介護業界における人手不足の現状とは?原因や解決策もご紹介!

こんにちは。「クロジカスケジュール管理」コンサルティングチームの林です。

介護業界における人手不足の深刻さは、ますます顕在化しています。少子高齢化の進行や労働環境の厳しさによる影響で、人手不足の問題はさらに深刻化しており、早急な対策や改善が必要です。

この記事では、介護業界の人手不足の現状や原因、解決策についてご紹介します。日本人だけではなく外国人を雇用するなどの解決策もあるため、介護業界の人手不足に興味がある方はぜひ参考にしてみてください。

介護業界における人手不足の現状

介護業界の大きな問題となっているのが、少子高齢化を原因とする人手不足です。現状の問題点や今後の展望について解説するので、それぞれ確認しておきましょう。

介護業界の現状

介護業界の現状として、少子化による労働人口の不足と高齢化による利用者の増加によって人手不足が深刻な問題となっています。

日本国民の4人に1人が75歳以上の後期高齢者となる「2025年問題」も近づいているため、今後人手不足はさらなる深刻な問題となっていきます。新型コロナウイルスの流行による負担増加なども、介護労働者の不足の大きな一因です。

介護の現場は従業員だけではなく利用者やその家族とも関わるため、人間関係の悩みやストレスを感じる方も少なくありません。現実問題として、給与もほかの職業よりも高いとはいえず、従業員の負担はかなり大きくなっています。

介護労働者の負担増や従業員の減少を解決することが今後の介護業界には必要となっていて、対策や改善などを日本全体で行うことが必要です。

介護業界の今後は

日本政府は介護業界をはじめとする人手不足を大きな問題として認識していて、2018年には「2040年を展望した社会保障・働き方改革本部」が厚生労働省に設置されました。少人数でも作業を行えるように、就業支援や地域格差の解消を目標にしています。

ロボットやAIの活用も改革の一つとして挙げていて、人々の経済的不安や業務負担軽減に期待ができます。現状としては課題の改善までは進んでいないため、今後はIT技術やAIを利用した業務効率化を目指すことが大切です。

介護業界の需要は今後も増えていくことが予想されるため、将来性のある業界といえるでしょう。介護の経験やスキルをもっている方は、これから価値が上がっていくため注目されている側面もあります。

人手不足に陥った原因とは

日本の介護業界が人手不足に陥った原因としては、

  • 高齢化
  • 少子化
  • 介護労働者の減少
  • 離職率の増加

が挙げられます。それぞれ細かく解説するので、確認しておきましょう。

高齢化

上述したとおり、日本では高齢化が大きな問題となっていて「2025年問題」も深刻です。今後もさらに高齢化が進行していくことが予想され、介護業界だけではなく飲食や物流などさまざまな業界で問題になっています。

労働人口の割合が減っているだけではなく、介護施設の利用者である年配の方の割合が増えていることから、介護業務の重要性が増えていることもわかります。

日本の家族構成も最近では変化していて、核家族世帯が増加し、自宅で介護を行っている家庭が減りました。これからも高齢化によってさらに介護業界の需要は増えていき、人手不足はより深刻な問題となっていくでしょう。

少子化

ライフスタイルの変化や女性の社会進出によって、日本全体の出生数も減少を続けています。2000年には119万人だった日本の出生数も2023年には75万人となっていて、介護業界をはじめとする人手不足への影響は大きいといえるでしょう。

今後も劇的な改善を望むことは難しく、10数年間は労働人口の減少がかなりの確率で続くことが予想されます。業務負担の軽減や業務効率化によって、少ない人数でも介護業務を行える環境づくりをすることが重要です。

*参考 介護業界の人手不足はどう解消する?深刻化の原因と対策・事例を徹底解説

*参考 2023年、出生数は過去最少(75万8631人)、死亡数は過去最多(159万503人)となり、我が国人口の減少幅は過去最大に—厚労省

介護労働者の減少

少子化と高齢化の影響によって、介護労働者の減少が続いています。給与の低さや業務の過酷さから、介護労働者の減少は年々問題になっています。

ほかの職業と比べても平均年収が低く、介護業界への就業希望者は少ないのが現状です。就業希望者がいても業界全体で人手不足なため、人材の取り合いは激化しています。

介護業界の経営者や採用担当者は、競合他社との競争に負けない人材獲得戦略や、就職希望者を増加させるための手段を考えることも必要です。介護業界で働く魅力や、自分が働く介護施設の労働環境のよさを洗い出して、採用活動の際にアピールしていきましょう。

離職率の増加

介護業界が人手不足に陥る原因として、離職率が高いことも挙げられます。給与や過酷な労働環境の影響がある場合だけではなく、職場の人間関係に問題があることで離職する方も少なくありません。

