保守契約における前受金管理の重要性とは?仕訳例を交えて徹底解説

保守契約における前受金管理の重要性とは?

こんにちは。「クロジカ請求管理」コンサルティングチームの花田です。

コピー機の修理やシステムの不具合対応など、ビジネスを行う上で保守契約はなくてはならないものです。サービスを提供する側は、一定期間の利用料金を前受金として受け取ることが多いかと思いますが、管理は慎重に行うべきです。

この記事では、保守契約で収益を得ている企業の皆さまへ向け、前受金管理の重要性について仕訳例を交えて解説していきます。

保守契約とは

保守契約とは、製品(ハードウェア、ソフトウェア)が故障したり、不具合が発生したりした際に、修理などのサービスを提供する契約のことをいい、具体的には下記のようなものが挙げられます。

  • コピー機やエレベーターなどのメンテナンス
  • 故障時の修理
  • 業務システムの不具合対応
  • ユーザーからの問い合わせ対応(ソフトウェアの使用方法など)

契約の内容にもよりますが継続的なサービスであるため、提供側としては安定した収益を確保できることがメリットですが、売上(収益)の計上は慎重に行う必要があります。以下の項目では、保守契約での収益計上方法について説明します。

前受金とは

顧客へサービスを提供する前に受け取るお金を「前受金」といい、会計上の負債科目として計上します。前受金を受け取った段階では、顧客に対してサービスがなされていないため収益計上はしません。サービスの提供を完了したタイミングで、「売上」などに振り替えます。

保守契約では前受金を受け取ってからサービスの提供をスタートすることが多いです。具体的な仕訳例を下記に示します。

仕訳例1:X1年4月1日、Y社に対する保守サービスの提供開始にあたり、12か月分(X1年4月~X2年3月)の料金240,000円が当社普通預金口座に振り込まれた。なお、保守サービスの提供は1か月ごとに完了する。

借方貸方
科目金額科目金額
現金預金240,000前受金240,000

上記仕訳は、「料金を受け取った(前受した)が、保守サービス自体は未完了である」ことを表しています。

仕訳例2:X1年5月1日、Y社に対する1か月分の保守サービスが完了したため、売上を計上する。

借方貸方
科目金額科目金額
前受金20,000売上20,000

※240,000円×1か月÷12か月=20,000円

上記仕訳では、1ヶ月分の保守サービスが完了したため、前受金を売上に振り替えています。4月1日に計上した前受金240,000円(12か月分)から、20,000円(1か月分)を取り崩します。

なお、前受金に類似する勘定科目として「売掛金」や「前受収益」があるため、混同しないように注意しましょう。

保守契約における前受金管理の重要性

保守契約では、サービスを提供する前に利用料を前受金として受け取っているケースが多いと思われます。そのため、小売業などの業種と比べると、会計上の重要性が高いといえます。

前受金から収益科目へ振り返るタイミングを間違えると、その年度における利益の額が過大(または過小)となります。その結果、財務諸表の表示を誤ったり、税務調査で加算金を課せられたりする可能性もあるため、保守契約により収益を計上する事業では前受金の管理は慎重にする必要があります。

保守契約における前受金管理の重要性

前受金は、顧客や契約が増えるほど管理しなければならない件数も増加していきます。表計算ソフトなどで管理するとヒューマンエラーのリスクが高まるため、残高の集計や消込が自動でできるソフトやシステムの導入を検討してみてもよいでしょう。

まとめ

前受金は、サービス提供前に受け取ったお金を計上する負債科目です。サービスが完了した時点で初めて収益となるため、仕訳をする際は注意します。

また、保守契約など長期にわたり収益が発生する事業を行っている場合、前受金の正確な管理は会計上の重点項目となります。財務諸表への影響はもちろんですが、税務調査で指摘された場合は余分な税金を納めることもあるため、慎重に処理をしましょう。

顧客や契約数が多い場合は、専用のソフトやシステムを導入するとミスをするリスクを減らすことができます。スタッフの負担が重くなっていると感じるときは、ぜひ検討してみてください。

請求管理のことなら、私たちにご相談ください。

私たちは、請求書の郵送やメール送信ができる請求管理クラウド「クロジカ請求管理」を提供しています。 豊富な知見を活かし、お客様の業務フローに合ったシステムの連携方法をご提案します。 請求業務でお悩みの企業の方は、気軽にご相談ください。

請求書発行業務80%削減する方法とは?

無料ではじめる請求管理

無料ではじめる請求管理
クロジカガイドブック

「クロジカ請求管理」の詳しい内容がわかる資料をご用意しました。
  • 請求業務の課題と解決方法
  • 理想的な請求業務フロー
  • クロジカ請求管理の主な機能
  • 請求業務を80%削減した導入事例
  • 導入までの流れ

請求業務を80%削減

請求書発行・入金消込・売上計上を自動化して、時間とコストを削減する具体的な解決策を記載した資料をダウンロードできます。
クロジカの機能や事例が分かる
無料資料ダウンロード