紙の請求書業務を電子化して効率化!システム移行をスムーズに行って無駄な業務を削減しよう

こんにちは。「クロジカ請求管理」コンサルティングチームの花田です。

皆さんの会社では、請求書をどのように発行していますか?

請求書を紙に印刷した上で、取引先に郵送している会社も多いことでしょう。しかし近年では、電子帳簿保存法の改正等、書類の電子化の流れが加速し、電子化に対応したさまざまなシステムやサービスが出てきています。

「請求書の電子化」と聞くと、少し難しい印象を受けるかもしれませんが、実は全く難しいことはありません。難しいどころか、請求書を電子化するとさまざまなメリットがあります。

そこでこの記事では、電子取引の第一歩として請求書を電子化するメリットや、システム移行の仕方を解説していきます。

「請求書を紙で発行しているが見直したい」「顧客数が多く、人力での請求業務に限界が見えてきている」というお悩みの方は、ぜひ最後まで読んでくださいね。

目次

紙の請求書を電子化する7つのメリット

請求書の電子化が世の中の流れであると言っても、メリットがなければ請求書の電子化をする意味がありません。

そこでここでは、紙の請求書を電子化するメリットを7つ解説していきます。

  1. 請求書に押印が不要
  2. 請求書の発送が不要
  3. 請求書の保管場所が不要
  4. 請求書の確認が容易
  5. 請求書のバックアップが容易
  6. 契約内容に応じた請求書が自動作成可能
  7. テレワークでも請求業務対応が可能

具体的な請求書発行作業をイメージしながら、読んでみてください。

紙の請求書を電子化するメリット1:請求書に押印が不要

メリットの1つ目は、請求書に押印が不要なことです。

紙で請求書を発行している場合、多くの会社では印刷して金額をチェックした後、会社印を押していることでしょう。会社印である以上、担当者自らが押すのではなく上長に確認を受けるなど、一定の手続きが必要になります。

請求書を発行するための手続きは、請求書の枚数が多くなると非常に時間がかかる作業となってしまいます。しかも請求書の発行は毎月の定例的な作業であるため、継続的に時間がかかってしまうことに。

しかし、請求書の電子化をすれば、電子データの請求書に直接押印することはできないため、請求書への押印が不要となります。

もし請求書に印影が必要な場合には、請求書のフォーマットに印影(会社印を紙に押した跡)の画像を入れて請求書の電子データを作成することで、対応可能です。

なぜ請求書に押印が必要なのか?

請求書に直接押印しないことで、不安に感じられる方もいらっしゃるかもしれません。不安に感じる場合は、そもそもなぜ会社印を押していたのかを改めて考えてみましょう。

取引先からすれば、会社印が押されている請求書と押されていない請求書があった場合、会社印が押されている請求書の方が、信憑性が高いと感じることは間違いないでしょう。

しかし、請求内容が正しいものであるかどうかは取引先でも確認できるため、会社印は必須の要件ではありません。また社内手続きとしても、請求書に誤りがないことをチェックすることが本来の目的であり、会社印を押すことが主な目的ではありません。

したがって請求書に直接会社印を押さずに、請求書のフォーマットに印影を登録しておき、金額などのチェックを確実に行っていれば、問題はないはずです。

請求書の電子化を行って、請求書へ押印をする手間を省略しましょう。

紙の請求書を電子化するメリット2:請求書の発送が不要

メリットの2つ目は、請求書の発送が不要なことです。

紙で請求書を発行している場合、請求書に会社員を押した後は、取引先ごとに発送することになります。発送するために封筒へ宛名書きをし、取引先を誤らないように注意しながら請求書を入れていかなければなりません。

もし異なる取引先の請求書を入れてしまえば、請求内容が他社に漏洩してしまうことになり会社の信用問題となるため、慎重に作業を進める必要があります。

そして封筒に請求書を入れ終わったら切手を貼って投函しますが、切手を貼ったり投函したりする手間もかかります。

以上のように紙で請求書を発行している場合には、請求書の発送をする際に、さまざまな手間がかかっていることが分かるのではないでしょうか。

一方で請求書を電子化すれば、請求書を発送する際の手間がほとんど不要になります。封筒への宛名書きや請求書を封筒に入れる作業が不要になり、代わりに電子メールに添付して取引先に送信するだけです。

