AWSは多くの企業がクラウドインフラを構築する際に選択する人気のサービスです。しかし、その料金体系は複雑で、法人利用の際にはさまざまな要素を考慮する必要があります。本記事では、AWSの基本的な料金体系からAWSを割引利用できる制度などをご紹介し、AWSの利用料金を最適化するためのポイントを幅広く解説していきます。
この記事でわかること
① AWSの基本的な料金体系
② お得にAWSを利用できる制度
③ AWSの利用料金を最適化するためのポイント
④ AWSコスト管理の成功例
目次
AWSの基本料金体系について
従量課金制の仕組み
AWSの料金体系は、基本的に従量課金制を採用しています。これは、利用したリソースの量と時間に応じて料金が発生する仕組みです。従量課金制のメリットは、初期費用を抑えつつ、必要な時に必要なだけリソースを利用できる点です。
そのため、利用状況に合わせてリソースをスケールアップ・ダウンできるため、ビジネスの成長や需要に合わせて最適なコストでシステムを維持できます。
AWSの従量課金制サービスの例
・Amazon EC2のインスタンスは起動時間での課金
・Amazon S3のストレージは使用容量での課金
・データ転送は転送量(アウト)に基づいて課金
無料利用枠の概要と活用方法
AWSには、新規ユーザー向けに無料利用枠が提供されています。これは、AWSの各種サービスを一定の範囲内で無料で試せる制度です。無料利用枠には、12ヶ月無料、常に無料、トライアルの3種類があり、それぞれ対象サービスや利用上限が異なります。
12ヶ月無料枠
AWSアカウント作成から12ヶ月間、特定のサービスが無料で利用できます。例えばEC2、S3、RDSなどの主要サービスの他、一部 IoTカテゴリのサービスなども対象となっております。
常に無料枠
一部のサービスを継続的に無料で利用できます。例えばLambda※1、DynamoDB※2などが該当します。2025年1月23日時点で35を超えるサービスが「常に無料枠」として提供されています。
※1:1,000,000 件/月の無料リクエストが無期限で無料(Lambda)
※2:25 GB のストレージが無期限で無料(DynamoDB)
トライアル
期間限定で特定のサービスを試せる枠です。機械学習やデータ分析系のサービスで提供されることが多いです。
このように無料利用枠を活用することで、初期コストを抑えながらAWSの機能を体験できます。ここで、あくまで“体験”と記載した理由は、一般的にAWS無料利用枠はAWSの学習やプロトタイプ開発に適しているためです。そのため、本番環境での継続的な運用を見据えた場合は、無料枠だけでなく、実際の運用コストも考慮に入れた設計が必要となります。
また無料利用枠に関しても、サービスによっては利用上限を超えると課金されるケースもあるため、利用状況をこまめに確認することが重要です。AWS無料利用枠の詳細についてはAWS公式ページを参照ください。
主要サービス(EC2、S3など)の料金例
以下では、AWSの主要サービスであるAmazon EC2とAmazon S3の概要や料金イメージを説明します。
Amazon EC2
Amazon EC2(Elastic Compute Cloud)は、クラウド上で仮想サーバーを利用できるAWSの基本サービスです。従来(オンプレミス)は物理的なサーバーを購入して設置する必要がありましたが、EC2では必要な時に必要な分だけサーバーを「借りる」ことができます。
例えば、Webサイトを公開したい場合、EC2上にWebサーバーを構築できます。大きな特徴として、数分で新しいサーバーを立ち上げられることや、使った分だけの料金を支払う仕組みがあります。さらに、サーバーのスペック(CPU、メモリ等)を簡単に変更でき、急なアクセス増加にも柔軟に対応できます。
初期費用なしで始められ、使用量に応じた料金体系なので、スタートアップにも使いやすいサービスとなっています。小規模なシステムから始めて、ビジネスの成長に合わせて段階的に拡張できる柔軟性が、EC2の大きな魅力となっています。
スケール可能な動的ウェブサイト(シングル構成)でのEC2の料金例
下記AWSの構成図は、Webサイトを運用する際の基本的なイメージです。こちらの構成でAWSを利用した際の各サービスの料金を見ていきましょう。
サービス | 概要 | 料金(USD) |
Amazon EC2 | Linuxサーバー × 1 | 63.07 |
Amazon Elastic Block Store (EBS) | 100GB × 1 | 16.85 |
Amazon RDS for MySQL | vCPU: 2、Memory: 8 GiB、ストレージ 100GB SingleAZ | 161.26 |
Elastic Load Balancing | 毎秒平均 1 リクエスト | 24.05 |
