【サーバーのプロが選ぶ!】法人向けにおすすめのクラウドサーバーを徹底比較

【サーバーのプロが選ぶ!】法人向けにおすすめのクラウドサーバーを徹底比較

クラウドサーバーの導入を検討している法人の皆様へ、各クラウドサーバーの特徴紹介はもちろん、そもそもクラウドサーバーにはどんなメリット・デメリットがあるのか。などクラウドサーバー比較の前提知識にも触れつつ、適切なクラウドサーバーの選び方や「企業規模別」「利用目的別」におすすめのクラウドサーバーについて詳しく解説します。

コストパフォーマンス、セキュリティ、サポート体制などの重要なポイントを押さえて、最適なクラウドサーバーを選びましょう。記事の後半ではサーバー構築・運用業務を委託できる「サーバー運用・保守会社の比較」も紹介しております。情報が多くてわかりにくいクラウドサーバーの比較を本記事で網羅的に学ぶことができます。

この記事でわかること

① 法人向けにおすすめのクラウドサーバー
② 主要なクラウドサーバーの特徴や支払い形態について
③ 企業規模、利用目的 別におすすめのクラウドサーバー
④ クラウドサーバー保守・運用会社の特徴比較

そもそもクラウドサーバーとは?

クラウドサーバーとは、インターネット上の仮想環境で動作するサーバーのことです。物理的な機器を自社で用意する必要がなく、必要な時に必要な分だけ利用できます。データやアプリケーションをクラウド上で管理・運用でき、インターネット経由でどこからでもアクセス可能です。柔軟なスケーリングと低い初期コストが特徴です。

クラウドサーバーのメリット

近年では、クラウドサーバーは企業の規模や業種を問わず、幅広く利用されています。その理由は、以下のようなメリットがあるためです。各項目について一部、オンプレミスやレンタルサーバーとの違いについても言及いたします。

初期費用が安い

クラウドサーバーは、オンプレミスサーバーのように高額な機器購入や設置費用が不要です。また、レンタルサーバーでは一般的にサーバー設定費用や契約事務手数料がかかりますが、クラウドサーバーでは必要ないためよりも初期費用を低く、もしくは無料に抑えることが可能です。

運用管理の負担を削減できる

ハードウェア管理やシステム更新をAWSやAzureなどのサービス提供者が担当するため、オンプレミスと比べて運用管理の負担が大幅に軽減されます。これにより、企業はアプリケーションやコンテンツの管理に集中できます。

柔軟な拡張をスピーディーに実行可能

クラウドサーバーは、オンプレミスの物理的制約やレンタルサーバーの固定スペックと異なり、必要に応じて迅速かつ容易にリソースを増減できます。これにより、TV CM前のスペックアップや季節商品の販売などのキャンペーンに合わせたスペック調整などビジネスの変化に柔軟に対応可能です。

導入から実稼働までのスピードが速い

クラウドサーバーは、オンプレミスのような機器調達や設置が不要なため導入から数分〜数時間で稼働させることが可能です。また、レンタルサーバーは一般的に契約から利用開始まで数時間から数日かかる場合があります。このようにクラウドサーバーは必要なリソースを即座に確保でき、数分から数時間で実稼働環境を構築できるため、導入から運用開始までの時間を大幅に短縮できます。

クラウドサーバーのデメリット

特定のシステムとの連携ができない

特定の既存システムとの連携が難しい場合があります。これは、クラウドサービスがサポートするシステム(OSなど)やツールが限定されていることが原因です。特に、古い技術を使用しているシステムでは、クラウドサービスが対応していないことがあり、オンプレミスであれば独自に設定やカスタマイズが可能な場合でも、クラウドでは制約が生じることがあります。このため、クラウド移行時には、既存システムとの互換性を事前に確認することが重要です