また切手を貼って投函する作業も不要のため、郵送料もかかりません。

請求書の電子化は取引先にとってもメリットがある

請求書の電子化を行って請求書の発送が不要になった場合、取引先にとっても請求書が郵送よりも早期に到着するメリットがあります。

取引先側でも月次の決算で費用を確定させるために、請求書の到着を待っている可能性があります。

電子化した請求書を速やかに送付できることで、取引先の決算の早期化に貢献できる可能性があることも、メリットの1つです。

紙の請求書を電子化するメリット3:請求書の保管場所が不要

メリットの3つ目は、請求書の保管場所が不要なことです。

請求書を発行した場合、請求書の控えを保管しておく必要があります。

もし紙で請求書を発行している場合には、当然請求書の控えも紙のため、保存期間分の請求書の控えが書庫等に保管されることになります。請求書は毎月発行されるため、特に売上が増加した場合には、請求書の枚数が急激に増加することになりますよね。

一方で請求書を電子化している場合には、パソコンの中に保存しておくことができるため、書庫等に保管する必要がなくなります。

紙の請求書を電子化するメリット4:請求書の確認が容易

メリットの4つ目は、請求書の確認が容易なことです。

紙の請求書であれば、目的の請求書を書庫で1枚ずつ探さなければなりません。

しかし電子データであれば、検索機能によってすぐに目的の請求書を見つけられて、時間と手間がかからずに済みます。

紙の請求書を電子化するメリット5:請求書のバックアップが容易

メリットの5つ目は、請求書のバックアップが容易なことです。

紙の請求書の場合、保管場所が災害等で被災した場合には、請求書の控えも消失してしまうリスクがあります。

一方で電子データの請求書であれば、コピーも容易です。

定期的に別の場所にバックアップを取っておくなどの対策を行うことで、災害への備えが可能です。

紙の請求書を電子化するメリット6:契約内容に応じた請求書が自動作成可能

メリットの6つ目は、契約内容に応じて請求書が自動作成できることです。

請求書の電子化を管理するシステムに契約内容を登録しておけば、請求書が自動作成されるため、請求書を作成する手間・時間が省けるので便利です。

紙の請求書を電子化するメリット7:テレワークでも請求業務対応が可能

メリットの7つ目は、テレワークでも請求業務を行えることです。

紙やエクセルで請求書を作成する場合、紙に印刷して会社印を押す必要があるため、どうしても出社が必要になります。

しかし請求書の電子化を行うと、システムに接続できるインターネット環境があればどこでも作業ができるため、出社せずにテレワークでも請求業務を行えます。

電子取引の始め方

前の章では電子取引の第一歩として、請求書を電子化するメリットについて解説しました。

ここからは、電子取引の具体的な始め方を解説していきます。

請求管理システムの導入を検討しよう

電子取引の始め方は、既に自社で請求管理システムを導入しているかどうかによって異なります。

導入していない場合には、まずは請求管理システムの導入から始めると良いでしょう。

なぜなら電子取引をするために必要になる、請求書の電子保存ができるようになるからです。

電子取引は、電子的に授受した取引情報をデータで保存することですが、手書きやエクセルの請求書では電子保存ができません。電子取引を行う一歩目として、まずは請求書を電子保存できるようになる、請求管理システムの導入がおすすめです。

請求管理システムを導入すれば請求書の一元管理が可能

請求管理システムを導入すれば、請求書の一元管理ができることも、導入をおすすめする理由の1つです。

例えば手書きで請求書を作成している場合、PDFなどの電子データを作成するために、1枚ずつスキャナーで読み込みをする必要があります。

しかし手書きの請求書をPDFで読み込むと、紙と電子データの2つの請求書が存在することになるため、どちらが本書なのかという問題が生じます。紙の請求書が残ることで、電子保存できるという電子化によるメリットを十分に享受できません。

