こんにちは。「クロジカ請求管理」コンサルティングチームの花田です。
継続的取引の基本となる契約書には、印紙がきちんと貼られているか、印紙税法の観点からしっかりとしたチェックが必要になります。
継続的取引における売上管理では、契約ごとの取引事情を鑑みた適切な売上の計上と、取引情報を分析して、顧客との長期にわたる契約の維持を目指すことが重要なポイントとなります。
目次
継続的取引の基本となる契約書とは
継続的取引の基本となる契約書とは、「同じような取引」を何度も繰り返す場合に、その取引条件を定めた契約書のことです。
「同じような取引」とは、一般的に賃貸借契約、持続的な商品の供給に関する契約、複数回にわたる役務提供サービスが想定され、当事者の一方が相手方に対して、商品または役務の提供を継続する義務を負うことを内容とするものです。
一方、1回だけの取引の場合は、「個別契約書」として、契約当事者のそれぞれの権利と義務を定めます。
継続的取引の基本となる契約書 印紙が必要な契約書とは
印紙が必要になる契約書(課税文書といいます)は、印紙税法において第1号から第20号までの20種類を定めています。ここでは以下の2種類を説明します。
継続的取引の基本となる契約書(第7号文書)
主に継続的な取引を目的とした条件を定めた契約書で、印紙税額は4千円です。
契約期間が3ヶ月以内で、かつ、更新の定めがない場合は、第7号文書に該当しません。その場合でも、記載されている内容によっては、第2号文書に該当する場合がありますので、留意が必要です。
請負に関する契約書(第2号文書)
一般的に、仕事の成果物(納品)を目的とした契約書です。第7号文書に該当しないとされる継続取引の契約書(契約期間が3か月以内でかつ更新の定めがない場合)でも、目的物の種類、取扱数量、単価、対価の支払方法等が記載されている場合は、第2号文書に該当することになります。
印紙税額は、契約金額によって異なり、100万円以下の契約で印紙税200円、500万円を超え1千万円以下の契約で印紙税1万円です。なお契約金額が1万円未満のときは、印紙は不要(非課税)です。
電子契約なら印紙税はかからない
クラウドサービス等を利用した電子契約による場合、印紙税は不課税となります。契約書をPDFにして取引の当事者にメール等で送付しても、印紙税はかかりません。
そのため、多数の契約を締結する事業者(例えばクレジットカード会社)が電子契約に移行することで、「基本契約書」の印紙税4千円と、カード債権の譲渡条件が記載される「個別契約書」の印紙税200円を削減できるとともに、郵送費用も無くなることで、大きなコスト削減を期待できます。
また、契約書が電子化されることで、紛失防止と、有効期限の確認を容易にできるメリットもあります。
継続的取引では売上管理のためにシステムを利用することが望ましい
継続的取引では、売上を計上するタイミングが重要になります。
これらの処理は、集計期間、複合取引等により複雑さが増すことがあり、計算ミスが生じないように、システムで管理することが望ましいです。
そして、販売管理あるいは請求管理システムと、会計システムとをCSVファイルを介して連携(またはAPI連携)することで、経理処理の負担も少なくなり、月次決算の早期化にもつながります。
売上管理:売上の計上時期の検討
継続的な役務提供サービスの売上は、通常、毎月末を締め日として1か月相当の売上を計上します。留意点として、契約初回の契約日から月末まで、あるいは月初から契約終了日までは、日割り計算により、売上を計上する必要があります。
商品販売取引の場合、出荷基準あるいは納品基準で売上を計上することが一般的ですが、上場企業等では、2021年4月から新収益認識基準(あるいはIFRS等の会計ルール)に基づいて、所有権が顧客に移転する時期に売上を認識します。
取引形態によっては、複数回分の取引代金を先に受け取る(前受金)とするケースがあります。この場合、前受金から売上への振替を適切に対応できるようにしなければなりません。
適切な売上管理により、収益の最大化を目指そう
市場シェア、占有率の拡大を目指すために、クライアント毎の生涯収益の最大化(Life Time Value)を引き上げる考え方が、広く認識されるようになりました。
売上管理データは、クライアント毎の購買履歴や、潜在需要の観点からデータベース化することで、どのクライアントに対して、どのようなアプローチをすればいいかを、分析するための材料になります。
例えば、クライアントが好みそうな商品を勧める「クロスセル」の可能性や、より上位の商品を勧めることでクライアントの満足度を高める「アップセル」を検討します。
もしくは、利用率やサービスの満足度が低いクライアントには、契約の継続を促すために、追加オプションの無料提供や、利用料金の減額「ダウンセル」も検討できるでしょう。
また、クライアント毎の支払い状況、返品につながるクレーム情報、問い合わせ履歴もデータベース化することで、クライアントに対する与信管理、顧客離れの予兆発見にも役立てることができるでしょう。
参考資料
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