ハードウェアメーカーの保守契約における継続課金の月次売上の方法を理解しよう

ハードウェアメーカーの保守契約における継続課金の月次売上の方法を理解しよう

こんにちは。「クロジカ請求管理」コンサルティングチームの花田です。

ハードウェアメーカーにおける保守契約の対象は、ハードウェアに不測の障害が発生したときの復旧作業、障害予防のメンテナンス、あるいは専用プログラムの更新またはバグの修正、技術的な質問対応などです。

このような保守契約の締結は、通常、ハードウェアを納入したベンダーが顧客と結び、ベンダー自身が対応する場合と、ベンダーがメーカー等の第3者に委託するケースがあります。

保守契約は顧客およびベンダーの双方にメリットがある

顧客側のメリットは、万一の製品の故障や不具合時に速やかに復旧ができることで、業務が停滞するリスクを低減できるほか、修理が必要な場合でも、保守料金内で済むことです。

そのため、顧客側で保守契約の締結を躊躇うことは少なく、ベンダー側からも積極的に保守契約を顧客に勧めています。これにより、ベンダー側に追加の課金収入が長期間に渡って見込めるメリットがあります。

保守契約のそれぞれのメリット

保守契約における課金体系と期間

一般的な保守金額は、ハードウェアの保守契約なら販売額の10%前後が多く、ソフトウェアでは販売額の20%前後がよく見られています。

多様な顧客の要望に応じて、様々な保守オプションを用意することもあります。例えば、深夜延長オプション(24:00まで)、土日祝日対応、年末年始の待機対応などです。大型の機材や大規模な基幹ソフトウェアの場合には、顧客に常駐して保守サービスを提供することもあります。

最近は、通信サービスやクラウドサービスなどで、SLA契約(Service Level Agreement)に基づいて、サービスの水準あるいは品質を事前に定めて、どの程度までサービス品質を保証できるかを示しています。

この場合、比較的高額としていた保守契約について、その品質を保証できなかった場合に、その保守料金を割り引くこともあります。

保守契約の期間は1年あたりの自動更新を前提としていますが、3年間、5年間と中長期に渡る場合もあります。

保守契約の課金体系

保守契約の課金は、契約期間に渡って、1か月単位で顧客に課金することが一般的です。

高額な保守料金が見込まれる場合には、顧客がディスカウントを目的に半年、1年、あるいは数年間分の保守料金を一括で前払いとすることがあります。

ハードウェアの販売と同時に保守契約の前払い代金を受ける場合の収益管理は、原則として「新収益会計基準」に基づき、顧客から受取った金額を機器の販売代金と保守契約の前受分にそれぞれ区分しなければなりません。

この前受とした分は、契約期間に渡って配分し、売上を認識します。

継続課金の売上管理

一般的に継続課金となる保守契約では、月次で売上を管理し、かつ前受分があるときは当月に対応する分を売上に振り替えなければなりません。

継続課金では、顧客に対する課金日をいつにするかを、顧客との契約により定めます。25日、月末日とすることが多いようです。

実務上は、毎月の売上管理の便宜上、5日の課金でも15日の課金でも日割りとせず、該当月度の1か月間の売上とすることが容認されています。

オプション契約がある場合の売上管理では、例えばオプション料金は月額課金とし、さらに実費として、土日対応による人件費コストを顧客に別途請求することがありますので、この変動売上部分を管理できるよう管理する必要があります。

適切な契約管理も重要

売上の適切な管理のためにも、顧客との契約状況を常に最新の情報にアップデートできる仕組みと体制の構築が必要です。

特に、月途中の新規契約あるいは解約時に、日割りで請求をする場合や、オプション契約の追加等、課金計算の直前で契約の変更がある場合に留意します。

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