AWSは強力でスケーラブルなクラウドサービスを提供しており、WordPressサイトをホスティングするのに最適な選択肢となります。本記事では、AWSでWordPressをホスティングする方法とそのメリットについて詳しく解説します。
この記事でわかること
① AWSでWordPressを運用するメリット
② AWSでWordPressを最大活用する設定
③ AWSの豊富なメニューを活かした追加設定
目次
AWSでWordPressをホスティングするメリット
スケーラビリティ(拡張性)
スケーラビリティとは、ウェブサイトの成長に合わせて柔軟に対応できることを意味し、ビジネスの拡大を阻害する要因を排除します。AWSはそのスケーラブルなインフラストラクチャにより、トラフィックの増減に応じてリソースを柔軟に調整できるため、WordPressサイトの成長に最適なプラットフォームです。ウェブサイトへのアクセス数が急増した場合、AWSは自動的にサーバーリソースを増やし、パフォーマンスを維持します。
これによりユーザーエクスペリエンスの向上に繋がり、サイトのダウンタイムを最小限に抑えることに貢献します。逆に、アクセス数が減少した場合には、リソースを削減することでコストを抑えることができます。
信頼性(高い可用性)
AWSは世界中に分散されたデータセンターと冗長化されたシステムによって、高い可用性を提供し、サイトのダウンタイムを最小限に抑えます。サーバーの障害やネットワーク障害が発生した場合でも、他のデータセンターに自動的に切り替えることで、ウェブサイトの安定稼働を確保し、ユーザーへのサービス提供を継続できます。さらに、AWSは定期的なメンテナンスやアップデートを実施しており、常に最新のセキュリティ対策が施されているため、安心してWordPressサイトを運用できます。
セキュリティ
AWSはデータ暗号化、アクセス制御、ファイアウォールなど、多層的なセキュリティ対策を導入することで、データを安全に保護します。さらに、MSP事業者への委託をすることにより24時間365日の監視体制によって、常に最新の脅威からウェブサイトを守ります。
AWSはセキュリティに関するコンプライアンス認証を取得しており、高いセキュリティ基準を満たしているため、機密性の高い情報や個人情報を取り扱うウェブサイトにも適しています。
AWSを使ったWordPressのホスティング設定方法
Amazon Lightsailの利用
AmazonLightsailは、簡単な操作でWordPressのインスタンスを起動できるサービスです。Lightsailは、WordPressのホスティングに必要なサーバー、データベース、セキュリティ機能などをパッケージ化しており、初心者でも簡単に設定できます。
Lightsailの管理画面からWordPressのインストール、設定、更新などを簡単に行うことができます。また、料金体系がシンプルで、利用料金を明確に把握できます。これは、コスト管理を重視するユーザーにとって大きなメリットです。
EC2インスタンスの設定
EC2インスタンスを利用して、カスタマイズしたWordPress環境を構築できます。EC2インスタンスは、AWSの仮想サーバーであり、OSやソフトウェアを自由にインストールできます。WordPressのホスティングには、LinuxベースのOSが一般的です。
EC2インスタンスにWordPressをインストールし、必要なプラグインやテーマを導入することで、自分だけのWordPress環境を構築できます。EC2インスタンスは、Lightsailよりも柔軟性が高く、高度なカスタマイズが可能です。これは、より複雑な機能や独自の環境を構築したいユーザーに適しています。
RDSを利用したデータベース管理
AmazonRDSを利用してデータベースを管理することで、セキュリティとスケーラビリティを強化できます。RDSは、MySQL、PostgreSQL、Oracleなど、さまざまなデータベースエンジンに対応しています。WordPressは、MySQLデータベースを使用するため、RDSforMySQLを利用することで、データベースの管理を簡素化できます。
さらにRDSは、自動バックアップ、セキュリティパッチの適用、パフォーマンスチューニングなどの機能を提供しており、データベースの安定稼働とセキュリティを確保できます。これは、データベースの専門知識がないユーザーでも、安心してWordPressサイトを運用できることを意味します。
▼ WordPressサイトでのAWS環境構築方法のわかりやすい解説記事はコチラ ↓
AWS初心者向けAWS環境のWordPress基本パターン8つ作ってみた
AWS CloudFrontの活用
サイトパフォーマンスの向上
CloudFrontはコンテンツデリバリーネットワーク(CDN)で、世界中に分散されたサーバーにウェブサイトの静的コンテンツ(画像、CSS、JavaScriptなど)をキャッシュすることで、ユーザーに近いサーバーからコンテンツを提供します。これにより、ウェブサイトの読み込み時間を短縮し、ユーザーエクスペリエンスを向上させることができます。これは、特に海外ユーザーやモバイルユーザーにとって大きなメリットとなります。
