請求書の印鑑は電子化OK?電子印鑑を導入して押印業務をDXしよう

こんにちは。「クロジカ請求管理」コンサルティングチームの花田です。

新型コロナウイルス感染症の影響もあり、テレワークやリモートワークという新しい働き方を経験した企業が増えてきました。

しかし、テレワーク中であっても、紙の書類に承認印を押してもらうために出社する社員もおり、脱ハンコは日本にとって非常に重要な課題となっています。今後、日本は脱ハンコを進めていくことができるのでしょうか。

今回は、請求書の脱ハンコを実現する方法や経理に関わる担当者もテレワークに対応できるようにハンコを電子化する方法について解説します。

テレワークとは?

テレワークとは、情報通信技術を活用し、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方のことを指します。コロナ以前から、東京オリンピックを契機とした働き方改革の一つとして、テレワークが挙げられていました。

2020年4月27日時点で、すでに経済財政諮問会議から「印鑑主義の見直し」が指示されていますが、まだまだ印鑑離れが進んでいるとは言い難い状況です。さらに、テレワーク開始後も、遠隔地での勤務は認められても、ハンコの承認や認証を得るために部下が出社することを求める日本企業は少なくありません。

そのため、会社に出勤するための報告や予約に多くの時間を割かなければならず、「テレワークをしていない」と感じる人も少なくありません。

請求書に印鑑は必要なのか?

そもそも、請求書にハンコを押すことは義務付けられているのでしょうか?

実は、法律的には、請求書を送らなくても請求そのものについては有効とされています。また、請求書に印鑑を押すことは、法的には義務ではありません。

しかし、請求書に印鑑が押されていることは、法律上だけでなく、ビジネスマナーとしても重要です。印鑑が押された請求書は、文書の信頼性を高め、文書の出所を証明する役割を果たします。

これは、取引の当事者である売り手と買い手の双方にとって、非常に有益なことです。売り手にとっては、印鑑付きの請求書があれば、税務調査の際に、取引が行われ金銭を受け取ったことを政府に対して容易に証明することができます。

また、買い手にとっては、請求書に印鑑が押されていることで、お金が本来の用途に使われていることを保証することができるのです。

さらに、買い手と売り手の双方にとって、書類に印鑑が押されていることは、取引の円滑な処理に役立つだけでなく、後々起こりうる問題を軽減することにもなります。

電子署名と電子契約

2020年4月27日の経団連会長の記者会見で、印鑑に代わるものとして、電子署名が挙げられました。この電子署名は、これまで印鑑が担ってきた役割を電子化することで果たすことになります。

この電子署名が普及すれば、請求書の発行も電子化され、ペーパーレス化を大きく推進することができます。これまで日本では、電子商取引サイトを利用する際など、多くの人がすでに電子契約を結んでいました。

しかし、金額が大きい契約や企業間の契約など、ある種の契約では紙の契約書が使われることが多く、電子署名が行われることは稀でした。今後、電子署名が大きく普及すれば、電子契約は急速に増加し、ペーパーレス化が一気に進む可能性があります。

脱ハンコに向けた政府の見解

2020年6月19日に内閣府、法務省、経済産業省は、日本国内において「押印についてのQ&A」と呼ばれる文書を発表しました。この文書において、特に定めがない限り、契約書に押印をしなくても法律違反にはならないという見解が示されました。

請求書に押すべき印鑑にはどのようなものがある?

請求書に押すべき印鑑には「実印」「認印」「銀行印」の3つがあります。

実印、認印、銀行印

実印とは、法務局に登録した印鑑のことで、1社1個の原則があります。重要な取引や契約の際に使用される印鑑です。法務局に登録されているため、会社の印鑑であることを公的に証明でき、法的効力があります。大きな丸い印鑑を使う会社が多いです。

認印は、公印ではありませんが、発行者が確認・承認したことを証明するものです。角印で作られることが多く、"社印 "と呼ばれることもあります。角印は、日常的な使用による破損や磨耗の心配が少なく、繰り返し押せることから、請求書などに便利とされています。

また、銀行口座開設の際に金融機関に届け出る銀行印も、多くの法人が持っています。この種の印鑑は、高価な紙に押印し、安全に保管するのが一般的です。

請求書に捺印することは法律で義務付けられているわけではありませんが、多くの企業で認められている習慣です。印鑑を押すことで、公的な信頼性が増し、その請求書が正当な発行元であることを法的に証明しやすくなります。

請求書における印鑑の押し方

印鑑は一般的に、会社情報(会社名、住所、電話番号など)が書かれているところに押されます。多くの場合、印鑑の一部が社名と重なるように押されています。社名と印鑑が重なるという意味に加え、請求書が改ざんされていないことを証明する役割もあります。

社名と一緒に印鑑を押すことで、両者を永久に結びつけ、文書の正確性を確保することができるのです。また、印鑑を押すことでセキュリティ対策にもなり、書類や関連情報が信頼できる会社の印鑑で封印されているという安心感も得られます。また、印鑑は、どの企業が発行した書類なのかが一目でわかるようにするための識別記号の役割も果たします。

印鑑を持つことで、企業は容易に認識され、法的拘束力のある文書を受理し確認する際に必要なより一層の信頼性を提供することができます。

訂正印は使っても問題ない?