セキュリティ性の担保に豊富な知見が必要

クラウドサーバーのセキュリティは、責任共有モデルに基づき、ユーザー側の適切な設定と管理が不可欠です。オンプレミスと比べ、クラウド特有の知識(例:AWSのセキュリティグループ設定)が必要となります。レンタルサーバーは多くの場合、基本的なセキュリティ設定が事前に行われていますが、クラウドではより詳細な設定が可能で、同時により多くの知識が要求されます。適切な設定を怠ると、予期せぬセキュリティリスクが生じる可能性があります。

一方で、クラウド特有の知識や自社が求めるセキュリティレベルの定義、運用リソースの整備ができている場合、クラウドサーバーは非常に高いレベルのセキュリティを提供できる可能性があります。

ベンダーロックイン

クラウドサーバーでは、AWSやAzureなど特定のベンダーのサービスや技術に依存することで、他のベンダーへの移行が困難になる「ベンダーロックイン」と呼ばれるリスクがあります。オンプレミスサーバーでは、ハードウェアやソフトウェアの選択が自由で、このリスクは低くなります。

ただし、クラウドサーバーでもオープンな標準技術(Docker、Kubernetes等)の採用が進んでおり、これらを活用することでベンダーロックインのリスクを軽減できます。

クラウドサーバーのメリット/デメリット

クラウドサーバーを導入する際は、このようなメリットとデメリットを考慮した上で、自社のニーズと状況を慎重に評価する必要があります。また、当然ですがデメリットに対する対策を可能な限り講じた上でクラウドプロバイダー選定など導入の具体の検討を行いましょう。

以上、クラウドサーバーの概要やメリット/デメリットを理解いただいたところで、本題の「法人向けにおすすめのクラウドサーバー比較」をご紹介します。

法人向けおすすめのクラウドサーバー比較

以下では、法人向けのおすすめの主要なクラウドサーバーの特徴をそれぞれ深掘り紹介いたします。

Amazon Web Services (AWS)

Amazon Web Services (AWS)は、世界で最もシェアの高いクラウドサービスです。幅広いサービスを提供しており、あらゆるニーズに対応できます。特に、以下のような特徴があります。

豊富なサービス

AWSは300以上のクラウドサービスを提供しており、他のクラウドプロバイダーと比較して最も幅広いサービスラインナップを誇っています。コンピューティング、ストレージ、データベース、分析、機械学習、IoTなど、様々な分野をカバーしており、ほぼすべてのユースケースに対応できる柔軟性があります。

グローバルな展開

AWSは世界中に33のリージョンと105のアベイラビリティーゾーンを持ち※1、グローバルな展開を容易にしています。この広範囲なインフラストラクチャにより、低遅延でのサービス提供や、地理的な冗長性の確保が可能となり、他のクラウドプロバイダーと比較して優位性があります。
※1:2024年8月15日時点

リソース管理が容易

AWS Compute Optimizerなどのツールを活用することで、人工知能と機械学習ベースの分析を使用してワークロードを適正化し、運用コストを削減することが可能です。

以上の特徴からAWSは、大規模なシステム構築やグローバル展開を検討している企業におすすめと言えるでしょう。

AWS(Amazon Web services)の特徴

Microsoft Azure

Microsoft Azureは、Microsoftが提供するクラウドサービスです。WindowsServerとの高い親和性があり、Microsoft製品を利用している企業にとって使いやすいサービスです。特に、以下のような特徴があります。

Windows Serverとの高い親和性

既存のWindows Server環境をクラウドにシームレスに移行できます。Active DirectoryやSQL ServerなどのMicrosoft製品との統合が容易です。

セキュリティ対策

多層的なセキュリティアプローチを採用しています。Azure Security Centerによる統合的な脅威検出と保護、Azure Key Vaultでの暗号化キー管理、多要素認証などのアイデンティティ保護機能を提供し、包括的なセキュリティ対策を実現しています。また、コンプライアンス基準への準拠も容易です。

