オンプレのWindows ServerをAWSへ移行|既存システムを継続利用し、監視・保守まで任せる方法

オンプレミスで稼働している業務システムをAWSへ移行する際、必ずしもアプリケーション全体を作り替える必要はありません。
既存の業務アプリを継続して利用しながら、アプリを動かすWindows Server環境だけをAWSへ移行する方法があります。

ただし、AWSへ移行しても、Windows Serverの監視、障害対応、バックアップ、セキュリティアップデートなどの運用は残ります。
移行先を用意するだけでなく、移行後に誰がサーバーを管理するかまで決めておくことが必要です。

今回は、オンプレサーバーのリース期限をきっかけに、既存の業務アプリを継続利用しながらWindows Server基盤をAWSへ移行したいというご相談をもとに、クロジカが提案した構成と運用方法をご紹介します。

オンプレサーバーのリース期限を前に、AWS移行を検討

ご相談いただいた企業では、社内に設置したオンプレサーバー上で、複数の業務システムを運用していました。

しかし、サーバー機器のリース期限が迫っており、期限後には機器を返却する必要がありました。
オンプレ環境を継続する場合の見積もりも高くなっていたため、新たな物理サーバーを用意するか、AWSへ移行するかを判断しなければならない状況でした。

さらに、既存サーバーではディスク容量の逼迫によるアラートも発生していました。
今後は利用拠点の増加も予定されており、将来的には24時間365日の稼働を見据えた環境が必要になる見込みでした。

一方で、現在利用している自社開発の業務アプリは、今後も継続して利用したいという要望がありました。

そこでクロジカでは、システム全体を刷新するのではなく、既存アプリを継続利用できるWindows Server環境をAWS上に構築し、移行後の監視・保守まで継続して支援する構成を提案しました。

既存アプリを継続利用し、Windows Server基盤をAWSへ移行・管理

今回クロジカが提案したのは、オンプレ環境にあるすべてのサーバーを、そのままAWSへ移す構成ではありません。

サーバーの用途に応じて移行先を分け、今回対応が必要なアプリケーションサーバーをAWSへ移行する方針です。

必要なサーバーをAWSへ移す

既存環境では、主に次のサーバーが運用されていました。

  • ドメインコントローラー
  • ファイルサーバー
  • アプリケーションサーバー

このうち、クロジカがAWSへの移行対象として提案したのは、自社開発の業務アプリを動かしているアプリケーションサーバーです。

ドメインコントローラーはMicrosoft Entra IDへの移行が検討され、ファイルサーバーは別のクラウドストレージへ移行する予定だったため、今回の対応範囲から外しました。

すべてのサーバーを同じ方法で移行するのではなく、それぞれの用途に適した移行先を選びます。

クロジカでは、業務アプリを動かすため、AWS EC2上にWindows Server環境を構築し、既存のアプリケーションサーバーに代わる基盤を用意します。

アプリとインフラの担当を分ける

オンプレ環境からAWSへ移行する際、すべての作業を一社が担当するとは限りません。
今回の提案では、業務アプリとインフラで担当範囲を分けました。

顧客側またはアプリベンダー側では、次の作業を担当します。

  • 自社開発アプリの移行
  • 既存データの移行
  • 業務アプリの運用
  • 業務アプリのアップデート
  • 移行後やOSアップデート後のアプリ動作確認

クロジカでは、次の作業を担当します。

  • AWS環境の設定
  • ネットワーク設定
  • EC2の構築
  • Windows Serverの設定
  • 監視・バックアップ設定
  • 移行後のWindows Server保守

業務アプリの正しい動作や、業務上必要な処理が行われているかどうかは、実際にアプリを利用・開発している顧客側やアプリベンダー側でなければ判断できません。

クロジカでは、アプリを動かす基盤であるAWS環境構築、EC2構築、Windows Server構築を担当し、業務アプリ自体は顧客側またはアプリベンダー側が担当する形で役割を分けます。

移行後のWindows Serverを監視・復旧する

AWSへ移行しても、Windows Serverの運用が不要になるわけではありません。
サーバーが正常に動いているか、CPUやメモリの負荷が高くなっていないか、ディスク容量が不足していないかなどを、継続的に確認する必要があります。

クロジカでは、移行後のWindows Serverに対して、次の監視を行います。

死活監視

Windows Serverが起動し、正常に応答しているかを確認します。

ポート監視

業務アプリやミドルウェアが利用する通信ポートが、正常に応答しているかを確認します。

サービス監視

Windows Server上の監視対象サービスについて、サービスの応答を確認します。

リソース監視

次のようなサーバーリソースを監視します。

  • CPU使用率
  • メモリ使用量
  • ディスク使用量
  • その他、個別に設定した監視項目

監視システムが異常を検知した場合は、エンジニアへアラートが通知されます。

クロジカでは、通知内容をもとに原因を調査し、ベストエフォートで復旧対応を行います。
その後、顧客担当者へ状況の一次報告と復旧報告を行い、必要に応じて障害報告書を作成します。
異常を知らせるだけでなく、原因調査、復旧、報告までを一連の運用として支援します。