一般的な文書にミスがあった場合、二重線を引いてその上に訂正印を押しますが、請求書の場合は再発行することが望ましいとされています。請求書はお客様に請求するための書類なので、間違いが明らかになった請求書を送るのは失礼にあたります。また、請求書を発行する際には、代表者などの了承を得る必要がある場合もあります。

そのため、安易に訂正をするべきではありません。ミスがあった場合は、正しい情報を記載した請求書を再発行する必要があります。もちろん、請求書を提出する前に、すべての関連する詳細が正確に入力されているかどうかを確認するために、文書を十分に校正することが重要です。

やむを得ず訂正印を押す場合は、二重線を引き、訂正印を押して訂正するのが一般的です。

電子印鑑について

電子印鑑とは、パソコン上で使用できる印鑑のことです。電子印鑑を使えば、WordやExcel、PDFファイルなどの電子データに、紙の印鑑を押すのと同じように印影を残すことができます。

電子印鑑は大きく分けて、単に印影を画像化したものと、使用者の氏名などの識別情報を含む印影を作成する「電子署名」に分けられます。電子署名には、電子証明書が添付されます。

押印者が押印したものであること、文書が改ざんされていないことを証明するためには、電子署名が望ましいとされています。

電子印鑑の導入方法

電子印鑑の導入を検討する際には、まず取引先が電子印鑑の使用を認めているかどうかを確認しましょう。電子帳簿保存法の改正を受け、電子化を進める企業が増えていますが、電子印鑑の使用そのものを認めていない企業もまだあります。

まずは、電子文書のやり取りが可能かどうか、オンライン請求書発行に対応してくれるかどうかを確認しましょう。取引先の要件を理解することが、安全で効果的な印鑑を作成するための鍵となります。

電子印鑑の使用を許可している場合、文書の安全性を確保するために必要なセキュリティのレベルを理解することが重要です。ビジネスパートナーの中には、識別情報を含む電子印鑑を要求する場合もあれば、印鑑の画像で満足する場合もあります。

最も効果的な印鑑を作成するために、ビジネスパートナーにどのような要件があるかを確認するようにしましょう。電子印鑑を作成する方法はいくつかあり、捺印する文書の種類によって方法が異なります。

電子印鑑を導入する方法

印影をスキャナーで取り込む

電子印鑑を実現する最も簡単な方法は、印鑑の画像をスキャンすることです。実際の紙に押された印影の画像を読み込み、画像データとして保存し、必要な書類に貼り付けます。この方法であれば、画像データを作成すれば、実際の紙に押された印影をパソコン上のWordやExcelのファイルに貼り付けることができます。

しかし、画像を貼り付けるだけなので、複製されたり、悪用されたりする危険性があります。誰でも他人の印鑑画像にアクセスし、貼り付けることが可能だからです。そのため、この印鑑の活用方法を利用する場合、企業は特に注意する必要があります。

電子印鑑を導入する前に、企業は印鑑が安全であること、アクセスが制限されていること、簡単に操作や偽造ができないことを確認するため、必要な措置を講じる必要があります。

また、印鑑の完全性を確保するためのポリシーを定め、あらゆる種類の誤用や操作から保護するために必要な内部チェックとバランスを確立することが重要です。

最後に、電子印鑑を使用する前に、会社の規則や内部統制の面で問題がないことを確認してください。

フリーソフトや図形挿入機能を使用する

フリーソフトやオンラインツールを利用するのも一つの手です。文字やデザインを選択して印影を作成できるソフトやツールは、インターネット上で簡単に入手できます。また、ExcelやWordの「図形の挿入」機能を使って、印影の画像を登録する方法もあります。

しかし、これらの方法では、印鑑の複製が簡単にできてしまうという問題も出てきます。文字やデザインは一定のパターンから選択するため、同一の印鑑画像を作成することは容易です。

オンラインやソフトウェアで作成した印鑑は、誰かが悪意を持ってアクセスし、印鑑画像をコピーすることが容易であるため、重要な文書には他の方法を使用することを強くお勧めします。

また、重要度の低い書類であっても、ネットやソフトで作成した印鑑を使用すると、書類や写真が改ざんされる恐れがあるため、注意が必要です。

電子印鑑サービスを利用する

印影に識別情報を含む電子印鑑を作成できるサービスを利用する方法があります。このような電子印鑑サービスでは、誰が、いつ、どこで捺印したかなどのデータを提供することができ、通常の印鑑よりも安全で信頼性の高いものとなっています。

電子印鑑サービスでは、従来の方法と比較して、より精密で正確な印鑑を作ることができます。電子印鑑サービスによって作成された文書は、改ざんができないため、文書と個人を明確に結びつけることができ、文書の信憑性を確認することができます。

まとめ

捺印業務が課題となっている企業では、請求業務そのものがデジタル化されていない場合が多いのではないでしょうか。紙ベースの業務が続いているため、アナログな紙や印鑑が必要なのです。

そのような場合は、請求業務そのものを電子化するシステムの導入を検討しましょう。印鑑の表示に対応した請求書発行サービスを利用すれば、請求書発行業務の自動化や印鑑を貼るために来社する必要がなくなります。

電子帳簿保存法の改正により、ペーパーレス化を含めたDX(デジタルトランスフォーメーション)の重要性は日に日に増しています。請求書印鑑の電子化をきっかけに、請求業務全般の電子化に取り組まれることをお勧めします。

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