ハイブリッドクラウド

オンプレミスのデータセンターとパブリッククラウドを組み合わせ、データとアプリケーションを共有できる環境を提供します。 Arcを使用して、オンプレミス、マルチクラウド、エッジ環境全体で一貫した管理と制御を実現し、柔軟性とスケーラビリティを向上させます。

以上の特徴からAzureは、Windows Serverを利用している企業や、ハイブリッドクラウド環境を構築したい企業におすすめです。

Microsoft Azureの特徴

Google Cloud Platform (GCP)

Google Cloud Platform (GCP)は、Googleが提供するクラウドサービスです。機械学習やビッグデータ分析など、高度な技術を活用したサービスを提供しています。特に、以下のような特徴があります。

機械学習・AI

AI Platform上で、高性能なGPUやTPU(Tensor Processing Unit)搭載サーバーを利用可能で、大規模なモデルトレーニングや推論処理を効率的に実行できます。また、AutoMLサービスにより、専用ハードウェアの管理なしで高度な機械学習タスクを実行できます。このように、GoogleのAI技術を活用したサービスを提供しています。

ビッグデータ分析

BigQueryを中心に、大規模データの高速処理と分析が可能です。フルマネージドサービスで、ペタバイト規模のデータを数秒で処理できます。機械学習や地理空間分析などの機能も統合されており、SQLライクな操作で高度な分析が可能です。Dataflow、Dataprocなどと連携し、包括的なデータ処理パイプラインを構築できます。以上のように大量のデータを効率的に分析できます。

コンテナ技術

Google Kubernetes Engine (GKE)を中心に、フルマネージドのコンテナオーケストレーションサービスを提供しています。Kubernetesの最新バージョンを常にサポートし、自動アップグレードや自動修復機能を備えています。Cloud Buildでコンテナイメージの作成と管理が可能で、Artifact Registryでイメージを安全に保存できます。また、Cloud Runでサーバーレスコンテナの実行環境も提供しています。

以上の特徴からGCPは、機械学習やビッグデータ分析など、高度な技術を活用したい企業におすすめです。

Google Cloud Platform (GCP)の特徴

さくらのクラウド

さくらのクラウドは、国内でシェアの高いクラウドサービスです。日本語サポートが充実しており、国内企業にとって使いやすいサービスです。特に、以下のような特徴があります。

日本語サポート

さくらのクラウドは、日本語によるサポートを提供しています。日本語のマニュアルが充実しており、コントロールパネルも日本語で利用可能です。また、日本国内法に準拠し、日本円での請求に対応しています。これにより、日本の企業や組織が安心して利用できる環境を整えています。言語の壁を感じることなく、技術的な問題解決や運用サポートを受けられます。

豊富なサーバーオプション

多様なサーバーオプションを提供しています。1コアから128コアまでのCPU、1GBから480GBまでのメモリ、高速SSDストレージなど、幅広い選択肢があります。また、GPUサーバーやベアメタルサーバーも利用可能で、ユーザーのニーズに合わせて柔軟にリソースを選択できます。オートスケール機能も備えており、負荷に応じた自動的なリソース調整が可能です。

価格の安さ

利用時間に応じて最安値が適用される料金体系で、1時間7円、1日77円(石狩リージョン)から利用可能です。20日未満は日割精算、それ以降は月額固定料金となります。また、長期利用向けの割引パスポート制度も提供しています。

これらの特徴からさくらのクラウドは、日本国内企業で日本語サポートが充実したクラウドサービスを探している企業におすすめです。

さくらのクラウドの特徴

IBM Cloud

IBM Cloudは、IBMが提供するクラウドサービスです。企業向けに、セキュリティやコンプライアンスに優れたサービスを提供しています。特に、以下のような特徴があります。

セキュリティ対策

エンドツーエンドのセキュリティ機能を提供し、データを使用中、転送中、保管時に保護します。またIBM Cloud Pak for Securityを通じて、ハイブリッド/マルチクラウド環境全体の脅威に対する洞察を得られます。

