こんにちは。「クロジカサーバー管理」 IT/テックライターのkait78です。
Webサイト運営を行う企業にとって、サーバーなどのITインフラの保守運用は重要な業務の一つです。また近年では、自社にサーバーを設置するオンプレミス環境よりも、柔軟性や拡張性のあるクラウドサービスを採用する企業が増えています。
しかし、クラウドの運用保守はその専門性の高さや24時間体制の構築など、自社で全てをカバーすることは困難であり、中小企業や区官庁では外部に委託することが一般的な選択肢となっています。
本記事では、サーバーの運用保守を外注する際に課題となりがちな、「どのような流れで外注するのか」「AWS、Azure、GCPなど各プロバイダーの違い」「外注先選定での注意点」に焦点を当てて解説いたします。
クラウドサーバー(AWSなど)の運用保守とは?
クラウドサーバーの運用保守は、企業のWeb運営において欠かせない業務の一つです。はじめに、クラウドサーバーの運用保守について見ていきましょう。
クラウド環境の運用保守業務
クラウド環境の運用保守業務は、サーバーの監視、セキュリティの管理、パフォーマンスの最適化など、多岐にわたります。具体的には、障害が発生した際の対応、サーバーのパフォーマンス監視、セキュリティパッチ対応などがあります。オンプレミス環境と比較すると物理的な管理をしなくてよいというメリットはありますが、クラウドの提供サービス数が多いため、専門的なツールや知識が求められます。
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企業がAWS運用保守を外部委託する理由
企業がAWS運用保守を外部に委託する主な理由はさまざまですが、コスト面や専門性の確保が大きな要因となっています。自社で運用保守体制を構築する場合、人材の確保から社員の教育、システム面の環境構築など多大な費用が掛かります。
また、AWSなどのクラウドサービスは常に進化しており、毎日のように新サービスや機能追加がされています。クラウドエンジニアは週刊AWSやAWSカンファレンスなどを常に確認し情報をキャッチアップしなければなりません。外部委託をすることで、自社Webサイト運営をコストを抑えながら最新のクラウド技術を保守運用することが可能となります。
AWS・Azure・Google Cloudの違い
クラウドサービスと言っても、現在はAWSやAzureなど様々なクラウドサービスが展開されています。これらクラウドプロバイダの違いはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは、クラウドシェア上位を占めるAWS・Azure・Google Cloudのコスト面や性能の違いについて解説します。
参考:令和5年版 情報通信白書
AWS、Azure、Google Cloudの簡易コスト比較
AWS、Azure、Google Cloudのコストは、使用するサービスの種類や規模、利用するリソースの量によって異なります。しかし、基本的にはどのクラウドプロバイダーも同程度のコスト体系となっています。例えば、最も一般的な仮想サーバーサービスで比較すると下記です。
AWS | Azure | Google Cloud | |
仮想サーバー | $0.0416/h | $0.0416/h | $0.042982/h |
しかしながら、上記以外にも通信量やストレージなどで料金は変化し、また性能においても全く同じであるとは言えません。クラウド選定は後述するプロバイダや外部委託企業の特徴を総合的に判断することをおすすめします。
各サービスプロバイダの特徴
AWS、Azure、Google Cloudなどのサービスプロバイダによって、それぞれ異なる特徴や強みを持っています。
例えば、AWSはクラウドサービスの先駆者として企業の利用率が最も高く、サードパーティー製品も充実しています。企業の利用率が高いため、外部委託企業の選択肢も豊富です。
AzureはMicrosoftが運営しているため、Officeなどの製品との互換性が強いことが特徴です。また、企業がWindowsのライセンスを保有している場合は、Azureでもそのライセンスを利用することができます。
Google CloudはGoogleの技術をベースにしたデータ分析と機械学習サービスが特に優れています。ビッグデータの処理や分析を主軸に置く企業にとって、高性能なサービスを提供します。
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AWSの運用保守を外注するメリット・デメリット
ここからは、クラウドサービスの運用保守を外部に委託するメリット・デメリットについて解説します。
AWSの運用保守を外部に委託するメリット
AWS運用保守を外部に委託するメリットは数多くあります。コスト面においては、学習コストや人件費を考えると数百万円かかる計算となってしまいます。
技術面においても、運用保守にはAWS専任で担当者が必要であり、他業務との兼務ではアップデートの流れに付いていくことは難しいと言えます。そうなるとサービス品質が低下し長期間障害や情報流出などのリスクに繋がる恐れがあります。
加えて、ビジネスニーズに対しても柔軟に対応可能です。内製の場合、自社サービスの需要増減によって社員も増減しなくてはいけません。しかし外部委託であれば、必要なリソースの調整を柔軟に行うことが可能です。
外部委託のデメリットとその対処法
外部にAWS運用保守を委託することのデメリットも理解しておきましょう。
一つのデメリットとしては、外部業者とのコミュニケーションの障壁が挙げられます。自社内部での運用保守と異なり、外部業者に委託する場合、障害時の状況確認などで認識の齟齬が生じる可能性があります。この対策として、外部委託企業側の連絡体制の確認や、契約時にサービスレベルアグリーメント(SLA)を明確に定義し、期待するサービス品質を文書化しておくことが重要です。
また、セキュリティリスクの増大も、外部委託のデメリットとして考慮すべき点です。特にクラウド環境では、データの保護やセキュリティ対策が大きな課題となります。セキュリティインシデントを起こさないためにも、ISOなどの国際規格に対応した企業を選定するようにしましょう。
サービス提供者の信頼性や実績の確認方法
外注先の信頼性や実績を確認するためには、企業のHPから実績数やポートフォリオ、ISOやAWSパートナーであるかなどを確認すると良いでしょう。
また、実績においては自社と同業種の実績があるかが重要なポイントです。外部委託企業の資料やミーティングなどから、サービス内容や自社システムの対応可否について相談することをおすすめします。
まとめ
AWS運用保守を外部に委託することで、企業はITリソースをより効率的に活用し、ビジネスの成長を支援するためのコア活動に集中することが可能です。また、外部委託企業の技術スキルやサービス内容を確認することが重要となります。
弊社が運用する「クロジカサーバー管理」では、AWSのサーバー管理代行を行っております。中小企業様や行政機関様など多種多様な業種への導入実績があり、シリーズ合計1,800社35,000人以上にご利用いただいております。
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ライター:kait78
元大手通信事業者のインフラエンジニア。ネットワーク・サーバー・AWS領域でIT/テック記事に特化した記事を執筆。Webサーバーにまつわる課題や悩みに対して実務経験を基にした、現場社員目線の課題解決となるアイデアを提供します。
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