こんにちは。「クロジカスケジュール管理」コンサルティングチームの林です。
製造業では深刻な人材不足が問題になっています。少子高齢化が加速している現状を考えると、早急な働き方改革推進が必要です。
製造業で働き方改革を進めるためには、製造業特有の現場の状況を把握する必要があります。働き方改革を成功させるポイントを押さえることが大切です。
本記事では製造業の働き方改革の問題点、製造業で働き方改革を成功させるポイントやメリット、注意点などを解説していきます。
目次
働き方改革とは
働く人それぞれの事情に合わせて多様な働き方を選択できる環境を作り、よりよい将来を目指していくことを「働き方改革」といいます。
現状では少子高齢化によっておきる人口減少や、介護や育児と両立して働く人のニーズの多様化などを解決する働き方が求められています。
2018年7月には「働き方改革関連法」と呼ばれる労働法改正が成立しました。その後2019年4月には働き方改革関連法が順次施行され、
- 時間外労働の上限
- 有給取得の義務化
- 雇用における公正な待遇の確保
などが定められています。
働き方改革実現を目指して政府の法整備も進んでいます。特に政府が働き方改革で推進しているのが、
- 雇用形態の格差の解消
- 労働時間の見直し
- ワークライフバランスの実現
の3つです。
製造業の働き方改革の問題点
製造業の問題点として、リモートワークを取り入れにくいことが挙げられます。製造業で働き方改革を進めるためには、工場現場自体の効率を上げることが求められます。
製造業と一言でいっても、
- 扱っている製品
- 工場の設備
- 製造工程
- 使われている機械
などは工場ごとに異なっています。それぞれの現場の特性を考えた上で作業効率化を実現し、働き方改革を進めていく必要があるでしょう。
製造業で働き方改革を成功させるポイント
製造業で働き方改革を成功させるためには、ポイントを押さえて業務を進めていく必要があります。そうすれば無駄を省いて効率的に改革を進められるでしょう。
製造業で働き方改革を成功させるポイントには、
- 現状の課題を確認
- ペーパーレス化
- AIやIoTの活用
- データの共有を推進
- 柔軟な働き方の導入
などがあります。順番に解説していくので確認してみてください。
現状の課題を確認
現状の課題を確認すれば、生産性を向上させるために何をすればよいのかが自然と分かってきます。現状を確認するためには、まず労働契約書や就業規則を有効に活用するのがオススメです。
定められた労働時間や休日のルールが実際に守られているかどうかのチェックを進めましょう。守られていない場合は、なぜそれが起こっているのか、どのメンバーや部署での出来事なのかまでを細かく確認します。
いざ改善しようとしても、自社の状況が把握できていないままでは、改善の方向性がわかりません。まずは自社の現状の課題を確認する必要があるでしょう。
ペーパーレス化
一般的に、製造業の現場では書類や図面などの資料を参考にして作業を進めていくことが多くあります。紙媒体で保管している場合、資料が多いため必要な情報を探すのに時間がかかってしまうかもしれません。
資料が多くなると保管場所の確保が必要になってきます。資料が増えるたびに、自社内のスペースを圧迫していくことになるでしょう。これを防ぐためにも、業務に必要な書類や図面はすべてデジタル移行してペーパーレス化しましょう。
データ形式での管理を始めれば、今までのように時間をかけることなく必要な情報を見つけ出せるようになります。その結果、作業時間が短縮されるので空いた時間を他の作業に使うことが可能です。
業務に必要な書類や図面をデジタル化し、使用する際はタブレットを使って携帯するとよいでしょう。持ち運びが簡単で、内容に変更がでた場合は手元のタブレットで最新情報を更新できるため、時間の無駄を省けます。製造業での働き方改革では、ペーパーレス化の実現をすることがポイントです。
AIやIoTの活用
製造業で働き方改革を成功させるためには、AIやloTを活用することも大事です。AIは特化型AIと汎用型AIの2種類に分けられます。
現在多くの企業で利用されているのが特化型AIで、特定の作業だけを進めるAIのことです。画像認識技術や自動運転技術などが該当します。
IoTとは、モノがインターネットにつながることによって情報を得て、その情報を活用し今までできなかったことを可能にする技術のことをいいます。
AIやIoTを活用すれば、
- 大量のデータの収集
- 自動解析
- 定型業務の自動化
が可能です。作業時間の短縮、効率化が実現できるので、生産性向上や人的資源の有効活用が見込めます。
製造業の工場では、機器の稼働状況の監視や、ラインのモニタリングなどができるようになるでしょう。
IoTによって活用可能なものに、VRやARがあげられます。VRとは仮想現実のことです。ARは拡張現実のことで、現実の世界に視覚情報を重ねて表示する技術のことです。
IoTでこの2つを活用すれば、高度な職人の技術習得に役立てられます。新しく機器類などを工場に導入する前に、製造の流れをシミュレーションできるようにもなるでしょう。
データの共有を推進
データの共有を推進することも、製造業で働き方改革を成功させる際の大事なポイントです。社内で扱う情報をすべてクラウドツールに格納すれば、そのデータをインターネット環境下で誰でもすぐに確認できるようになります。
