未来のサブスクリプションの売上管理がしたい【AI-OCRのSaaS企業にインタビュー】

未来のサブスクリプションの売上管理がしたい

こんにちは。「クロジカ請求管理」コンサルティングチームの花田です。

サブスクリプションビジネスでは、収益認識基準による売上計上のタイミングと計上額を考える必要があります。今月の売上をすべて今月に計上できない可能性があるため、売上管理が複雑になりがちです。

この記事では、AI-OCRのSaaS企業へのインタビューでみえてきた売上管理のお悩みのポイントと、どのように改善できるのかをお届けします。

サブスクリプションの売上管理でつまずきやすいポイント

今回インタビューした企業は、AI-OCRのSaaSを提供しています。

これまでのOCRにAI技術を活用したAI-OCRは、文字認識の精度が飛躍的に改善し、定型フォーマット以外の書類の読み取りにも対応しているため、いま注目が集まっています。

この企業のSaaSでは、顧客にはサブスクリプションモデルで課金しているため、定期的に請求書を発行していきます。

しかしながら、収益認識基準で売上計上を考えたときに、請求額がすべて当月の売上にはならない可能性があることに、営業担当者としては、最初は戸惑いますよね。

いつ売上となるのか、売上となる金額はいくらになるのか、といった疑問も当然出てくるかと思います。

さらに、この企業の営業担当者は以下の悩みを抱えていました。

  • 毎月の受注の金額が、今月分として売上としてでてこないので、未来の売上推移を知りたい

売上管理とは

そもそも売上管理の目的は何でしょうか?

それは、目標となる売上高を達成できるようにするために、売上の傾向を分析することで問題を発見し、次の施策を早く意思決定できるようにすることです。

売上の記録には、エクセルやGoogle Spreadsheetなどの表計算、売上管理システムなどを利用します。このとき複数人の営業担当者が記録してもデータが勝手に上書きされないように注意が必要です。

売上管理の運用としては、日々の売上を記録していき、日次や週次、月次、四半期、年次のタイミングで売上を集計し分析します。それにより、次のメリットがあります。

  • 営業施策を振り返ることで、より効果の高い施策に集中したり、効果のなかった施策を止める決断ができる。また、新しい施策を考えるきっかけになる。
  • 売上予測の精度が上がる

より深く問題を発見するために、事業部やチーム、担当者などの単位で売上を分析することもあります。

売上管理をしっかりとすることで、営業担当者や事業責任者、役員の日々の行動が売上高の目標に向かい、さらなる企業の収益強化につながります。

未来のサブスクリプションの売上とは?

パソコン販売などのハードウェアの売り切りビジネスでは、販売した時点で売上を計上しますが、サブスクリプションビジネスでは、収益認識基準により、役務提供が完了した分の売上を計上していきます。

ここでは、サブスクリプションの契約期間をもとに、売上計上について考えてみましょう。

サブスクリプションではサービスによって契約期間がまちまちです。たとえば、1ヶ月間、2ヶ月間(隔月契約)、3ヶ月間、6ヶ月間(半年契約)、12ヶ月間(年間契約)、24ヶ月間などの契約期間があります。

契約期間が1ヶ月間の場合、基本的には契約月で売上を計上しますので、未来に計上される売上はでてきません。

一方で、契約期間が2ヶ月間以上の場合には、複数の月で売上が計上されますので、未来に計上される売上がでてきます。

たとえば、SaaSの4ヶ月間のサービス利用料120万円を1月に受注した場合を考えてみましょう。1月からサービス提供していると、1月に役務提供が完了する売上は、120万円を4ヶ月で割った金額の30万円になります。このとき、未来に計上される売上としては、2月に30万円、3月に30万円、4月に30万円となります。

未来に計上される売上

なぜ未来の売上推移が知りたいのか?

営業担当者は営業目標を達成するために、まず目標と現状との売上の差を知るところから始めます。

そのうえで、売上の差をもとに、どのような施策が一番目標に届くのかを考えていきます。

ここで営業担当者が混乱しやすいこととしては、サブスクリプションビジネスでは役務提供前に受領した金額を前受金として処理し、役務提供分のみ月次で計上していくところです。

前述のサービス利用料120万円の売上の例で考えますと、営業担当者としては、初月に120万円が計上されず30万円の計上だけみえますので、残りの90万円がいつのタイミングに計上されるかが分かりません。

したがって、営業施策を考える上で、今後の売上がどのように推移していくのかは、営業担当者として一番気になり知りたい情報となります。

営業と経理の担当者による請求管理から売上管理までの流れ

今回インタビューした企業では、現状ではどのように請求から売上を管理しているのかをみていきましょう。大きな流れとしては、次のようになります。

  1. SFAへの契約情報の登録
  2. 請求書の発行
  3. 入金消込
  4. 支払期日を過ぎた売掛金の回収
  5. 前受金の管理

1. 請求管理:SFAへの契約情報の登録

この企業では、営業担当者はSFA(Sales Force Automation:営業支援)を利用して、日々の営業活動を行っています。

SFAには顧客にどのようにアプローチしたかなどの営業記録を残していまして、顧客ごとに商談フェーズを確認しながら提案活動をしてます。

そして、顧客からの契約受注後に、SFAに契約情報を登録していきます。

2. 請求管理:請求書の発行

経理担当者は、当月の請求書発行の締日に、メールまたは紙で請求書を送付しています。

ここで注意すべきこととしては、営業担当者はSFAに契約情報を登録し忘れていたり、当月のプラン変更による契約情報を更新し忘れていることがあります。そのため、この請求書発行のタイミングで、営業担当者に当月の契約情報をすべて登録しているかを確認する必要があります。

当月の請求書発行に必要な契約情報が揃ったら、経理担当者はSFAの契約情報をもとに請求書を発行していきます。

3. 請求管理:入金消込

月末月初のタイミングで、顧客からの入金を消し込んでいきます。

この入金消込では、エクセルで一覧化した請求金額と財務会計の入金残高の金額を比較しています。もしも金額が違う場合には、入金されていない売掛金をチェックしていきます。

4. 請求管理:支払期日を過ぎた売掛金の回収

支払期日を過ぎた売掛金は、早く回収しなければなりませんので、次のフローで回収をしていきます。

  1. 経理担当者は、まず当該売掛金の営業担当者に未入金の旨を連絡します。
  2. 営業担当者は顧客に連絡して、新しい支払期日を確認します。その支払期日を経理担当者に情報共有します。
  3. 経理担当者は新しい支払期日までに入金されるかを、毎日、確認します。

5. 売上管理:前受金の管理

契約期間が2ヶ月以上ある売上で当月に役務提供が完了したものについて、前受金を取り崩しながら、当月の売上を計上していきます。

ここまでの上記でフェーズごとに請求管理と売上管理をみてきたように、経理担当者は請求情報や売上情報、前受金の一覧表を持っていますが、営業担当者は、売上を分割したデータを持ち合わせていない状況です。

そのため、営業担当者側では未来の月次売上がわからないという状況になります。

未来のサブスクリプションの月次売上を把握するために

経理担当者には、月次ごとの継続売上や単発売上、売掛金、前受金、売上に紐づく顧客数などの数字の情報が、毎月集まってきます。

そのため、月次の数字をもとにした未来の月次売上の情報を、経理担当者から営業担当者に共有できる仕組みを共有してみてはいかがでしょうか。

共有する方法としては、エクセルで集計したシートを共有することもできますし、未来の月次推移を見れる売上計上のシステムを利用することも一つの方法かと思います。

それによって、営業担当者側では今後の実際の売上の見通しが分かり、営業の施策を考える際の基盤となります。

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