こんにちは。「クロジカスケジュール管理」コンサルティングチームの林です。
昨今、日本では人手不足に悩まされる企業が多くなっています。この背景として、少子高齢化や団塊世代の退職により働き手が減少していることや、グローバル化など働き方に対する価値観の変化によるものが挙げられます。
しかし、それ以外にも働きづらさから離職率が高まるケースも多くなっています。また、日本では転職市場が活発化しており、入社3年以内に辞める人の割合は3割程度といわれています。こういった状況の中で、優秀な人材ほど自分が働きやすい環境を求めて、現在働いている企業から出て行ってしまいます。企業にとっては、せっかくお金と時間をかけて採用した優秀な人材が流出してしまうのは非常に残念ですし、大きな損失になりますよね。
そのため、離職率を抑えて優秀な人材の流出を防ぐことは、企業の存続のために重要なポイントです。この記事では、離職率の原因や対策について、コミュニケーションの観点から紹介しています。
目次
離職率が高い根本的な原因はコミュニケーション不足
まずは、どのような離職理由が多いのかを紹介します。
具体的には、以下の5つが多いです。
- 給与・福利厚生等の待遇がよくない
- 労働環境が悪い
- 人間関係がよくない
- 会社の安定性・将来性に不安がある
- 仕事にやりがいを感じられない
それぞれ詳しく見ていきましょう。
給与・福利厚生等の待遇がよくない
生活するうえでお金は欠かせないものなので当然といえば当然ですが、給与に関するものが離職理由として一番多いです。そもそもの給料が低かったり、一生懸命働いているのに評価されず給料が上がらなかったりすると、仕事に対するモチベーションが低くなりがちです。そうした中で、最終的には離職するという流れになってしまいます。
労働環境が悪い
給与の次に多い離職理由が、労働環境によるものです。これは、残業や休日出勤による長時間労働などが挙げられます。働き方の多様化により、「残業なんかしないでプライベートを楽しみたい」「定時間以外では、副業をしたい」などさまざまな意見が出てくる時代です。これからの時代、そういった柔軟な働き方に対応できない企業は、従業員からの不満が高まり、離職率が高くなってしまいます。
人間関係がよくない
職場での人間関係がよくないというのは、いつの時代にもあるものです。企業での仕事は、基本的に複数人が集まって進めます。自分と考えが合わない人がいる場合もありますが、ある程度の我慢は必要です。ただ、過度な我慢はストレスにつながりますよね。
特に上司との関係が悪くなってしまうと、仕事に対するモチベーションが低くなってしまうほか、誰にも相談できずに離職を決意するというケースもあります。
会社の安定性・将来性に不安がある
会社の経営状況が良くなかったり、ボーナスが出なかったりと、会社の経営や将来性に不安があると、転職を考えてしまいますよね。
また、業界全体の市場規模の縮小や、反対に市場規模が大きくなりすぎたために他社と差別化できず売り上げが上がらないというケースも考えられます。
仕事にやりがいを感じられない
どのような仕事でも、やりがいや達成感を感じられなかったらモチベーションが下がってしまいますよね。
自分の能力に見合っていない簡単な仕事ばかりを任されたり、正当な評価が受けられなかったりすると、仕事にやりがいを感じられません。自分の実力を発揮できず、成長する機会もないとなると、やりがいのある仕事を求めて転職を考えてしまいます。
上司は率先してメンバーとのコミュニケーションを!
