こんにちは。「クロジカスケジュール管理」コンサルティングチームの林です。
企業でプロジェクトを進めていると、思いもよらないトラブルが発生して、成果物の質の低下や納期の遅れが発生することがあります。プロジェクト推進の際に、リスクは避けて通れません。しかし、リスクを予測して管理することで、リスクによる損失を回避することは可能です。
これから、企業におけるプロジェクトのリスク管理の手法、リスク管理のチェックリスト、リスク管理にオススメのツールなどをご紹介していきます。
目次
企業のプロジェクトで行うリスク管理の例
まずは企業のプロジェクトで行うリスク管理の、具体的な例を挙げていきます。プロジェクトの要件がしっかり決まっていない状態で進んでしまうと、情報が不透明になり明確性が欠如するリスクが高くなるのです。
またプロジェクトの役割分担が曖昧だと、プロジェクトが遅れたり、予算が足りなくなったりする恐れもあります。さらに、要件とは異なる成果物が完成するというトラブルが起こる可能性もあります。
プロジェクトの目的や範囲、納期が漠然としていると、求めている結果が得られなくなる可能性もあるでしょう。そのような状態にならないためにも、プロジェクトの要件の検討を十分に行う必要があります。
そして、関係者が合意してからプロジェクトを開始することが望ましいです。プロジェクトを進めるうえで必要になる、人や情報、物やお金が不足している場合も、希望の品質やスケジュールで、成果物が完成しないリスクが高まります。
このようなリソース不足を防ぐために、プロジェクトを開始する前に、目標から逆算してリソースの計画を立てるとよいでしょう。特に人は大事なリソースなので、プロジェクト開始前に工数見積を適切に行い、過不足のない人員を調整することが重要です。
企業におけるプロジェクトのリスク管理の手法
企業におけるプロジェクトのリスク管理の手法には、どのようなものがあるのでしょうか。リスク管理の手法を事前に把握することで、思いもよらないリスクが発生した際に役立つはずです。
以下が、企業におけるプロジェクトのリスク管理の手法です。
- リスク管理の計画を立てる
- リスクの特定
- リスクの分析
- リスクへの対応策を立てる
- 管理者の指名
- 対応策を実施する
これから解説していくので、確認してみてください。
リスク管理の計画を立てる
企業におけるプロジェクトのリスク管理の手法に、「リスク管理の計画を立てる」というものがあります。まずは、プロジェクトにおけるリスク管理に関する計画を策定します。そして、実施するための手順や方針を決定していくのです。
リスク管理の計画を立てることで、プロジェクトにおけるリスク管理の方針を明確にできます。また、リスクを早い段階で見つけることが可能です。
さらに、リスクの評価基準や想定範囲を設定することで、成果物を客観的に評価できるようにもなります。これにより、プロジェクトの質が向上します。またコスト削減にもつながるのでオススメです。
リスクを特定する
「リスクの特定」も、企業におけるプロジェクトのリスク管理の手法の一つです。起こりうるリスクを特定することは、プロジェクトを進めるうえで重要になります。
リスクの特定では、プロジェクトを進めるうえで直面する潜在的なリスクを洗い出していきます。そして、洗い出したリスクを言語化していくことが求められるのです。
さらに、プロジェクトのチームメンバーは、過去の類似プロジェクトや業界トレンドなどを考慮していくことが必要です。そして、多くのリスクを識別するためのリストを作成していきます。
またリスクを特定するためには、専門家の意見を聞く、ベンチマークデータの分析、ブレーンストーミング、文書を調査するなどの方法が効果的です。
リスクの特定には、多くの時間がかかることがあります。そのため、プロジェクトの開始前か初期段階など、早期に取り組むことがオススメです。
リスクを分析する
企業におけるプロジェクトのリスク管理の手法に、「リスクの分析」というものがあります。リスクの分析では、特定されたリスクを詳しく分析して、発生確率、影響、発生した場合の対処法を明確にしていきます。
そして分析結果に基づき、優先度の高いリスクへの対策を決定していくのです。また対策の優先度を決めることで、リソースの配分を最適化できます。
