こんにちは。「クロジカスケジュール管理」コンサルティングチームの林です。
PTAとは、子供たちのために、保護者や先生が協力してさまざまな活動を行う組織です。自分の子供が小学校に入ったときに、PTA役員を決めた経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
近年は共働きの夫婦が増えており、打ち合わせや学校行事の準備などに時間を取られるPTA役員になれないが強制的に選ばれてしまった、役員が決まらず押し付け合っているというケースも多いのではないでしょうか。
そこで、PTA運営の課題のグループウェアを使った解決策をご紹介します。PTA役員に挑戦しようと思っている方やPTA役員になって困っている方はぜひ参考にしてください。
目次
PTAにおける課題点
PTAの属人化
属人化とは、特定業務に関する手順や状況などの情報が特定の個人しか把握できておらず、周囲に共有されていない状態を指します。
PTAは各学校で組織される保護者と教員による教育関係団体です。PTAを実質運営しているのは10名以下からなる本部役員会であり、本部役員は毎年選出されます。したがって、毎年新しい役員が選出される可能性があります。
その際に、何年もPTAをしているベテラン役員の知識に頼りがちになり、組織が属人化しやすいのです。組織が属人化することで、「ベテラン役員がいなかったときに対応方法がわからない」「ベテラン役員の知識に依存し、共有されづらい」などといったトラブルが生じます。
名簿の管理の重要性
PTAでは役員の個人情報が記載された名簿を作成します。役員の名簿管理が個人情報保護法の改正により重要視されるようになりました。
法律の改正前では、5,000人以下の個人情報を取り扱う事業者は対象外とされていました。しかし、2022年4月1日から施行された個人情報保護法により、個人情報を取り扱う事業者の人数制限がなくなり、PTAも適用対象となりました。
法改正に伴い、これまでよりも役員の名簿管理の重要性が高まったのです。個人情報保護のために必要な義務や守らなければならないルールが増えました。これらの義務やルールを全員に周知し、必要な措置を講じなければなりません。
*参考 個人情報保護委員会|令和2年改正個人情報保護法 特集
データはExcelで管理
PTAのデータ管理はExcelで行っていることが多いです。役員の名簿作成や会計係の出納帳など全てをExcelにて管理しています。データが膨大になるにつれアプリケーションが重くなってしまいます。
また、ExcelデータをUSBを使って共有しているため、情報共有が非効率です。「USBを渡すために学校に行かなければならない」「いま誰がUSBを持っているのかわからない」などといった問題が生じやすいです。
PTAで活躍するグループウェア
ファイル管理・共有機能
これまでExcelで行っていた情報管理を、グループウェアのファイル管理・共有機能によって効率化することができます。ファイル管理・共有機能でできることは、名簿管理や資料の作成・共有などです。資料作成では、運営議事録などの運営に関連する資料やお知らせ配布用資料、企画報告書などを作成し、管理することができます。各関連資料の係の役員が該当のファイルを見ることができるユーザーを制限することにより、セキュリティ対策を行うことも可能です。個人情報が記載されている名簿管理についても、従来の紙媒体による保管より、圧倒的にセキュリティが高いといえます。また、グループウェアのファイル管理・共有機能はPCやスマホさえあれば、簡単に情報を共有することができます。これまでPTAでは学校に行かなければ情報を共有することができないことが多かったのですが、グループウェアの導入により、家にいながら情報を確認することができます。
スケジュール管理機能
PTAで活躍するグループウェアの2つ目は、「スケジュール管理機能」です。PTAではPTA行事や学校行事などのスケジュールを管理しなければなりません。学校では運動会など一年を通して行事があります。また、PTA同士で集まって会議をすることもあり、1年間のスケジュール管理をしっかり行い、各関係者に伝達しなければ組織はうまく回りません。グループウェアのスケジュール管理機能を利用することで、役員全員に対してスケジュールの共有をすることが容易になります。スケジュールを役員同士で共有していれば、共有されている役員全員がスケジュールを書き込んだり修正したりすることも可能です。スケジュール管理機能をうまく使うことで、役員同士のスケジュールを照らし合わせ、役員会議の予定を立てることもできます。これまでメールやLINEで行っていたスケジュール調整が、グループウェア1つで可能になります。
掲示板機能
掲示板機能とは、掲示板を使って個人から全体に情報を共有する機能です。これまでPTAの全体連絡では、回覧板などの紙媒体によるお知らせがほとんどでした。これでは情報共有の時間と手間がかかり効率が悪くなります。掲示板機能を利用することで、PTA本部役員会の会議で決まったことをPTA全体に一瞬で、周知することができます。掲示板に書き込むだけで、PTA全体が情報を見ることができるためとても簡単です。
PTAに対してグループウェアを導入する時の注意点
PTAに対してグループウェアを導入する時の注意点は3つあります。これらの注意点に気をつけて導入することで、失敗の可能性を下げることができるので、ぜひ参考にしてみてください。
一気に全員へ導入しないこと
