こんにちは。「クロジカ請求管理」コンサルティングチームの花田です。
サブスクリプションビジネスにおける代表的なKPIとしてMRR(Monthly Recurring Revenue)、日本語に訳すと月間経常収益があります。拡大を続けているサブスクリプションビジネスの経営において、このMRRの把握は欠かせません。この業界の経理担当者はこのMRRの把握を意識する必要がありそうです。
今回、施設管理サービスSaaS企業の経理担当者にお話を聞くことができました。とくに顧客ごとのMRRの把握に課題感を感じている現状など、現場の声が参考となるのではないでしょうか。こちらの記事では、サブスクリプションビジネスにとって重要な指標のMRRが持つ意味今一度確認しつつ、経理としてMRRを管理・把握していく方策を検討します。
目次
MRRとは?その特徴を知る
先述の通り、このMRR(Monthly Recurring Revenue)とは「月間経常収益」のことを指し、「毎月決まって発生する売上」を示す数値です。この算出時に注意が必要なのは「初期費用」や「追加費用」「コンサルティング費用」などは含まないという点です。売り切り型のサービスや、一度限りのサービス等、予測ができない収入は含まずに計算されます。逆に言えば、繰り返し取引が発生することが確定している売上を月次ベースで把握するのが、このMRRです。年間契約の案件や、契約開始時期がずれるサービス形態でも、そこから算出される月次ベースに変換した売上を計算するのです。
これまでの説明でお気づきかと思いますが、MRRは経営戦略的な指標、資金繰りなどの参考とされるため、通常の会計上の収益の認識とは異なります。
インタビューをさせていただいた企業では、サービスの料金体系が基本料金+従量課金です。つまり「毎月決まって発生する売上」として、基本料金を切り分けて算出する等、経理担当者も経営的な視点をもつことが必要になります。
企業が抱える現状の課題
今回お話を伺ったこちらの企業では、サービスの料金体系が基本料金+従量課金である事や、請求額の管理法や会計システムへの計上方法の問題から、顧客ごとのMRRの把握ができていないとのことです。そのため売上数値の分析が困難であり、顧客ごとへの営業戦略・サービス展開に活かしきれない点に課題を感じられていました。
現行の請求から売上計上までの流れ
こちらの企業では、請求情報の管理には専用システムを利用しておらず、スプレッドシートで管理をしているそうです。また、売上の計上業務は財務会計システムを利用していますが、もとの情報であるスプレッドシートの中で数ヶ月分の分割を行っている場合とそうでないケースとあるため、会計システム上の売上計上額が、何ヶ月分の売上に相当するのか、また、その中に初期費用などの一度きりの売上が混在しているのか、すぐにはわかりません。これでは、月次の正確なMRRの数値把握が難しい状況です。
正確なMRRの把握ができる売上計上を行うには?
MRRをリアルタイムに表示できるシステムを利用する
スプレッドシートの情報の入力項目などを変更し、CSVなどで上記のようなシステムにインポートすれば、即座にMRRが算出できるでしょう。
サブスクリプションの特有事項に強い請求システムを活用する
また以下のような機能を持つ請求システムであれば、MRRの算出に有効です。
- 「毎月決まって発生する売上」とそうでないものとを分けて管理できる機能(例:基本料金と従量課金)
- 年間契約や一括入金がある場合に月次ベースで分割して売上金額を算出できる機能
- 会計システムへの連携が可能な機能、互換性があるシステム
(会計システム上でMRRなどの数値集計がしやすくなります。)
また、スプレッドシートに入れていた作業をこれらの請求システム入力に置き換えることができれば、作業の効率化になります。
経理担当者には、企業のあらゆる数値の管理・把握が求められます。今回の記事では特にサブスクリプションビジネスにおけるMRRを意識する必要性を見直しました。自社に合ったシステム活用や取り扱いやすい数値管理法を検討・選択していきましょう。
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