AWS構築代行会社10選｜費用相場や業者選定基準まで解説

AWSの導入を検討しているものの、社内にクラウド環境の構築・運用ができる人材がいない、または技術的なノウハウが不足しているとお悩みではありませんか？

そんな企業の課題を解決するのが「AWS構築代行サービス」です。本記事では、AWS構築代行サービスの概要から、メリット・デメリット、業者選定のポイント、そして厳選した10社の代行会社（AWSコンサルティングパートナー）をご紹介します。AWSをスムーズかつ効率的に利用したいという方は、ぜひ参考にしてください。

AWS構築代行サービスの概要

AWSは、世界中で利用されているクラウドプラットフォームです。その多様なサービスを活用することで、企業は自社のビジネスニーズに合わせた柔軟なシステム構築と運用を実現できます。しかし、AWSの高度な機能を使いこなすには専門的な知識と経験が不可欠であり、自社だけで対応するには限界がある場合も少なくありません。そこで注目されるのが、AWS構築代行サービスです。

AWSの構築代行サービスは、AWSにより公式に認定された専門家（コンサルティングパートナー）が企業のクラウド環境構築を支援します。また構築後の運用、保守までをトータルでサポートするケースもあります。さらに導入計画の策定、最適なアーキテクチャ設計、セキュリティ対策、パフォーマンス監視など、幅広いニーズに対応可能です。

このようなサポートにより、企業はAWSのメリットを最大限に引き出し、自社の商品開発やサービス改善といったビジネス成長に集中できます。そのため、AWSの導入を検討しているものの、専門知識やリソース不足に悩んでいる企業にとって、AWS構築代行サービスは非常に有効な選択肢となるでしょう。

サポート範囲

AWS構築代行サービスのサポート範囲は、サービス提供事業者によって異なりますが、一般的には以下のようなものが挙げられます。これらのサポート範囲をまとめて委託する、もしくは、サポートしてもらいたい点をピンポイントで委託することで、自社のリソース活用を最小限にして最適なAWS活用を実現できます。

1.コンサルティング

現行システムの課題ヒアリングや要件定義、クラウド化の方針策定など、導入前のコンサルティングを行います。AWS導入の目的や予算に応じて最適なクラウド活用方法を提案し、AWS利用料金の見積もりシミュレーションなども実施します。

2.環境調査・設計

現在のシステム環境や要件を調査分析し、AWS上でのシステムアーキテクチャを設計します。要件定義書や設計書を作成し、セキュリティや可用性を考慮した最適な構成を計画します。必要に応じて既存環境の性能測定やギャップ分析も行います。

3.移行・構築

AWS環境への実際の構築作業です。設計書に基づきVPCやサーバー、データベースなど各種AWSリソースを構築し、必要に応じてオンプレミスからの移行作業も代行します。たとえばサーバーやデータのクラウド移行、ミドルウェアの設定、インフラ構築後の動作試験などを包括的に実施します（※特に重要なフェーズであり、多くのサービスがこの「構築」に注力しています）。

4.運用・保守

構築後のAWS環境の運用監視や保守対応までサポートを依頼する場合には、24時間365日の監視体制でシステムの稼働状況チェックや、障害発生時の一次対応や設定変更、パッチ適用などを代行することが可能です。自社で対応が難しいセキュリティアップデートやバックアップ取得、日次の稼働報告なども任せることができます。

5.最適化

運用開始後の継続的な最適化支援も含まれる場合があります。専門家がAWS環境を定期的に診断し、リソースの無駄を削減するコスト最適化提案や、ボトルネック解消のための性能チューニングを実施します。AWSパートナー企業は専門知識を活かしてクラウド環境の安定性とセキュリティを高め、コスト効率の良い運用を実現してくれるため、結果的にシステム全体のパフォーマンス向上とコスト削減につながります。

AWS構築の費用相場

AWS構築代行の費用は、システム規模や要件によって大きく異なります。一般的な費用相場について、初期費用と月額費用に分けて見ていきましょう。

初期費用

AWS環境の設計・構築、移行作業など、初期段階に必要な費用です。シンプルな構成の場合は、数十万円ほどで、大規模な環境を構築する際は数百万円程度が相場となります。例えば、一般的なLAMP構成のWordPressの場合であれば15万円〜30万円の幅での費用が一般的です。この初期費用が構築代行サービスでかかってくる費用と考えて良いでしょう。