注意点の1つ目は、「一気に全員へ導入しないこと」です。グループウェアを導入する際に、最初から全員の参加を試みてはいけません。一度に全員に導入すると、システム移行期間がないため、様々なトラブルが発生します。いきなり新しいツールを導入すると、慣れていない人たちが戸惑ってしまい、上手くグループウェアを使いこなせずに多くの問題が発生する可能性があります。
その結果、「アナログは不便だけど使い慣れてるし、グループウェアはもういいや。」ということになる可能性があります。したがって、グループウェアを導入するときは、まずは少人数で試験的に導入する方法をおすすめします。
例えば、10名以下の本部役員会の役員に導入してみるといいかもしれません。試験的に導入することで、「グループウェアが実際に機能するのか」「課題点や難点はどこか」などを検討することができます。最初にグループウェアの課題点を知っておくことで、全員への導入がスムーズになります。PTA総会の中で、グループウェアに詳しい人を作ることで、PTAの誰かがグループウェアの困りごとを抱えた時に、相談役になることもできます。
グループウェアの運用に詳しい人を作ること
注意点の2つ目は、「グループウェアの運用に詳しい人を作ること」です。PTAの運用で使用するのはLINEがほとんどですが、LINEでもグループ参加の方法や友達追加の方法がわからない方もいます。LINEよりも複雑なグループウェアの場合、このような問題がより発生しやすいでしょう。
したがって、先述した通り試験的にグループウェアを導入し、グループウェアに詳しい人を作っておく必要があります。そうすれば、グループウェアの機能を最大限に活用し、PTAを効率的に運用することができます。
スマートフォンで使えるグループウェアであること
注意点の3つ目は、「スマートフォンで使えるグループウェアであること」です。現状、自宅にPCはあるものの使用していない方がほとんどです。会社に務めている人ならともかく、専業主婦やあまりデスクワークをしたことがない人にとっては、PCよりもスマホの方が圧倒的に使いやすいでしょう。
したがって、グループウェアを導入する時はその機能がスマホでも利用できるかどうかを確認することが大切です。基本的に、グループウェアはスマホでも利用可能なものが多いため、スケジュールやファイル管理など特に利用したい機能が、スマホでもうまく動作できるかどうかをチェックしましょう。
PTAのグループウェアの導入事例
グループウェアを導入したPTAの事例について、紹介していきます。
A小学校は、グループウェアの導入によりペーパーレス化を実現できました。A小学校のPTAでは、グループウェアを導入する前までは「紙媒体による情報交換」「組織の属人化」「話し合いの際は学校に集合」などの実情がありました。PTA役員は「面倒くさいもの」というイメージが消えず、アナログ運営の限界を感じていました。
2017年度から無料のグループウェアを導入し、全世帯にグループウェアのIDを配布し、8割以上がグループウェアにログインできる状態になりました。PTAの役員の内グループウェア担当係が3名おり、必要な情報を役員同士で共有しています。
効果①個人情報保護対策
その結果、3つの効果がありました。1つめの効果は「個人情報保護対策」です。個人情報保護法の改正により、役員の名簿管理の厳重さが求められています。
グループウェアは高いセキュリティ対策により、この問題を解決できました。ファイルを閲覧できるユーザーを限定したり、ファイルに鍵をかけたりする機能を利用することで、「知らない誰かに個人情報が渡ってしまった」というようなトラブルを回避することができるのです。
効果②関係者との迅速かつ効率的な情報共有
2つ目の効果は、「関係者との迅速かつ効率的な情報共有」です。先に説明したようなファイル管理・共有機能やスケジュール機能、掲示板機能を活用することにより、PTA同士で効率的に情報を共有することが可能になりました。
また、スマホでもスケジュールを閲覧することができるため情報を紛失することがなく、いつでも確認することができます。
掲示板機能は保護者にとって、とても有効に活用できます。子どもの不注意により、学校から来る情報やお知らせが手元まで届かない保護者はたくさんいます。「前日になっていきなり必要なものを言われた!」という方も多いでしょう。
しかし、掲示板機能があれば、そのようなトラブルや問題がなくなります。
効果③学校外でもPTAの活動が可能
3つ目の効果は、「学校外でもPTAの活動が可能になったこと」です。これまで、PTA同士の報告や情報共有は、学校でわざわざ集まらなければなりませんでした。
グループウェアの導入により、この煩わしさが解消されたのです。学校に行かなくてもPTAの活動ができることは、「PTAの活動はめんどくさい」とこれまで敬遠してきた保護者達が、PTAの活動に参加しやすくなります。そうなれば、より活動的で発展的な組織となるでしょう。
まとめ|グループウェアでPTA運営を効率化!
PTAにグループウェアを導入することで、PTAの活動を効率化させることができます。特にこれまで紙媒体で行われていた情報共有やスケジュール管理など、時間と手間がかかる作業が軽減されます。しかし、便利だからと飛びついて注意点に留意せずグループウェアを導入してしまうと、失敗してしまう可能性が高いです。
試験的にグループウェアを導入し、自分の組織で確実に機能が働くことをしっかりと確認することが大切です。グループウェアを導入しPTAの活動が簡単かつ効率的になれば、PTA活動を敬遠する方は少なくなるでしょう。
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