こんにちは。「クロジカ請求管理」コンサルティングチームの花田です。
企業間で経済取引を行う場合、請求書の発行や取引に関する承認システムは必ず発生する業務です。取引先の増加とともに経理担当者の負担も急増し、効率化の必要性は自ずと高まるでしょう。
この記事では請求管理及び内部統制に関して解説し、システムの導入による業務改善を説明します。請求管理も内部統制も企業にとって不可欠の業務でありながらシステム化が進んでいない企業も多いです。システムを導入することで請求管理及び内部統制の業務改善を進めていきたいものです。
目次
請求管理の業務改善
業務フロー
請求の締めから請求書の発行、そして送付するまでの業務と、その後の入金確認は重要な業務です。提供した商品やサービスに対する代金を受け取るため不可欠といえます。請求管理とは実際にどんな業務フローで構成されているのかを次に示します。
①請求内容の確定
請求の締め日を期日として請求金額が 確定します。 商品やサービスを提供した後に代金を請求する形を取るのが基本です。
②請求書の発行と送付
確定した請求内容をもとにして請求書を発行します。 請求書に必要な内容としては、送付先情報・取引内容・請求金額・支払期限・振込先があります。 請求書の記載内容は多岐にわたるため管理者による閲覧と承認が必須です。
③入金管理
請求書を送った後は期限までに入金がされたかを確認します。 ここでは請求書に記載された金額と入金された金額が一致するかどうかまで確認しなければなりません。 また振込人の名義が請求書記載の名義と一致しているかもチェックします。
期日までに入金がなされない場合、督促を行わなければなりません。悪質な取引先があってなかなか支払いに応じないときは法的措置を講じることもあります。
入金確認を行った後には消込作業を行います。帳簿に記載された売掛金の入金が確認された時に該当するデータを削除します。消し込み作業まで行って初めて月次決算や締め作業ができるようになります。
請求管理の業務上の課題
上記の業務フローに関連してどのような業務上の課題があるのかを次に説明します。
第一にミスが発生しやすいことです。請求管理業務はシンプルとも思えますが、ミスは許されません。過誤請求は会社の社会的信用に関わります。
ところが、請求金額についてエクセルに手入力して計算していると時間がかかる上にミスが生じやすいです。取引先ごとにサービス内容を確認しながら計算と入力を行っているとどんなに注意していてもミスが生じてしまいます。取引先ごとに目視で内容を確認するのは取引先の増加に従って自ずと限界がくるでしょう。
第二に書類やデータの適切な保存が困難なことです。紙ベースで請求を行っていると保管・管理が難しいです。 請求書を保存するためのスペースも必要になってしまいます。 請求関連の書類は証憑書類とされ、7年間の保存義務がかされています。 紙媒体で保管するのはファイリングのための手間やスペースがかかってしまいます
請求管理をシステム化するメリット
請求管理システムを導入することで煩わしい計算や請求書の発行・送付や消込などの一連の業務を自動化できます。資料もデータで保存できます。データを取り込むだけで電子請求書が完成し、これをメール送信できるのです。請求の締めも自動化して確認作業の手間を削減できます。
また、クライアントごとの請求内容も自動作成できるので誤請求や請求漏れも防止できます。会計ソフトと連携することで会計処理まで一貫した流れの中で行えるのです。
システムを導入して請求業務が自動化されれば、業務が効率化されるだけではなく、人が行わなくてはいけない業務量が一気に減少します。その結果、労働環境が改善されて従業員の負担が減り、他のコア業務に集中できるのです。
実際の事例
人材派遣や清掃業を行うA社ではこれまで請求管理をエクセルで行っていました。請求書発行でまれに誤請求があり、業務改善を検討していました。システムを導入したことで顧客情報とひもづけられるようになり、データの転記ミスがなくなりました。入金情報と連携して消込作業も効率的に行えるようになったのです。
また、請求書もPDF化しデータで送付するようになりました。これまでは請求書を毎月1000件ほど手作業で郵送していたので大幅な効率化といえます。手作業の手間が減り、社内リソースを従来より30%以上もコア業務に割り振れるようになったのです。
実効的な内部統制の実現
内部統制とは?
企業における内部統制とは、企業活動の健全化のための社内ルールや仕組みのことです。業務執行が適切に行われ、会社が適切に運営されているか社内でチェックします。経営者には内部統制を行うシステムを構築する義務があります。
J-SOX法とは?
内部統制について規定するのがJ-SOX法です。J-SOX法では内部統制報告書と有価証券報告書を作成し、監査法人による監査を受けたうえで提出することが義務づけられています。内部統制報告書は、有価証券報告書に虚偽や誤りがないことを金融庁に報告するための書類です。
J-SOX法はアメリカのSOX法(企業改革法)に倣って2006年6月に導入されました。アメリカのSOX法は2000年代前半に起きたエンロン事件やワールドコム事件をきかっけにして成立したもので、J-SOX法の目的も内部統制を徹底し会計上の不正を防止することにあります。
J-SOX法の適用対象は全ての上場企業です。財務報告はグループ会社を含めた連結ベースで行われますが、内部統制も同様です。本社はもちろん子会社・関連会社も全て内部統制の対象となります。
IT分野における内部統制とは?
内部統制においては証憑書類の保存が重要ですが、ITの場合はシステムの操作ログやアクセスログを記録として利用します。不正の可能性があればログを解析して調査するのです。
このため、6ヶ月から1年程度のログを保存しなければなりません。
実際の事例
請求管理システムを導入すれば、内部統制も効率的に行えます。販売から請求書発行、入金管理までのプロセスで適切な承認フローを構築できます。
例えば、閲覧権限を定めてアクセス権を設定することが内部統制の強化につながります。他にもフォーマットに入力する形式にして入力内容の抜け漏れのチェックも可能です。
次に実際の事例を紹介します。
事例①
CADシステム開発を行うB社では、請求管理システムを導入して見積書や請求書の承認履歴が自動で記録されるようになりました。従来の問題点として、承認履歴が残らず内部統制では対処するのが難しいということがありましたが、システム化によって改善されました。
事例②
出版、広告、不動産などの事業を多角的に展開するD社では、請求管理システムを導入して見積書や請求書の発行を行う際にシステム上での申請・承認を要求するという業務フローに改めました。従来の問題点として決裁権者の承認がなくとも請求関連書類を発行できるということがありましたが、システム化によって改善されました。
まとめ
請求管理や内部統制は直接売上を担うものではありませんが、会社運営のためには必須の業務です。 手間がかかる割に目立たない業務ともいえます。 時間と手間がかかる割に多くの作業が必要となります。
だからこそシステム化による業務の効率化が求められます。 システムを導入して課題を解決し、企業の抱えるリソースをコア業務に割り振っていきたいものです。
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