こんにちは。「クロジカスケジュール管理」コンサルティングチームの林です。
近年、社内の情報共有ツールとしてグループウェアを利用する企業が増えています。これまで使用されていたエクセルは、今や時代遅れなのでしょうか。
時代のニーズに対応するため、これまで社内の情報共有をエクセルで管理していた会社がグループウェアを利用するようになっています。
本記事では、エクセルは時代遅れなのか、エクセルのメリット・デメリット、グループウェアを使う理由などをご紹介していきます。
「エクセルでできること」と「グループウェアでできること」を比較して、自社に合った業務管理ツールを選択してみてください。
目次
社内の情報共有はエクセルがあたりまえ?
表計算ソフトとして広く利用されているエクセルは、社内の情報共有ツールとしても活躍する便利なシステムです。職場で最初に覚えるスキルと言っても過言ではないくらい多種多様な仕事で利用されています。
この章では、エクセルを利用する企業がどれくらい多いのかをご紹介します。
企業や自治体のエクセル使用率70%
多くの企業が利用しているofficeソフトの中には、「ワード」「パワーポイント」「アクセス」そして「エクセル」の4種類があります。
4種類の中で、70%という圧倒的な利用率を誇るのが「エクセル」です。表計算などの計算機能があることに加えて、指示書や設計書などの文書作成にも対応できる多機能なところが多くのユーザーに支持されている理由です。
*参考 PR TIMES|【Excel利用状況調査】Excel利用者の過半数以上が脱Excelは検討せず。課題は「Excelの利便性の代替サービスがない」
エクセルスキルが重宝された時代
巷ではエクセル検定があるほど、ビジネスにおいてエクセルスキルは重宝されています。またエクセル職人と呼ばれる人がいるほど、企業になくてはならないツールとして浸透しています。
エクセルは多くの企業で導入されているので、取引先や下請けなどの他社に情報を共有したときに、エクセルのファイルを開けるかどうか心配する必要はありません。
一方で、エクセルは多機能であるため、使いこなすのが大変です。エクセルを使ってデータ管理の基礎部分を作れるデジタル人材は、社内でも限られているというのはよくある話です。
また、社内でもエクセルのバージョンが異なっていたり、同じエクセルでも仕様が異なっていたりとフォーマットの差もあります。
しかし、エクセルでできることはかなり多く、マクロや関数を駆使してさまざまなデータ管理ができるようになれば、大幅な業務改善につながり、社内全体の効率化を図ることも可能です。
つまり、エクセルスキルが高い人材は、業務回転率が高く、費用対効果も高くなると予想できるのです。
社内でエクセルを使用するメリット・デメリット
エクセルを効率的に利用するためには、エクセルについて深く理解する必要があります。そこで、この章ではエクセルを利用するメリット・デメリットをご紹介していきます。
社内でエクセルを使用するメリット
万能ともいわれるエクセルのメリットは、
- 顧客管理が簡単
- エクセルのオリジナル雛形を活用できる
- データ管理や集計ができる
です。それぞれのメリットについて、詳しく見ていきましょう。
顧客管理が簡単な点
エクセルを用いると、簡単にデータの整理ができます。「名前」「職業」「郵便番号」「住所」「電話番号」「メールアドレス」をシートごとにまとめたり、データベース化したりすることによって顧客管理を簡略化できるのです。
さらに、データの検索やフィルター機能を利用することでより簡単にデータを管理できます。「テーブルの書式設定」から好みのデザインに変更できるところもエクセルの魅力でしょう。
エクセルのオリジナル雛形が使用できる
エクセルは多種多様な使い方ができるように、さまざまなテンプレートを用意しています。たとえば、売上管理をするために用意された売上表のテンプレートでは、どの業種にも対応できるような関数が入っています。
