のチェックの煩雑化
継続課金ビジネスでは、サービスの利用状況により、料金が異なるケースが多く、毎月の請求金額が固定とは限りません。
また「今月は忙しいからあまり利用できない」といった理由で、利用プランを月ごとに変更する顧客も中にはいます。顧客ごとの請求金額を正確に計算するため、各顧客の契約変更履歴のチェックが必要となります。
顧客情報をExcelシートで管理している場合は、膨大なExcelデータの中から顧客ごとの契約変更履歴をチェックする必要性が生じ、当該チェック業務の負荷が大きくかかります。
多種多様な課金体系
継続課金ビジネスは、顧客のサービス利用状況によって課金体系が異なります。固定の月額利用料以外にも、従量課金や追加オプションを選択する顧客も多く存在します。これらのオプションは月額発生のみでなく、特定の月だけ料金が発生するスポットタイプのものもあります。オプションの種類が多くなると金額計算が大変になるだけでなく、月額利用料にスポット金額を合算する作業が必要になるなど、金額計算が非常に複雑化します。
またオプション以外にも、月中に契約を開始した場合は、日割計算で値引きを行うケースも多く、請求金額の計算はさらに大変になります。
請求業務・売上管理業務の自動化~請求管理システムの導入~
上述の通り、一般的に継続課金ビジネス提供者側の請求業務・売上管理業務は複雑化しやすいです。実務においても、手作業やExcelシート等に基づくマニュアル作業では、多くの場面で非効率が生じ、時間とコストが膨大に発生してしまいます。
このような請求業務・売上管理業務の品質を劇的に改善する方法として、最近では、請求管理システム導入による請求業務・売上管理業務の自動化、効率化が注目されています。
請求管理システム導入のメリット
請求管理システムの導入により、先述した請求業務・売上管理業務を複雑化する要因を、以下のように大幅に改善することが可能です。
請求書発行業務の負荷減少
請求管理システムに契約内容や契約開始日などの情報を予め登録しておけば、自動で契約内容をコピーして請求データを作ることが可能です。顧客情報を管理するExcelシートから、1件ずつ手作業でのコピー&ペーストによる請求書作成ステップが不要となります。
また顧客ごとの支払サイトや締日の設定も可能なので、請求締め処理が格段にスムーズになり、また請求漏れなどのリスクも削減できます。
請求データ作成の簡素化
請求管理システムの中には、営業の案件管理や、営業事務の契約管理及び対応履歴管理機能を有しているものもあります。
この場合、請求管理システム上で、営業が登録した受注情報やオプション情報が自動的にコピーされ請求データを作成することが可能です。これにより、手動による契約内容の変更履歴の検索やコピー&ペーストする手間を削減できます。
金額計算の自動化
請求管理システムを導入することで、継続課金ビジネス特有の複雑な金額計算も自動的に実施可能です。契約登録時に、月額課金のものと単月のみ課金のものといった情報を登録するだけで、月額+オプション料の合算も自動で行われます。これまでExcelシート等で膨大な時間をかけ精緻に計算していた作業も、システムに任せることで正確かつ短時間で行うことが可能です。
まとめ
継続課金ビジネスにおいて一番大切なのは、顧客満足度の向上によりサービスの利用を長期継続してもらうことです。特に請求業務の品質は顧客満足度に直接影響するので、慎重さが求められる一方、従来型のビジネスに比べて数字の管理が複雑で、また細かい作業も多く、作業時間が膨大にかかりがちです。
しかしその作業の大部分は自動化可能なものであり、人よりもコンピュータの方が向いている作業と言えます。
請求管理システムの導入により、正確な請求・売上管理を行い、顧客満足度を向上しつつ、さらに請求・売上管理業務の効率化も実現していきましょう。
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