こんにちは。「クロジカ請求管理」コンサルティングチームの花田です。
コピー機をリースする際にはリース契約の締結に加えて、保守契約にも別途加入する必要があります。保守契約とは、コピー機が故障した場合の修理や、不具合が発生した場合の対応を主な内容とします。コピー機は仕組みが複雑であるうえに、利用回数も頻繁であるためにトラブルが発生しやすく、リース期間中は保守契約も必須となります。
保守契約の締結に際しては、一定期間の保守料を前受金として受け取ることが一般的です。このため、前受金管理が特に重要となります。本記事ではコピー機の保守契約における前受金管理についてポイントを解説します。
保守契約における前受金管理の重要性
前受金とは、ごく簡単に言うと「事前に受け取ったお金」のことであり、顧客へサービスの提供が行われる前に受領した代金を意味します。仕訳の際には負債科目として計上されます。負債科目とされる理由は、前受金は顧客に対してサービスの提供をしなければならない状態を表しているからです。つまり、前受金は金銭を受領した時点では、役務の提供がなされていないため収益には計上されず、役務提供が完了した時点で初めて収益に計上されます。
前受金管理でポイントとなるのは、負債科目である前受金から収益科目である売上高へ振り替えるタイミングです。これを誤ってしまうと、当該会計年度における収益額が過大になったり、過小になってしまいます。この結果、税務調査で指摘を受けたり、決算書への記載が過誤になるというリスクにつながりかねず、前受金管理には特に注意を要する所以です。
前受金の仕訳
保守契約において前受金はどのような仕訳となるでしょうか。以下では具体的な事例をあげて説明します。
事例は、リース会社A社がコピー機をB社に対してリースして、1年間の保守契約を締結し、保守料12万円を前もって受領したというものです。
この場合の仕訳は、借方に現金12万円を計上し、貸方に前受金12万円を計上します。ここで大切なのは、どのタイミングで収益に振り替えるかということです。収益に振り替えるタイミングは、保守サービスが完了した時点となります。振替を行うタイミングがズレると全体の損益にも影響が出る恐れがあり、慎重に行わなければなりません。
この事例でいうと、収益に振り替えるタイミングは、毎月のメンテナンス実行時が基本となります。つまり、契約締結から1ヶ月後に定期メンテナンスを行った場合、借方に1万円を計上し、貸方に1万円を計上します。その後、メンテナンスを毎月実施していき、1年間経過した後、当初の前受金12万円はすべて収益として計上されます。経理担当者は保守サービスがどのように実施されたのかを的確に把握して、会計処理を行わなければなりません。現場と経理担当者との連携が求められるところです。
また、顧客が複数存在する場合には、その前受金がどの顧客から受領したものかということも明確に区別しなればなりません。入金元の顧客を間違えると、本来は収益に計上するべき前受金がずっと帳簿上に残ったままになってしまいます。
まとめ
以上で指摘したようにコピー機の保守契約では必然的に前受金管理を行わなければなりません。しかし、顧客が増えれば増えるほど当然ながら管理すべき件数も増加します。エクセルやスプレッドシートを用いての管理には限界があるのも事実です。場合によっては前受金管理を専門的に行えるシステムの利用も検討すべき選択肢となります。経理担当者の方におかれては自社の状況から最適な前受金管理システムの導入を進めるべきです。
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