職員に限らず、利用者やその家族との関わりも必要なため、ほかの業種と比べてもコミュニケーションが大事な職種であるといえます。もちろん職員同士が働きやすい環境をつくったり、経営者や役職者がサポートをしたりすることも大切です。

女性の割合が高い職種でもあるため、結婚や出産などライフスタイルの変化に対して、職場側で柔軟な対応を行うことも必要になります。離職率の増加は、採用コストや教育コストの増加など、経営に関するデメリットもあるため、早期に対策を行いましょう。

介護業界における人手不足問題の解決策

介護業界における人手不足問題の解決策としては、以下の4つがあります。

それぞれ確認して、施設にあわせた方法を選択しましょう。

労働環境の改善

人手不足の問題を解決するためには、労働環境の改善が必要です。

  • 交代勤務
  • 長時間労働
  • 肉体的疲労
  • ストレス

など、介護業界で働く方は多くの問題に対応しながら業務を行っています。

政府による経済政策パッケージでは10年以上の介護福祉士に待遇改善を行っています。利用できるかどうか検討してみましょう。不要な経費や作業を見直すことでも、従業員の負担が減り給与として還元できる可能性もあります。

介護業務の負担を減らすことは難しいかもしれませんが、バックオフィスの業務などは効率化することで改善できます。現在行っている作業に無駄がないかを確認してみてください。

ITツールの導入

バックオフィスの業務改善には、ITツールの導入が効果的です。職場のペーパーレス化やタブレットデバイスなどを導入することで、書類作成や保管、郵送などのコストを削減できます。

バックオフィス作業に費やしていた時間を介護業務にあてられるので、施設利用者の満足度も向上します。ほかにも、見守り支援ロボットなどのIoT機器を導入すれば、介護業務の負担を軽減できる可能性も高いでしょう。

見守り支援ロボットは、従業員に代わって夜間の巡回作業や健康状態の数値化を行ってくれるため、積極的に利用を検討してみてください。すべての業務をITに任せることは難しくても、人員の削減には効果があることも多いかもしれません。

ユニットケアの導入

ユニットケアとは、入居者とスタッフともに少人数で行う介護手法です。スタッフは専任で少人数のため、目の行き届いた介護ができることや、関わりのある人数が限定されることでトラブルやストレスを減らせます。

外国人労働者の雇用

人手不足問題の解決策として、外国人労働者を雇用することも検討してみましょう。政府も外国人雇用に力を入れていて、インドネシアやフィリピン、ベトナムなどの国と協定を結びはじめています。

技能実習制度や特定技能のような制度も導入されていて、一定水準に達している人材を長期間雇用しやすいといったメリットもあります。

外国人雇用によって労働者の人数が増えれば、日本人労働者の離職率につながることもあるため、積極的に採用してみましょう。

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外国人を雇用するメリット

今まで外国人を雇用したことがない職場では、外国人を新しく採用することに抵抗があるかもしれません。

しかし外国人を雇用すれば、

  • 若い労働力を確保できる
  • 地方でも採用しやすい
  • 助成金を利用できる

といったメリットがあります。それぞれ確認しておきましょう。

若い労働力を確保できる

外国人を雇用する最大のメリットとして、若い労働力を確保できる点があります。外国から日本に来て働きたいと考える方のなかには、年齢が若い方が多くいます。

介護業務を行うには体力が必要で、変則勤務への対応などは若い年齢の方が対応しやすいことも事実です。単純に労働力が増加することから、職場環境の改善も行いやすくなるため、積極的な採用を検討してみましょう。

地方でも採用しやすい

日本人労働者は都心での生活を希望している方が多く、給与などの労働条件をよくしても地方での人材採用は難しい傾向があります。しかし、外国の方は立地よりも給与額や社宅の有無などで就職を決定する方も多く、地方でも採用人数が増えてきています。

自動車免許の関係や生活面でのサポートを介護施設側に求められることもありますが、外国人を雇用すると実績ができ、その後の従業員増加にも期待できます。

助成金を利用できる

日本は国の助成金制度がありますが、地方自治体でも介護分野向けの補助金を利用できることが多くあります。外国人労働者に対する日本語などの教育補助や、資格取得の補助などがその一例です。

日本人を雇用するよりもハードルは高く感じるかもしれませんが、国や地方自治体の制度を有効活用することでトータルコストを抑制することも可能です。

まとめ|職場環境の見直しを行って人手不足の解消を

この記事では、介護業界の人手不足の現状や原因、解決策についてご紹介しました。介護業界における人手不足は、少子高齢化や労働環境の厳しさ、給与の低さなどが原因となっています。

日本政府も人手不足を解決するために、外国人労働者の雇い入れを支援する制度も打ち出しています。今後さらに進行していくことが予想される人手不足や地域格差に対応するためにも、外国人労働者の積極的採用にもチャレンジしてみましょう。

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