こんにちは。「クロジカ請求管理」コンサルティングチームの花田です。
収益認識基準という言葉をご存知でしょうか。収益認識基準とは、企業の収益をどのタイミングでいくら計上するのか、その基準を定めたものです。
企業の収益は、内部で把握することはもちろんのこと、外部にも公表される数字です。企業の現在の経営状況を分析するときに、非常に重要な指標になります。
製造業の保守契約を詳しく説明
ここでは製造業の保守契約について説明します。
製造業はものを作って販売するビジネスですが、製造業が生産した製品の中には、もしかしたら不具合品があるかもしれません。もちろん不具合が発生しないよう、最善の注意は払うのですが、それでも100%防げるとは限りません。また顧客が使用している中で、当初予想することができなかった不具合が発生する可能性もあります。
そこで、不具合や問題が発生したときに、製造業者が素早い改善を実施し、顧客が問題なく利用できるよう保守・修繕することを約束することがあります。この約束が保守契約です。
例えば、ある会社A社が顧客に製品を販売するときに、2年間の保守契約を結ぶとします。この場合、販売から2年間は、製品に不具合が発生したとき、A社は保守・修繕をしなければならないのです。
新しい収益認識基準とは?
先ほど説明した収益認識基準ですが、2021年4月から始まる会計年度で、基準が変更になります。この2021年4月からはじまる収益認識基準を、ここでは新収益認識基準と呼びます。
新収益認識基準適は、強制適用となる会社と任意適用となる会社があります。強制適用になる会社は、いわゆる大きな会社です。
厳密には、「最終事業年度に係る貸借対照表に資本金として計上した額が5億円以上」「最終事業年度に係る貸借対照表の負債の部に計上した額の合計額が200億円以上」というルールがあり、また上場企業や上場準備企業も、新収益認識基準の強制適用となります。それ以外の会社は、任意適用です。
収益認識基準の変更で、製造業の保守契約はどうなるの?
では、2021年4月から適用される新収益認識基準によって、製造業の保守契約はどのように計上されるのでしょうか。
変更前は、製品の販売が実現した時点で収益を計上していました。製品の販売をするときに、2年間の保守契約を締結した場合は、締結時点で契約料を収益に計上していたのです。
しかし、新収益認識基準適用後は、収益を計上するタイミングが変わります。
実際にどのように変わるのかといいますと、例えば、製品と2年間の保守契約をセットで販売したとします。製品販売と保守契約の値段は、トータルで24,000千円です。
その製品は、セットでなければ20,000千円で通常は販売されているとします。そうすると保守契約の価格は、4,000千円です。
この場合、以前の収益認識基準では、製品が販売された時点で24,000千円の収益が計上されていました。
しかし、新収益認識基準適用後は違います。
新収益認識基準では、保守契約の販売価格4,000千円は、販売された時点ではなく、2年間にわたって計上されるのです。
したがって、新収益認識基準が適用された後の収益は22,000千円で計上されます。なお翌年は、残り2,000千円の収益が計上されます。
まとめ
ここまで、新収益認識基準についてと、適用後に製造業の保守契約がどのように計上されるのかについて説明してきました。
大きな会社では、2021年4月から、新収益認識基準が強制適用となりますので、慣れるまでは大変だと思います。
新収益認識基準の意味をしっかりと理解して、収益を認識するタイミング、金額を間違えないようにしたいですね。
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