テレビCM放送後のアクセス集中から自社Webサーバー守る方法とは?

こんにちは。「クロジカサーバー管理」 IT/テックライターのkait78です。

最近では、運用型テレビCMの「テレシー」や「ノバセル」といった低予算でCMが出稿できるサービスが話題となっています。テレシーによると、CM放送後にHPのアクセスが大幅にアップし問い合わせ数が2倍になった事例もあるようです。

しかし、テレビCMの放送後に発生するアクセス集中は多くの企業にとって喜ばしい反面、自社Webサーバーへの負荷が懸念されます。この記事では、テレビCM放送後のアクセス集中から自社Webサーバーを守るための方法について解説します。

アクセス集中へのリスク

はじめに、自社のホームページにアクセスが集中した際のリスクについて解説します。

アクセス集中がもたらす問題

総務省「令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」によると、全年代の休日におけるテレビ視聴時間平均が180分程度と、テレビCMの効果も大きな影響を与えます。また、総務省「令和4年版 情報通信白書」では、6割~7割の人が世の中の動きや趣味・娯楽の情報を得るためにインターネットを活用しているという結果が出ています。

そのため、テレビCM放送後に短期間でホームページにアクセスが集中してしまい、サイトが繋がりづらくなる・サーバーがダウンするといった問題が発生します。アクセス集中によるサーバーダウンの事例は数多くあります。例えば、有名ファッションブランドのA社(仮名)では、限定商品の発売日にECサイトへアクセスが集中しサイトダウン、加えて直接関連のない子会社のショッピングサイトまでサーバー障害が発生したという事例があります。

サーバーのダウンによる損失

サーバーダウンは、サイトが見れなくなってしまうというだけでなく、企業にとって様々な損失が発生します。特にテレビCMによって新規顧客を獲得しようとするタイミングでのダウンは、機会損失だけでなく、ブランドイメージの低下にも繋がりかねません。また、リピーターや既存顧客の信頼を失う原因にもなり得ます。このようなリスクを回避するためには、サーバーの耐久性を高めることが不可欠です。

自社webサーバーを守る方法

ここまで、テレビCMによるアクセス集中のリスクについて解説しました。続いて、これらのリスクに対してどのように対処するか、安定したサービス提供を継続するための方法をご紹介します。

CDN(Content Delivery Network)の活用

CDNは、世界中に分散されたサーバーネットワークを利用してコンテンツを配信する仕組みです。ユーザーからのリクエストに対してCDNのエッジサーバーがキャッシュ応答をするため、サーバーの負荷を軽減することが可能です。CDNはAkamaiやAWS、CloudFlareなど複数の企業がサービスを提供しています。

日本では主に東京と大阪にエッジサーバーが設置されていますが、事象者によっては福岡に拠点を持つサービスもあります。また、現在経済産業省では「令和5年度 データセンター地方拠点整備事業費補助金」事業を行っています。これにより今後地方のデータセンター及びエッジサーバー拠点が増えるため、さらにサーバー負荷の軽減・レスポンスが向上すると予想されます。

CDNについては、下記の記事で詳しく解説しています。併せてご覧ください。

▼CDNについての詳しい記事はコチラ
【Web担当者が知っておくべき】CDNとは?概要やメリットを解説!

キャッシュの最適化

CDNを利用してウェブサイトのパフォーマンス向上を行うには、キャッシュの最適化が不可欠です。キャッシュの最適化がされていないと、キャッシュがうまく機能せずにリクエストがエッジサーバーをそのまま通過してしまったり、サイトに不具合が発生する可能性があります。これはキャッシュは主に静的コンテンツ(画像やCSSファイルなど)に対応しているためです。

例えば、ログイン機能などを有する動的コンテンツページは基本的にキャッシュを行うことができません。サイトの静的ページ部分(https://ec-site.com/contens/…)はキャッシュし、動的ページの部分(https://ec-site.com/login/…)はキャッシュしないという設定を実施する必要があります。※一部CDNサービスでは動的コンテンツのリクエスト応答時間を短くすることでキャッシュを実現している場合もあります。

