こんにちは。「クロジカ請求管理」コンサルティングチームの花田です。
保険とは、広く一般から集めた資金を用いて万一の不幸に備えるという相互扶助の精神を基本とする仕組みであり、生命保険と損害保険に大別されます。生命保険は人の生死に関わる事象による損失を保障することを目的にします。
生命保険会社の業務は、生命保険の加入者の募集と保険金の支払手続きです。一方、損害保険は地震や水害など天災による損失はもちろん、事故や傷害、盗難による損失なども幅広く保障することを目的にします。損害保険会社の業務は、加入者の募集と保険金の支払手続きです。
保険業界のビジネスモデル
生命保険の場合、ビジネスモデルの特徴は、各社が全国に支社を配置して、そこに所属する販売員が家庭や職場を訪問したり、保険代理店の従業員が保険商品の募集やサービス活動を行うというスタイルでした。
損害保険の場合、ビジネスモデルの特徴は、代理店を中心とした販売体制が一般的でした。例えば、新車を買えばカーディーラーを代理店として自動車保険を契約し、賃貸マンションを借りれば、不動産業者を代理店として火災保険を契約するという具合です。結局、商品に付帯するサービスという感覚で保険商品を購入し、保険の契約をするという意識が乏しい中で契約する人が多いのが実際でした。
これまでは上記のようなビジネスモデルで生命保険・損害保険ともに経営を維持してきました。しかし、少子高齢化・人口減少の進行を背景としてこのようなビジネスモデルを維持することが難しくなってきています。そうだとすれば従来のビジネスモデルのデメリットとはどのようなものか、以下で指摘します。
まず生命保険について、以前は加入理由として父親が亡くなってしまった場合に子どもが成人するまでの生活費と教育費を保険金で補充するというのが最も多かったと思います。しかし、幼稚園と保育園、高校が既に無償化されており、大学も今後無償化されていきます。父親に万一のことがあった場合でも大学まで出られるようになるわけです。
また、非婚化の進行も顕著であり、50歳まで結婚しない人が全体の20%にもなっています。このような状況で昔のように生命保険への加入が進むわけがありません。しかも、現在は規制緩和によって競争が激化しています。具体的には、損害保険会社も子会社を作ることで生保販売に参入できたり、保険商品の銀行窓口での販売が全面解禁されています。
また、複数の保険会社と代理店契約を結び、様々な保険商品を販売する「保険ショップ」や「乗合代理店」とよばれる店舗も増えており、限られた顧客をさらに取り合う状況になっているのです。
次に損害保険について、人口減少社会を背景として自動車保有台数や住宅着工件数は伸び悩んでいます。このため、自動車保険や火災保険の新規契約は各社で顧客の取り合いになっているのが現実です。
また、従来のビジネスモデルは代理店が保険商品を販売するスタイルであったために、カーディーラーであれば自動車保険だけ、不動産業者であれば火災保険だけ、旅行代理店は旅行保険だけという縦割りの販売が基本でした。結局、トータルでのリスクをどのように低減していくのかという総合的な視点でのアドバイスはできていなかったのです。
保険業界にサブスクリプションビジネスを導入することのメリット
保険業界は従来のビジネスモデルを変革する必要に迫られています。ここでのポイントは二つあり、(1)規制緩和と(2)人口減少です。
まず(1)規制緩和について、従来は生命保険と損害保険の垣根が厳然として存在していましたが、現状ではほぼボーダーレス化しています。そうだとすれば、個人の生涯におけるリスク低減という視点から生命保険・損害保険問わず最適な保険商品の販売ができるわけです。今後目指すべき保険販売の姿とは、保険の種類に限定されず、多様な保険商品の中から顧客のリスクをトータルで低減させる保険商品の提案でしょう。これができれば、逆に規制緩和を追い風にできるはずです。
次に(2)人口減少によって顧客の絶対数が減るからこそ、顧客一人当たりへのサービスの質向上を目指す方向への舵取りが求められるでしょう。そのためには保険契約を結んで手数料をもらう従来のビジネスモデルから脱却して、顧客の資産形成やマネープラン作りのアドバイザーを志向するべきです。つまりアドバイザーとしてサブスクリプションビジネスを展開することになります。生命保険・損害保険の垣根を越えて総合的な視点から顧客に対してライフステージごとのリスク低減をアドバイスする。これをサブスクリプションビジネスとして展開できれば、保険営業の新たな可能性を開くことができるでしょう。
まとめ
日本社会は2010年代から人口減少という大きな曲がり角に差し掛かっています。これだけの変化の中、保険業界も従来のビジネスモデルからの変革が求められています。今後求められるビジネスモデルは何か、その問いに対する答えを社会は模索している途中ではありますが、サブスクリプションビジネスというキーワードが答えにたどり着くためのヒントになるのは間違いないです。
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