AWS Web Application Firewall (WAF) | コアルールセット (CRS) マネージドルールグループ | 11.58 |
月額合計料金 | 276.81(USD)※3 |
上記構成の場合のAmazon EC2の月額料金は、63.07ドル(9,826円※4)となります。また、構成全体としてかかる月額費用の総額は276.81ドル(43,337円)※4 です。詳細についてはこちらのページを参照くださいませ。
※4 2025年1月22日時点のレート
Amazon S3
Amazon S3(Simple Storage Service)は、インターネット上にデータを保存できるクラウドストレージサービスです。画像、動画、文書ファイルなど、あらゆる種類のデータを保存することができ、まるでパソコン上のフォルダのような感覚で利用できます。
S3の特徴的な点は、保存したデータに対してURLが発行され、インターネット経由で簡単にアクセスできることです。例えば、ウェブサイトで使用する画像をS3に保存し、そのURLをウェブサイトで使用することで、効率的なコンテンツ配信が可能になります。
データの保存容量に制限はなく、使用した分だけの料金を支払う仕組みとなっています。また、データのバックアップや長期保存にも適しており、99.999999999%という高い耐久性を持っています。さらに、アクセス頻度に応じて保存方法を選択できるため、コストを最適化することも可能です。
静的ページをAmazon S3で公開するケースの料金例
下記では、Amazon S3を活用して静的ページを公開した際の料金イメージをご紹介します。料金計算の条件は下記になります。
料金計算の条件
・サイト全体で1GBの容量
・1PVあたり合計15回のリクエストが発生
・1PVあたり合計2MBの転送量が発生
・月30万PV
データ容量: 1GB = 0.025USD
リクエスト数: 15 x 300,000PV ÷ 1,000 x 0.00037USD = 1.665USD
データ転送量: 2MB x 300,000PV = 600GB
(600GB - 無料分1GB) * 0.114USD = 68.286USD
合計: 0.025 + 1.665 + 68.286 = 69.976USD
概算ではありますが、30万PV規模のサイトであれば 月69USD(約10,700円)※5で公開できる計算となりました。また、上記の同条件でPVだけ月1万と想定すると以下のようになります。
データ容量: 1GB = 0.025USD
リクエスト数: 15 x 10,000PV ÷ 1,000 x 0.00037USD = 0.0555USD
データ転送量: 2MB x 10,000PV = 20GB
(20GB - 無料分1GB) * 0.114USD = 2.166USD
合計: 0.025 + 0.0555 + 2.166 = 2.2465USD
このように、1万PV程度なら月2.25USD(約350円)※5になります。
※5 2025年1月22日 時点の料金
今回は例として、特定のケースでのAmazon EC2とAmazon S3の料金を紹介しましたが、今回の利用用途以外でAWSを活用する際、事前にどの程度の費用がかかるかを把握するためにはAWS Pricing Calculatorを利用することを推奨します。また、料金は常に変動する可能性があるため、最新の情報を確認することが重要です。
お得にAWSを利用できる制度
リザーブドインスタンスによるコスト削減
リザーブドインスタンスは、1年または3年間の期間で特定のインスタンスタイプを指定して予約することで、Amazon EC2インスタンスやAmazon RDSなどのサービスの利用料金を大幅に削減できる割引制度です。
リザーブドインスタンスの購入時には、①前払いなし、②一部前払い、③全額前払いの3つのオプションがあり、前払い金額が大きいほど割引率が高くなります。そのため今後の利用予測を正確に行い、最適なオプションで購入することで、大幅なコスト削減が可能です。
2種類のリザーブドインスタンス
リザーブドインスタンスには、スタンダードとコンバーチブルの2種類がありますのでそれぞれについて以下で見ていきましょう。
スタンダードリザーブドインスタンス
スタンダードリザーブドインスタンスは、通常の料金(オンデマンド料金)から最大72%割引される料金プランです。インスタンスタイプやOS、リージョンなどの仕様は契約期間中は変更できませんが、長期利用を前提とした安定したシステムの運用には大きなコストメリットがあります。
コンバーチブルリザーブドインスタンス
コンバーチブルリザーブドインスタンスは、契約期間中でもインスタンスタイプやOSなどの仕様変更が可能な料金プランです。一方で、スタンダードリザーブドインスタンスと比べると割引率は最大54%と低くなりますが、システム要件の変更に柔軟に対応できるため、大幅な需要変動が考えられるビジネスやシステム要件の変更が予想される場合に適しています。