コンプライアンス

多数の業界標準と規制要件に準拠しており、ISO 27001、SOC 1/2/3、PCI DSS、GDPR、HIPAA等の認証を取得しています。さらに、IBM Cloud Security and Compliance Centerを通じて、コンプライアンス状況の可視化と管理が可能です。また、金融サービス向けの特化したコンプライアンスフレームワーク(IBM Cloud for Financial Services)も提供しています。

業界特化サービス

IBM Cloudは、金融サービス、小売、通信、エネルギー・公益事業など、特定の業界向けにカスタマイズされたクラウドソリューションを提供しています。例えば、IBM Cloud for Financial Servicesは、金融機関向けの規制対応や高度なセキュリティ要件を満たすように設計されています。これらの業界特化サービスにより、各セクターの固有のニーズや規制要件に対応し、迅速な導入と運用が可能になります。

これらの特徴からIBM Cloudは、金融業など高いセキュリティ対策とコンプライアンスが求められる企業におすすめです。

IBM Cloudの特徴

Oracle Cloud Infrastructure (OCI)

Oracle Cloud Infrastructure (OCI)は、Oracleが提供するクラウドサービスです。OracleDatabaseとの高い親和性があり、Oracle製品を利用している企業にとって使いやすいサービスです。特に、以下のような特徴があります。

Oracle Databaseとの高い親和性

OCIはOracle Databaseの最適化された実行環境を提供し、Exadata Cloud ServiceAutonomous Databaseなど、クラウド専用のデータベースサービスを展開しています。オンプレミスからの移行が容易で、同じ管理ツールやAPIを使用できます。また、Oracle Real Application Clusters (RAC)Data Guardなどの高可用性機能もクラウドで利用可能です。

セキュリティ対策

Cloud Guardによる継続的な監視と自動修正、Vaultによるキーとシークレットの管理、Web Application Firewallによる保護など、包括的なセキュリティサービスを提供しています。また、ISO27001やSOC2などの第三者認証も取得しています。

企業向けサービス

エンタープライズ向けのサポートが基本料金に含まれており、追加料金なしで利用可能です。また、既存のオンプレミス環境との高い互換性を持ち、ハイブリッドクラウド構築を容易にします。

OCIは、Oracle Databaseを利用している企業や、Webに膨大な情報を保存する必要のあるエンタープライズ企業向けのサービスを探している企業におすすめです。

Oracle Cloud Infrastructure (OCI)の特徴

【比較表】法人向けおすすめのクラウドサーバー

Amazon Web Services (AWS)Microsoft AzureGoogle Cloud Platform (GCP)さくらのクラウドIBM CloudOracle Cloud Infrastructure (OCI)
特徴世界でNo.1シェアのクラウドサービス。
300以上のサービスを提供している。
Microsoft製品を利用している企業に
とって使いやすいサーバー。
機械学習やビッグデータ分析など、
高度な技術を提供。
日本国内No.1シェアのクラウドインフラサービス。
政府クラウドに選定された初の国産クラウド。
業界特化で、セキュリティやコンプライアンスに
優れたサービスを提供。
Oracle製品を利用している企業にとって
使いやすいサーバー。
支払い形態従量課金制
※予約インスタンスなどのオプションあり
基本的には従量課金制
※予約インスタンスなどのオプションあり
従量課金制利用時間に応じた利用料金従量課金制,月額定額制,予約済みインスタンス従量課金,プリペイド方式+従量課金,年間契約
料金⚪︎⚪︎⚪︎⚪︎
セキュリティ⚪︎⚪︎⚪︎
サポート体制⚪︎⚪︎⚪︎
料金⚪︎⚪︎⚪︎⚪︎
※2024年8月26日時点

自社に合ったクラウドサーバーの選び方

サーバーの使用量の確認

クラウドサーバーを選ぶ際には、まず、自社のサーバー使用量を把握することが重要です。サーバーの使用量によって、必要なサーバーのスペックや料金が変わってきます。基本的に使用した分だけ料金が発生するという従量課金制のメリットを最大限に活かすためには使用量の確認は重要となります。

