介護保険に関する書類の電子化|メリットやルールなどを解説

こんにちは。「クロジカスケジュール管理」コンサルティングチームの林です。

介護保険の申請に必要な書類の電子化が、令和3年度の介護報酬改定により認められるようになりました。これにより、契約書への記名捺印が廃止されて電子署名が可能になったり、紙で保管していた書類をデータに移行したりすることが可能になりました。

本記事では、介護報酬改定の概要や電子化のルール、紙で書類を保管するデメリット、電子化のメリット、オススメの介護ソフトを解説します。

ぜひ本記事を参考に、介護保険書類の電子化に取り組んでみてください。

介護報酬の改定

介護報酬の改定は、3年に一度のサイクルで実施されています。常にそのときの社会情勢や環境の変化に対応できるように、最新の内容に見直されているのです。

令和3年度の改正には、

  • 感染症や災害への対応力強化
  • 地域包括ケアシステムの推進
  • 自立支援・重度化防止の取り組みの推進
  • 介護人材の確保・介護現場の革新
  • 制度の安定性・持続可能性の確保

の5つの柱があります。

団塊世代が後期高齢者となる2025年や、団塊ジュニア世代が65歳以上となる2040年を見据え、介護サービスの拡充を図るための内容が盛り込まれています。このうち電子化と関わりがあるのが、4番目の「介護人材の確保・介護現場の革新」です。

介護保険の申請に必要な書類とは

介護施設で提供される介護保険に基づいた介護サービスには、次のような申請書類が必要です。

  • 利用契約書
  • 重要事項説明書
  • ケアプラン
  • 介護計画書(通所または訪問)
  • サービス提供の記録(介護記録、看護記録など)
  • 事故報告書
  • 苦情処理に関する書類

他にも、事業種別やサービス形態によって異なる書類もあります。

これらの書類の電子化が認められるようになりましたが、そもそも紙の対応の改善が求められているのはなぜでしょうか。また、電子化するとどのようなメリットがあるのでしょうか。次から詳しく見ていきます。

紙の書類のデメリット

先ほども述べたように、介護保険の申請書類は電子化が進んでいます。従来のような紙の書類は、どのようなデメリットがあるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

保管スペースが必要になる

紙の書類のデメリットは、保管スペースが必要になることです。

介護保険に関わる書類は、保存期間が定められています。長年保存しなければならない書類が多く、すべて紙で保存するとかさばってしまい、倉庫や資料室などの保管スペースが必要です。

社内に収まらない場合は、倉庫などをレンタルする必要もあり、コストがかかります。また当然ですが、紙を印刷するための用紙やインク代もかかります。

検索に時間がかかる

検索に時間がかかることも紙の書類のデメリットです。紙の書類は、机の上や倉庫、資料室などに保管することになります。

長期間保管しているうちに何がどこにあるのかわからなくなったり、必要な書類が埋もれてしまったりする可能性があります。

長期間の保存で紙が劣化する

紙の書類は、経年劣化による黄ばみや褪色を避けられません。長年保存していると、いずれは字が見づらくなったり、ページが破れて必要な部分が読めなくなったりすることも考えられます。

電子化すれば、経年劣化の心配もなく、いつまでも綺麗な状態で保管しておくことが可能です。

紛失リスクがある

電子データよりも紙の書類のほうが、誤って捨てたりどこかに置き忘れたりしてしまうリスクが高くなります。さらには、台風や地震などの自然災害で書類を紛失してしまう可能性もあります。

電子データの場合も紛失リスクはゼロではありません。しかし、クラウド上に保管しておけば、複数のパソコンからデータにアクセスできますし、データのバックアップを取っておけば、データが破損しても復元することが可能です。

電子化のメリット

これまで、紙の書類のデメリットを見てきました。政府の方針としては電子化が推進されていますが、電子化にはどのようなメリットがあるのでしょうか。

これから4つのメリットを順番に解説していきます。

契約にかかる時間削減

紙の書類を用いる場合は、利用者の自宅を訪問する際に契約書や重要事項説明書を持参し、サービス内容の説明と署名捺印をしてもらうという流れで契約を行っていました。

しかし書類を電子化すれば、契約のためにかさばる書類を持って利用者宅と事務所を往復しなくてもよくなるのです。書類を電子契約サービス上で送付し、電子署名をしてもらうことで契約が完了します。

これにより契約業務の工数が削減でき、他の業務に多く時間を割くことが可能になります。

コスト削減

コスト削減になる点も、電子化のメリットの一つです。紙の書類の場合は、印刷する度にインク代や用紙代がかかっていました。さらに、倉庫や資料室など保管場所の費用も必要です。契約書の締結する際は、書類を郵送するのにもコストがかかっていました。

