売掛金の効率的な回収方法は?回収できなくならないようにしっかり管理しよう

こんにちは。「クロジカ請求管理」コンサルティングチームの花田です。

日々企業間の中で、請求書や納品書などの受注・発注に関わる取引が頻繁に行われています。特に売掛金に関する管理や回収などは、確実に行っていくことが大切です。

しかし、日々追われる業務の中で、売掛金の管理が上手く出来ずに頭を抱えている経理担当者や経営者も多いのではないでしょうか。経営の安定化には売掛金の適切な管理が不可欠なため、経営を支えていくためにも、売掛金回収は適切に行っていきたいものです。

しかしどんなに注意しても、売掛金の回収が危ぶまれる状況に陥ってしまうことがあるのも事実です。

そこでこの記事では、売掛金回収の基本的な知識から話を進め、売掛金の効率的な回収方法についても解説します。また、売掛金が回収できないケースの対処方法も解説します。

売掛金回収でお悩みの方は、この記事を最後までお読みになり、日々行っている売掛金回収業務の参考にしてみてください。

売掛金とは?

販売した商品やサービスについて後払いで代金を受領するとき、この金銭のことを売掛金といいます。例えば居酒屋で、常連客が「ツケといて」などと言って、その場で代金を支払わずに出ていくような場合です。

上記の時点では金銭の授受はないものの、帳簿につけておくことで後日客から代金を支払ってもらうことになります。

また仕訳の際は、売掛金は資産の部にある流動資産に計上され、取引先から代金の支払が完了することで売掛金が消込されます。

後払いを行うメリット

売掛金は商品の支払いを後払いにすることを指しますが、後払いを行うことのメリットは、以下の3つです。

  1. 商品受渡を優先できる
  2. 1ヶ月分まとめて支払いができる
  3. 銀行手数料などを節約できる

特に嬉しいメリットは「商品受渡を優先できる」ことです。企業間取引では、常に商品やサービスをスムーズにやりとりする必要があり、素早い対応が求められるため、商品受渡を優先できるのは大きなメリットと言えます。

また「1ヶ月分まとめて支払いができる」ことも、大きなメリットの1つです。都度支払いではなく、1ヶ月ごとにまとめて支払いを行うことで、業務の効率化が進んでいきます。

さらにまとめて支払うことで、銀行手数料などの節約にもつながるため、「銀行手数料などを節約できる」こともメリットの1つとして挙げられます。

売掛金を確実に回収できるようにしっかり管理しよう

売掛金を回収をしていく上では、必ず得意先の経営状況を把握しておきましょう。先方の経営が悪化して、売掛金回収が困難になる前に手を打つためにも、売掛金管理は優先的に行う必要があります。

また注意すべきなのが、取引規模が拡大するにつれて、顧客からの入金管理業務が後手に回ってしまう傾向があることです。

したがって売掛金については、日常的に管理をしていく意識が重要になります。

正しい売掛金管理の流れ

効率的に売掛金回収業務を行うためには、売掛金管理の流れを正しく理解することが必要です。そこでここでは、正しい売掛金管理の流れを解説します。

正しい売掛金管理の流れは、以下の通りです。

  1. 売掛金台帳の作成
  2. 未回収債権の把握

この2つを確実に行い、売掛金管理を進めていきましょう。

売掛金台帳の作成

売掛金管理を行うために、売掛金台帳を作成します。売掛金台帳があれば未回収債権の把握が可能になるため、売掛金台帳を作成するのは大切な作業です。

さらに今後の債権状況を予測し、事前の対策を講じることもできるため、必ず売掛金台帳を作成しましょう。

売掛金台帳は、エクセルやGoogleスプレットシートといった表計算ソフトで作成します。会社独自のルールに基づいて作成することもあれば、インターネット上に存在するテンプレートを用いての作成もできます。売掛金台帳を作成する際は、見た目も分かりやすく、入力しやすい形のフォーマットで作成することがポイントです。

売掛金台帳に設定する主な項目は、以下の通りです。

  1. 請求年月日
  2. 売上金額
  3. 当月発生売掛額
  4. 取引先会社名
  5. 繰越残高
  6. 入金予定日
  7. 入金日
  8. 当月入金額

