こんにちは。「クロジカ請求管理」コンサルティングチームの花田です。
サブスクリプションとは元々、雑誌の定期購読を意味する用語でした。しかし、近年ではサブスクリプションビジネスというとユーザーが定額制の料金を支払うことで繰り返しサービスを受けられる形態を意味するようになりました。BtoCで代表的なところではNetflixやApple Music、Amazonプライムなどがあげられます。 また、BtoBでも、注目のビジネスモデルとして多くの企業が取り入れ始めているのがサブスクリプションです。
ところが、サブスク型のサービスを自社で導入したいと考えているものの事務管理の煩雑さから躊躇する企業も少なくありません。理由は課金体系が複雑であることに加えて、決済時と売上計上時、請求時の処理が複雑だからです。 特に請求書発行や前受金管理で難しさがあり、管理ソフトの導入は必須と言われています。
そこで、本記事ではサブスクリプションの管理ソフトを選定する際のポイントを請求書発行と前受金管理の観点から説明します。
目次
サブスクリプションの管理ソフトとは
サブスクリプションは当初、デジタル領域に限定されたサービスでしたが最近は車や洋服、サプリメント、食品などの非デジタル領域でも増えてきました。急速な広がりを見せるサブスク型ビジネスですが、導入すると請求管理や運営管理に非常に手間を取られてしまいます。毎月クライアントに請求書を送り、入金確認を行うのは事務処理上大きな負担です。
このため管理ソフトを使って請求と決済の管理を自動化することが業務効率化のために必須といえます。毎月の事務作業を自動的に処理できれば業務の負担は大幅に軽減されるでしょう。 余った労力で顧客サービスの改善を行えばクライアントの満足度もアップします。
請求書発行の観点
(1)サブスク型ビジネスを行う場合の請求書発行の難しさ
契約が続く限り請求書を発行し続けなければならないというのがサブスク型ビジネスにおける請求書発行の難しさです。クライアントが解約しない限り永久に請求書を発行し続けなければなりません。
しかも、毎月決まった請求内容を送れば良いというわけではありません。クライアントごとに毎月請求であったり、3ヶ月ごとにあるいは1年ごとになど請求するサイクルが異なります。請求の締め日も15日であったり、月末であったりとクライアントによって様々です。
さらに契約期間中に契約内容が変更されることも頻繁にあります。 サブスク型ビジネスでは料金体系も様々なオプションが用意されていることが一般的です。これを正確に把握して請求書を発行するのはシステム化なしには困難でしょう。 請求書の発行を間違えると会社の信用にも関わります。正確に出来て当たり前という業務の特性上、 属人的な作業に依存するシステムを続けるのは業務上のリスクとさえいえます。そうだとすれば管理ソフトを導入して業務の自動化を図るのは現実的な選択肢です。
(2) 請求書発行の観点からのサブスク型ビジネスの管理ソフトの選定ポイント
請求書発行という観点からどのような点に注意して管理ソフトを選ぶべきでしょうか。以下では2点を指摘します。
第一に、クライアントを登録して複数の請求書を一括発行して郵送できることです。 請求書発行で避けなければならないのは不注意からの請求漏れです。 毎月の請求内容を登録することで自動で請求書が作成されればこのようなミスを防げます。できれば 印刷と封入が不要で自動郵送できるソフトであるとさらに望ましいでしょう。
第二に、自動消込による入金管理ができることです。消し込み作業を目視で行うとミスが増えてしまいます。金額の確認ミスや消込の間違いは起きがちなミスです。人的なミスの防止こそシステム化の目的といえます
前受金管理の観点
(1)前受金とは
前受金とは商品やサービスを提供する前に代金を受け取った場合に使用する勘定科目のことです。前受金を売上に計上するタイミングは商品やサービスの提供が終わった時点となります。
サブスク型ビジネスでは利用内容やユーザー数に応じて料金を支払います。料金は月額払いであるケースも多いですが、年間利用契約を一括請求するケースも少なくないです。この場合、将来の利用料金を前払いしているため仕訳の際は前受金とされます。そして実際の利用に応じて収益計上するのです。
(2)エクセルによる前受金管理管理の限界
顧客の増加や提供するサービスの複雑化によって前受金管理も煩雑さを増していきます。どの顧客から前受金をいくら受領しているのか、収益計上できるのはいつかなど常に目を光らせなければなりません。
例えば年間契約を結んでいて1年分の料金を前払いしてもらう場合、エクセルで管理しているとすぐに事務処理上の限界がきてしまいます。 前受金を単純に期間で割って売上として計上するだけであれば問題は起きないでしょう。 しかし現実はもっと複雑です。月の途中で退会して日割り計算が発生したり、契約から一定期間は無料サービスを提供していたり、担当者が個別に事情を把握して手入力で処理しなければなりません。このような事情から エクセルによる前受金管理にはすぐに限界がくるのです。
前受金管理にエクセルを使うことはサービス開始当初は問題ありません。しかし、事業の成長とともにミスが起こりやすくなっていきます。エクセルによる前受金管理は長い目で見ると効率的な方法とは言えないでしょう
(3) 前受金管理の観点からのサブスク型ビジネスの管理ソフトの選定ポイント
前受金管理という観点からどのような点に注意して管理ソフトを選ぶべきでしょうか。 以下では3点を指摘します。
第一に、契約ごとに課金開始日と終了日を入力できることです。こうすれば日割り計算も自動化されて人為的なミスを防ぐことができます。
第二に、 サービスの課金体系をオプションまで含めてカスタマイズして入力できることです。できれば無料サービス期間まで設定できるとさらによいでしょう。クライアントごとに異なるサービス料金を、たとえ部分的でも手入力で行わなければならないのはミスの元です。請求内容はできる限りツールによって自動化することが望ましいです。
第三に、会計システムと連携できることです。前受金管理は会計処理とも連動するものです。そうであれば業者をシステム上でも同期させることは 単純なミスを防ぐ意味でも重要です。 会計ソフトへの入力の手間を省けて入力ミスの軽減につながります。
まとめ
管理ソフトを使えば、労力を減らしつつ効率的にサブスクリプション型ビジネスを運用できます。サブスクサービスを導入したものの請求や決済の管理業務が煩わしいという悩みはツールを使うことで解消されます。この際にポイントとなるのは請求書発行と前受金管理です。この記事で指摘した点に注意してシステムの選定を行ってください。
現在、物を所有することから利用することへ価値観が大きく変化しています。ユーザーの意識の変化を反映してサブスクリプション型ビジネスは今後ますます広まっていくでしょう。サブスクリプション管理システムの必要性もさらに高まっていくことが予想されます。この記事の内容がシステム導入を検討する際の参考になれば幸いです。
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