これらの離職理由の根本的な原因は、社内でのコミュニケーション不足によるものだとも考えられます。そもそも、あらかじめ日々のコミュニケーションでこれらの原因を察知できていないことこそが、根本の問題なのです。
では、従業員とのコミュニケーションについて、企業側はどのように考える必要があるのでしょうか。まずは、従業員が現在の働き方についてどのように考えているのかを知る必要があります。
「残業時間が多い」「今いる部署での仕事が自分には合っていない、希望と違う」「ある同僚との関係がうまくいっていない」
このように、従業員がどのような悩みをもっているのかを知ることで、どのように企業全体を改善して離職率を低下させることができるかという考えにつなげることができます。
そして、これらの意見を従業員から引き出すためのコミュニケーションの活発化には、上司や経営層など、企業側が動く必要があります。その3つの理由を解説します。
働くうえでの雰囲気を作る立場だから
部下が悩みごとを上司に打ち明けられるかどうかは、上司次第です。いかに相談しやすい雰囲気を普段から作り出すことができるかが大事です。
人事の権利を持っているから
チーム内で何か問題が発生した場合や、従業員が現在の部署と異なる仕事の希望を持っていた場合に、異動などの配置替えの措置を取りやすいです。もちろん簡単に人員の配置換えをすることはできないかもしれません。ただ、全体を改善するために検討し掛け合うことはできますよね。逆に、それは従業員にはできないことで、企業側にしかできないのです。
社内制度や環境の見直し・改善を実施しやすい立場だから
これも人員配置と似た考え方ではありますが、従業員から現在の社内環境について不満が出たときに、検討できるのは企業側ですよね。
企業側が従業員からのアクションを待っているだけでは状況は一向に改善しません。企業側が自らアクションを起こす必要があるのです。もちろん仕事を進めるうえでは、部下同士でのトラブルなどもあります。でも、やはり上司や経営層が割って入ることで把握できることも多くあります。
離職防止に向けたコミュニケーション活発化の方法
社内のコミュニケーション活発化に向けて、企業側からのアクションが重要であることを説明しました。それでは、具体的にどのような方法が考えられるのでしょうか。
上司と部下の1on1で話す機会を作る
上司もしくは経営層が、従業員と1on1で議論する場を作ります。話の内容はその都度の目的に合わせて問題ありません。
1on1で話す機会を作ることで、普段の従業員の仕事ぶりからはわからなかったことを聞き出せるチャンスができます。また、企業側からも普段の仕事の評価や、理念やビジョンなどをダイレクトに伝えることができて、意思疎通しやすくなります。
チームメンバー同士でディスカッションする時間を作る
日々の業務を進めるうえで業務計画などの場を設定して、チームの担当者同士で議論する場を作ります。その結果、チーム同士でのコミュニケーションが活発化するでしょう。
また、仕事における横のつながりを強くすることができるため、メンバー間で困っていることを共有しながら助け合いをすることが可能となります。これにより、特定のメンバーが取り残されるという機会を少なくすることができます。
アンケートなどで社員が考えていることをヒアリングする
企業側がアンケートを作成して、従業員から回答をもらいます。よく「従業員エンゲージメントについてのサーベイ」などといわれますが、従業員からの企業への信頼や貢献意欲を測定する指標になります。匿名にすることで、素直な意見を取り入れることができるのもメリットです。
以上の方法を紹介しましたが、これらの方法は定期的に実施することをおすすめします。例えば、企業側と従業員での1on1会議を四半期に一度取り入れることで、その期間での従業員の評価を伝えることができたり、年間での仕事の進捗を確認することもできますよね。
忙しい場合には、グループウェアなどのツールも利用しましょう
コミュニケーション活発化に向けた具体的な対策を紹介しましたが、そうはいっても時間が取れないという上司の方が多いのではないかと思います。そんな方には、ツールとしてグループウェアを使用することをおすすめします。
ここでは、グループウェアをツールとして使用する理由を活発化例も併せて紹介します。
チャット・Web会議機能|気軽にコミュニケーションが取れる
上司と部下の1on1で話がしたいという場合では、会議室を押さえたり、そのために出社・外出先から帰社したりする手間がかかります。
グループウェアのチャット機能やWeb会議機能などのコミュニケーションツールを活用すれば、いつでもどこにいても気軽に話ができます。またWeb会議は複数人で実施することができるため、チームメンバー同士でのコミュニケーションの場としても設定できます。
スケジュール確認機能|各メンバーの状況を確認できる
グループウェアは、各メンバーのスケジュールを管理することができます。そのため各メンバーの会議量などの業務状況から、忙しさや残業時間をおおよそ把握することも可能です。
上司側としても各メンバーがどのように動いているのかを把握することができて、マネジメントしやすいですね。これらの機能はすべてオンライン上で完結します。そのためリモートワークなどで物理的に距離がある場合でも問題なくコミュニケーションとることができます。
まとめ|円滑なコミュニケーションで長く安定して働きたい環境づくりをしましょう
ここまで、離職の根本的な原因は社内コミュニケーション不足が考えられるということを説明し、コミュニケーション活発化に向けて具体的にどのような方法があるかを紹介しました。
昨今、転職市場は活発化しており人材の流出入は激しくなっています。何も対策をしないと、優秀な人材はよい環境を求めて抜けていく一方です。この機会に、ぜひ社内でのコミュニケーション方法について見直してみてはいかがでしょうか。
社内でのコミュニケーション活発化は離職対策になるだけではなく、メンバー間の連携が高まり通常業務の効率がよくなる可能性もあり、副次的効果も期待できます。その組織によってやり方はさまざまですが、このコラムが社内コミュニケーション向上のきっかけとなれば幸いです。
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