月額費用

こちらは、先に触れたAWS環境の構築後に運用・保守、監視、障害対応など、継続的なサポートに必要な費用です。例えば、Webサイトが正常に稼働しているか否かの監視だけであれば、月額数千円から提供している企業もあります。また、シンプルな構成のウェブサイトにおいて、24時間365日の障害対応まで含めた月額費用の相場は10万円ほどからが相場となります。また、保守対象のサーバーの台数を増やしたり、オプションで追加できる一般的なセキュリティ対策を含めると追加で費用がかかってきます。

料金体系は、固定料金制、従量課金制、複合型など、サービス提供事業者によって異なります。固定料金制は、一定の範囲内で定額料金を支払う方式です。従量課金制は、AWSの利用量に応じて料金が変動する方式です。そして、複合型は保守運用などにかかる固定料金とデータ転送料などの従量課金を組み合わせた方式です。

費用を抑えるためには、自社のニーズに合わせて必要なサポート範囲を明確にし、複数のサービス提供事業者から見積もりを取ることが重要です。また、長期契約を結ぶことで割引を受けられる場合もあります。

AWS構築代行サービスの利用メリット

AWS構築代行サービスを利用することで、企業は多くのメリットを得られます。以下に、主なメリットを3つご紹介します。これらのメリットを理解することで、自社にとってAWS構築代行サービスが有効な選択肢であるかどうかを判断するのに役立ちます。各メリットの詳細を検討し、自社の状況と照らし合わせてみましょう。

専門知識とベストプラクティスの活用

AWS構築・運用には幅広くかつ最新のクラウド知識が必要ですが、代行サービスを利用すれば専門の技術者集団のノウハウを活用できます。代行企業は多種多様なAWS環境を手掛けているため、トラブルシューティングや新機能の適用にも慣れており、社内にノウハウがない領域でもプロの視点で高品質なシステムを構築してくれます。

アップデートされていくAWSのベストプラクティス（Well-Architected フレームワークなど）も熟知しているため、セキュリティや可用性を確保しつつ最適なアーキテクチャを適用してもらえる点は大きなメリットです。

AWS導入スピードの向上

専門業者に依頼すれば、AWS環境の構築スピードも飛躍的に向上します。経験豊富なベンダーであれば、要件に応じた最適な構成選定やツール設定を迅速に進められるため、自社で手探りで進めるよりも短期間で導入が完了します。

AWS導入代行サービスを利用することで企業はAWSの専門知識を持つパートナーのサポートを受けながら効率的かつ迅速にクラウド環境を構築し、運用を開始できます。プロジェクトの立ち上げにかかる時間を短縮できれば、新サービスの市場投入やシステム刷新のタイミングを逃さず、本業へのリソース集中が可能になります。

セキュリティ対策

構築後にAWS上でシステムを運用する際に不安となるセキュリティ面でも、構築代行サービスを使えば安心です。AWSに精通したパートナー企業は、AWSのセキュリティサービス設定や権限管理のベストプラクティスを熟知しており、悪意のある攻撃に対する隙が少ない安全な環境を構築してくれます。

例えばネットワークの分離設定、IAMポリシーの適切な設計、データ暗号化の実施、ログ監視の仕組みづくり等、社内では見落としがちなセキュリティ対策も網羅できます。また一部の代行会社は高度なセキュリティ要件にも対応可能な体制を持っており、専門知識を活かしてクラウド環境の安定性とセキュリティを高め、安心かつ効率的な運用を実現してくれます。

AWS構築代行サービスの利用デメリット

AWS構築代行サービスの利用には多くのメリットがある一方、いくつかのデメリットも存在します。これらのデメリットを事前に理解しておくことで、サービス導入後のミスマッチを防ぎ、より効果的な活用につなげることができます。以下に、主なデメリットを3つご紹介します。デメリットを考慮した上で、自社にとってAWS構築代行サービスが最適な選択肢であるかどうかを慎重に判断しましょう。

要件変更への柔軟性低下

外部に構築を委託すると、プロジェクト途中での仕様変更や要件追加に対する柔軟性がどうしても低下しがちです。契約範囲を超える変更が発生した場合、追加費用が発生したりスケジュール再調整が必要になったりするため、要件の追加・変更が多い案件では見積もりが膨らむ可能性があります。

自社内で開発していればその場で方向転換できることでも、外注では契約上の手続きや調整が発生する点に留意が必要です。「作りながら考える」ような開発スタイルには不向きな場合もあるため、外注時は事前に要件をできるだけ明確に固めておくことが望ましいでしょう。

社内に技術的なノウハウが蓄積されにくい

構築を丸ごと外注してしまうと、AWSに関する技術知見が社内に蓄積されないというデメリットもあります。AWS環境の構築・運用に自社の人材リソースをほとんど割かずに済む反面、クラウド活用のノウハウが社内に残らないため、将来的に内製化しようとした際に自社だけでは難しくなる可能性があります。したがって、長期的には自社内に知見をためていきたい場合、外注しつつも担当者が作業に部分的に関与して学ぶ機会を作ったり、並行して社内エンジニアの育成を進めたりするなどの工夫が必要です。