今までのようにデータ保持者からの許可を得なくても、必要なタイミングですぐにデータを確認できます。もし利用している端末が故障しても、データはすべてインターネットで管理されているので、データ紛失の恐れがなく安心です。
柔軟な働き方の導入
製造業で働き方改革を成功させるためには、柔軟な働き方を導入することも大事です。
製造業では深刻な人手不足が進んでいるので、特定の働き方しかできない勤務形態のままでは人材を確保できません。
労働者はそれぞれライフスタイルが違います。多様な働き方に対応できる環境ができれば、今まで採用できなかった人材を雇用できるようになるでしょう。
育児や介護で退職するしかなかった従業員も、多様な働き方の導入で離職を防止することが可能になります。
働き方には
- 短時間労働
- 就業時間の繰り上げ
- 繰り下げ対応
- フレックスタイム制
などがあります。自社にあった方法を検討し、導入するとよいでしょう。
製造業で働き方改革が必要な理由
製造業で働き方改革が必要な理由として挙げられるのが、深刻な人手不足です。かつて日本の国内には多くの工場があり、製造業で働く人が多い傾向にありました。
しかし、人件費の高騰したことにより工場を海外に移してコストを下げるという工夫がされていき、その流れで中国や台湾といった他国の技術が向上したことにより日本の脅威に変わっていきました。
現在では中国やアジアの人件費も高騰したので、工場を国内に戻す企業も増えています。しかし、工場を国内に戻しても、工場で働く人が簡単には増えないのが現状です。
工場勤務の場合、危険な作業や重労働が多いことも人手不足の原因になっています。労働者の負担を減らして、安全で快適な労働環境を実現することが早急に求められるでしょう。
製造業で働き方改革を進めるメリット
製造業で働き方改革を進めていくメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。メリットを知ることで、働き方改革を進めていくモチベーションが上がるはずです。これから製造業で働き方改革を進めるメリットとして、
- 生産性の向上
- 人材の獲得
- 従業員の健康サポート
- 従業員のやる気向上
をそれぞれ解説していきます。
生産性の向上
製造業で働き方改革を進めるメリットに、生産性の向上があります。働き方改革を進めることで、時間外労働に上限規制が設けられました。時間内で業務が終わるように、今までの業務の流れを見直して生産性を向上する必要が出てきたのです。
生産性を向上させるためにはシステム導入による業務効率化が必要になります。さらに、労働者が集中して業務が行えるような柔軟な働き方の導入が必要です。従業員が快適に作業できる環境をつくることが、生産性の向上につながります。
人材の獲得
製造業で働き方改革を進めることで、製造業に対するイメージを払拭できる可能性が高いです。
製造業は体力を使うイメージがあり、敬遠される原因となっています。製造業の多くの勤務体制は、昼夜の二交代制勤務や8時間ごとの三交代制勤務などです。
それに対し、製造業で柔軟な勤務体制を取り入れれば良いイメージがつきます。技術を身に付けられて、しかもライフスタイルにあわせて働けることをアピールできれば、人材の獲得の際に良い効果を発揮できるでしょう。
従業員の健康サポート
製造業で働き方改革を進めれば、従業員の健康サポートもできるでしょう。働き方改革推進によって従業員の仕事とプライベートのバランスがとれるようになれば、従業員の健康状態を良好に保てるようになります。
ワークライフバランスの整った環境であれば、十分な休養を取り、充実した生活を送れるようになります。
過重労働は従業員のパフォーマンス低下を招き、離職率を高める要因です。この要因を取り除き、健康を保ちながら従業員が働ける環境をつくりましょう。
従業員のやる気向上
製造業で生産性を上げるためには、従業員のパフォーマンスを向上させることが大事になってきます。働き方改革を進めてワークライフバランスの実現や公正な待遇を与えることで、従業員のやる気向上が期待でき、企業への愛着を持ってもらえるようになります。
従業員の企業への愛着が高まることで、離職を抑えられるという効果も出てくるでしょう。
製造業で働き方改革を進める注意点
製造業で働き方改革を進めていく上での注意点があります。働き方改革を進める際には、社内や社員にも協力してもらい連携を図るようにしましょう。一方的に改革を進めていくと一部では不満を抱かれる恐れがあります。
方法としては働き方改革を進めるプロジェクトチームを社内に設置するとよいかもしれません。各部門から選んだメンバーでチームを構成して、全社を巻き込みましょう。
そうすることで一人ひとりが自分ごととして受け入れやすくなるので、社内の理解を得やすくなります。
まとめ|製造業の働き方改革成功のポイントはIT活用
製造業では
- 若年層の入職者の減少
- 従業員の高齢化
- 人材不足
などの課題があるため、働き方改革を進めることが必要です。
製造業で働き方改革を成功させるためには、ITの活用がオススメです。可能なものはデジタル化して無駄を省き、作業を効率化しましょう。AIやIoTといった技術を活用して、作業時間の短縮を進めるのもよいでしょう。
この記事を参考にして、自社にあった働き方改革を進めてみてください。
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