こんにちは。「クロジカ請求管理」コンサルティングチームの花田です。
年次決算はその名のとおり、経理部門における一年の総決算です。年次決算では適正な期間損益を計算するために、各種引当金を計上したり、前払費用や未払費用等の経過勘定項目を計上したりと決算特有の会計整理が行われることとなります。
また、この年次決算による決算書をもとに、法人税・消費税等の国税や事業税・住民税等の地方税を算定することとなりますので、年次決算をスタートしてからこれらの税金を納付するまで、忙しい日々が続くこととなります。
このように、決算は経理部門にとって多忙な時期であるにもかかわらず、実際には限られた人員で作業せざるを得ない企業が多いと思います。なぜなら、間接部門は繁忙期にあわせて人員が確保されていないことが一般的だからです。ですから、年度決算を乗り切るにはいかに業務を効率的に行っていくかという点が非常に重要なポイントであると言えます。
それでは、具体的には経理部門のどの業務を効率化すれば良いでしょうか。年次決算業務自体を効率化することも考えられますが、決算業務は経理部門の本来業務であるため、効率化を優先するあまり業務の質が落ちてしまったのでは本末転倒です。
そこで考えられるのが、決算業務以外の業務を効率化することによって決算業務を楽にするという方法です。
例えば、中小企業の経理部門では様々な業務を兼務して行っていることが多いと思いますが、特に多くの時間を要する業務の一つに請求業務があります。
請求業務は取引の最終目的である代金回収に関わる業務であり、非常に重要な業務ですが反復継続的な側面もあり、効率化を図りやすい業務でもあります。
請求業務を効率化することができれば、経理部門の本来業務に集中して取り組むことができることから、年次決算を楽にすることにつながることとなります。
そこで、以下では毎月の請求業務を効率化するポイントについて解説していきます。
請求書の発行をシステム化する
請求業務とは端的に言えば、請求書を発行する業務です。具体的には請求書を作成して取引先に送付することとなりますが、手作業で行っている企業が多いのではないでしょうか?
そのような企業においては、請求書の発行をシステム化することによって業務が大きく効率化されることとなります。
システム化というと難しく感じられるかもしれませんが、近年のクラウドサービスでは利用しやすい便利なものが数多くあり、無料のお試し期間が設けられているものもあります。
システム化する際のポイントとしては、システムの機能が自社にあったものであるかどうかが最も重要ですが、見落としがちなポイントとして、システムを導入する際に丁寧にフォローしてもらえるかという点があります。せっかく良いシステムであっても、システムへの移行がうまくいかなければ機能を十分に使いこなせないかもしれませんし、何よりもシステムトラブル等により取引先に迷惑をかけてしまう可能性があります。
ですから、システム導入を検討する際には、システム概要についての説明会の実施や移行スケジュールについて相談の可否等について確認しておくと良いでしょう。
また、2023年10月から導入されるインボイス制度においては、請求書に登録番号の記載が必要となることもあり、請求書の様式の見直しが必須となります。この点についても、クラウドサービスを利用していれば、様式変更の対応をサービス提供者側で行ってくれますので安心です。
さらに、システム化によって効率化を進めることができるのは、請求業務だけに留まりません。請求業務は単独の業務ではなく、見積業務や売上業務、入金消込業務とも密接に連携しています。ですから、これらの業務も同時にシステム化することによって、それぞれの業務が効率化されるのはもちろんのこと、それぞれの業務間の重複作業をなくすことができるという相乗効果も得られることとなります。システムを導入する際には是非、検討してみると良いでしょう。
請求書を電子化する
上記では請求書の作成をシステム化することによって業務効率化を図るポイントについて説明してきました。ここで、もう一歩進めて、請求書を電子化することによってさらに業務を効率化することが可能です。
請求書の電子化というのは、請求書を紙で発行せずにPDFファイル等の電子データのままで取引先に送付する方法です。
取引先との関係もありますので自社で一方的に進めることはできませんが、もし、実現することができればさらなる業務効率化はもちろんのこと、費用削減等の様々なメリットを享受することができます。
例えば請求書を紙で発行する場合には、取引先ごとに封筒を用意して宛名書きをし、請求書を封入してから投函するという一連の作業が必要となります。これらの作業は時間がかかる上に、誤って別の取引先の請求書を送付してしまった場合には、自社の信用を失ってしまうリスクもあります。
これに対して、請求書を電子化して送付する方法であれば、作成した請求書を自動でメールに添付して送信するところまでシステムで行うことが可能となるため、上記の作業が一切不要となります。
したがって、郵送料や封筒代も削減することができますし、請求書の送信先を誤るということもありません。
さらに、請求書の電子化は取引先にとってもメリットがあります。例えば、電子化した請求書を電子メール等で送信する方法は郵送と比較して速やかに行うことができますので、取引先が請求金額を早期に確認できることとなります。また、紙で受領していた請求書を電子データで受領することとなりますので、物理的な保管スペースが不要となるメリットもあります。
近年では、電子帳簿保存法の改正等、国が請求書等の電子化を後押しする姿勢を鮮明にしています。今後は一層、電子化の流れが加速していくと思われますので、請求書を電子化することによって、このような状況にいち早く対応することが可能となります。
請求書の締め日を統一する
最後に、システム化せずに請求業務の効率化を図る方法について説明します。
請求書に締め日を設けて一定期間の取引をまとめて請求書を発行している場合、その締め日を統一することによって請求業務を効率化することができます。
例えば、毎月10日までに購入した商品の代金をまとめて支払う取引先に対しては10日締めの請求書を発行し、20日までに購入した商品の代金をまとめて支払う取引先に対しては20日締めの請求書を発行するといったように、取引先の支払いの締めに合わせて請求書を発行している場合には、月に複数回の締め作業を行うこととなります。
このように取引先の支払いサイクルに合わせて請求書を発行する方法は、代金の回収を速やかに行うことができるというメリットがある一方で、業務が非常に煩雑となるデメリットがあります。特に年次決算の時期に請求書の発行が重なると、忙しさのあまり請求洩れ等のミスを誘発してしまうことにもなりかねません。
業務の効率化を目指すのであれば、請求書の締め日を月末等に統一してしまうというのも1つの手段となります。取引先の支払いサイクルから外れてしまうことにより、支払いが1月遅れとなってしまう場合があるかもしれませんが、確実に業務の効率化を図ることができます。
まとめ
以上、年次決算を楽にするために、請求業務を効率化するポイントについて解説してきました。
クラウドサービスを利用して請求業務をシステム化することで、手作業により請求書を作成する場合と比較して大幅に業務を効率化することができます。
請求業務は毎月の定型業務であり、一度効率化するとその効果は毎月継続的に続くこととなります。効率化によって年次決算が楽になるだけでなく、通常月においても有効に時間を使うことができるようになりますので、外部のサービスを上手に利用しながら業務効率化を図っていきましょう。
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