売上表以外にもリストやグラフなどの入ったテンプレートも完備されているので、会議資料やプレゼン資料の作成にも活躍します。
データ管理・集計ができる
エクセルのテンプレートは無料で利用できることに加えて、データの管理・集計機能も充実しています。テンプレートを利用すれば、だれでも簡単に日・週・月・年単位でのスケジュール管理やリストの作成ができるのです。
社内でエクセルを使用するデメリット
次に、社内でエクセルを使用するデメリットについて考えてみましょう。
エクセルのデメリットは、
- 複数人で同時に情報共有できない
- リアルタイムで更新できない
- アクセス権限が必要
です。それぞれについて詳しく解説していきます。
複数人で同時に情報共有できない
基本的にエクセルは同時編集ができないため、Googleのスプレッドシートを利用して情報共有を行う企業も少なくありません。厳密にいうと、エクセルでも業務標準化ができないわけではありません。
しかし、操作が複雑なため、エクセルスキルがない人にとっては非常に難しく感じられるでしょう。社内でエクセルを使っていても、部署ごとで仕様が異なっていたら、それを共有することは難しくなります。
また、出来上がっているシートの機能の詳細を、作成者しか理解していないというケースもあります。そうなると、作成者が異動や退職して不具合が生じても、使い続けるしかない状況に陥ってしまうこともあるでしょう。
社内全体で情報共有するためには、共有ツールを浸透させる点が最初の課題でもあります。つまり、属人化しない簡単な操作で完結できるシステムが求められます。エクセルを利用する情報共有では、複数人での情報共有は難しいでしょう。
リアルタイムで更新できない
エクセルでは入力した文字や数字がタイムリーに記録されるわけではないので、リアルタイムで記載内容を更新できません。一刻も早く情報を共有したい企業にとっては、会話するようなチャット機能などでの情報共有が望ましいです。
リアルタイムでの更新は複数の企業や下請けが関係するような業種では必須です。情報の共有が遅れた分だけ、業務の進行も遅くなりかねません。
アクセス権限が必要
エクセルは、関数の入った表を誤って削除しないように、大切なファイルには「アクセス権限」を与えています。
個人情報の漏洩や不正な取り消しを防ぐ意味ではメリットといえますが、リアルタイムで情報を共有するには不向きな機能でもあります。
業務改善や業務効率化を目指すのであれば、セキュリティが高く、アクセス権限等が不要なサービスを選択することが必要です。
時代のニーズに合う業務効率化に求められるものとは?
業務効率化はすべての業種に共通する課題です。限られた人材と限られた時間で、やるべき業務をこなしていく必要があるからです。
そのため、現在の時代のニーズに合った業務効率化には、簡単であることとリアルタイムであることが求められます。そのようなことを考えるとエクセルには限界があると言わざるを得ません。詳しく見ていきましょう。
簡単であること
業務効率化のためにまず求められることは、簡単であることです。エクセルでできることは幅広いですが、専門スキルや知識が必要な部分が多々あり複雑です。
決まった人にしか業務をこなせないという複雑なものは属人化しやすいので、業務効率化の妨げになります。業務効率化には業務をマニュアル化したり、誰でもわかるような方法で行ったりすることが大切です。
ファイルが複雑化すると、情報共有が遅れ、それが仕事の遅れに繋がります。
リアルタイムであること
業務効率化には、リアルタイムでの情報更新や情報共有ができることが欠かせません。
スマホやタブレットが普及し、離れた場所でも情報を共有するツールが数多くあります。電話を使った口頭での情報共有だけではなく、文書、画像、動画などもリアルタイムに共有できるようになりました。
事務所などのパソコンからの作業がメインになるエクセルでは、リアルタイムでの更新は難しくなってしまいます。手作業での入力が終わっているのか、まだ行われていないのか判断することもできません。
情報共有を効率化するグループウェアとは?