サーバーの使用量を把握するには、以下の方法があります。

・過去のサーバーログを確認する:過去のサーバーログから、CPU使用率、メモリ使用量、ディスク使用量などを確認できます。

・負荷テストを実施する:実際にサーバーに負荷をかけて、使用量を測定します。

これらの確認方法を用いてサーバーの使用量を把握することで、適切なサーバーを選定できます。

対応OSやアプリケーションの確認

クラウドサーバーは、様々なOSやアプリケーションに対応しています。自社のシステムで利用しているOSやアプリケーションが、どのクラウドサーバーで利用できるのかを確認する必要があります。

クラウドサーバーによっては、対応していないOSやアプリケーションがある場合もあります。そのため、事前に確認しておくことが重要です。

求めるセキュリティレベルへの適応度

クラウドサーバーは、セキュリティ対策が重要な要素です。柔軟にカスタマイズできるからこそ、時によっては脆くなりがちなセキュリティ対策には時間をかけてでも慎重に考える必要があります。自社のシステムのセキュリティレベルに合わせて、適切なクラウドサーバーを選ぶ必要があります。

クラウドサーバーのセキュリティレベルは、サービスによって異なります。そのため、自社のセキュリティポリシーに合ったクラウドサーバーを選ぶことが重要です。

サポート体制

クラウドサーバーは、トラブルが発生した場合に、適切なサポート体制が重要です。日本語サポートや24時間対応など、自社のニーズに合ったサポート体制を提供しているクラウドサーバーを選ぶ必要があります。

高い可用性を保つためにも、サポート体制が充実しているクラウドサーバーを選びましょう。トラブル発生時の対応にいかに迅速に、的確に対応出来るかが重要な判断基準となります。

自社に合ったクラウドサーバーの選び方

【企業規模別】クラウドサーバーのおすすめ

スタートアップ・中小企業向け

スタートアップや中小企業では、初期費用を抑え、柔軟にサーバーを拡張できることが重要です。そのため、以下のようなクラウドサーバーがおすすめです。

さくらのクラウド:日本語サポートが充実しており、転送量に費用がかからず比較的価格を抑えることができるため、スモールスタートがしやすい。

AWS:クラウドインフラシェア率No.1ということもあり、既にスタートアップ企業の運用事例も多く見られます。AWSのサービス提供範囲は豊富なためスタートアップ企業・中小企業は自社に必要不可欠なものから導入してコストを抑えて運用を始めましょう。

スタートアップは特にシステムへのアクセスや負荷の需要変化が大きいケースが多いため、柔軟性の高いAWSは比較的適しています。

中堅企業向け

中堅企業では、安定した運用とセキュリティ対策が重要です。そのため、以下のようなクラウドサーバーがおすすめです。

Microsoft Azure:Windows Serverとの高い親和性があり、セキュリティ対策が充実しています。

Microsoftの既存製品との高い親和性、グローバルな強力なネットワーク基盤、柔軟な料金体系という点は中堅企業にとって必要不可欠な判断基準となります。特に、Windows製品やOffice 365を利用している企業にとっては、シームレスな統合が可能です。

IBM Cloud:特にIBM i (AS/400)システムを利用している企業にとって、オンプレミスからの移行が容易で、安定性と実績があります。また、必要に応じてリソースを柔軟に調達でき、災害対策の強化も可能です。

Watsonに代表されるAI技術の活用が容易で、他社サービスと比較しても日本語対応が充実しています。ただし、AWSやAzureと比較すると市場シェアは小さく、操作性に課題があるため、企業の特性や既存システムとの親和性を考慮して選択する必要があります。