コミュニケーションコストの発生

AWS構築代行サービスを利用する場合、代行業者とのコミュニケーションが必要になります。要件の伝達、進捗確認、問題発生時の対応など、様々な場面でコミュニケーションが発生します。このような事象が積み重なると、社内で完結できていた状態に比べて調整に時間がかかることがあります。また、自社のビジネスや既存システムへの理解が不足している場合、意図した通りの環境構築ができないリスクもあります。

これらの問題を最小化するためには、定期的なミーティングの設定や、プロジェクト管理ツールの活用など、細かなコミュニケーション体制の構築が重要になります。また、移行前には事前に明確な要件定義を行い、代行業者との間で共通認識を持つことが重要です。

代行業者の選定方法や基準

AWS構築代行サービスを提供する事業者は数多く存在します。その中から自社に最適な事業者を選ぶためには、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。実績、技術力、サポート体制、費用対効果など、様々な要素を比較検討し、慎重に選定することが重要です。以下に、主な選定方法や基準を3つご紹介します。

実績と技術力

AWS構築代行業者を選定する上で、最も重要な要素の一つが実績と技術力です。過去にどのようなAWS構築プロジェクトを手がけてきたのか、自社と類似した業界の事例はあるのか、どのような規模のシステムを構築してきたのかを確認しましょう。

また、AWS認定資格の保有者数や、特定のAWSサービスに関する専門知識の有無も重要な判断材料となります。さらに自社で対応できないタスクを代行できるかどうかも重要なポイントです。

サポート体制と対応力

サービスページやリアルタイムな情報発信が必要なWebサイトをAWS上で運用している場合などでは、緊急時のサポート体制が重要となります。サポート体制に関しての選定基準としては、24時間365日の監視体制があるか、緊急時の対応フローはどうなっているか、平均対応時間はどれくらいかなどを確認しましょう。

また、担当者の変更や増員にも柔軟に対応できるか、障害報告書、定期的な報告会などの仕組みがあるかなども重要なポイントです。サービスの基盤となるシステムの構築や運用保守業務を委託するとなると、長期的な関係構築が欠かせないため、コミュニケーションの質と頻度は十分に考慮すべき要素です。

費用対効果と料金の透明性

AWS構築代行サービスの費用は、サービス内容や契約期間によって大きく異なります。複数の事業者から見積もりを取り、費用対効果を比較検討しましょう。単に料金が安いだけでなく、提供されるサービスの内容や品質、サポート体制などを考慮して、総合的に判断することが重要です。

また、料金体系が明確であることも重要です。初期費用、月額費用、追加費用など、どのような費用が発生するのかを事前に確認しましょう。隠れたコスト（追加作業による料金発生の有無）がないか、契約内容を細かく確認しましょう。不明な点があれば、必ず確認をして、自社が求める要件を正確に満たしているかを把握した上で契約することが大切です。

AWS構築代行会社10選

数あるAWS構築代行会社の中から10社を厳選してご紹介します。各社の特徴や強み、料金体系などを比較検討し、自社のニーズに合った最適なパートナーを見つけましょう。自社の課題や要望を明確にした上で、各社の情報を参考に、最適な選択をしてください。

AWS構築に専門性を持つ会社（5社）

AWS環境の設計・構築支援において高い専門性を持つ5社です。クラウドネイティブなシステム開発や移行プロジェクトで豊富な実績を誇る企業となっております。

TIS株式会社

金融、製造、通信など幅広い業種のシステム開発実績を持つ大手SIerです。2009年からAWS関連ビジネスを開始しており、日本では15社しか認定されていないAWSプレミアティアサービスパートナーにも選ばれています。

クレジットカード決済基盤や勘定系システムのクラウド化などミッションクリティカルな分野のAWS活用に強みがあり、AWS上での高セキュリティ・高可用性システム構築ノウハウが豊富です。また「AWSマネージドサポートサービス」や「AWSセキュリティプリセット」等、自社ソリューションも提供しており、導入から運用・セキュリティまでトータルに支援できる体制が整っています。

株式会社アピリッツ

AWS活用による協働開発・内製化支援を専門とする東京発のIT企業です。AWSコンサルティングパートナーとして認定されており、300名以上のエンジニアが在籍。単なる環境構築に留まらず、Webサービス全体の企画・開発までオールインワンで提供できる点が特徴です。