CDNを導入する際には、自社サーバーの特性を調査した上でキャッシュの最適化を行いましょう。

サーバーのスケーリング

CDN以外にもアクセス集中によるサーバーダウンを防ぐ方法があります。それはサーバーのスケーリングです。サーバーのスケーリングは、需要の変動に応じてリソースを柔軟に調整する方法です。クラウドサービスを利用すれば、トラフィック・CPUの増減や指定した時間に合わせて自動的にサーバーのキャパシティを調整できます。ただし、動的スケーリングにも注意が必要です。

例えば、CPU使用率90%でサーバーを拡張する設定を行っている場合、CPU使用率が89%や91%近辺で推移している際にはサーバーの追加・削除が繰り返し発生することになります。不要なスケールアウト・インが繰り返されないように、適切な設定を行いましょう。

モニタリングと対応策の構築

最後にアクセス集中によるサーバーの高負荷をいち早く検知・対応するための対策を解説します。本対策をすることで、サーバーのアクセス集中を即時に検知し、迅速な対応が可能となります。

トラフィックの監視

サーバーやネットワークのトラフィック監視を行いましょう。リアルタイムでトラフィックを監視することにより、異常なアクセスパターンや急激なトラフィック増加を早期に検知することが可能です。トラフィック監視には、ZabbixやAWS CloudWatchなどを利用します。閾値超過の場合にメールやSlackへ通知し、担当者が早期に異常を検知できるようになります。

異常時の自動対応システムの導入

テレビCMなどで起こるアクセス集中は一瞬で発生してしまいます。そのため、人が判断して作業する手法を取ると手遅れになる場合も多々あります。そこで、異常時には人ではなく、システムとして対処する方法が有効です。

自動対応システムの例として、上述したオートスケーリング機能やDDoSなどの異常なトラフィックを遮断するIPS(Intrusion Prevention System)などがあります。CDNやこれらのシステムを組み合わせることで、サーバーダウンを防ぐことが可能です。

テストと対策の継続的な改善

サーバーダウンを防ぐためには、テストと継続的な改善が重要です。

Apache BenchやJMeterを用いてサーバーの負荷テストを行い、どの程度の負荷まで耐えることができるのか、負荷に応じたサーバーの挙動(レスポンス低下や閲覧不可など)を把握しておきましょう。運用型テレビCMは、CPMやCPA・CPIといった指標を用いてPDCAサイクルを回すことが可能というメリットがあります。同様にサーバー運用もPDCAサイクルを回し、継続的な改善を行いましょう。

テレビCMを成功に導く基盤作りをクラウドサーバーで。

本記事では、テレビCM放送後のアクセス集中における自社サーバーの守り方を解説しました。

CDNやAuto Scaling機能を用いてサーバー負荷を減らし、トラフィック監視や自動対応システムの導入を行うことで、アクセス集中にも耐えうるWebサイトを作ることが可能です。これらの機能・システム導入はAWSやAzureなどのクラウドサービスがお勧めです。

「クロジカサーバー管理」 では、サーバー管理のトータルサポートサービスを提供しています。また、既存システムのAWS移行から、CDNの導入やサーバースケーリングの設定・サーバーダウン時の障害復旧作業も承っております。

他にも、事業会社様のウェブサイトをデザインされるWeb制作会社様でクライアント様から「サーバー管理まで対応してほしい」というお声がある場合、Web制作会社様向けのパートナープログラムもご用意しておりますので、詳細のご質問などについてお気軽にお問い合わせください。

▼パートナープログラムについて
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ライター:kait78

元大手通信事業者のインフラエンジニア。ネットワーク・サーバー・AWS領域でIT/テック記事に特化した記事を執筆。Webサーバーにまつわる課題や悩みに対して実務経験を基にした、現場社員目線の課題解決となるアイデアを提供します。

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