【Web担当者向け】クラウドサーバー導入で費用と労力を削減!|物理サーバー運用との違いとは?

こんにちは。「クロジカサーバー管理」 IT/テックライターのkait78です。

企業のホームページやアプリケーションは、24時間いつでも閲覧・利用可能で、セキュリティが確保されている必要があります。そのため、サーバーの選択は重要なポイントです。サーバーの管理手法として、物理サーバーを管理する場合とクラウドサービスを利用する方法があります。

本記事では、クラウドサーバーと物理サーバーを比較して削減できる費用や労力・メンテナンスなどの違いについて解説します。

サーバーのクラウド化とは

サーバーのクラウド化とは、従来の物理的なサーバーを使用せずに、インターネット経由で提供される仮想的なサーバーを利用することです。ここでは、物理サーバーとクラウドサーバーの概要についてご紹介します。

物理サーバー

物理サーバーとは、社内のサーバールームやデータセンターなどの場所に設置された実体のあるサーバーのことで、オンプレミス環境と呼ばれています。

これまで多くの企業が物理サーバーを使用してデータやアプリケーションを管理してきました。しかし、物理サーバーでは、ハードウェアの設置や保守、サーバールームのセキュリティの管理など、多くの費用と労力が必要です。

クラウドサーバー

クラウドサーバーは、インターネットを介して利用できる仮想的なサーバーです。データやアプリケーションはクラウドプロバイダークラウドプロバイダー(以下、専門業者と称す)が所有するデータセンターに保存され、必要な時にインターネット経由でアクセスできます。

そのため、クラウドサーバーを利用することで物理サーバーで必要なハードウェアの設置や保守・セキュリティ管理から解放されます。

また、クラウドサーバーは、中小企業や大企業・日本政府もガバメントクラウドとして採用するなど、物理サーバーからクラウドサーバーへ移行の流れが進んでいます。

代表的なクラウドサービス:AWS(Amazon Web Service)

代表的なクラウドサービスを1つご紹介します。

AWS(Amazon Web Services)は、Amazonが提供するクラウドサービスの一つであり、世界中で幅広く利用されています。

AWSは、仮想サーバー・データストレージ・データベースなど、さまざまなクラウドサービスを提供しています。また、AWSでは24時間365日、安全にサービスを提供するために、サーバーの冗長化やセキュリティ対策が可能です。

クラウドサーバーと物理サーバーの違い

ここからは、クラウドサーバーと物理サーバーの違いについて解説します。
費用・労力・セキュリティについてそれぞれ比較します。

費用の違い
サーバーを導入・運用する費用は、サーバーを設置するために必要な設備投資・サーバー自体のイニシャルコスト・ランニングコストの3つに分かれます。

設備投資
サーバーを設置するための設備投資費用です。物理サーバーの場合、サーバーを設置するサーバールーム・サーバールーム内のサーバーラック・サーバーを動かすための電源・サーバーを冷やすための空調設備が必要です。

また、セキュリティカードや監視カメラの導入など物理的なセキュリティ対策をします。一方で、クラウドサーバーの場合は、物理的な設備投資が不要で、パソコン1台とインターネット環境があればサーバーを構築することができます。

        設備投資費用  料金      例             
物理サーバー数百万~数千万円サーバールーム・サーバーラック・電源・空調など
クラウドサーバー--

イニシャルコスト
サーバーを導入するためのイニシャルコストです。

物理サーバーの場合、サーバーの購入費用が必要です。サーバーは精密機器で数百万程度する高価な機器となります。それ以外にも、サーバーを繋ぐケーブルが必要です。

また、サーバーの冗長構成を作る場合は、サーバーを2台以上購入する必要があります。クラウドサーバーの場合、イニシャルコストは発生しません。クラウドサービスは使った分だけ費用が発生する従量課金制の支払い方式となっており、イニシャルコストは発生せず、ランニングコストでサービス利用料を支払います。

イニシャルコスト料金
物理サーバー数百万程度サーバー・ケーブルなど
クラウドサーバー--

ランニングコスト
サーバーを運用するためのランニングコストです。

物理サーバーでは、サーバー稼働や冷房設備の電力費用などのランニングコストがかかります。また、サーバーの購入先のベンダーとの月額保守費用が発生します。

電気代は数千円~数万円程度、ベンダーの保守費用は数万円程度が相場です。また、機器としての寿命や故障が発生した場合は、部品の交換や機器本体の交換費用が追加で発生します。

クラウドサーバーの場合、従量課金制によるサーバー利用料が必要です。利用料はサーバーの稼働時間(時間単位での課金)、保存するストレージ量、インターネットとの通信データ量により決定します。

また、クラウドサービスのサポートを受ける場合は月額費用が発生します。クラウド利用料はサーバーのスペックや利用量によりますが、一般的なアプリケーションの場合は数万円程度~数十万円程度となります。サポート費用もプランによりますが、月額で数万円程度です。

ランニングコスト料金(月額)
物理サーバー数千円~10万円程度電気代・ベンダー保守費用など
クラウドサーバー数万円~数十万円程度クラウド利用料・サポート費用など

このように、物理サーバーとクラウドサーバーでイニシャルコスト・ランニングコストに違いがあります。物理サーバーは、イニシャルコストは大きいですがランニングコストは比較的抑えることができます。

クラウドサーバーでは、イニシャルコストは専門業者によって管理されるため、効率的にコストを抑えることができます。その分、ランニングコストが大きくなります。

労力の違い
サーバーを導入・運用する労力も、物理サーバーとクラウドサーバーでは異なります。

物理作業
物理サーバーの場合、サーバーの設置を行うラッキング作業やケーブルの配線作業があります。サーバーの重さは10kg~30kg程度あり、2人以上での作業が必須です。

また、メンテナンス作業も必要です。

たとえば、1年に1度程度、サーバーのフィルタ(エアコンフィルタのようなもの)の交換作業が必要になります。クラウドサーバーの場合、物理作業は専門業者が全て管理しているため、物理作業は不要となります。

このように、専門業者がある程度の範囲で責任を持って対応することをAWSの場合は「責任共有モデル」と呼びます。

▼「責任共有モデル」について詳しく知りたい方はコチラ
AWSのセキュリティを考える上で知っておきたい「責任共有モデル」とは?