特にクライアント企業の状況に合わせて柔軟に支援範囲を調整できるのが強みで、小規模なタスク単位から支援を開始し、アジャイル開発の基盤構築や開発標準の整備まで段階的に伴走してくれます。またサイト内検索やプッシュ通知など自社開発のSaaSツールを組み合わせることで、開発コストの削減や機能実装の迅速化も可能にしています。内製化を視野に入れた支援を求める企業に最適なパートナーと言えるでしょう。

アイエンター株式会社

2004年設立のシステム開発会社で、AWSコンサルティングパートナーであり、インフラからアプリ開発まで対応可能な総合力が強みです。AWS移行時に必要となるアプリケーションの改修やオンプレミスの業務システムとの連携も一貫して任せることができ、クラウド化に伴う周辺作業も含めてサポートしてくれます。実績としては「オンプレミスからAWSへの会員システム移行」「他クラウドからAWSへの移行」「ポイントキャンペーン向けAWS基盤構築」など多様な事例があり、中堅・中小企業のクラウド導入を技術力と対応力で支える身近なパートナーと言えるでしょう。

株式会社スカイアーチネットワークス

AWSに特化したマネージドサービスプロバイダー（MSP）で、2023年にIBM傘下となったことでも話題の企業です。AWSアドバンスドティアサービスパートナーであり、AWS公式のマネージドサービスプロバイダー認定やセキュリティコンピテンシーも取得しています。AWSリソースの最適化支援サービス「SKY-OPT」など独自ソリューションも提供しています。専任のクラウドエンジニア約160名による手厚い体制で、大企業から中小企業まで幅広いAWS導入プロジェクトを支援してきた実績があります。

VeBuIn株式会社

茨城県つくば市に本社を置く開発会社で、10年以上のAWS構築経験を持つ実力派です。ハードウェア・ソフトウェア双方に精通したAWS認定技術者が在籍しており、オンプレミス含めたインフラ全般の知見を活かした提案が得意です。同社の特徴は、日本とインドのハイブリッド体制による高コスパなソリューション提供にあります。インドで選抜された優秀なエンジニアを活用しつつ、日本語でのコミュニケーションも問題なく行えるため、低コストかつ高品質な開発リソースを提供可能です。自社内でのAWSシステム構築支援プロジェクトや海外人材のマネジメント経験も豊富で、グローバルな視点でAWS導入をサポートしてくれるでしょう。

AWS構築から運用保守までワンストップ対応が得意な会社（5社）

クロジカサーバー管理（TOWN株式会社）

クロジカサーバー管理は、2004年の創業以来、法人向けにクラウドに精通したエンジニアによる高度なセキュリティを担保したクラウド運用を提供し続けています。サーバー稼働数は315台に上り、サーバー稼働率は99.989%と高水準の環境を提供しています。24時間365日の監視保守対応はもちろん、独自の自動復旧システムの構築により安定したサーバー環境を実現しています。クロジカシリーズ合計で1,800社以上の導入実績があり中小企業から大手上場企業まで幅広い支援を行っています。

クラスメソッド株式会社

クラスメソッド株式会社は、AWSプレミアティアサービスパートナーとして知られる日本のIT企業です。クラウド導入からアプリケーション開発、運用保守まで幅広いサービスを提供しています。特にAWSに特化したサービス提供に強みを持ち、多数のAWS認定資格保有者を擁しています。クラウド保守においては、24時間365日の監視体制を整え、障害対応や性能最適化、セキュリティ管理などを包括的に行っています。同社の実績は多岐にわたり、大手企業から中小企業まで、様々な規模・業種の顧客にサービスを提供しています。
_{参考URL：https://classmethod.jp/}

株式会社サーバーワークス

株式会社サーバーワークスは、AWSに特化したクラウドインテグレーションサービスを提供しています。AWSプレミアティアサービスパートナーの認定を受けており、クラウド移行からシステム構築、運用保守まで一貫したサービスを展開しています。クラウド保守においては、24時間365日の監視体制を敷き、独自開発のクラウド運用管理ツール「Cloud Automator」を活用した効率的な運用を実現しています。多数のAWS認定技術者を抱え、大手企業から中小企業まで幅広い顧客に対してサービスを提供し、多くの導入実績を有しています。
_{参考URL：https://www.serverworks.co.jp/}

NHNテコラス株式会社

AWS・クラウド、ビッグデータ解析などのIT分野で包括的なサービスを提供しています。クラウド保守においては、オンプレミスとクラウドの両方に精通したエンジニアが、初期設計から移行・導入、ハイブリッド環境の統合管理までワンストップでサポートしています。同社のManaged Cloud構成・運用サービスでは、24時間365日の監視体制を整え、クラウド環境の安定運用と最適化を実現しています。
_{参考URL：https://nhn-techorus.com/}