またエクセルで請求書を作成している場合にも、PDFファイルへの変換が必要となります。1つの請求書に対してエクセルとPDFの2つのデータが存在することとなり、間違いのもとになります。

一方で請求管理システムであれば、請求書の一元管理ができるため、上記のような問題は発生しません。

さらに、取引先へのメール送信を自動で行ってくれる機能を有しているシステムもあります。

以上のように請求管理システムを導入すれば請求書の一元管理ができるため、電子取引を始める準備がほとんど整うと言っても良いでしょう。

請求管理システム導入には初期費用がほとんどかからない

請求管理システムの導入をする際に、初期費用がほとんどかからないことも注目すべきポイントです。

近年の請求管理システムは、クラウドサービスとして提供されているものも多く、自社でサーバーを用意する必要がありません。したがって初期費用をほとんどかけずに、システムを導入することができます。

もしシステムの導入を不安に感じる方は、無料の試用期間があるシステムを利用してみると良いでしょう。

請求管理システムの導入は電子化以外のメリットもあり

請求管理システムを導入することで電子化ができますが、電子化以外にも様々なメリットを享受できます。

電子化以外のメリットは、以下の4つです。

1つずつ解説していきます。

電子化以外のメリット1:請求業務が重複せずに省力化できる

請求管理システム導入による電子化以外のメリットの1つ目が、請求業務が重複せずに省力化できることです。

取引は販売から代金回収までが一連の流れとなって続いており、請求書の発行も例外ではありません。取引先に商品を納品して売上を計上することで請求書を発行し、取引先から販売代金を回収できます。手作業の場合には、売上計上、請求書発行、入金処理といった一連の流れが別々の業務として行われていることが多く、それぞれの業務で重複する部分があります。

一方で、請求管理システムではこれらの業務を一元管理することによって、業務間の重複を取り除き、効率化が可能です。

例えば売上の計上は、1ヶ月分をまとめて集計して仕訳していても、請求書の発行は取引先ごとに行わなければなりません。手作業の場合、集計する単位が異なることによって事務作業が煩雑となり、集計の間違いが発生する可能性もあります。

しかし請求管理システムを導入すれば、期間単位、請求単位での集計を自動で行うことができるため、売上計上の作業を省力化することができます。

電子化以外のメリット2:複雑な入金業務を正しく確実に行える

請求管理システム導入による電子化以外のメリットの2つ目が、複雑な入金業務を正しく確実に行えることです。

入金処理を手作業で行っている場合、非常に複雑な業務となります。特に入金処理を複雑にしているのが、請求額と入金額が一致しないケースです。請求額と入金額が一致しない主な理由は、以下の通りです。

  • 振込手数料を差引して支払ってきたため
  • 未請求の分も前払いして支払ってきたため
  • 複数の支店に発行した請求書を本店でまとめて支払ってきたため

上記の理由で請求額と入金額が一致しない場合、そもそも請求管理システムで管理できるのか、不安に思われる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし請求管理システムでは、システム上で細かい粒度で管理しており、確実に正しく管理できるため安心して利用できます。

電子化以外のメリット3:通帳記帳の手間が省ける

請求管理システム導入による電子化以外のメリットの3つ目が、通帳記帳の手間が省けることです。

取引先からの入金を通帳で確認している場合には、銀行からオンラインで入金明細を取得するように変更することで、業務の効率化ができます。

請求管理システムには銀行から取得したデータをそのまま取り込む機能があるため、記帳をする手間が省ける上に、入金額を誤ることもありません。

電子化以外のメリット4:代金回収業務の効率化ができる

請求管理システム導入による電子化以外のメリットの4つ目が、代金回収業務の効率化ができることです。

入金処理のあとには未回収の代金を把握して、代金を回収する業務があります。速やかに代金を回収するためには早期の入金確認が必要なため、記帳よりも速やかに把握できる、オンラインの確認を利用した方が有利であると言えます。

