こんにちは。「クロジカ請求管理」コンサルティングチームの花田です。
製造業のDXの推進を図る上で、よく耳にするIoTという言葉。Internet Of Thingsの略称で、色々なモノがインターネットにつながっている仕組みのことをいいます。
今回の記事では、製造業でサブスクリプションを行う上で知っておきたいこのIoTについて、メリット、デメリットを含めながらご紹介していきます。
そもそもloTとは
前述の通り、IoT(Internet Of Things)の略称で、色々なモノがインターネットに繋がっている仕組みのことをいいます。冷蔵庫や洗濯機、エアコンなど様々な家電製品や車など、パソコンやスマートフォン以外にもありとあらゆるものがインターネットで繋がることにより、私たちの生活はもっと便利になってきています。IoTによって、外出先から帰る時にスマートフォンで遠隔操作してエアコンをつける、みたいなことができるのです。
IoT分野のサービスでは、インターネットに繋がるモノ単体ではサービスが成立しません。クラウドサービスやサーバーに繋がり、相互に情報交換を行うことができるようになることで、初めて成立します。
その他のIoTとしてイメージしやすいものは、家の施錠ができるスマートロック、盗難紛失を防ぐスマートタグ、健康管理が可能になるものや交通系IC、電話にも早変わりするスマートウォッチなどでしょうか。今ではなじみ深いものばかりですが、いずれもここ数年で定着しています。さらに、2020年3月から始まった5Gの通信システムにより、超高速通信・多数同時接続可能・超低遅延通信などができるようになっています。これにより、IoTの普及はますます加速していくことでしょう。
IoTはどれくらい導入されているのか
ビジネス面で見ると、IoT化を導入している企業はまだ全体の約3割程度しかありません。しかし、導入した企業の約8割が「導入して良かった」と回答していることも事実です。
モノづくりの代表である製造業では、GDPで占める割合が大きいため、IoTを活用し効率化することを国の施策として推進しています。工場の生産ラインでIoT技術を利用すると、生産ライン同士が繋がるため、不良率の更なる低減やラインの保守保全のコストカット、在庫の適正管理などが可能になり、生産性向上が見込めるからです。
IoTは単に人の生活を便利にするだけではなく、少子高齢化による人口減少により生じる問題解決に役立つことも期待されています。自動お掃除ロボットなど人がいなくても自動で掃除をしてくれるものやPOSシステムのIoT化がその一例です。IoTにより、今まで人が行っていた単純な作業などもモノが代替してくれるようになり、人材不足問題の解決の一端になると考えられています。
物流や公共交通機関ではセンサーやカメラから取得した膨大なデータを蓄積でき、それを基にした管理により時間帯によるサービスや人数の把握など行うことで、無駄なコストを削減し効率の良い方法を可視化できるようになりました。
このように、将来企業が直面するであろう多くの問題の解決策がIoT化となる可能性が高く、今後も企業のIoTの導入はどんどん増えていくことが予想されます。
また、生活面に関してもIoTの導入がさらに増えていくことが予想されます。新型コロナウィルスの影響で自宅での在宅期間が増えたり、脱炭素時代を迎え省エネ対策が必要になってきている昨今の情勢が、IoT機器の普及を後押ししているためです。
IoT機器のターゲットは若年層がメインでしたが、子育て世帯や高齢者にとっても必要なものに変わってきています。外泊や出張などして家の近くにいない時、離れた場所からカメラを遠隔操作して家の中の状況をリアルタイムで見ることができるため、子どもや高齢者、ペットの様子をどこからでも確認することができるようになってきているからです。IoTに対応している賃貸物件が増えることにより、セキュリティ会社との連携ができるようになり、何かが起こった際に対応がすぐにできるようになるため、一人暮らしの高齢者の受け入れが増えてきてもいます。
IoTのメリット
ここからは、製造業がIoTを導入するメリットをお伝えしていきます。
IoT対応商品を販売する場合、消耗部品の事前交換のお知らせなど、ユーザーとコンタクトが取れるようになります。また、故障原因やユーザーの商品に対する要望など、データを収集できるようになり、これらを分析することで、商品のアップデートや故障対応もできるようになり、新たな商品を開発するのに活かしたりすることができるようになります。
これにより、ユーザー満足度の高い商品を販売することができるようになり、企業のファン獲得につながっていくのです。
また、生産などにIoT技術を導入することで生産と作業の効率を向上させ、コスト削減につながる大きなメリットもあります。生産ラインでは稼働状況を常時モニタリングして、制御し管理できるため、余剰の人やモノを抱えることもなく最適化された生産体制をとることができます。
さらに、データを取得し蓄積することにより、行動の定量化も期待されています。定量化ができるようになると、アートや工芸・モノづくりのスペシャリストと言われる人たちの行動をデータ分析することができるようになり、技が可視化され伝承が可能になるかもしれません。属人化している作業のロスの改善や無駄の削減も行えるようになり、PDCAを効率的に回すこともできるようになるでしょう。
HEMS(Home Energy Management System)といわれる家電とつないで電気やガスの使用量を自動制御してくれる管理システムを導入することで、節電などの面でもコスト削減を効率的に行えるようになることが期待されます。このようにIoTは日々進化し、より高度にサービス化していくため、業務効率化や無駄の削減に今後も大きく寄与していくと考えられます。
