こんにちは。「クロジカスケジュール管理」コンサルティングチームの林です。
人材マネジメント能力は、現在の企業戦略の重要なポイントの一つです。なぜなら、優秀な人材の確保と人材の有効活用が企業の大きな課題だからです。
一人ひとりの従業員を最大限活かすには人材マネジメント能力が欠かせません。価値観や働き方が多様化している現在、人材マネジメント能力を向上させられれば、企業がさまざまな環境の変化に対応しながら成長していくことができます。
この記事では人材マネジメントの基本と人材マネジメントスキルを身につけるにはどうしたらいいかを考えます。
目次
人材マネジメント力とは
会社や企業などの組織を効果的に管理し目標を達成していくために、人材をどのように活用できるかを考える力です。そのためにはふさわしい人材を見つけて育てることも関係してきます。
一人ひとりのスキルを分析したり、そのスキルにあった育成を行うために必要な教育プランを立てたりすることが必要です。企業理念に沿った人を育てるための能力が人材マネジメント力といえます。
人材マネジメントスキルに注目が集まる理由
現在、人材マネジメントスキルが注目されているのはなぜでしょうか。
その理由には企業内の事業競争、少子高齢化による人材の不足、ライフワークバランスの見直しなどによる働き方の多様化など昨今注目されている問題が関係しています。一つずつ具体的に考えていきましょう。
事業競争
時代の変化は著しく、社会やビジネスの環境が一夜にして変化することがあります。そのような中、生き残りをかけて厳しい事業競争がなされているわけです。
このような環境下において、新しく出てきた課題に柔軟かつ迅速に対応することが求められます。多様な考え方や文化、背景を持つ人とのビジネスなどが行われる中で、コミュニケーションスキルや相手を尊重することができる人材を育てていく必要があります。
人材の不足
労働力不足による人材の不足は、日本全体の問題です。2030年問題と言われている高齢化に関する課題において、2030年時点で850万人超の労働力が不足すると推計されています。貴重な人材を確保するために職場の環境を整えるなど、マネジメントスキルが大切になってきます。
働き方の多様化
現在、働き方は多様化しています。休日出勤や長時間労働などかつては多く見られた働き方も、今では見直す動きが活発化しています。
時間外労働の規制やフレックスタイムの導入など、多様な働き方が選択できるようになっています。新型コロナウイルスの流行によって、ワークライフバランスも見直されるようになりました。その中で、生産性を落とすことなく個人の働き方に合わせた人材マネジメントが必要になっています。
人材マネジメントの6つの対象
会社の組織内で人材マネジメントを仕組み化すると、6つの要素に分けることができます。
一つひとつ具体的に考えていきます。
採用
採用とは新たな人材を雇うことです。自分の会社の経営戦略や事業の遂行のためにどのような人材が必要なのかを明らかにして、その条件にあった人を確保する必要があります。
教育
新たな人材を確保したあと、会社のニーズに合わせた能力やスキルを習得させるために教育を行います。入社時の研修やセミナー等を繰り返し実施することによって、一人ひとりの能力を向上させることに努めます。
評価
社員の実際の働きに合わせて適正な評価を行います。ここの能力や実績、今後の働きに対する期待などを明らかにし、その内容を従業員一人ひとりと共有します。
従業員のモチベーションを上げるのに、この評価はとても大切です。また評価によって、身につけるべきスキルや行うべき教育が明らかになります。
報酬
社員の評価に合わせて適正な報酬が与えられます。評価が形になるというこの報酬は、その仕組みを明確にすることが大切です。何をどう頑張ったらどのような報酬につながるか納得してもらえたら、より意欲的に業務に取り組むことができるからです。
配置・異動
個々の能力やスキルにあった適材適所の部署に配置をします。個人の能力や、やる気に応じて最適な業務が行えるように定期的な見直しが大切です。
従業員のモチベーションや業務達成に大きく関わる人事配置や移動は、新たな人材を必要とする箇所を見分けるのにも役立ちます。
休職・復職
出産や育児、介護など生活状況の変化や病気や怪我などの一時的なトラブルによって、仕事の継続が難しくなることがあります。そういった時に適切に休暇を取ることができるシステムを作ります。
必要に応じて休むことができると職場への復帰のスピードが早まることになり、従業員の離職を減らすことにつながります。せっかく時間をかけて行った採用や教育が無駄になる、というリスクを避けることも人材マネジメントの一つです。
人材マネジメントスキルを身につけるには
企業が存続・発展していくために、人材を育てる人材マネジメントスキルは必要不可欠といえます。人材マネジメントスキルは一朝一夕に身につけられるものではありません。一つずつ目標を持って取り組んでいくことが大切です。
まず、マネジメント能力の基本はコミュニケーション能力なので、日頃からいいコミュニケーションを取るよう意識的に努力することが大切です。
よく観察する能力も磨くと人材マネジメントスキルを身につけるのに役立ちます。よく観察するということは、相手を認めることや、問題を分析したり解決したりすることも含まれます。
自分のことを分析したり、他の人との関係を把握したりするのは適切な人材マネジメント行うトレーニングになるはずです。
人材マネジメント能力がある人とない人の特徴
人材マネジメント能力は単なる教育だけではなく、個々の従業員に合わせたスキルアップのトレーニングが欠かせません。人材マネジメント能力は高度な能力ですが、能力がある人とない人にはどのような差があるのでしょうか。
ここでは人材マネジメント能力の有無で、働くことにどのような影響があるか、一緒に考えていきましょう。
人材マネジメント能力がある人の特徴
まずは、人材マネジメント能力がある人の特徴についてみていきましょう。人材マネジメント能力がある人の特徴には、以下の3つが挙げられます。