大手企業向け

大手企業では、大規模なシステム構築やグローバル展開に対応できることが重要です。そのため、以下のようなクラウドサーバーがおすすめです。

AWS:世界中に展開する豊富なデータセンターにより、グローバル規模での即時展開が可能です。また、240以上の多様なサービスラインナップと継続的な機能拡張により、企業の複雑なニーズに対応できます。

さらに、規模の経済を活かした継続的な値下げと従量課金制により、大規模システムでもコスト効率が高くなります。他のクラウドサーバーと比較しても、AWSは市場シェアNo.1の実績があり、エンタープライズ向け機能が充実しているため、大手企業にとってより信頼性の高い選択肢となっています。

Google Cloud Platform (GCP):Googleの強力なインフラストラクチャを活用し、高度なデータ分析やAI機能を提供しています。特にBigQueryの優れたデータ分析能力は、大規模なデータ処理を必要とする企業にとって大きな魅力です。

また、Kubernetesをベースとしたコンテナ環境の構築が容易で、クラウドネイティブな開発に適しています。AzureやAWSと比較して、Googleの革新的な技術力と豊富なサービスラインナップが、大手企業の複雑なニーズに応える上で優位性を持っています

【目的別】クラウドサーバーのおすすめ

LP・キャンペーンサイト

LPやキャンペーンサイトでは、短期間で大量のアクセスを集めることが重要です。そのため、以下のようなクラウドサーバーがおすすめです。

さくらのクラウド:高速なSSDストレージを標準搭載し、急激なアクセス増加にも対応できる柔軟なスケーラビリティを備えています。また、日本国内にデータセンターがあるため、低レイテンシーでの運用が可能です。さらに、無料のSSL証明書提供やCDN連携など、セキュリティと高速化に関する機能が充実しています。これらの特徴により、コストパフォーマンスに優れた安定したサイト運用が実現できます。

AWS:240以上の豊富なサービスラインナップから必要な機能を選択でき、柔軟なスケーリングが可能なため、急激なアクセス増加にも対応できます。従量課金制により、コスト効率も高くなります。また、世界中に展開されたデータセンターを活用し、グローバルな展開も容易です。さらに、24時間365日の日本語サポートがあり、安心して運用できます。これらの特徴により、AWSはLP・キャンペーンサイトの安定した運営と迅速な展開を実現します。AWS S3というサービスを活用してLPサイトを運営することが一般的です。

コーポレートサイト

コーポレートサイトでは、安定した運用とセキュリティ対策が重要です。そのため、以下のようなクラウドサーバーがおすすめです。

AWS:AWSは世界最大のクラウドプロバイダーとして、高い信頼性と安定性を提供しています。豊富なサービスラインナップにより、サイトの拡張性や機能追加が容易で、グローバル展開にも対応しやすいです。

また、セキュリティ機能が充実しており、企業の重要な情報を安全に管理できます。他のクラウドサービスと比較して、AWSは継続的な機能拡張と価格の最適化を行っており、コストパフォーマンスに優れています。これらの特徴により、AWSはコーポレートサイトの安定運用と成長に適した選択肢となっています。

Microsoft Azure:Azureは世界60以上のリージョンで展開され、高い可用性と信頼性を提供しています。特に、既存のMicrosoft製品との高い親和性があり、Windows環境やOffice 365との統合が容易です。

また、AIや機械学習などの先進的なサービスも充実しており、企業の革新的なプロジェクトにも対応できます。AWSと比較して、Azureはエンタープライズ向けの機能が充実しており、大規模な企業システムの移行や運用に適しています。さらに、ハイブリッドクラウド環境の構築にも強みがあり、オンプレミスとクラウドの柔軟な連携が可能です。

IRサイト

IRサイトでは、セキュリティ対策とコンプライアンス対応が重要です。そのため、以下のようなクラウドサーバーがおすすめです。

IBM Cloud:金融業界の国際基準にも対応しているため、機密性の高い情報を扱うIRサイトに適しています。さらに、AIやデータ分析技術を活用した投資家向けサービスの拡張が容易です。他社クラウドと比較して、IBMの長年のエンタープライズビジネスでの経験が活かされており、金融機関や大企業のニーズに特化した機能と信頼性を提供できる点が優位性となっています。

