こんにちは。「クロジカ請求管理」コンサルティングチームの花田です。
サブスクリプションビジネスでは、値引きや無料体験期間を設けるキャンペーンがよく行われます。そのなかでも近年注目を集めている「フリーミアム」をご存知でしょうか。この記事では、「フリーミアム」を中心に、サブスクリプションビジネスの販売促進策について詳しく解説します。
目次
フリーミアムとは?
フリーミアムとは、フリー(free)とプレミアム(premium)を合わせて作られた造語です。
基本的なサービスを多数のユーザーに無料(free)で提供する一方、より高機能あるいは特別な追加サービスを「プレミアム」として有料で提供することによって収益を上げるビジネスモデルです。
フリーミアムはデジタルコンテンツと親和性の高い戦略です。デジタルコンテンツには配布コストがかからないため、ある程度の集客が得られれば、無料でコンテンツを提供しても損失とはならないのです。
デジタルコンテンツのフリーミアムにおいては「5%ルール」が良く知られています。無料ユーザーが95%おり、有料ユーザーが5%に過ぎなくても、収益を得ることができ、ビジネスが成立するという説です。
現在、流通しているスマホアプリの9割以上がフリーミアムだと言われています。ソーシャルゲームはフリーミアムの代表例です。基本料金は無料でありながら、ゲームを進めていく上で有利となるアイテムには課金されます。
フリーミアムと無料トライアルの違い
「フリーミアム」と「無料トライアル」は混同されがちですが、基本的にはフリーミアムにはサービス利用の期間に制限はなく、機能制限があるものが多いようです。無料トライアルには、ほとんどの場合、期間に制限が設けられています。
たとえば「初めてご利用の方、初月2か月無料キャンペーン」などをさまざまなサービスで目にすることがあります。これらはいわゆる「無料トライアル」となります。
フリーミアムは期間の制限より機能の制限がメインとなっています。例えば、YouTubeの例を考えてみましょう。
YouTubeは、誰でも無料で動画の視聴や投稿ができます。さらに「YouTube Premium(プレミアム)」に有料で加入すると、広告を見ずに動画を視聴できるようになり、動画のダウンロードや保存が可能になります。
このように、フリー(無料)でも基本的機能を利用することができ、有料のプレミアムプランに移行するとさらに機能を追加することができる、という点は、典型的なフリーミアムの1つであると言えます。
フリーミアムのメリット
サブスクリプションビジネスにおいてフリーミアムを導入するメリットは、多数の見込み客の育成が容易になることです。
フリーミアムや無料トライアルでは、基本的な機能を無料で利用することができるため、ユーザーは気軽にそのサービスや商品を試すことができます。知名度の低いサービスでも、多くのユーザーに知ってもらえる機会が増え、自然に見込み客の育成を進めることができます。
新しい商品でも比較的早い段階でユーザー数を増やすことができるので、まとまった数の口コミやフィードバックを集めることができるのもメリットです。フィードバックを利用して有料プランの内容を拡充することが可能になり、また口コミを集めてプロモーションに有効活用することもできるでしょう。
フリーミアムと無料トライアルの活用方法
フリーミアムや無料トライアルなどを併用し、集客・収益向上を成功させるためのポイントをいくつかご紹介します。
有料プランへ移行してもらうために適切な設定が必要
自社のサービス利用状況のデータを収集・分析して、ユーザーが付加価値を感じている部分を把握しましょう。その部分を無料プランから有料プランへの導線を意識しつつ、無料プランで利用制限を適切に設定しましょう。
無料トライアルではサービスの強み・魅力を知ってもらおう
有料プランで使用できる機能やサービスを期間限定で、または一部分に限定して無料で提供する方法もあります。無料トライアルでは、必要性や利便性を体感してもらい、魅力を十分に知ってもらうことが必要です。
そのサービスの魅力や強みが十分に伝われば、有料プランへの誘導が可能になります。
有料プランへのスムーズな移行
ユーザーに有料プランへの移行を促すためには、有料プランのメリットを明確に示す必要があります。有料でなければ使えない機能にどんな利便性があるのか、コストパフォーマンスのレベルなど、セールスポイントを明確に伝えましょう。
また、有料プランへ移行するための申し込みや手続きなどは簡単に・手軽に行えるシステムが望ましいでしょう。
課金率を把握して戦略を練ろう
無料サービス利用者の何割が有料プランへ移行するのか、データを蓄積して分析することが重要です。ユーザー数を確保すれば収益を得ることができるのであれば、ユーザー獲得のためのキャンペーンや施策を継続するべきです。
有料サービスへの移行率がよくないようであれば、原因を分析し、対策しましょう。訴求力のある有料プランを提示できているでしょうか。有料プランへの移行手順は、ユーザーの購買意欲を削ぐような複雑なものになってはいないでしょうか。
これらの点をよく検討して戦略を立て、実行することで、無料プランやフリーミアムを集客に活用し、収益増に結び付けることが可能になります。
無料トライアル・フリーミアムの課題
フリーミアム戦略や無料トライアルなどの販売促進策を実践する場合、課題となる点についても理解しておく必要があります。
収益化に時間がかかることがある
フリーミアムは黒字化するまでに時間がかかる傾向があります。最初は無料で商品を提供するため、収益を得るまでに時間がかかってしまいます。
また、無料プランから有料プランへの移行が難航すると、有料ユーザーが増えず、収益化が難しくなってしまいがちです。そのため、フリーミアム戦略を採用するなら、経営資源の余力をよく確認することが必要です。また、有料プランへ誘導する戦略を十分に練り、収益モデルを確立しておくことが重要になります。
運用や仕組みづくりが難しい
サブスクリプションビジネスにおいて、無料トライアルやフリーミアムなどのキャンペーン・プラン設定は集客・販売促進のため、必要不可欠といえます。
しかし、これによって様々な契約体系や料金プランが発生することになり、契約管理や請求書発行業務など、バックオフィスの業務負荷は増大します。サブスクリプションビジネスはそもそも定期的に発行する請求書が多く、請求書発行業務の負担が比較的大きくなります。
それに加えてフリーミアムなどのさまざまな料金プランや、値引きの仕組みが導入されると、ミスをするリスクが高くなってしまうでしょう。
また、無料トライアルやフリーミアムでは、請求のタイミングも複雑化していきます。無料トライアル期間の顧客に請求をしてはいけませんし、逆に有料ユーザーへの請求漏れなどもあってはならないことです。
また、請求ミスは顧客の信用度に直結するため、ミスや遅延は許されません。ヒューマンエラーは可能な限り防止する必要があります。
こういった課題を解決するためには、請求書発行システムの導入を検討することをおすすめします。システムを導入することで、請求関連の作業の多くを自動化できるため、人為的なミスの大幅な減少が期待できます。
請求書発行システムは、サブスクリプションビジネスでよくある定期的な請求書を自動で発行する機能を備えています。また、従量課金などで利用料金が毎月変動したとしても、システムで請求内容を可視化・確認することができれば、手作業やそれに伴うミスを防ぐことができます。
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