実際にIoT技術を導入して効率化を実現している例をご紹介しましょう。
建設機械などを生産しているコマツですが、グローバルで稼働する数十万台の機械にGPS連動のシステムを導入しています。 それぞれの機械にGPSを搭載することで所在を認識し、ネットワーク接続により監視や遠隔操作を行っています。 これにより、世界中のありとあらゆる機械の稼働時間をオンタイムで把握して、 無駄な時間を削減しています。 機械の盗難や暴走など、 トラブル発生時には機械の状況をすぐに把握し、遠隔操作でエンジンを止めるなど対応することもできます。オイルの消耗やパーツの消耗など交換時期を予測して、 故障発生を未然に防いでいます。このように、機械の稼働状況を可視化にして作業効率の安定化と省略化を図っています。
IoTのデメリット
まずは、セキュリティの問題です。
インターネットに接続されているので、インターネットを通じてサイバー攻撃の標的となる可能性があります。IoT機器に感染するマルウェア(コンピューターウイルスなど、ユーザーに不利益を起こす悪意のあるソフトウェア)が複数件確認されており、また、企業のサーバーにDDoS攻撃(サーバーが処理できないほどの大量なリクエストを多数の端末から一斉に行い、WEBサイトの応答停止やネットワークの遅延を引き起こす)などが仕掛けられている事例が増えています。マルウェアに感染すると、通信の傍受や個人情報の漏洩、機器の乗っ取りが起きる可能性があり、大きな脅威となっています。
仮に万全なセキュリティ対策を取っていたとしても、現状では完全に安心することはできません。セキュリティ技術の進化に沿ってハッカーは新たなハッキング手法を生み出してくるため、どうしてもイタチごっこになってしまいます。ですので、この被害を完全に防ぐことは難しくなってしまいます。
少しのシステム対してなら、修正パッチを配布することで対応は可能かと考えられます。しかし機器に組み込まれたシステム全てをインターネット経由でアップデートすることは簡単ではありません。長期に渡って使われ続ける商品に対しては、いかにセキュリティ性が高く持続性もあるシステムを、実装すべきかが課題となっています。
また、たくさんのモノを自動で動くようにすると、莫大な電力がかかってしまうことになります。その問題を解決するために、家電などにはLPWA(Low Power Wide Area)が導入されています。このLPWAとは、消費電力をなるべく抑えて長距離通信を可能とする技術で、消費緊急性を必要としないモノを低電力で使うことができるようにしています。
IT人材不足問題もデメリットとして挙げられます。 どんなにIoT機器で利便性が向上したとしても、 システムを管理する人間がいなくては意味がありません 。ロボットやAIが管理すればいいではないかと思うかもしれませんが、 実際にはまだまだ時間がかかると考えられています。
しかもこの人材を獲得するにはIoT技術に精通したエンジニアなどが必要になりますが、経済産業省の「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」を見てみると、IoT技術に限らずIT人材が2030年には最低でも41万人、多くて79万人不足するだろうと考えられています。
参考:経済産業省 IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果
製造業でサブスクリプションビジネスの導入を検討する
製造業でサブスクリプションビジネスモデルを導入し、「モノ売り」から「コト売り」へと変わってきている企業が増えています。性能・品質・コストなどの差別化が難しくなり、製品のコモディティ化が起こってしまうことで、今の「モノ売り」では限界を迎えてしまうと考えられているからです。
これを防ぎ、製品の価値を上げるため、顧客のニーズを分析し、それに合わせてサービスを改善していくことが必要となってきています。これにより顧客との接点を強化して、収益をあげるビジネスがサブスクリプションビジネスです。
例として、トヨタが提供するキントと呼ばれるサブスクリプションサービスがあります。これは契約プランが3年、5年、7年とあり、厳選されたトヨタブランド車を途中解約しても、一定期間経過後は乗り換えができます。 販売店に出向くことなくウェブサイトで申し込みを完了できるので、手軽さも魅力の一つとなっています。 ユーザーのメリットとしては、利用料金に保険自動車税や車検、メンテナンス料も込みなので 、手間がかからなくて済みます。またライフステージに合わせて 、格安の手数料でプランを乗り換えることができます。メンテナンスなどはトヨタの店舗で対応しています。
まとめ
IoTの普及により、生産に導入した場合は業務の効率化や定量化が可能に、製品に導入した場合には人々の生活を豊かにし、顧客との接点を強くすることができるなど、製造業にとっては両面で大きなメリットがあることをお伝えしてきました。ただしかし、簡単に導入に踏み切れるものではなく、セキュリティ問題やIT人材不足の問題などデメリットも存在していることも事実です。
IoT導入をスムーズに行い、かつ注力していくためにも、販売管理システムやバックオフィスシステムなど、DXを推進し無駄な業務を省いていきましょう。
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