また、代金回収業務は取引先と接点がある営業部門で行うことが多いかもしれません。

しかし請求管理システムの中には、経理部門と営業部門で情報連携をする機能を有しているシステムもあるため、代金回収業務を効率的に進められます。

請求管理システムの導入は取引先の了承が必要

請求書を電子化する準備が整ったら、いよいよ電子化された請求書を送付し始めることになりますが、重要なのは必ず取引先の了承を得ることです。

実は請求書の電子化は、取引先に大きな影響を及ぼす可能性があります。2022年1月の電子帳簿保存法改正によって、電子データで送付した請求書は電子データのまま保存することが義務化されたからです。

電子データの保存義務化には2年間の猶予期間が設けられているため、2年間は紙で印刷して保存することも可能ですが、2年後には電子データでの保存が必須となります。

ここで、これまで紙での請求書しか受領していなかった取引先を考えてみましょう。

自社が電子データの請求書を送付することで、取引先は紙で保存する請求書と、電子データで保存する請求書の2つのパターンに対応しなければならないことになりますよね。取引先の状況も考えると、請求書の電子化は少しハードルが高いように思われるかもしれません。

しかし実際には、多くの会社で既に電子化された請求書を受領しているものと考えられるため、自社が電子化された請求書を送っても問題は発生しないことになります。

取引先の状況を把握して、自社が行う請求書の電子化を進めるためにも、必ず取引先の了承を得てから電子化された請求書の送付を始めましょう。

取引先に請求書電子化の了承を得るときはメリットを伝えよう

取引先に請求書の電子化を申し入れる際には、取引先にもメリットがあることを伝えましょう。もし取引先が電子データによる請求書を受領すれば、紙と電子データの2つの請求書を保存する必要はありません。

また、請求書の電子化によって郵送にかかっていた時間を短縮できることになるため、請求書を送付する時期の前倒しが可能です。

請求書の電子化をすると、取引先にもメリットがあることを伝えれば了承を得やすくなるため、試してみてくださいね。

請求書の電子化をシステム移行するためのポイント

今まで紙の請求書を送付していた会社の場合、システムを導入してスムーズに電子化するためには、以下の4つの押さえておくべきポイントがあります。

  1. 顧客からの了承を得る
  2. 事務フローを変更する
  3. 導入コストを用意する
  4. 関連法令に対応する

ペーパーレスの普及は、今後確実に進むことが予想されます。

4つのポイントを押さえ、電子化の準備を始めていきましょう。

顧客から了承を得る

請求書を電子化するためには、前の章でお伝えしたように受け取る側(顧客)から了承を得る必要があります。

顧客側が紙の請求書を求める場合は、従来通り対応する必要があるため、必ず了承を得るようにしてください。

事務フローを変更する

これまで請求書を手書きやエクセル、ワードで作成していた会社が請求書を電子化する場合は、事務処理の流れが変わります。

したがって、システムを導入した場合の事務フローの変更を行いましょう。

導入コストを用意する

システムの種類や会社の規模により違いはありますが、あらかじめシステムの導入資金を確保しておきましょう。

関連法令に対応する

請求書の電子化を行う場合は、請求書などの電子化にかかわる法律である「電子帳簿保存法」と「e-文書法」の要件を満たす必要があります。

関連法令への対応も進めていきましょう。

まとめ

この記事では、請求書の電子化をすることによるメリットや電子取引の始め方、システム移行をするためのポイントについて解説しました。

請求書の電子化は請求書に押印する手間や、郵送にかかる手間をなくすことができ、業務を効率化できますが、少し難しい印象を受けてしまうかもしれません。

しかし請求管理システムを導入することで、電子取引を始めるためのハードルは非常に低く、意外と簡単に始められることが、分かっていただけたのではないでしょうか。

ただし電子化した請求書を送付する際には、取引先の了承を得ることが大切です。

なぜなら電子化した請求書を受領するためには、取引先側で受入準備が必要となる場合があるからです。

取引先にも都合があるため、難色を示された場合には無理を言わず、また時期をみて申し入れをしてみると良いでしょう。

「紙の請求書をやめたい」「請求業務が煩雑」とお悩みの方は、請求書の電子化を検討してみてはいかがでしょうか。

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