クラウドを利用していない企業があるのはなぜ?|企業の悩みや不安を紹介!

こんにちは。「クロジカサーバー管理」 IT/テックライターのkait78です。

近年、クラウドコンピューティングは著しい進化を遂げており、企業や組織はクラウドを導入することで業務改善や新たな市場の開拓に成功しています。しかし一方で、クラウドを扱う人材の不足や、クラウドについてよく分からないという企業が存在していることも事実です。今回は、その背後に潜む理由や課題、そしてクラウドを利用して成功を収めた企業の事例を紹介しながら、クラウド移行の方法についてご紹介します。

約3割の企業はクラウドを利用していない

クラウドの歴史は意外にも古く、AmazonがAWS(Amazon Web Service)として2006年からサービスを開始しています。総務省の「平成24年通信利用動向調査」「令和5年版 情報通信白書」によると、2011年頃までは利用率が2割に満たない状況でしたが、2022年には7割を超える企業がクラウドを導入したという結果になりました。

反対に、未だ3割の企業はクラウドを利用していないことになります。ここからは、クラウドを利用している企業の活用状況や、利用していない企業の理由について見ていきましょう。

企業におけるクラウドサービス活用状況

クラウドを導入している7割の企業はどのようにクラウドサービスを活用しているのでしょうか。「令和5年版 情報通信白書」によると、「ファイル保管・データ共有」として活用している企業が64%と最も多く、次いで「社内情報共有・ポータル」、「電子メール」、「給与、財務会計、人事」という結果となっています。

上記以外にも、「データバックアップ」や「システム開発、Webサイト構築」において活用している企業もあるようです。クロジカではクラウドによる「ファイル保管」・「社内情報共有」サービスも展開しております。

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業界別におけるクラウドサービス利用状況

続いて、業界別におけるクラウドサービス利用状況を見ていきましょう。

「令和5年版 情報通信白書」によると、金融・保険業、情報通信業の利用率が高く9割を超えています。その他、建設業、不動産業でも8割を超える企業がクラウドを利用しているという結果でした。現場での仕事のイメージが強い建設業や不動産業でもクラウドサービスを利用していることが分かります。

クラウドサービスを利用しない理由は?

次に、クラウドサービスを利用していない3割の企業のその理由について見ていきましょう。

クラウドサービスを利用しない理由TOP3

総務省「令和4年 通信利用動向調査報告書(企業編)」で実施された調査における、クラウドサービスを利用しない理由の上位3つをご紹介します。

1.必要がない

42%の企業が「クラウドサービスを利用する必要がない」と回答しています。小規模な企業や特定の業務領域においては、既存のシステムで十分としているケースがあるようです。ただし、クラウドを導入することで新規事業開始時や導入することで費用・労力が削減される場合もあります。

下記でご紹介していますので、気になる方はぜひご覧ください。
新規事業と相性抜群なクラウドサーバー 〜理由とメリットを解説〜
【Web担当者向け】クラウドサーバー導入で費用と労力を削減!|物理サーバー運用との違いとは?

2.クラウドの導入に伴う既存システムの改修コストが大きい

31.2%の企業が「クラウドの導入に伴う既存システムの改修コストが大きい」と回答しています。既存のオンプレミス環境のシステムからクラウドへ移行する際、既存投資分のコストが無駄になってしまう点や、改修作業にはコストと時間がかかるため、一部の企業はクラウドへの導入を躊躇しているようです。

一般的にオンプレミス環境からクラウド環境へのサーバーやシステムの移行には、初期費用として1万円から10万円、さらに月額費用が数万円から10万円程度掛かるとされています。また、既存システムのリプレースや保守更新のタイミングで移行をすると費用を抑えた改修・移行が可能となります。

▼サーバー管理の委託費用についての記事はコチラ
サーバー管理の委託費用は?委託業者の選び方も紹介!

3.情報漏えいなどセキュリティに不安がある

同じく31.2%の企業が「情報漏えいなどセキュリティに不安がある」と回答しています。クラウドサービスはインターネット経由でサーバーやシステム構築を行うサービスとなります。

そのため、個人情報や企業の機密情報を所有している企業においてはセキュリティに不安を感じている企業が多いようです。ですが、ゼロトラストやVPNなどセキュリティ対策をしっかりと実施すればオンプレミス環境よりも手間なく安全なシステムの構築が可能となります。

クラウドが利用できないケース

一部企業ではクラウドサービスを利用できないケースも存在します。
それぞれ見ていきましょう。

1.既存インフラ(システム)の方が安い

クラウドサービスを利用しない理由の第2位にも挙げられていますが、既存インフラ(システム)の方が安い場合は、クラウドを利用しないという判断をする場合があります。既存システムの更新時期やリプレース時期にクラウド移行を検討しても良いかもしれません。

2.安全対策基準に関する制約がある

銀行などの金融系や個人情報を取り扱うECサイト運営会社等は、安全対策基準に関する制約が発生する場合もあります。例えば、ISOやFISCなどの国際規格に遵守し承認を得ていない場合は企業活動が出来なくなってしまいます。しかし、クラウドサービスによってはISO・FISC認証を通っているサービスもあります。安全対策基準に不安がある方は、自身の会社の認証規格とクラウドサービスの認証規格を確認してみましょう。

3.ビジネスモデルや企業文化により柔軟な変更ができない

社内の一部の人はクラウドを導入してみたいと考えている人もいるかもしれません。しかし、ビジネスモデルや企業文化によってクラウド導入が難しい場合もあります。そのような場合は、クラウド導入に関するセミナーや無料相談を開催している企業も多数あるため、きっかけ作りに積極的に参加してみることをおすすめします。

約9割はクラウドを利用して効果を実感している

企業におけるクラウドサービス利用の効果について見ていきましょう。

「令和5年版 情報通信白書」によると、約9割の企業がクラウドを利用して効果があったと回答しています。クラウドは初期費用を抑えて、時間をかけずにシステムを利用することができるというメリットがあります。また、冗長構成やAI・IoTなどの先端技術も手軽に利用できるため、導入・活用の検討から始めてみることをお勧めします。

クラウド活用成功事例

最後にクラウド活用成功事例をご紹介します。AWSによるとクラウドソーシング事業を展開するランサーズ株式会社では、自社のサービスサイトをクラウドで展開しています。

クラウド導入により初期費用を20万円、ランニングコストの大幅削減、各サーバー開発にかかる時間の削減を実現しているようです。また、地方自治体や大企業、地方の酒蔵などでもクラウドを導入しており、DXやICT事業の推進に役立てています。

クラウドへの移行を考えてみませんか?

クラウドへの移行は企業にとって大きな変革ですが、適切に計画し実行することで多くのメリットを享受できます。「クロジカサーバー管理」では既存のシステムからクラウドへの移行に掛かる初期費用を無料で実施しています。システムに関する仕様書が無い場合でも、既存システムの調査から弊社のエンジニアが対応します。

クラウド移行後もセキュリティ対策や24時間監視、バックアップの取得などサーバー管理におけるトータルサポートを提供しています。クラウド移行を検討している企業ご担当者は、ぜひ「クロジカサーバー管理」へお気軽にお問い合わせください。

ライター:kait78

元大手通信事業者のインフラエンジニア。ネットワーク・サーバー・AWS領域でIT/テック記事に特化した記事を執筆。Webサーバーにまつわる課題や悩みに対して実務経験を基にした、現場社員目線の課題解決となるアイデアを提供します。

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