リスクの分析は、プロジェクトを成功に導くために欠かせません。リスクの分析が、プロジェクトの成否を左右することもあります。
リスクの分析を適切に行えば、想像しなかった問題が発生してもうまく対処できます。
リスクへの対応策を立てる
「リスクへの対応策を立てる」ことも、企業におけるプロジェクトのリスク管理の手法の一つです。リスクへの対応策を立てることで、プロジェクトを妨害する可能性があるリスクを排除できます。
まずは、特定されたリスクにどう対処するのかを考えます。次にそれぞれのリスクに対して、回避策、軽減策、移転策などの対応策を決定していくのです。
しかしリスクを軽減するための対応策が、プロジェクトのスケジュールを遅らせたり、コストを増加させたりするケースもあります。そのため、対応策の効果を評価しながら、スケジュールやコストにあったものになるように適宜調整することが必要です。
管理者を指名する
企業におけるプロジェクトのリスク管理の手法に、「管理者の指名」というものがあります。リスク管理を円滑に進めていくためには、管理者を指名することが必要になります。
プロジェクトのリスク管理を進めていく際は、管理計画を作成して、リスク分析をして優先順位をつけて、対策計画を策定していかなければなりません。
またリスク管理をうまく進めていくためには、プロジェクトの規模や性質に応じた管理者の指名を行って、リスク管理の決定権限を与えることが重要になります。
対応策を実施する
「対応策を実施する」ことも、企業におけるプロジェクトのリスク管理の手法の一つです。
対応策を実施する際には、特定したリスクに対して具体的にアクションを起こしていきます。そして、対応策を実施するのに必要なスケジュールやリソースを確保します。そうして、対応策の効果測定を行うのです。
また、対応策を実施したあとに、目的を果たしているのかを検証することも、忘れないようにしましょう。
企業のプロジェクトで行うリスク管理の目的
企業のリスク管理の目的は、プロジェクトの目標達成を妨げるものを排除することです。どのようなプロジェクトであっても、計画通りに進むとは限りません。計画やスケジュールを練ったとしても、想定外の出来事が発生して遅れが生じることもあります。
プロジェクトを進める際に発生する不確実な事象を洗い出して、リスクに対処したり、リスクの発生を抑えたりするのもリスク管理の目的です。
また、リスクはマイナスの面ばかりではありません。リスクを回避することが好機といえるようなケースでは、最大限の利益がもたらされるようにマネジメントを行うことが重要です。その結果好機を活かして、企業の状態を好転させることが可能になります。
企業のプロジェクトで行うリスク管理のチェックリスト
企業のプロジェクトで行うリスク管理のチェックリストを把握することは重要です。チェックしながらプロジェクトを推進することで、リスク回避に役立ちます。
このリスク管理のチェックリストを、企業でプロジェクトを進める際に確認するようにしてみてください。
リスクに十分に備える
企業のプロジェクトで行うリスク管理のチェックリストに、「リスクに十分に備える」というものがあります。まずはプロジェクトにおけるリスクの発生確率や影響を予測するのです。そして、そのリスクに対する備えを十分に行うようにします。
プロジェクト全体のリスクに対する目標と戦略を設定するのです。そのときに、リスクの影響や可能性の度合いを評価します。そしてどのリスクに備えるべきなのかを、考慮するのです。
優先度の高いリスクに対しては、専門家の意見を参考にしてください。専門的な技術を使った対策を検討することが重要になります。さらに、その情報をプロジェクトで共有して、すべての関係者が同じ基準で判断できる環境をつくるようにすることが必要です。
リスクの原因を排除する
「リスクの原因を排除する」ことも、企業のプロジェクトで行うリスク管理のチェックリストの一つです。例えば、特定の市場を避ける、特定の技術を使わないなど、リスクの原因を排除することで、プロジェクトを進めやすくなります。
リスクの原因を排除することは、プロジェクトを成功に導くために非常に重要な手段です。そのためプロジェクトに携わるすべての人にとって、守るべき工程となります。
リスクを最小限に抑える
