請求書発行、入金消込、売上管理で別々のシステムを利用している場合に統一するには?

請求書発行、入金消込、売上管理で別々のシステムを利用している場合に統一するには?

こんにちは。「クロジカ請求管理」コンサルティングチームの花田です。

近年では、SaaS等により様々な会計システムが提供されています。特に、2022年1月からは電子データで受領した請求書を電子保存することが義務化されることや、2023年10月からはインボイス制度が導入されること等への対応として、システムの導入を検討している方もいるかもしれません。

また、一部業務に既に会計システムを導入していて、業務効率化のために他の業務にもシステムの利用を拡大したいという方もいるかと思います。

以下では、請求書発行、入金消込、売上管理で別のシステムを利用している場合、統一するためにはどうすればいいかについて、具体的に説明していきます。

請求書発行、入金消込、売上管理で、なぜ別々のシステムを利用していたのか?

システムの統一をしようとする場合、そもそも、なぜ今まで、請求書発行、入金消込、売上管理を別々のシステムで利用していたのかを明確にしておくことが大切です。

なぜなら、その点がシステムを統一する時に障害となる箇所である可能性があるからです。

以下では、障害になることが多いと考えられる点について解説していきます。

ケース1:月末以外にも請求書を発行している場合

請求書発行システムと売上管理システムを別々に運用している理由として、請求書の発行を月末以外にも行っている場合が考えられます。

例えば、物販であれば商品を納品するときに、同時に請求書を発行している場合があります。様々な取引先と単発で取引することが多い業態の場合には、商品と請求書を別々のタイミングで送付するよりも一緒に送付する方が、請求書を早期に発行することができる上に郵送料の節約にもなるため合理的です。

また、継続的に取引している取引先であれば、一定期間の取引をまとめて請求することが多いと思われます。この場合、取引先の支払いの締め日に合わせて、月末以外のタイミングで請求書を発行する場合があります。

例えば、取引先が月末までに届いた請求書を翌月に支払うこととしている場合には、自社が月末に締めてから請求書を送付したのでは取引先の締めに間に合わず、翌々月の支払いとなってしまいます。

そのため、少し前倒しして20日等に締めて請求書を発行することで月末までに取引先に届くようにするといった対応をとることになります。

月末以外のタイミングで請求書を発行する手間はあるものの、売掛金の回収を早期に行うためには合理的な方法であるといえます。

このように、請求書の発行を月末以外にも行っているような場合には、請求と売上のタイミングが異なることから、別々のシステムを利用せざるを得ないということが考えられます。

ケース2:請求金額と振込金額の不一致が多い場合

また、売上管理システムと入金消込システムを別々に運用している理由として、請求書の金額と振込金額が相違することが多い場合が考えられます。

例えば、請求した金額が取引先から振込みされる際に、振込手数料をどちらが負担するのかという問題があります。取引先が負担することとなっている場合には請求金額がそのまま振込みされるため、振込金額で消込処理をしていけば良いことになります。

しかし、一部の業種等では商慣行により振込手数料を売手側の負担としている場合があり、振込手数料相当額が控除されて振込みされる場合があります。

この場合には、請求額と振込金額の間に振込手数料相当額の差額が発生することとなるため、控除された振込手数料相当額を加算して消込処理をしなければなりません。

また、取引先によっては、複数の請求書を合算で振込みしてくる場合や請求金額の一定割合が小切手や約束手形によって支払われる場合もあります。

このように、請求金額と振込金額が一致しないことが多い場合には、売上管理システムと入金消込システムを別々に運用している場合があると考えられます。

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請求書発行、入金消込、売上管理のシステムを統一するメリット

しかし、近年ではこれらの事情があっても請求書発行、入金消込、売上管理を統一的に行うことができるシステムが多くなってきています。

詳細な機能については利用するシステムによって異なりますが、以下では一般的なシステムを想定して統一化することによるメリットを述べていきます。

請求書発行と売上管理に重複する業務がなくなることによる効率化

従来のシステムでは、売上計上と請求発行を別々のタイミングとすることができず、請求書の締め日が月末以外の場合には同じシステムで対応できない場合がありました。

これに対して、現在は請求書の発行と売上計上のタイミングが異なっていても適切に処理することができるようになっています。

請求書発行システムと売上管理システムを統一化することにより、請求書のデータを集計して、売上管理システムに入力するという手間がなくなり、請求書発行が売上計上に連携できることとなります。

売上管理と入金消込に重複する業務がなくなることによる効率化

また、現在は売上管理・請求書発行と入金消込のシステムが連携することにより、システム内で請求内容を参照しながら入金消込することができるようになっています。

さらに、システムに口座登録をすることにより、オンラインで入金データを取込みすることができるため、銀行で記帳しなければ入金消込ができないということはありません。

従来、各システムが別々に運用されている場合には、入金消込システムで請求金額の消込み作業をした後で、売上管理システムでも売掛金消込の作業を行う必要がありましたが、この作業がなくなることにより、作業が効率化されることになります。

請求書発行、入金消込、売上管理のシステム統一化の方法

以上、システムを統一化することのメリットを解説してきました。

それでは、実際にシステムを統一化する際の具体的な方法について解説していきます。

システム統一の際のチェックポイント

自社の業務に合ったシステムを選択する

まずは、自社の業務に合ったシステムを選択することとなります。既に導入済のシステムに統一する方法もありますが、これを機会に他社のシステムを含めて、どのシステムが最も自社の業務に適しているのかを改めて検討してみると良いでしょう。

検討する際にポイントとなるのは、上記2で挙げた障害をうまく解消できるかどうかということになります。

導入サポートを受けられるシステムを選択する

また、システムの検討にあたっては、導入時のデータ移行や業務フローの変更等について、丁寧にサポートを受けられる会社かという点も重要です。

チャットによる対応がメインの会社であっても、導入期間中には直接来社して対応してもらえたり、オンラインの会議で説明してくれる等、親身になって対応してもらえる会社のシステムとすべきでしょう。

段階的に導入する

さらに、新システム導入後も、しばらくは旧システムを並行して稼働させておく等の対策も重要です。

同じ作業を新旧両方のシステムで重複して行うことになるため、大きな負荷となってしまいますが、万が一不具合が発生した場合には取引先にも迷惑がかかってしまう可能性があるため、やむを得ない対応であるといえます。

また、システムの統一化に伴い、請求書の様式や消費税の端数処理等が変わる場合には、取引先に対して事前にお知らせしておくと良いでしょう。

まとめ

以上、請求書発行、入金消込、売上管理で別のシステムを利用している場合、統一するためにはどうすればよいかについて、具体的に解説してきました。

自社の業務に合ったシステムを選択してシステムを統一化することにより、大きな業務効率化を図ることができます。

また、システム会社のサポートを受けながら導入することで、スムーズに移行を進めることができます。システムの統一化を検討される際には是非、参考としていただければと思います。

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