グループウェアとは、効率的に業務を行っていくのに役立つアプリケーションソフトのことです。画像やドキュメントを共有するための機能や、申請や稟議を行うワークフロー、プロジェクトの進捗やタスク管理ができる機能などがあります。
多機能に渡るグループウェアを導入すれば、情報共有が円滑になり、業務効率化が可能です。
グループウェアを利用する企業が増えている理由
エクセルは多機能ではありますが、迅速な情報の共有や手軽なコミュニケーションには向いていません。そういったエクセルの苦手な部分を補ってくれるのがグループウェアであり、エクセルよりも業務効率化に適しています。
ここからは、グループウェアを利用する企業が増えている理由をご紹介していきます。
エクセルより簡単
簡単であることは業務効率化に欠かせません。エクセルで情報を共有する場合は、シートを見てもらうか、ファイルをダウンロードして掲示板にアップするなど、手間がかかります。
一方、グループウェアはツールが充実しているので、エクセルより簡単に情報共有ができます。「複数人での情報共有が同時にできない」というエクセルのデメリットを解消できるのが、グループウェアの魅力です。
エクセルは情報が増えてくると、シート数が増えてわかりにくくなってしまいます。必要なデータを見つけるのが難しく、業務効率化に適していません。
また、エクセルはテキストベースでのデータ管理に特化しているため、画像や音声を共有するには不向きです。グループウェアはファイル資料や音声などの添付もボタン一つで簡単に共有できるため、機械が苦手な高齢の方でもストレスなく利用できます。
社内の情報共有がよりリアルタイムに
リアルタイムで情報の更新や共有ができることも、業務効率化に欠かせません。離れた現場、出先などからでも事務所とリアルタイムで情報共有できれば、事務所に戻る必要もなくなります。
そこで活躍するのがグループウェアです。グループウェアを使用すれば、会社のパソコンからだけではなく、個人のパソコンやタブレットなどから必要なファイルにアクセスでき、情報をリアルタイムに更新・共有できます。
エクセルで共有ファイルを編集しようとすると、ファイルが重たくなったり、更新作業に時間がかかったりします。また、どちらが最新情報なのかをやり取りしなくてはならないので、余計な手間がかかり、その分時間もかかってしまいます。
グループウェアは必要なツールが一つにまとまっているので、スピーディーに情報共有できてリアルタイムなやり取りが可能です。
出先等でお客様の情報をすぐに共有したいときに、グループウェアのチャット機能が活躍します。メールや電話ではビジネスマナーなどのしがらみがあるのに対して、チャットは必要最低限のマナーで気軽なやり取りで情報の受け渡しができます。
イメージとしては、LINEやメッセンジャーのようなSNSに近い感覚です。親しみのある一般的なユーザー向けのスタイルでやり取りできるところも、グループウェアのメリットといえます。
文書管理等のセキュリティ対策もバッチリ
機能が多いグループウェアでの文書管理は、セキュリティに問題はないかと心配になる人も多いのではないでしょうか。いわゆるセキュリティの脆弱性の問題です。
チャットや社内のSNSなどで情報共有が頻繁になる分、情報の漏洩や消失のリスクも高くなると感じるかもしれません。また、個人のパソコンやタブレットなどの端末の紛失による情報の漏洩というトラブルが起きることも考えられます。
グループウェアは、社内のシステムに合わせてセキュリティ体制を構築することが可能です。アクセス制限の設定や、電子証明書などのクライアント認証など、それぞれの企業に合わせて選択できます。
必要なシステムやセキュリティの程度は企業によって異なるので、自社に合わせて設定できる点は非常に有用です。
もともとグループウェアは、個人情報を扱う企業に向けて作られたシステムでもあるため、情報漏洩やウイルス攻撃への対策として多くの企業が利用するようになりました。
もちろん、絶対安全とは言い切れませんが、既存の連絡ツールよりは安心して利用することが可能といえるでしょう。
エクセルでも、アクセス権限を与えるか、使用できるパソコンを限定することによってセキュリティ対策は可能です。しかし、セキュリティを重視すれば、情報共有の簡便さが犠牲になりかねません。
まとめ|エクセルからグループウェアへの転換期
本記事では、エクセルからグループウェアへ乗り換える企業が多い理由についてご紹介してきました。エクセルは非常に優秀なツールであるため、現在もさまざまな用途に利用されてきました。
その一方で、エクセルでは補えない部分を補填する目的で、グループウェアを導入する企業が増えているのも事実です。リアルタイムな情報を必要とする営業職では、グループウェアはあたりまえのツールになりつつあります。
自社にあったグループウェアを選択することで、エクセルだけではできなかったリアルタイムでの情報の更新や共有ができるようになりました。エクセルだけでの情報共有は今や限界を迎え、時代遅れと言われてしまうかもしれません。
グループウェアに興味のある方は、本記事を参考に自社に合ったグループウェア選びを検討してみてください。
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