また、EC2インスタンスのバックアップを日次で取得し、3世代を保管します。
障害などによって復元が必要になった場合は、顧客からの依頼に応じてリストアを行います。

ただし、リストア後に業務アプリが正常に動作しているかどうかは、顧客側またはアプリベンダー側で確認する必要があります。

業務アプリへの影響を確認しながらOSを更新する

Windows Serverは、セキュリティを維持するために定期的なアップデートが必要です。

一方、業務アプリが動いているサーバーでは、公開されたアップデートを自動的に適用すればよいとは限りません。
更新内容によっては、Microsoft IISや業務アプリが利用しているWindowsの機能、通信方式、セキュリティ設定などに影響が出る可能性があります。
そのため、重大なセキュリティアップデートが公開された場合、クロジカから顧客へ連絡し、更新内容と作業スケジュールを協議します。

クロジカでは、Windows Serverのアップデートを実施し、更新後にOSと監視対象サービスが正常に稼働しているかを確認します。
業務アプリのアップデートや、業務上必要な処理が正しく行われているかの動作確認は、顧客側またはアプリベンダー側が担当します。
インフラ・OSと業務アプリで確認範囲を分けることで、セキュリティ対策を進めながら、既存アプリへの影響も確認できる運用にします。

AWS移行後の構成と役割分担

今回クロジカが提案したAWS移行後の構成は、次のとおりです。

Microsoft IISは、拠点の端末やタブレットから送られる要求を受け付け、自社開発アプリを動かすWebサーバーです。
自社開発アプリは、必要なデータをMicrosoft SQL Serverへ保存し、保存された情報を検索・取得します。

この環境に対し、顧客側・アプリベンダー側とクロジカで、次のように担当を分けます。

顧客側・アプリベンダー側

  • 自社開発アプリとデータの移行
  • 業務アプリの運用
  • 業務アプリのアップデート
  • OSアップデート後の業務アプリ動作確認

クロジカ

  • ネットワーク設定
  • AWS、EC2、Windows Serverの構築
  • 死活・ポート・サービス・リソース監視
  • 異常発生時の原因調査・復旧・報告
  • バックアップ、リストア(EC2インスタンス)
  • アップデート、ログ調査(対象:OS)

業務アプリの管理は顧客側またはアプリベンダー側に残し、アプリを動かすネットワーク、AWS、Windows Serverの構築・運用をクロジカが担当します。

まとめ|オンプレ環境の見直しから、AWS移行後の管理まで支援

オンプレサーバーのリース期限や更改時期を迎えた際、必ずしも既存の業務システム全体を刷新する必要はありません。
現在の業務アプリを継続利用しながら、そのアプリを動かすWindows Server基盤をAWSへ移行する方法があります。

ただし、AWSへ移行した後も、次の運用は残ります。

  • Windows Serverの監視
  • 障害発生時の原因調査・復旧
  • EC2インスタンスのバックアップ・リストア
  • Windows Serverのセキュリティアップデート
  • OSログの調査
  • ファイアウォールやアクセス制限の管理

移行先の環境を構築するだけでは、これらの運用負担は社内に残ります。

クロジカでは、ネットワーク、AWS、EC2、Windows Serverの構築に加え、移行後の監視、復旧、バックアップ、アップデート、ログ調査まで継続して支援します。
業務アプリとデータの管理は顧客側またはアプリベンダー側に残し、インフラとOSの運用を切り分けて任せることで、既存システムを継続利用しながらAWSへの移行を進められます。

オンプレ環境を確認し、AWSへ移す範囲と運用体制を整理します

オンプレサーバーをAWSへ移行する際は、現在のサーバーをすべて同じ方法で移す必要はありません。

ドメインコントローラー、ファイルサーバー、アプリケーションサーバーでは、適した移行先や移行方法が異なります。
また、既存の業務アプリを継続利用する場合は、Windows Server、Microsoft IIS、Microsoft SQL Server、ネットワークの構成も確認する必要があります。

クロジカでは、現在のサーバー構成や業務アプリの利用状況を確認し、次の内容を整理します。

  • AWSへ移行するサーバーと、別の環境へ移すサーバー
  • 既存の業務アプリを継続利用するために必要な構成
  • ネットワーク、AWS、Windows Serverの構築範囲
  • 顧客、アプリベンダー、クロジカの役割分担
  • 移行後に必要な監視、障害対応、バックアップ、アップデート
  • 移行作業や運用保守の見積もりに必要な前提条件

移行対象や役割分担が決まっていない段階でも、現行環境を確認したうえで、AWSへ移す範囲と移行後の運用方法から整理できます。

現在のサーバー構成をもとに、AWSへの移行方法を相談する

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