電子化することで、これらが不要になり大幅なコスト削減につながります。

業務効率化

電子化のメリットの3つめは、業務効率化につながることです。

紙の書類の場合には、書類の印刷や保管、契約書の郵送作業に手間がかかっていました。電子化することでこれらが不要になり、業務効率がアップします。

また紙の書類の場合は、必要な書類を探すのに時間がかかりますが、電子化されたデータはキーワードを入力して検索するだけで画面上に表示させることができます。

介護の質の向上

電子化のメリットの4つめは、介護の質の向上です。

書類を電子化して業務効率を上げることで空いた時間を活用し、利用者とのコミュニケーションを増やしたり、利用者のご家族への連絡を増やしたりすることも可能です。

介護保険の申請に必要な書類の電子化は、施設や職員だけではなく利用者にとってもメリットなのです。

書類の保存期間に注意

紙の書類のデメリットで触れましたが、介護保険に関わる書類は保存期間が定められています。

介護保険に関する書類は、厚生労働省によって介護保険サービスが終了してから2年間の保存が義務付けられています。

自治体によっては条例として、保存期間を別途定めている場合もあります。その場合は5年間の保存期間が定められていることが多いです。

厚生労働省令に記載されている保存期間は2年間ですが、介護保険サービスを行う施設・事業所が提出する介護給付費明細書は5年間の保存が義務付けられています。厚生労働省令に記載のある本来は2年の保存期間である文書と、この介護給付費明細書を突き合わせて確認することがあるため、5年間の保存を条例で定めているのです。

電子化したあとも、保存期間内はデータを消さずに残しておくように注意しましょう。

オススメの介護ソフト

介護保険の申請には、さまざまな書類や手続きが必要です。そのなかでも、国保連に介護保険サービスの請求を行う請求業務と、介護保険サービスの内容を記載する介護記録やケアプランなどの作成に多くの時間がかかっています。

今回は、請求業務に特化した介護ソフトと、介護記録の作成に特化した介護ソフトをそれぞれご紹介します。

かんたん介護ソフト

国保連請求や事業所運営を効率化する介護ソフトです。訪問介護や居宅介護支援、小規模多機能型居宅介護のほか、移動支援や総合事業の請求書も作成できます。

さらに、保険外の自費サービスにも対応しているので、幅広いサービスを提供している事業所にオススメです。

ヘルパーのシフト作成や給与計算、予定のリマインドメールなど、周辺業務の効率化につながる機能も搭載されています。サービスの数に関係なく、パソコン3台まで同時に使用できます。

楽すけ

「低価格」「操作性」「サポート力」を兼ね備えた、介護報酬請求業務を効率化するソフトウェアです。特にサポート体制が充実している点が魅力で、電話や遠隔操作で説明を受けることが可能です。パソコンが苦手な方でも安心して使用することができます。

毎月の国保連請求は、月間ケアプランの作成(利用サービスの予定・実績の登録)、給付請求チェック(請求金額の計算・エラーチェック)、伝送ファイルの作成、の3ステップで完了します。

また、利用者の介護保険認定有効期間切れや、摘要欄に入力必須な項目の入力漏れなどを知らせてくれるので、誤った請求をしてしまい、訂正・再請求をする手間も最小限に抑えられます。

ケアコラボ

記録に特化した、豊富な機能を持つクラウド型のケア記録システムです。利用者の日々の生活の様子やバイタル情報、スタッフ間の連絡事項、家族への共有事項などの情報を、スマホやタブレットから簡単に記録・閲覧できます。

記録はクラウド上に保管され、すべてタイムライン上に時系列で集約されるので、利用者の状況をひと目で把握可能です。

ケア記録アプリ

介護記録に特化したアプリで、iPadを使って介護記録をデジタル化します。介護現場のスタッフの声を聞いて作られたアプリで、業務負担の軽減を実現します。

バイタルや体重、食事、服薬、点眼、口腔ケア、入浴などの介護記録を、iPadから簡単に入力できます。タッチペンでの手書き入力やキーボード入力、選択式、定型文入力など、さまざまな入力方法があり、誰でも簡単に使用することができます。

記録内容は、iPadやパソコンから確認でき、パソコンで帳票を一括作成も可能です。転記作業が不要になり、事務作業の効率化につながります。

まとめ|ルールをおさえて介護保険に関する書類の電子化を進めよう

介護保険の申請に必要な書類の電子化について、メリットやルールを見てきました。令和3年度の改正によって、書類の電子化や押印の廃止が認められるようになりました。

紙の書類を取り扱うのは、さまざまなデメリットがあります。例えば、保管スペースが必要だったり、長期間の保存で紙が劣化したり紛失したりするリスクがあります。

電子化すれば、保管や管理作業に時間がかからなくなり、業務効率化につながります。また、印刷コストの削減にもなるのです。

なお、介護保険の申請に必要な書類は、保存期間が定められています。自治体によって異なる場合もあるため、確認して対応しましょう。

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