サブスクリプションサービスの前受金管理を自動化して効率化しよう!

こんにちは。「クロジカ請求管理」コンサルティングチームの花田です。

サブスクリプション/SaaS事業では、複数月の金額を一括前払いで受け取ることで、前受金管理に苦労されていることが多いのではないでしょうか。今回は前受金管理の自動化をご紹介したいと思います。

なぜ前受金管理が必要なの?

日本ではこれまで収益認識についての明確な基準は規定されていませんでしたが、2018年3月30日に企業会計基準委員会により、以下の会計基準とその適用指針を公表されたことで、収益認識基準がルール化されました(2021年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首から適用される予定です)。

  • 企業会計基準第29号「収益認識に関する会計基準」
  • 企業会計基準適用指針第30号「収益認識に関する会計基準の適用指針」
サブスクリプションの収益認識と売上計上のフロー

今回は、サブスクリプション/SaaS事業の収益認識を考えてみたいと思います。収益認識基準では、以下のようにソフトウェアの使用許諾権(ライセンス)の供与を「アクセス権(一定の期間にわたり収益認識)」と「使用権(一時点で収益認識)」に区分しています。

62. ライセンスを供与する約束が、顧客との契約における他の財又はサービスを移転する約束と別個のものであり、当該約束が独立した履行義務である場合には、ライセンスを顧客に供与する際の企業の約束の性質が、顧客に次の(1)又は(2)のいずれを提供するものかを判定する(第 66 項参照)。

(1) ライセンス期間にわたり存在する企業の知的財産にアクセスする権利([設例 25])

(2) ライセンスが供与される時点で存在する企業の知的財産を使用する権利([設例 23]及び[設例 24-2])

ライセンスを供与する約束については、ライセンスを供与する際の企業の約束の性質が (1)である場合には、一定の期間にわたり充足される履行義務として処理する。企業の約束の性質が(2)である場合には、一時点で充足される履行義務として処理し、顧客がライセンスを使用してライセンスからの便益を享受できるようになった時点で収益を認識する。

出典:収益認識に関する会計基準の適用指針 第 62 項

アクセス権と使用権を判定する条件は、以下の「収益認識に関する会計基準の適用指針 第 63 項」に定義されています。この第 63 項の(1)から(3)をすべて満たすときに、ソフトウェアの使用許諾権(ライセンス)の供与が「アクセス権」と判断されます。

63. ライセンスを供与する際の企業の約束の性質は、次の(1)から(3)の要件のすべてに該当 する場合には、顧客が権利を有している知的財産の形態、機能性又は価値が継続的に変化しており、前項(1)に定める企業の知的財産にアクセスする権利を提供するものである ([設例 23]、[設例 24-2]及び[設例 25])。

(1) ライセンスにより顧客が権利を有している知的財産に著しく影響を与える活動を企業が行うことが、契約により定められている又は顧客により合理的に期待されてい ること(第 65 項参照)

(2) 顧客が権利を有している知的財産に著しく影響を与える企業の活動により、顧客が直接的に影響を受けること

(3) 顧客が権利を有している知的財産に著しく影響を与える企業の活動の結果として、 企業の活動が生じたとしても、財又はサービスが顧客に移転しないこと

出典:収益認識に関する会計基準の適用指針 第 63 項

サブスクリプション/SaaS事業は、常に機能やデザインをアップデートしていきながら、顧客のニーズにマッチさせていきます(サービス自体は顧客には移転しない)。そのため、上記の「収益認識に関する会計基準の適用指針 第 63 項」に照らし合わせると、収益認識基準では、サブスクリプション/SaaS事業の売上は、アクセス権として判断されると考えられます。アクセス権と判断された場合には、役務提供が終わった分の金額のみを計上していくために、売上を分割計上する必要があります。

サブスクリプション/SaaS事業では、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月(年間)などのようにさまざまな契約期間があり、契約期間分の金額を一括前払いで受け取ることがあります。とくに新興企業のサブスクリプション/SaaS事業の場合は、キャッシュフローの問題で、複数月の金額を一括前払いで受け取る傾向にあるようです。また、顧客側が振込手数料や振り込みの手間を減らすために、一括して支払いたいと申し出ることもあります。

このように、サブスクリプション/SaaS事業で前払いで複数月の金額を請求して受け取った場合、売上を分割計上するために、まだ役務提供前の金額に関しては、前受金として管理することになります。たとえば、年間分を一括して請求した売上は、月ごとの役務の提供に合わせて分割計上していく必要があります。総額を12分割、当月売上以外の11ヶ月分を前受金として、役務終了まで毎月1/12ずつ仕訳しなくてはなりません。

サブスクリプションの前受金管理に追われる日々

年間払いなどのように複数月の金額を一括請求する数が少なければ、財務会計ソフトウェアで前受金として計上しておき、当月に役務提供が完了した金額のみを、当月の売上として振り替えて管理することはできます。しかし、年間払などの複数月の金額を纏めた請求数が増えてくると、この売上に振り替えて前受金を取り崩す前受金管理の手間がとても増えていきます。既存の売上の前受金を管理しながら、新規発注分の売上の前受金も追加で管理していかないといけなくなります。

そのため、請求数が増えても、時間や手間を増やさずに、毎月の前受金の管理が滞りなく終わる業務フローを構築する必要があります。その解決策として、前受金管理の自動化があります。

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クロジカでは、請求書を作成する際に、請求の品目ごとに継続課金または都度課金を指定し、計上月や売上を分割する期間を設定します。これにより、2ヶ月以上に渡って役務を提供する売上は自動的に売上が分割されて計上されます。役務提供前の金額は、前受金として自動的に集計されますので、前受金管理の自動化を実現しています。そのため、請求数に比例して前受金管理の手間は増えなくなります。

参考資料

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