Savings Plans の活用
Savings Plansは、Amazon EC2、AWS Fargate、AWS Lambdaの利用料金を削減できる割引制度です。1時間あたりの利用額を1年間または3年間にわたって契約することで、最大72%の割引が適用されます。
例えば、1時間あたり10ドルの利用を約束する契約を結ぶと、10ドル(1時間あたり)までの利用が割引価格で提供されます。一方で、契約途中で1時間あたり支払う利用料金を増やすことはできず、仮に契約料金を超えた場合はオンデマンドの費用が加算されます。Savings Plansには、Compute Savings PlansとEC2 Instance Savings Plansの2種類があります。それぞれ以下で見ていきましょう。
Compute Savings Plans
Compute Savings Plansは、EC2、Fargate、Lambdaといった複数のAWSコンピューティングサービスで利用できる割引プログラムです。1時間あたりの利用額を1年間または3年間契約することで、オンデマンド料金から最大66%の割引を受けられます。
最も特徴的な点は、インスタンスファミリー、サイズ、OS、テナンシー、リージョンを問わず割引が適用される柔軟性です。例えば、東京リージョンのLinux EC2インスタンスから、米国リージョンのFargateに変更しても、契約した利用額(1時間あたり利用料金)の範囲内であれば継続して割引が適用されます。
Savings Plansを活用する前の推奨事項としては、まずはAWS Cost Explorerで利用パターンを分析し、最適な契約金額を設定するということをお勧めします。
EC2 Instance Savings Plans
EC2 Instance Savings Plansは、EC2インスタンスに特化した割引プランです。1時間あたりの利用額を1年間または3年間契約することで、通常のオンデマンド料金から最大72%の割引を受けることができます。
このプランの特徴は、特定のインスタンスファミリーに対して、より大きな割引率が適用される点です。例えば「m5インスタンスファミリー」を選択した場合、同じファミリー内であればサイズ(small、large等)やOS、リージョンを自由に変更できます。ただし、異なるインスタンスファミリー(c5やr5など)への変更は割引対象外となります。
Savings Plansとリザーブドインスタンスの違い
リザーブドインスタンスは、特定のインスタンスタイプ、OS、リージョンなどを予約する必要があり、変更の際には制約があります。例えば、t3.smallを予約した場合、その仕様でしか割引を受けることができません。一方、Savings Plansは時間あたりの利用額を約束する形式で、利用するインスタンスの仕様変更がより柔軟です。
また、先に触れたようにSavings Plansはコンピューティング全般(EC2、Fargate、Lambda)で利用できる「Compute Savings Plans」と、EC2に特化した「EC2 Instance Savings Plans」があります。特にCompute Savings Plansは、サービスをまたいで割引が適用される点が、特定インスタンスに紐づくリザーブドインスタンスとは大きく異なります。
スポットインスタンスの活用
スポットインスタンスは、AWSが提供する数多くのリソースの中から未使用キャパシティを活用することで割引を受けることのできる、EC2インスタンスの料金プランです。通常のオンデマンド料金と比べて最大90%程も安価に利用できる一方で、AWSの需要状況によってはインスタンスが強制終了される可能性があります※6。
このような特性から、バッチ処理やデータ分析など、処理の中断や再開が許容される作業に適しています。例えば、夜間のデータ処理や機械学習の学習処理などで活用されることが想定されるでしょう。
スポットインスタンスの料金は需要と供給のバランスによってリアルタイムに変動し、設定した上限価格を超えた場合や、AWS側で容量が必要になった場合にインスタンスが停止します。そのため、重要な本番環境や止まってはいけないシステムでの利用は控えるべきでしょう。
※6:https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/AWSEC2/latest/UserGuide/using-spot-instances.html#spot-features
AWS利用料金を最適化するためのポイント
コスト可視化ツールの導入