企業のプロジェクトで行うリスク管理のチェックリストに、「リスクを最小限に抑える」というものがあります。リスクが発生した場合に備えて事前に対策を講じておくことで、リスクを最小限に抑えられるのです。
プロジェクトのチーム全体が、リスクマネジメントの重要性を認識することも重要です。そして事前にリスクプランを策定して、対策を検討していきます。
その結果、プロジェクトのスケジュールや品質、コストなどに影響を及ぼすリスクを最小限に抑えることが可能です。
リスクの原因や責任の移転
「リスクの原因や責任の移転」というのも、企業のプロジェクトで行うリスク管理のチェックリストの一つです。
リスクの原因や責任の移転とは、保険契約を結んだり、契約書でリスクを他の人や組織に負わせたりすることなどを指します。そうして、リスクを発生させる可能性がある原因や責任を、他の人や組織に移すのです。
なお、リスクの原因や責任の移転によりリスクの転嫁はできますが、リスクの解決にはなりません。リスクの原因や責任の移転をするためには費用がかかるケースがあります。財務的な負担が発生する恐れがあるので、慎重に検討しましょう。
実際にリスクを移転する場合は、適切か否かを判断したうえで契約書や保険契約などを適切に取り扱い、プロジェクトの成功につながるよう対処することが重要です。
リスクを監視する
企業のプロジェクトで行うリスク管理のチェックリストに、「リスクを監視する」というものがあります。
リスクの予防には、リスクを監視することが効果的です。プロジェクトの進捗を監視し、新しいリスク要因が現れた場合には、速やかに対処することが重要です。
リスク要因を詳細に記録し、関係者に報告することが求められます。監視することによって、問題や障害が発生する前に対応策を打てるようになるのもポイントです。これにより、リスク要因を最小化できます。
プロジェクトのリスク管理にオススメのツール
リスク管理を効率よく行うには、情報共有が欠かせません。そこでオススメしたいツールがJooto(ジョートー)です。
Jootoはカンバン方式のタスク・プロジェクト管理ツールです。直感的に使えるレイアウトや、親しみやすいシンプルなデザインが特徴です。
基本操作はドラッグアンドドロップだけで、直感的に使えるシンプルなデザインが魅力です。誰でもすぐに使えるようになるため、多くの人が関わるプロジェクトの管理に向いています。
タスクを入力するだけで自動的に作成されるガントチャートによって、リアルタイムの進捗状況を確認することが可能です。これにより、リスクの発生にすぐに気が付けます。
タスクごとにチャットができ、文書などの資料を添付することも可能です。そのタスクで生じた、リスクについての対応や改善点などを記録しておくこともできます。
なお、Jootoはタスク量が多くなってくると、文字が小さくなり見にくくなるというデメリットがあります。気になる人は、他のツールも検討してみてください。
リスク管理にはスケジュール管理が重要
リスク管理にはスケジュール管理が重要になります。企業でプロジェクトを進めていく際に、スケジュール管理がしっかり行われていないと、チームメンバーのパフォーマンスが低下したり、成果物の品質に影響を及ぼしたりするリスクがでてきます。
これらの問題を防ぐためには、スケジュール管理を向上させることが必要不可欠です。プロジェクト管理ツールなどを導入して、業務状況や情報共有の可視化を行うようにしましょう。
まとめ|プロジェクトのリスク管理の手法で効率化UP
企業のプロジェクトを進める際には、予想されるすべてのリスクを洗い出し、予防、観測、ケアをすることが重要になります。しかし、リスクとなる要素は、関係する人物や工程などによって変わってきます。
そのため、リスクのチェックと対策を適宜行う必要があるのです。大規模なプロジェクトになればなるほど、不確定要素は増えていきます。そうして、リスクマネジメントの必要性は高まっていくのです。
今回ご紹介した、企業におけるプロジェクトのリスク管理の手法や、リスク管理のチェックリスト、リスク管理にオススメのツールなどを活用して、業務の効率を上げていくお役に立てれば幸いです。
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