サブスクリプションビジネスの請求管理は大変!経理処理についてパターン別に解説

サブスクリプションビジネスの請求管理は大変!経理処理についてパターン別に解説

こんにちは。「クロジカ請求管理」コンサルティングチームの花田です。

「サブスクリプション」通称「サブスク」は、もともとは新聞配達や雑誌の定期購読などの取引が対象で、一定の料金を支払うことで定期的に新聞や雑誌を届けてくれるビジネスモデルのことをいいました。

最近、よく目にするサブスクリプションでは、「音楽配信サービス」や「動画配信サービス」なども一般的です。

他にも様々なサブスクリプションが展開されていますが、新聞や雑誌という「モノ」の提供から、音楽を聴くこと、動画を観ることといった「体験=サービス」の提供へ移行しています。

デジタル化の進展により、多くの事業者が新しいサービスを開発・提供し、利用者も便利に活用しています。

一方で、サービスの多様化により請求体系が複雑になっているのが現実です。ここから、サブスクリプションビジネスにおける請求処理について解説します。

サブスクリプションの請求処理は複雑

音楽配信サービスを例に、従来型の売り切りビジネスとサブスクリプションビジネスの特徴を説明します。

従来の売り切り型のビジネスでは、1件の受注に対し製品やサービスを納入した時点で請求書を発行し、入金を確認することで一連の取引が完了します。CDの販売をイメージするとわかりやすいです。

一方、サブスクリプションは、製品やサービスの利用期間に応じて継続的に利用料が発生するビジネスモデルです。

こちらは、音楽を聴くというサービスを提供するもので、事業者により様々な提供方法が用意されています。

サブスクリプションの請求処理が複雑な理由

①請求体系が複雑

サブスクリプションビジネスは原則月額契約ですが、新規契約時の2ヶ月無料や、年間契約による割引、各種オプションなど、各事業者によって様々なサービスが提供されています。

これらのサービスメニューが増えると、メニューごとに利用料の計算を行うことや、請求書の発行要否の確認、売掛金や前受金の入金管理などの手続きが必要になります。

このように、サブスクリプションビジネスでは請求体系が複雑になりがちで、正確な計算を行うためには時間と手間がかかります。

②請求書の発行回数が多い

サブスクリプションビジネスでは月額契約の利用者に対し、毎月請求書を発行します。

前述のとおり、同じ利用者でもメニューの違いにより利用料が変わるため、毎月最新の契約内容に基づき計算し、請求書を作成する必要があります。

また、年間契約を行った利用者は年1回の支払いになりますが、誤って月額の請求書を送付することがないよう、注意する必要があります。二重請求は利用者の信頼を損なう大きなトラブルにつながります。

③契約変更の確認に時間がかかる

サブスクリプションビジネスでは契約メニューが複数あるため、利用者によって月ごとの利用料が異なります。

また、利用者の都合により契約メニューの変更や中断の可能性もあります。

そのため、毎月の利用料の計算を行う際に、利用者の契約履歴を確認し、利用料に変更がないかを確認する必要があります。

経理処理の方法

次に、サブスクリプションの経理処理について、いくつかの契約パターンを例に説明します。

①単月契約の場合

契約初月から毎月請求書を発行する基本的な契約形態となります。

4月の仕訳は以下の通り行い、5月以降も同様です。

請求書発行時(売上計上) :売掛金 500 / 売上 500
 売上金額の入金時(売掛金入金) :現金 500 / 売掛金 500

①単月契約の場合

②単月契約で、新規契約キャンペーンにより最初の2ヶ月が無料の場合

単月契約で2ヶ月無料の場合の会計処理

次は、新規利用者獲得のため、最初の2ヶ月を無料とする契約形態です。

この場合、契約当初2ヶ月分の請求はできませんが、年間売上高を12ヶ月で按分した金額を売上として計上します。一連の仕訳は以下のとおりです。

4月の売上計上(5月以降も同様):売掛金 420 / 売上 420
6月以降の売上金額の入金時:現金 500 / 売掛金 500

②単月契約で、新規契約キャンペーンにより最初の2ヶ月が無料の場合

※2ヶ月分無料のため、4月、5月の入金はなく、6月以降1ヶ月分の利用料500円が入金されます。

 売上計上と合わせて、誤って請求書を発行してしまわないよう、注意が必要です。

③年間契約の場合(単月契約から20%割引)

最後に、年間契約により、契約初月に1年間の利用料を請求する契約形態です。

この場合、まず1年間の利用料をまとめて請求するため、入金時の勘定は売掛金ではなく前受金となります。

また、毎月の売上高は、1年間の利用料を12ヶ月で按分した金額となります。一連の仕訳は以下のとおりです。

請求書発行時(前受金入金時) :現金 4,800 / 前受金 4,800
4月の売上計上(5月以降も同様) :前受金   400 / 売上   400

③年間契約の場合(単月契約から20%割引)

※1年間の利用料を前受金として入金済であるため、毎月の売上計上時は、前受金を取崩します。

 この場合も、売上計上と合わせて、誤って請求書を発行してしまわないよう、注意が必要です。

エクセルでの管理は大変?

これまで、基本的な契約形態を3つ紹介しました。今回の例は、全て4月から開始、請求額も毎月一定で1年間継続としています。

現実には、開始月は利用者によって異なりますし、オプションの追加や、途中解約など、変動要素は様々です。利用者が増えるにしたがって事務負担も増えていきます。サブスクリプションの請求管理をエクセルで行うことは可能でしょうか。

結論、エクセルによる請求管理は「可能」です。ただし、事務手続きに負担感がある場合はシステム化を検討しましょう。その理由として、例えば利用者がそれほど多くない場合は、事務手続きも少なくミスが発生するリスクも低いため、エクセルでの請求管理は可能でしょう。利用者が増えてくると、事務処理の負担感が増しミスが発生するリスクが高まります。利用料の請求誤りが発生すると、重大な信用問題に発展するため、その前にシステムへの移行をおすすめします。

請求書発行システムの導入を検討しよう

では、エクセルでの請求管理からシステムへ移行するメリットについて説明します。

請求書管理コストの削減

サブスクリプションは売り切り型と比較して契約管理や取引回数が多くなるという特徴があります。利用者の増加に伴い問題となるのが、人件費等の管理コストの増加です。システム化を進めることで、利用者の増加に対しても、一定の管理コストで対応できます。

事務負担の軽減

事務手続きの増加により利用料の請求誤りが発生すると、重要な信用問題に発展します。ミスが発生していなくても、請求管理の属人化により他の人では対応できない場合や、請求管理に埋没して他の業務に手が回らないといった問題が生じます。システム化により、これらの潜在的なリスクを解消できます。

請求管理の一元化

①請求データ作成、②請求書への転記、③請求書の印刷・郵送、④入金確認といった一連の手続きは、すべてシステムで一元管理できます。

また、システムの機能を活用することで、請求漏れのチェックや、請求データを利用した売上分析(利用者、契約形態別等)を行うことも可能です。

管理コストの削減にとどまらず、売上拡大にも効果を発揮できます。

まとめ

サブスクリプションビジネスは、契約の管理が複雑で、取引回数が多くなる傾向にあります。利用者が増え、事務手続きに負担感がある場合は、請求書発行システムの導入がおすすめです。

システム化することで、事務手続きや管理コストの削減が可能となるため、さらなるサービス向上を目指しましょう。

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