AWSのコストを最適化するためには、まず現状の利用状況を正確に把握することが重要です。例えば、AWS Cost Explorerというサービスは、利用料金を可視化し、分析するためのツールです。AWS Cost Explorerを利用することで、サービスごとの利用料金、アカウントごとの利用料金、時間ごとの利用料金などを詳細に確認できます。また、過去の利用状況を基に、将来の費用を予測することも可能です。
加えて、AWS Budgetsを使用することで、予算の設定や超過時のアラート通知も可能です。使い方の例としては、月間予算の80%に達した時点でメール通知を受け取るような設定をすることで、予想外の費用発生の前にアラートを検知できます。
これらのツールを活用することで、コストの透明性が高まり、最適化のための施策を立てやすくなります。
使用していないリソースの停止
これはコスト削減の基本ですが、使用していないリソースを停止することは非常に重要です。例えば、テスト環境や開発環境で、使用していないEC2インスタンスやRDSインスタンスを放置していると、無駄な費用が発生し続けます。定期的に利用状況を確認し、使用していないリソースを停止するか削除する必要があります。
このような無駄を省くために、AWS Trusted Advisorを利用することで、使用率が低いリソースを検出できます。改めてですが、使用していないリソースの停止はAWSのコスト最適化において、最も基本的な対策の一つですが、忘れがちな点なのでまず見直しましょう。
AWS Auto Scalingは、負荷に応じてインスタンス数を増減させることで、コストを最適化します。時間帯によってサーバー台数を変化するサービスを提供している場合などの活用が想定されるでしょう。
ストレージクラスの最適化
S3には、複数のストレージクラスが存在します。S3 Standard、S3 Intelligent-Tiering、S3 Standard-IA、S3 One Zone-IA、S3 Glacier、S3 Glacier DeepArchiveなどがあります。それぞれのストレージクラスは、料金、可用性、アクセス頻度が異なります。利用頻度や保存期間に応じて、最適なストレージクラスを選択することが重要です。
例えば、S3 Intelligent-Tieringは、アクセスパターンに応じて自動的にストレージクラスを最適化してくれるため、運用コストを削減できます。 また、ライフサイクルポリシーを設定することで、一定期間経過したオブジェクトを自動的により安価なストレージクラスに移行させることが可能です。このようにストレージクラスの最適化は、コスト削減に貢献します。
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データ転送料金の削減
AWSでは、データ転送にも料金が発生します。データ転送量の削減のために注意することは、同じリージョン内でのデータ転送は無料ですが、リージョン間の転送やインターネットへの転送には料金が発生するという点です。そのため、Amazon CloudFrontなどのCDNサービスを利用することで、エンドユーザーへのデータ転送を効率化して、データの転送先を最適化することを検討しましょう。
AWS利用料金に関する注意点
為替変動のリスク
AWSの料金は、基本的に米ドルで請求されます。そのため、為替変動によって実際の支払金額が変動する可能性があります。為替レートが円安になると、支払金額が増加し、円高になると支払金額が減少します。為替変動のリスクを考慮して、予算を立てる必要があります。
支払い方法による違い
AWSの支払い方法は、クレジットカード、デビットカード、請求書払いなどがあります。クレジットカードやデビットカードでの支払いは、即時に料金が請求されます。請求書払いは、一定期間後に料金が請求されます。支払い方法によって、利用できるサービスや支払い条件が異なる場合があります。法人アカウントでは、請求書払いが利用できる場合があります。また、円建てでの支払いを希望する場合は、AWSパートナー企業を経由して支払うという方法もあります。
Web サイトをAWSで運用する際の一般的な相場
今回はWebサイトをAWSで運用した場合にどのくらいの月額料金がかかるのかを、AWS公式ページから2つのケースを引用してご紹介します。
スケール可能な動的ウェブサイトを運用する場合の想定費用
サービス | 概要 | 料金(USD) |
Amazon EC2 | Linuxサーバー × 2 | 126.14 |
Amazon Elastic Block Store (EBS) | 100GB × 2 | 33.70 |
Amazon RDS for MySQL | vCPU: 2、Memory: 8 GiB、ストレージ 100GB MultiAZ | 321.79 |
Elastic Load Balancing | 毎秒平均 1 リクエスト | 24.05 |
AWS Web Application Firewall (WAF) | コアルールセット (CRS) マネージドルールグループ | 11.58 |