以上の項目を、もれなく設定していきましょう。

また場合によっては、税務調査が入ることもあります。

税務調査の際には、調査員が売掛金台帳を確認することもあるため、誰が見ても分かりやすく入力をしていくことが大切です。

なお入金予定日に入金がない場合には、未回収案件となり別途対応が必要になります。現場の営業職と連携して、売掛金の回収に取り組んでいきましょう。

未回収債権の把握

次に、未回収債権の把握をしていきます。

日々債権回収をしていく中で、未回収案件はどうしても発生してしまいます。まずは、どの案件が未回収なのかを確認していきましょう。

もし未回収案件が発生した場合には、内容を把握します。その上で、どの程度の金額が振り込まれていないのか、またどの程度の遅延が起きているのかを、売掛金台帳から判断します。

未回収債権の状況が分かり次第、現場の営業部門と連携して、売掛金を回収するために先方の担当者と連絡を取りましょう。

なお、未回収案件については優先事項になるため、督促状や内容証明書の郵送を行う可能性もあります。あらかじめ、未回収案件の回収手順をしっかりと確認しておくことが大切です。

売掛金が合わない原因とは?

売掛金台帳を管理していく中で、帳簿の金額と実際の入金額が異なるなどの事務的トラブルが発生するか場合もあります。

売掛金が合わない原因として考えられるのは、下記の3つのケースです。

このうち1つでも起きてしまうと、後々重大なミスにつながってしまう恐れがあります。また、売掛金を正しく回収できなかったせいで、経営上でも誤った判断をしてしまう恐れも。

そこで次の章では、売掛金のトラブルを未然に防ぐために、どのような対策ができるかを解説していきます。

売掛金回収トラブルを未然に防ぐ方法

前述した3つの漏れ・ミスのような売掛金回収トラブルを未然に防ぐ方法は、以下の4つです。

  1. 日々売掛金台帳を細かく確認する
  2. 継続案件のものは前回のデータをそのまま貼り付けて、手動入力を避ける
  3. メールやチャットでのやり取りはグループで共有する
  4. ITツールを導入する

1つずつ解説していきます。

日々売掛金台帳を細かく確認する

日々、売掛金に関わる取引は、数多く行われています。

企業によっては前受金対応をしているところもあるため、前受金を除いた請求が正しく処理できているかをしっかり確認しましょう。

継続案件のものは前回のデータをそのまま貼り付けて、手動入力を避ける

既存案件は、金額が毎回一緒のことが多いものです。

したがって手動入力は避けて、売上データは前回のデータをコピーしてそのまま貼り付けることで、ミスがなく効率が良い運用ができます。

メールやチャットでのやり取りはグループで共有する

メールやチャットで、企業間でのやり取りをされている企業も多いことでしょう。やり取りを複数人で共有していくことで、情報が正しく伝達されます。

また、やり取りに顧客IDを指定して行うことで、後で確認することも可能でになります。

ITツールを導入する

エクセルなどの表計算で管理をする場合、人手が必要になることに加えて、ミスが起きやすくなります。

一方、ITツールを活用すると、上述した3つの対策が自動的かつ円滑に進められて、効率の良い売掛金回収を行うことができます。

以上4つの対応策を解説しましたが、最も適している対応策は「ITツールを導入する」ことです。

なぜITツールを導入することが最適なのか、次の章で解説していきます。

売掛金の最も効率的な回収方法は「ITツールを導入する」こと

売掛金の管理において、最も効率的な回収方法は「ITツールを導入する」ことです。

なぜなら、売掛金管理・回収業務における時間短縮や労力削減ができ、ミスを減らせるからです。

ITツールを活用した売掛金管理の方法

売掛金管理を適切に行っていくためには、会計ソフトなどのITツールの導入がおすすめです。

会計ソフトでは、人が行うことの大半をシステムがしっかりとサポートしてくれます。また売掛金台帳や総勘定元帳なども、整備されています。エクセル管理では時間や労力がかかりますが、会計ソフトは効率良く時間短縮して作業を行える点がとても魅力的です。

会計ソフトは、CSV形式でデータをダウンロードして編集できたり、加工したデータをインポートできたりと便利です。最近ではクラウド型の会計システムも誕生しており、パソコンへのインストールも不要で、ブラウザ上で記帳もできます。