物理作業作業時間
物理サーバー導入に数十時間
年に数時間程度
サーバーラッキング・フィルタ交換・など
クラウドサーバー--

設定作業
サーバーの設定作業は物理サーバー・クラウドサーバーどちらも同程度発生します。ただし、クラウドサーバーの場合、OSやミドルウェアと呼ばれる設定がある程度入っている状態からサーバーを起動することができるサービスも存在します。

設定作業作業時間
物理サーバー数時間程度OS、ミドルウェア、その他プログラミングなど
クラウドサーバー数時間程度プログラミングなど

セキュリティの違い
物理サーバーでは、セキュリティ対策を企業自身で行う必要があります。これには、ファイアウォールの設定、侵入検知システムの導入、物理的なセキュリティ対策などが含まれます。

一方、クラウドサーバーでは、物理的なセキュリティ対策は「責任共有モデル」内であるため専門業者側で対策をします。

ソフトウェア側もある程度パッケージ化されたサービスが提供されており、手軽にセキュリティ対策を導入することが可能です。

ただし、物理サーバーの場合は全て社内でセキュリティをコントロールできるため、その点ではメリットがあります。

クラウドサーバーの場合はデータセンターの物理的な範囲はブラックボックス化しており、サービスを利用する企業に責任は無いとはいえ、情報流出や長時間故障が発生した影響はエンドユーザーのお客様に損害を与えるため、結果的にクラウドを選定・導入した会社の信用問題に直結することになります。

専門業者側もISOの認証を取得しており、セキュリティ対策は万全を期していますが、そのリスクがあることは覚えておきましょう。

セキュリティ対策   作業時間   
物理サーバー数十時間程度監視カメラ・セキュリティカード・ファイヤーウォール設定など
クラウドサーバー   数時間程度ファイヤーウォール設定など

物理サーバーの運用は無駄な費用や労力が必要
以上が、物理サーバーとクラウドサーバーの費用・労力・セキュリティ対策の違いでした。

これから分かるとおり、物理サーバーの運用には、多くの場合、不必要な費用や労力が発生します。これらに対応することで、担当社員にとって負担が大きくなる可能性があります。

クラウドを導入することにより物理サーバーで必要とされる作業から解放され、自身の本来の作業により集中することができます。

費用面でも、ランニングコストは上がりますが、サーバーの故障や増設となった場合の費用を鑑みると、クラウド化の方が結果的にコストが安くなる傾向にあります。

クラウド化により、中小企業でも手軽にサービス展開が可能に

ここまで説明したように、物理サーバーの運用には大きな費用や手間がかかるため、中小企業にとっては導入や運用のハードルが高い場合がありました。

しかし、クラウドサーバーの導入により、中小企業でも手軽にサービスを展開することができるようになります。クラウドサービスを活用することで、費用と労力を削減しながらサーバーを導入できるため、ビジネスの成長に大きく貢献できます。

まとめ

物理サーバーとクラウドサーバーの違い

物理サーバーとクラウドサーバーでは費用面・作業の労力・セキュリティの面で違いがあることを解説しました。サーバーの導入費用やそれに掛る人件費を換算すると、クラウドサーバーの導入にメリットがあります。

物理サーバーからクラウドサーバーへ移行する

ここまでお読みになり、クラウドサーバーを利用してみたいとなった場合は、物理サーバーからクラウドサーバーへの移行作業が必要になります。

移行には現在動いているサーバーのスペックやプログラム・システムの設計書が必要です。それらを元に、クラウドサーバー側で同じ設定をします。現在のサーバーの理解が必要であるため、サーバーに不慣れな方には難しい作業となります。

また、クラウドサービス自体も物理サーバーとは概念が異なるため、クラウドの学習も必要になります。ですが、移行さえしてしまえば、それ以降は上記のメリットを享受することができるようになります。

補足ですが、2022年12月末にはデジタル庁からも”クラウドサービス、ひいてはクラウドサーバーの活用”が推奨されています。
デジタル庁:政府情報システムにおけるクラウドサービスの適切な利用に係る基本方針

クラウドサービスへの移行は「クロジカサーバー管理」にお任せ

クラウドサービスへの移行は専門的な知識や経験が必要です。そのため、信頼できるクラウド管理サービス企業に相談することをおすすめします。

「クロジカサーバー管理」はクラウドサービスの移行・導入から運用まで幅広いサポートを提供し、ビジネスの成功に向けてお手伝いいたします。クロジカの強みとして、移行に関してお客様でサーバー理解や設計書の準備は不要で、クロジカ担当スタッフが現在の物理サーバーの設定調査を行ったうえで、クラウド移行を実施します。

クロジカのサービスを利用することで、中小企業でも効率的なクラウドサーバーの導入と運用を実現することができます。クロジカの技術者は豊富な経験と専門知識を持ち、お客様のニーズに合わせたソリューションを提供しています。ぜひ、ご相談ください。

ライター:kait78

元大手通信事業者のインフラエンジニア。ネットワーク・サーバー・AWS領域でIT/テック記事に特化した記事を執筆。Webサーバーにまつわる課題や悩みに対して実務経験を基にした、現場社員目線の課題解決となるアイデアを提供します。

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