サブスクリプションビジネスモデルにおける一般会計原則(GAAP)

サブスクリプションと一般会計原則(GAAP)

こんにちは。「クロジカ請求管理」コンサルティングチームの花田です。

現在、サブスクリプションモデルが業種や業界を問わず、様々な分野で導入されています。この変化はあまりに急激であり、一般会計原則(GAAP)においても販売収益の認識や将来予測を伴う処理においてはいくつかの課題が指摘されています。

しかし、重要なのは些末な議論ではなく、「プロダクト販売型モデル」と「サブスクリプションモデル」の販売モデルの根本的な違いを捉えることです。そこで、本記事ではまずこの点を明らかにして両者の基本を示します。そうすれば一般会計原則(GAAP)における両者への理解も深まるはずです。

「プロダクト販売型モデル」と「サブスクリプションモデル」との違い

そもそも従来のプロダクト販売型モデルにおいては、とにかく良いプロダクトを生産して営業担当者が販売することが第一の目的でした。プロダクトの大量生産・大量販売という方式です。販売数さえ伸びていれば、製品を購入した後の顧客の満足度は二の次というのが本音のところで、いわば「顧客に販売するまでが勝負」という状況でした。このような状況はかつてのように経済が常に右肩上がりにある時代にあっては許容されていました。

しかし、時代は変化しました。経済成長の鈍化に伴い、物を購入したいという人々の欲求は低下しました。その一方で、敢えて物を購入せずに、サービスを利用して自らが体験することに価値を感じる人が増加したのです。これは、物自体が不足している状況から、物があふれかえっている状況へと、時代が変わったことを意味します。

このように時代背景が変化する中で台頭してきたのがサブスクリプションモデルです。サブスクリプションモデルは継続課金を前提としており、いわば「顧客に販売してからが勝負」になります。つまり、サービスの目的は顧客に一日でも長く利用してもらい、継続して利用料を支払ってもらうこととなるのです。このため、サブスクリプションモデルの場合、いかに顧客の満足度を高めて解約率を減らしていくかが重要視されます。

一般会計原則(GAAP)とサブスクリプション会計

一般会計原則(GAAP)の収益認識標準下では、サブスクリプションモデルは黒字化に時間がかかったり、利益率の低さを指摘されることもあります。しかし、ビジネスモデルとして、継続課金が前提となっている以上、その顧客が将来にわたって財・サービスを利用し続けることが期待されます。

企業からみれば、継続的に収益を得ることが担保されている状態なので、サブスクリプション会計では将来にわたって収益を得るという前提にたって会計処理を行う必要があります。

一般会計原則(GAAP)に照らしてサブスクリプション会計で重視される事項を以下に列挙します。

(1)ARR(年間定期収益)

繰り返し発生することが予想される収益の額です。注意すべきは、ARRには1回限りのスポット的な収益は含まれず、継続発生する収益のみが算入されます。通常の収益とARRが異なるのは、ARRが将来の予想値であることです。

(2)Churn(解約)

解約及びサービスのダウングレードなど離脱する顧客を示しており、多くの場合収益の単位で表されます。

(3)ACV(年間契約金額)

新規顧客よる購入や、既存顧客のサービス更新による収益増を表します。

(1)〜(3)の数値を「(1)ARR −(2)Churn+(3)ACV=次年度のARR」といった式にあてはめることで次年度以降の見込み収益を見通していくのがサブスクリプション会計の特徴となります。この点で上記(1)〜(3)はサブスクリプション会計の基本といえるでしょう。

一般会計原則(GAAP)で重視される事項

最後に

プロダクト販売型モデルにおいて特に意味を持つのは新規顧客の獲得でした。

しかし、サブスクリプションモデルにおいては既存顧客とのリレーションシップを高めてサービスからの離脱を最小限に抑えることが重視されます。一般会計原則(GAAP)においても両者のこのような違いから会計処理上の問題点が出てくるものといえます。

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