ITツールを活用した売掛金回収の具体的な作業

ITツールであれば、売掛金回収における以下の面倒な作業を、自動的に行ってくれます。

  1. 請求書発行
  2. 入金確認
  3. 消し込み作業
  4. 催促

上記の作業を自動的に行う機能が搭載されており、AIが自動サポートしてくれます。

また売掛金残高や状況は、ダッシュボードで簡単に確認可能。今どんな状況なのか、また未回収案件があるのか、気になる状況を素早く把握することができます。

さらに、請求書送付先の名義変更や、イレギュラーな入金などがあれば、ITツールが自動的に判断して処理し、AIが変更対応をしてくれます。

以上のように、経理担当者の面倒な作業を全てAIがサポートしてくれるため、従来の経理に関わる仕事量を半分以下に減らすことが可能です。

売掛金回収はスピード勝負

ITツールを導入して売掛金回収の業務が効率的になったとしても、最終的に売掛金を回収できなければ意味がありません。

売掛金回収はとにかくスピード勝負です。なぜなら、売掛金は販路拡大のためにはメリットが大きいものの、万一取引先が破綻してしまうと代金を回収できなくなり、大きな問題へと発展してしまう恐れがあるからです。

迅速かつ正確な行動が代金を回収する可能性を押し上げるため、取引先からの入金がなかったことを確認した場合、すぐに連絡することが大切と言えます。

売掛金回収の鉄則は、支払の遅滞があればすぐに確認することです。取引先に連絡してスムーズに連絡が取れたら、慌てずに状況確認をしましょう。

ただし、すぐに支払の督促をするのは良くありません。請求書が届いていなかったり、内容の誤っていたりと、自社に過失があるケースも少なくないからです。

ここで改めて請求して弁済があれば問題ないですが、与信管理のためトラブルとして記録するのは、今後のトラブルを避けるために重要となります。

売掛金を支払ってくれない場合の対策は?

問題となるのは、連絡が取れたのに支払ってくれないケースです。特に悪質なのは、支払義務があると認識していながら無視しているケースです。

このような場合は、まず内容証明郵便で督促し、未払いの事実を法的な証拠として残しましょう。

それと同時に、商品の出荷停止措置をとってください。

上記の対策をすれば、今後売掛金の未回収が発生するのを防げます。

また取引先に対して未払金があった場合は、未払金と相殺して、損失額を減らしましょう。取引相手が破産手続きに入ってしまうと、相殺すらできなくなるため、売掛金回収には迅速さが求められます。

売掛金を支払ってくれない場合は更なる法的手段も

売掛金が支払われない状況が続く場合は、以下2つのさらなる法的手段をとることを検討しましょう。

  1. 支払督促
  2. 少額訴訟

1つずつ解説していきます。

支払督促

最初に実行したいのが「支払督促」の申し立てです。

支払督促は簡易裁判所で行うものですが、比較的簡易な手続きであり、裁判所から取引先へ督促状が送達されます。

裁判に比べると難易度も低く、一般人でも十分に対応できます。

少額訴訟

支払督促よりも強い法的手段として「少額訴訟」があります。

売掛金の額が60万円以下であれば利用でき、1回の審理で判決まで行われるため、素早く問題を解決できます。一般人による利用を前提とした制度であるため、弁護士に頼らず自社で行うことも可能です。

売掛金の額が60万円を超える場合は通常訴訟となり、訴状を作成して、証拠書類をそろえる必要があります。通常訴訟については弁護士に依頼するのが妥当であるため、まずは専門家に相談するのが良いでしょう。

まとめ

この記事では売掛金の管理方法や、売掛金の効率的な回収方法などをお伝えしました。

売掛金回収トラブルを未然に防ぐ方法は、以下の4つです。

  1. 日々売掛金台帳を細かく確認する
  2. 継続案件のものは前回のデータをそのまま貼り付けて、手動入力を避ける
  3. メールやチャットでのやり取りはグループで共有する
  4. ITツールを導入する

上記の中で、売掛金の最も効率的な回収方法は、ITツールを導入することです。ITツールを導入すれば、売掛金管理にかかる時間と労力を減らし、なおかつミスも減らせるため、おすすめです。売掛金回収業務でお悩みの方は、ぜひITツールの導入を検討してみてください。

ただし、ITツールを導入しただけでは、売掛金回収はできません。

売掛金の回収が滞ると、経営そのものが苦しくなってしまいます。したがって売掛金の管理には万全の注意を払い、万一回収不能の案件が出たときは迅速に行動してください。

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