クラウド移行後の運用で注意する点|5分で分かるやさしい解説

こんにちは。「クロジカサーバー管理」 IT/テックライターのkait78です。

既存Webサイトやシステムのクラウド移行は企業にとって大きな一歩ですが、クラウド化を成功させるにはその後の運用管理が鍵を握ります。これは、自社サービスへの需要が将来増加する可能性があることや、情報技術の急速な進化に対応するためです。

本記事では、クラウド移行後の運用管理に着目して、注意すべきポイントについて分かりやすく解説します。

クラウド移行後の運用管理とは

クラウド移行後の運用とは、移行したシステムやアプリケーションがクラウド環境内で効率的かつ効果的に機能し続けるためのプロセスです。はじめに、オンプレミス環境とクラウド環境で、運用管理にどのような違いがあるか見ていきましょう。

オンプレミス環境の運用管理

従来のオンプレミス環境の場合は、サーバー台数やリソースに制限がありました。

そのため、管理する台数やストレージ・メモリ管理などは有限の値で管理する必要があり、一度構築をしてしまえば設定変更は頻繁に起こりません。また、サーバーは自社で所有しているため、初回にサーバー購入費のイニシャルコストを支払えば、その後は電気代やソフトウェアライセンス費用などのランニングコストのみを支払っていく方式となります。

これらの費用は毎月安定しており、サーバーの買い替え等がなければコスト管理はしやすいと言えるでしょう。他にも、ログの管理やソフトウェアバージョンアップ対応などがありますが、これはクラウド環境と共通で必要な対応となります。

クラウド環境の運用管理

一方クラウド環境の場合は、オンプレミスの運用管理とは異なる点が多々あります。

例えば、クラウド環境ではサーバー購入のイニシャルコストが掛からず、毎月のサーバー利用料としてランニングコストが発生します。ランニングコストは通信量や利用したAPIリクエスト数、ストレージ量などにより変動するため、毎月の費用が不安定となる傾向があります。

他にも、クラウド環境ではスケーリングやリソースの最適化などの管理が必要です。クラウド移行後の運用管理について次章で詳しく見ていきましょう。

クラウド移行後の主な課題と解決策

クラウドへの移行は、多くのメリットをもたらしますが、新たな課題も伴います。

とは言っても、実際はオンプレミスでは実現できなかった機能の実装や詳細な設定が可能になったと言い換えることもできます。例えば、オンプレミスではサーバーを新規で立ち上げるとなると数か月必要でしたが、クラウドの場合は5分〜10分程度で立ち上げが可能です。また、オートスケーリングやDR対策なども簡単に導入ができます。詳しく見ていきましょう。

パフォーマンス監視とリソースの最適化

・CPU利用率の監視と最適化

クラウド環境での運用では、パフォーマンスの監視とリソースの最適化が重要な要素となります。

これは、クラウドサーバーではスケーリング(CPU・メモリのスペックアップやサーバー台数の増減)が簡単に可能なためです。サーバーの一時停止は必要ですが、10分程度でサーバーリソースを変更することができます。月や年間を通してシステムのCPU利用率の推移を監視し、必要に応じてサーバー台数の調整が必要です。

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・ウェブトラフィックのパターンとピークタイムの分析

クラウドでは、ウェブトラフィックのパターン分析を行い、ピークタイムにおけるリソースの自動的なスケーリングが可能です。また、非ピークタイムのリソース削減を行うことで、コスト効率の良い運用が可能になります。

パフォーマンス監視とリソースの最適化を適切に行うことで、クラウド環境におけるサービスの品質を維持しつつ、運用コストの削減が可能です。

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コスト管理と最適化

リソースの適切なスケーリングとサイジング

クラウドサービスの利用におけるコスト管理と最適化は、運用の効率性を大きく左右します。

使用していないリソースの削減や、必要以上のスペックを持つサーバーのダウングレードは、コスト削減に直結します。AWSではオーバースペックのサーバーや利用していないリソースがあった場合に、より良いコスト効率を実現できるスペックの提案を行うAWS Trusted Advisorがあります。

・クラウドサービス利用明細の分析と可視化

クラウドサービスでは、料金利用明細の可視化・分析が可能です。AWS Cost Explorerでは、データベースやサーバー別の利用料はもちろん、アプリケーションやシステム毎にどれだけ費用が掛かっているかを分析することができます。

・リザーブドインスタンスよるコスト削減

クラウドの一部のサービスでは、前払いによるコスト削減が可能です。AWS EC2のリザーブドインスタンスというオプションを利用すると、オンデマンドインスタンスに比べて料金が最大72%割引されます。

他にも、開発・検証環境用途に利用できるスポットインスタンスやインスタンスタイプの途中変更が可能なSavingPlanなどがあり、最大で90%の割引ができます。自社にあった購入オプションを選びましょう。

データのバックアップと復旧計画

・災害復旧プランの策定と実施

クラウドサービスは世界中で利用され、日本の企業でもフランスやアメリカにサーバーを構築することができます。これにより、DR(災害復旧)対策が容易になり、災害や障害からの迅速な復旧が可能となります。

セキュリティの継続的な強化

・システム担当者の継続的な情報収集

クラウドサービスを利用する上で、セキュリティは最も重要な考慮事項の一つです。

技術が進化し続ける現代において、システム担当者は継続的な情報収集を行い、最新の脅威に対応する必要があります。このためには、定期的な研修や経済産業省のサイバーセキュリティ対策の最新情報を日頃からキャッチアップすることが重要です。

・社内のナレッジ共有で運用技術の平準化

社内のナレッジ共有はセキュリティ対策を強化する上で不可欠です。

退職や人事異動などにより、スキルを持った人材が担当業務を外れることにより、その業務を理解している人がいなくなってしまう可能性があります。社内Wikiやプロジェクト管理ツールを利用し、スキルの平準化やスキルトランスファーができる組織作りを行いましょう。

まとめ & クロジカサーバー管理の紹介

クラウド移行後の運用は、ビジネスの成長に直結する重要なプロセスの一つです。

パフォーマンスの最適化からコストの効率化、データの保護、セキュリティの強化に至るまで、定期的に見直す必要があります。しかし、企業によっては人材不足やスキル不足などにより、クラウドシステムの運用管理が難しい場合もあるのではないでしょうか。

こうした複雑な運用業務をサポートするために、「クロジカサーバー管理」は、企業のクラウド運用をサポートしています。「クロジカサーバー管理」ではクラウド運用業務だけでなく、クラウドへの移行も行っております。お気軽にお問い合わせください。

他にも、事業会社様のウェブサイトをデザインされるWeb制作会社様でクライアント様から「サーバー管理まで対応してほしい」というお声がある場合、Web制作会社様向けのパートナープログラムもご用意しておりますので、詳細のご質問などについてお気軽にお問い合わせください。

▼パートナープログラムについて
https://kurojica.com/server/partner-program/

ライター:kait78

元大手通信事業者のインフラエンジニア。ネットワーク・サーバー・AWS領域でIT/テック記事に特化した記事を執筆。Webサーバーにまつわる課題や悩みに対して実務経験を基にした、現場社員目線の課題解決となるアイデアを提供します。

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