株式会社ディーネット

株式会社ディーネットは、AWSアドバンスドコンサルティングパートナーとして小売、不動産、金融業など多種多様な企業のAWS導入支援を行っています。データ分析基盤の構築やコールセンターシステムのクラウド化など、幅広い分野でのAWS活用実績があります。また、ドメインやSSL証明書の取得管理も代行可能で、包括的なクラウドサービスを提供しています。監視通知のみの必要最低限の対策からマネージドサービスまでサービス展開しているため、自社に必要なサポートのみを依頼することができ費用を抑えてAWS活用を進めることができます。
^{参考URL：https://denet.ad.jp/}

クロジカサーバー管理のAWS構築事例

クロジカサーバー管理（TOWN株式会社）で支援させていただいた、AWS構築の事例を2つご紹介します。実際の導入プロジェクトを通じて、AWS構築代行による課題解決の具体例を確認しましょう。

【事例1】個人情報を扱う病院サイトの構築運用

■ 課題
医療法人のコーポレートサイトを運用されていたお客様は、既存の専用サーバーではトラフィック増加に伴うスペック不足に悩み、かつ一部機能で個人情報を扱うためセキュリティ強化が必須でした。

■ 解決策

1. AWS EC2 2台構成
   • WebサーバーとDBサーバーを分離し、攻撃面を縮小。
2. MySQL on EC2 採用
   • バッチ処理要件を踏まえ、RDSではなくEC2上にMySQLを構築して自由度を確保。
3. ACL 設定によるアクセス制御
   • セキュリティ製品導入予算が限られる中、ネットワークACLで不要な通信を遮断し、最低限の防御を実現。
4. 安定稼働の担保
   • 柔軟なスペック変更と可用性設計により、構築後はダウンタイムや障害なく安定運用を継続。

これらの施策により、コストを抑えつつ個人情報保護に配慮したセキュアな環境構築から安定したサイト運用を実現しました。

【事例2】WordPressをEC2とS3で冗長化

課題

• 初期構築担当者の離脱により既存サイトの構成がブラックボックス化し、メンテナンスや機能追加が困難になっていました
• アクセス増加により単一サーバーではパフォーマンス低下や障害リスクが高まり、高可用性を考慮した構築と継続的な運用が必要でした

解決策

1. EC2二台構成＋ロードバランサー設置
   Webサーバーを2台のEC2インスタンスで冗長化し、Application Load Balancer経由でトラフィックを分散。いずれか片方の障害でもサービス継続を担保。
2. 静的コンテンツのS3ホスティング
   画像やCSS／JSなど静的リソースをS3バケットに移行し、CloudFrontでキャッシュ配信。EC2への負荷と帯域消費を大幅削減。
3. GitHub連携の自動デプロイパイプライン構築
   GitHub Actionsをトリガーとしたデプロイメントを実装。CodeDeployまたはユーザースクリプトでローリング更新を行い、無停止で新旧インスタンスを切り替え。
4. OS・WordPressプラグインの最新化
   OSやミドルウェア、WordPressのプラグインを最新化し、セキュリティを強化。
5. 監視・アラート設定による安定運用
   CloudWatchでサーバー状況とレスポンスタイムを監視し、異常時は運用チームへ即時通知。
6. 可用性・拡張性の評価とチューニング
   WordPressサーバーの冗長化およびオートスケールが容易な構成を設計。

これらの施策により、従来のブラックボックス化した環境を最適なAWSアーキテクチャへ刷新し、「無停止かつ高可用」なWordPressサイト運用を実現しました。

よくある質問（FAQ）

AWS構築代行とAWS運用保守代行の違いについて

Q：AWS構築代行とAWS運用保守代行の違いは何ですか？

A：AWS構築代行とは、AWSを新規導入する際のシステム環境の設計・構築や既存環境からの移行作業を代行してくれるサービスです。いわばクラウド環境を「作る」フェーズを支援します。

一方、AWS運用保守代行は、構築後のAWS環境の監視・運用・障害対応など日常的な保守業務を代行するサービスを指します。つまり「作った後に運用する」フェーズの支援です。簡単にまとめると、構築代行は環境を作るサービス、運用保守代行は作った環境を動かし続けるサービスという違いがあります。

AWS運用代行サービスの具体的な内容については、下記を参考にしてみると良いでしょう。
AWSの運用代行って何をしてくれる？｜代行会社7社の比較解説付き

コーポレートサイトをクラウドでセキュアに

サーバー管理
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