- コミュニケーション能力がある
- 分析力がある
- 人望が厚い
それぞれについて、詳しく解説していきます。
①コミュニケーション能力がある
1つめの特徴は、コミュニケーション能力があることです。人材マネジメントのみならず、マネジメントにはコミュニケーション能力が欠かせません。一方的に話をするのではなく、円滑なコミュニケーションを行って意思疎通を図ることができます。
コミュニケーション能力がある人は、よい聞き手でもあり改善点や相手からの意見を受け入れる姿勢も持っています。人材マネジメントでは、相手との信頼関係を築くことが第一歩なので、高いコミュニケーションスキルは人材マネジメント能力がある人の特徴の一つです。
コミュニケーション能力がある上司の下で働くと、自分の意見を述べることができ、それを受け入れてもらえるので高いモチベーションを保って仕事ができます。また自ら目的意識や問題意識を持って仕事ができるので、スキルアップしていくでしょう。
②分析力がある
2つめの特徴は、分析力があることです。人材マネジメントでは、適材適所に人事配置をすることが求められます。その人の持つ能力を適切に分析し、適切な判断を下せる人は人材マネジメント能力がある人です。
分析力のある人の下で働くと、自分の能力を最大限活かしてもらうことができます。今の自分に必要なことを指摘してもらったり、将来のビジョンなどよい目標を教えてもらったりします。やりがいのある仕事ができるに違いありません。
③人望が厚い
3つめの特徴は人望が厚い人です。人材マネジメント能力には信頼関係が欠かせません。信頼関係を築くために自ら努力できる人は、自ずと人望が厚くなるものです。そのような人は、公平さ、誠実さ、謙遜さなど人間として魅力的な性質を持っています。
このような人の下で働くチームは協力関係が生まれます。自分のためだけではなく、チームのために貢献したいと思うようになるので、業務目標の達成が簡単になります。
人材マネジメント能力がない人の特徴
続いては、人材マネジメント能力がない人の特徴です。以下の3つのような特徴が挙げられます。
- コミュニケーションが苦手
- 意思決定ができない
- 臨機応変な対応ができない
それぞれについて、詳しく解説していきます。
①コミュニケーションが苦手
人材マネジメント能力がない人の1つめの特徴は、コミュニケーションが苦手ということです。指示を出したり報告をしたりすることが多い仕事の中で、コミュニケーションが苦手だと業務がスムーズに進まなくなります。
そのような上司の下で大きな影響を受けるのが部下です。コミュニケーションが苦手だと、受けた指示も受け入れにくく感じたり不満を抱くようになったり、仕事のモチベーションも上がりません。
②意思決定ができない
人材マネジメント能力がない人の2つめの特徴は、意思決定ができないことです。はっきりとした指示ではなく曖昧な意見ばかり述べている人と仕事をしていると、周りで仕事している人は不安になってしまい仕事の効率が下がります。その不安は、信頼関係にも影響を与えることになります。
③臨機応変な対応ができない
人材マネジメント能力がない人の3つめの特徴は、臨機応変な対応ができないことです。想定外のことは、いつ誰にでも起こります。
そういった状況でマニュアル以外の方法で対処できない上司は、人材マネジメント能力がないといえるでしょう。人材マネジメントにおいて相手にするのは人ですから、柔軟さや臨機応変な対応は、人材マネジメントにとって必要な能力となります。
人材マネジメント能力を身につけるためのシステム化
人材マネジメントの基本は人材情報を管理し、人材を育成し、適材適所に配置することです。その能力をサポートしてくれる、人材マネジメントシステムというものがあります。
マネジメントする人が目の前の業務に追われていると、人材マネジメントはおろそかになりがちです。しかし、システムを活用して教育や評価などの人材マネジメントの一部を効率化できれば、人にしかできないコミュニケーションの時間を十分に取ることができます。
信頼関係を築くには、人と人とのコミュニケーションが欠かせません。人材マネジメントシステムを導入することによって、人材マネジメント能力を向上させることができるのです。
人材マネジメントシステム導入で業務効率化を図る
人材マネジメントシステムを導入すると、今いる人材を確保し活躍してもらうことができます。労働人口が減少している中、人材の有効活用は業務効率化の中でも大切な課題です。
人材マネジメントシステムを導入することで、個人の持っている経歴やスキルを一括管理することができます。そうすると、一人ひとりに適した配置転換を行って、戦略的に人材育成することができます。
また人材マネジメントシステムを導入すると、評価を行う際にも公平さを保つことができます。公平な人事や評価はモチベーションの向上につながり、従業員の満足感が高まります。戦略的な人材育成や従業員のモチベーションの向上は、企業全体の効率上昇につながり、それは業務効率化につながるのです。
公平に評価をするためには
- 業務をスケジュール通りに進められているか
- 一つの作業に対してどれだけの時間をかけているのか
といった内容も基準として入ってきます。そういった時間を管理できるスケジュール管理システムも、人材マネジメントをしっかりと行うためには非常に役立ちます。
まとめ｜人材マネジメント能力を伸ばして適切なリーダーシップを発揮しよう
人材マネジメント能力が今の時代のニーズに応えるのに必要不可欠であることがわかりました。人材マネジメント能力を向上させることで、人的資源を効率よく活用し企業成長に貢献できます。
また人口減少や働き方改革などの課題が残る中、一人ひとりのモチベーションを向上させ適切なリーダーシップを発揮することができます。人材マネジメント能力はこれからの社会を担うすべての人に必要なスキルです。
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