▼ AWS CloudFrontの実践的な活用方法を解説した記事はコチラ ↓
クラウドの強みを活用してサイト表示速度を改善!|AWS CloudFrontでの改善策を紹介
グローバルに対応
CloudFrontを利用することで、世界中のユーザーに高速アクセスを提供できます。CloudFrontは、世界中に50以上のエッジロケーションを展開しており、ユーザーの地理的な位置に応じて最適なサーバーからコンテンツを提供します。これにより、海外ユーザーにも高速なウェブサイトアクセスを提供できます。これは、グローバル展開を目指すウェブサイトにとって重要な要素です。
セキュアなコンテンツ伝送
CloudFrontはSSL/TLSを利用してデータ転送のセキュリティを確保します。SSL/TLSは、ウェブサイトとユーザー間の通信を暗号化することで、データの盗聴や改ざんを防ぎます。CloudFrontは、SSL/TLSを自動的に設定し、ウェブサイトのセキュリティを強化します。これは、ユーザーの個人情報や機密情報を保護するために不可欠です。
WAFとロードバランサーの設定
WAF(Web Application Firewall)の設定
AWS WAFを使うことで、サイトへの攻撃を防ぎ、セキュリティを強化できます。WAFは、ウェブサイトへの不正なアクセスや攻撃を検知し、ブロックするセキュリティ機能です。AWS WAFは、SQLインジェクション、クロスサイトスクリプティング、DoS攻撃など、さまざまな攻撃からウェブサイトを保護します。これは、ウェブサイトのセキュリティ対策として非常に有効です。
ロードバランサーの導入
ロードバランサーを利用して、トラフィックを複数のインスタンスに分散させ、可用性を高めます。ロードバランサーは、複数のサーバーにトラフィックを分散することで、サーバーの負荷を軽減し、ウェブサイトの安定稼働を確保します。AWSは、アプリケーションロードバランサー、ネットワークロードバランサーなど、さまざまな種類のロードバランサーを提供しています。これは、特にトラフィック量の多いウェブサイトや、高可用性を要求されるウェブサイトに有効です。
オートスケーリング
オートスケーリングを設定することで、トラフィックに応じて自動的にリソースが増減します。オートスケーリングは、ウェブサイトへのアクセス数の変動に合わせて、自動的にサーバーリソースを増減する機能です。例えば、ウェブサイトへのアクセス数が急増した場合、オートスケーリングは自動的にサーバーを追加することで、パフォーマンスを維持します。逆に、アクセス数が減少した場合には、サーバーを削減することでコストを抑えることができます。これは、ウェブサイトのトラフィックが予測できない場合や、コスト効率を重視する場合に有効です。
まとめ
AWSでWordPressをホスティングすることで、高いスケーラビリティ、信頼性、セキュリティを確保できます。各種サービスを組み合わせて、最適な環境を構築しましょう。AWSは、WordPressのホスティングに最適なプラットフォームであり、ウェブサイトの成長に合わせて柔軟に対応できます。
次のステップ
AWSの詳細について学ぶ
AWSの公式ドキュメントやチュートリアルを利用して、さらなる知識を深めましょう。AWSは、豊富なドキュメントやチュートリアルを提供しており、初心者から上級者まで、あらゆるレベルのユーザーが利用できます。これらの資料を活用することで、AWSの機能を理解し、より高度な設定や運用が可能になります。
AWSのリソースを活用する
さまざまなAWSリソースを活用して、自分のプロジェクトに最適な環境を構築してください。AWSは、サーバー、データベース、ストレージ、ネットワークなど、さまざまなリソースを提供しています。これらのリソースを組み合わせることで、自分のニーズに合わせた最適な環境を構築できます。
コンサルタントのサポートを受ける
専門のコンサルタントに相談することで、さらに高度な設定や最適化が可能になります。AWSの専門知識を持つコンサルタントは、ウェブサイトの性能向上、セキュリティ強化、コスト削減など、さまざまな課題解決をサポートします。コンサルタントのサポートを受けることで、より効率的かつ効果的にAWSを活用できます。
クロジカサーバー管理ではAWS環境でのWordPress運用において金融機関から官公庁様まで幅広い実績がございます。お客様のウェブサイトの状況によって最適なAWS環境を提案させていただきます。AWSへの移行事例や実際にどのくらいのコストがかかるのかといったご相談は無料で受け付けておりますのでお気軽にお問い合わせくださいませ!
監修者:クロジカサーバー管理編集部
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