売上の増減があっても手間が増えない前受金管理の方法とは?【インタビュー】

売上の増減があっても手間が増えない手間が増えない前受金管理の方法とは?

こんにちは。「クロジカ請求管理」コンサルティングチームの花田です。

企業の経営にとって売上金に関連する処理は重要です。経理担当者は顧客から売上金が入金されると、契約情報を確認し、どのように処理するか、売上にいつ計上するのか等を判断します。そこで悩みやすいのは1年や半年などの長期にわたる契約期間の売上金が先に入金されたケースです。前受金として処理をすることになりますが、管理が煩雑になりやすいという事例をよく耳にします。

今回、教育事業を提供する企業の経理担当者からお話をお聞きしています。インタビュー内容から、とくに悩ましいと感じている前受金管理について掘り下げています。現状どのような課題を生み出し、実際にはどのように処理されているかを確認し、具体的に課題と感じている点をまとめました。こちらの記事の中でこれらの課題をいかに解消できるか、その方策を検討します。

教育事業における売上とは

今回インタビューをさせていただいた教育事業の企業では、ある程度一定の期間にサービスを提供することを前提に契約をします。3ヶ月・6ヶ月・1年の契約があり、契約のもとで請求された料金を顧客が事前に支払うのです。このように他の教育事業のほとんどが先に顧客からの入金があり、その後サービス提供を行います。

通常、将来的に提供する予定の商品やサービスの営業活動から生じた前金などは経理処理上「前受金」の勘定科目を使用します。取引が完了していないうちに代金の入金があった場合に使用する勘定科目です。そして商品やサービスを提供したタイミングで「売上」の勘定科目へと振替を行います。今回のケースも同様に、先に受け取った料金は「前受金」として扱います。そしてサービスの提供が終了した部分に該当する部分を毎月「売上」へ計上する流れになります。そのため、顧客からの入金があった際、経理担当者は最初に請求内容と入金された金額が一致しているかを確認(入金消込)します。その後、その入金の背景にある契約内容を確認します。前受金として処理する場合は、前受金のうちどれだけの金額がどの時期で売上へ計上する予定なのか等を確認して管理します。この管理している内容から、サービスの提供時期が到来した月に、該当する金額を売上へと振り替えるのです。

前受金管理の課題

それでは、実際の経理担当者が感じている課題にはどんなものがあるのでしょうか。今回お話をお伺いしたところ、主な課題は以下の通りでした。

  • 請求書と入金消込は別システムで処理しているが、前受金・売上の管理はスプレッドシートのため手間がかかる
  • 教育事業のために休学などのイレギュラーなケースがあり、前受金・売上の管理が大変

手間がかかるためにシステム化したい、というだけでなく事業内容の特徴から売上額の増減というイレギュラーなケースにも対応しやすい仕組みが必要だと感じているようでした。

現在の前受金管理の業務

前受金管理をスプレッドシートで行うことがなぜ手間と感じるのでしょうか。ここで、前受金管理の業務手順を確認してみましょう。

  1. 顧客からの入金があり、別システムで入金消込作業を行う
  2. 入金があった請求・契約内容を確認し、サービス提供期間を確認する
  3. 入金内容のうちサービス提供前に該当する金額を前受金管理用のシートに転記する
  4. 前受金として処理した金額の一部もしくは全額がどのタイミングで売上処理になる(サービス提供が完了する)のかを把握する
  5. サービス提供が完了したら、会計処理上の処理として該当する金額を前受金から売上へ振り替える
  6. 前受金管理のシートに会計上の売上へ振り替えた内容を反映する
  7. 前受金管理のシートから前受金の残高や売上振替予定等を定期的に集計して状況把握する

前受金管理のために使用しているスプレッドシートへの転記や会計処理の反映作業など、手作業での処理が多い印象です。システムや会計処理の内容をシートへ転記した場合、転記した内容に間違いがないかという確認作業なども増えます。このような状況では多くの担当者が前受金管理は煩雑で時間のかかる作業だと感じるでしょう。

売上の増減でさらに複雑になる

ただでさえ管理に手間がかかる前受金ですが、今回の事例では業界独自のイレギュラーなケースがあるという点がさらなる悩みの種でした。

パターンが多いと売上の管理が煩雑に

たとえば、経理担当者が課題にあげていたように、休学の制度があることで先に受領した料金を会社としてどのように管理して処理をするのが良いのかの判断が必要です。サービスの提供が中断される形になり、前受金から売上へと振り替えることができない状況になります。たとえば、休学に応じて料金を一部はそのまま徴収し、残りは減免扱いをするというルールの場合、そのまま徴収する金額は厳密にいうと提供したサービスから得られたお金ではありません。その場合どの勘定科目で処理をするのか、何かしらの収入関連の科目で処理をするのか等の確認が必要です。また、減免される部分がある場合、その金額の会計上の処理はどうするのか、一見わかりにくいものです。(※)

このように前受金や売上の管理を行うなか、想定されたとおりに売上へ振替されないものや、振替予定の金額に増減が出てしまうことがあります。これらのイレギュラーな状況をスプレッドシートに盛り込むことはなかなか難しく限界があります。

※学校法人の場合、「授業料等の減免に関する会計処理及び監査上の取り扱い」(学校法人委員会報告第30号)に準拠して処理を行います。

前受金管理の煩雑さが与える影響

前受金管理に対して課題感を抱える企業にとって、前受金管理が煩雑になることで起きうるリスクを知っておくことは大切なポイントです。

度重なる確認作業やミスの発生が他の業務時間を削ってしまう

前受金管理を別シートで管理してしまうと、手作業の処理が増え、ミスが生じる可能性が高まります。また、ミスの発生を防ぐために確認作業にも時間を要します。このように前受金管理のシートを別で作成することで、他の業務にかける時間を削ってしまうという結果になります。

前受金管理・売上計上は企業の信頼性を左右することになる

前受金の管理は売上につながる重要な業務です。そこで正確な処理がされないと、売上に計上した金額に誤りが生じている可能性が高いです。これは経営の視点から、企業として正確な売上額の計上・把握ができていないことが企業の信頼性を損なうことにつながります。このような経営面のリスクを防ぐためにも、前受金管理の煩雑さは可能な限り解消できるようにすることが賢明でしょう。

前受金管理業務の課題に対する解決案

スプレッドシートによる前受金管理が煩雑になっていることで、経理担当者の負荷が増大してしまうのは非効率的です。シートで別管理するのではなく、契約・請求の情報と前受金の情報とを紐づけて同一のツール内で管理することが望ましいでしょう。そして、少しでも定例の取引や継続的な案件、単純な処理は自動化することがお勧めです。具体的には、以下のような方策で今回の課題が解決できるのではないでしょうか。

  • 請求書や入金消込と一緒に前受金の管理ができるシステムを活用する
  • 他のシステムの情報を容易にインポート・エクスポートして利用できるシステムを活用する
  • 定例・継続案件はなるべく手作業で更新する必要のないシステムで管理する
  • 休学等による売上額の増減などイレギュラーな処理は個別に更新・管理できるシステムを活用する

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