月額合計料金 | 517.26(USD)※7 |
上記構成の場合の月額料金は、517.26ドル(80,985 円※8)となります。
詳細についてはこちらのページを参照くださいませ。
※b 2025年1月23日時点のレート
高負荷なトラフィックに対応する動的ウェブサイトの想定費用
サービス | 概要 | 料金(USD) |
Amazon EC2 | Linuxサーバ × 2 ~ 4 | 161.58 |
Amazon Elastic Block Store (EBS) | 100GB × 2 | 36.56 |
Amazon RDS for MySQL | vCPU: 2、Memory: 8 GiB、ストレージ 100GB MultiAZ | 332.74 |
Elastic Load Balancing | 毎秒平均 2 リクエスト | 19.84 |
AWS Web Application Firewall (WAF) | コアルールセット (CRS) マネージドルールグループ, Rate-based rule (*1) | 25.77 |
Amazon CloudFront | 毎秒平均 10 リクエスト | 148.30 |
Amazon ElastiCache | vCPU: 2、Memory:6.38 GiB × 2 | 278.86 |
Amazon CloudWatch | 合計 15 メトリック | 4.50 |
Amazon Simple Storage Service (S3) | 静的コンテンツ 1GB | 0.03 |
月額合計料金 | 1,008.18(USD)※9 |
上記構成の場合の月額料金は、1,008.18ドル(157,853円※10)となります。
詳細についてはこちらのページを参照くださいませ。
※10 2025年1月23日時点のレート
AWSコスト管理の成功事例
バンダイナムコオンラインの事例(AWS)
バンダイナムコオンラインは、大規模マルチプレイゲーム「BLUE PROTOCOL」の運営において、AWS Graviton プロセッサとスポットインスタンスを活用し、コスト最適化を実現しました。同社は、AWS Graviton 搭載の Amazon EC2 インスタンスを採用し、さらにスポットインスタンスを特定サーバーに活用することで、従来比約32%のコスト削減を達成しました。
最大同時接続者数20万人以上、累計プレイヤー数100万人以上という大規模なトラフィックに対応しつつ、コスト削減を実現。マルチアーキテクチャのコンテナイメージ作成やKarpenterの採用など、技術的な工夫も施しています。今後も、Kubernetesクラスターの最適化やAmazon ElastiCache Serverlessへの移行を検討するなど、さらなる改善を目指しています。
本田技研工業株式会社の事例(AWS)
本田技研工業株式会社(Honda)は、2022年にコンテンツ配信ネットワーク(CDN)をAmazon CloudFrontに移行し、コストとパフォーマンスの最適化を実現しました。この移行により、Hondaはウェブサイトのパフォーマンス、信頼性、可用性、拡張性に関する高い基準を維持しながら、CDNのコストを最適化しました。
Amazon CloudFrontの採用により、Hondaは低レイテンシー(低遅延)でコンテンツを配信し、管理の容易さとパフォーマンスを向上させました。また、Lambda@EdgeやAmazon Route 53の活用により、複雑な設定や移行プロセスを効率化しました。
結果として、Hondaはインフラストラクチャ管理の時間を削減し、サーバーのプロビジョニングコストを最適化。AWSソリューションの採用により、パフォーマンス、可用性、信頼性、スケーラビリティが向上し、総合的なコスト最適化を達成しました。
本記事で解説したようにAWSの法人利用における料金は、企業のニーズや利用パターンによって大きく異なります。しかし、適切な計画と管理を行うことで、コストを最適化しながら、クラウドの柔軟性と拡張性を最大限に活用することが可能です。定期的な利用状況の見直しと、新しい割引プランや最適化ツールの活用を心がけることで、より効率的なAWS運用を実現できるでしょう。
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監修者:クロジカサーバー管理編集部
コーポレートサイト向けクラウドサーバーの構築・運用保守を行うサービス「クロジカサーバー管理」を提供。上場企業や大学、地方自治体など、セキュリティ対策を必要とするコーポレートサイトで250社以上の実績があります。当社の運用実績を踏まえたクラウドサーバー運用のノウハウをお届けします。
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