Oracle Cloud Infrastructure (OCI):OCIは堅牢なセキュリティと高可用性を備え、一定のサービスレベルが保証されているため、機密性の高い財務情報を安全に扱えます。また、100を超えるサービスを提供し、常に最先端の機能と性能を低コストで利用できます。

さらに、Oracle DatabaseやExadataなどのOracle製品との高い親和性があり、既存のOracle環境からの移行が容易です。競合他社と比較して、OCIは企業向けに最適化されており、エンタープライズグレードのパフォーマンスと信頼性を提供します。これらの特徴により、OCIはIRサイトの安定運用と効率的な情報公開を実現する優れた選択肢となっています。

~まとめ~ 最適なクラウドサーバーの選び方

本記事では、法人向けクラウドサーバーのおすすめ比較と選び方について解説しました。クラウドサーバーは、企業の規模や業種、目的によって最適なサービスが異なります。

自社のニーズに合ったクラウドサーバーを選ぶためには、以下の点を考慮する必要があります。

・サーバーの使用量
・対応OSやアプリケーション
・セキュリティレベル
・サポート体制

これらの点を考慮して、最適なクラウドサーバーを選びましょう。

クラウドサーバーは、企業のビジネスを効率化し、成長を加速させるための強力なツールです。適切なクラウドサーバーを選ぶことで、企業はより効果的にビジネスを進めることができます。

~番外編~ クラウドサーバー運用・保守会社の比較

クラウドサーバーは、自社で構築から運用を内製することが可能ですが、専門的な知識を要するため外部の委託企業に任せるという選択肢もあります。ここでは、クラウドサーバー運用保守会社の比較を行います。

各社サービス比較

A社B社C社クロジカサーバー管理
月額料金
(最低料金)
¥ 20,000/1台
AWS利用料は別途
¥ 15,000/1台
AWS利用料は別途
¥ 35,000/1台
AWS利用料は別途
¥ 59,800/1台
AWS利用料を含む
初期費用
(移行構築費用)
有料
¥100,000~
有料
¥100,000~
無料
(AWSに限る)
無料
(AWS・さくらのクラウドに限る)
CMS保守
主な支援企業規模中小〜中堅企業中小〜大手企業中小〜中堅企業中堅〜大手企業
WEBシステム
保守
×
AWSサーバーを運用する際の比較表

クラウドサーバーの運用・保守は、専門知識が必要となるため、専門の会社に依頼するのが一般的です。多くの運用・保守会社が存在しますが、それぞれサービス内容や料金体系が異なります。様々な評価項目を鑑みて自社のニーズに合った会社を選ぶことが重要です。

サーバー運用・保守会社の選定方法

サーバー運用・保守会社を選ぶ際には、以下の点を考慮しましょう。

・サービス内容:運用・保守の範囲、監視体制、サポート体制など
・料金体系:月額料金、初期費用、追加費用など
・経験実績: 過去の運用実績、顧客満足度など
・サポート体制: 電話サポート、メールサポート、チャットサポートなど

また複数の会社から見積もりを取り、比較検討することは欠かせません。
クロジカサーバー管理では、お客様の希望される要件をヒアリングさせていただいた上で最適なサーバー環境をご案内させていただきます。情報収集段階でも構いませんのでお気軽に壁打ちなどご相談いただけますと幸いです。

監修者:クロジカサーバー管理編集部

コーポレートサイト向けクラウドサーバーの構築・運用保守を行うサービス「クロジカサーバー管理」を提供。上場企業や大学、地方自治体など、セキュリティ対策を必要とするコーポレートサイトで250社以上の実績があります。当社の運用実績を踏まえたクラウドサーバー運用のノウハウをお届けします。

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