介護業務におけるリスクマネジメント|効率化によって福祉サービスの質を向上

こんにちは。「クロジカスケジュール管理」コンサルティングチームの林です。

高齢化率が25%を超えた今の日本で、福祉サービスや介護業務は多忙を極めています。高齢者の方は心身の衰えから怪我や病気のリスクが高く、徹底したリスクマネジメントが必要となります。

人材不足も課題となるなかで、介護業務のリスクマネジメントを見直しつつ業務を効率化していくことが大切です。質の高いサービスをこれからも維持していくうえで、リスクマネジメントや業務効率化にどのように取り組んでいくことができるか考えていきます。

介護業務でのリスクマネジメントとは

介護の現場で事故が起きることは避けなければなりません。しかし残念なことに、事故を決して起こさないということはできないのが現実です。そうなると、リスクマネジメント、つまり事故やトラブルが起きる前提として、把握し管理していくことが必要になります。

事故を起こさないことに最善の注意を払うべきですが、介護事故に多い事例を分析してどう対処することができるかを前もって考えておけば、リスクを最低限にすることができます。命に関わる介護の現場でリスクマネジメントが必須なのはそのためです。

介護業務におけるリスクマネジメントの目的は

介護は利用者が高齢であるという場合が多く、小さな事故が命に関わることも少なくありません。また高齢者ゆえに心身の機能が低下していることもリスクにつながるため、介護者を守る面でも利用者を守る面でもリスクマネジメントが欠かせません。

介護者を訴訟から守る

介護の現場では、転倒などの事故によって訴訟が起きてしまうということがあります。賠償金が高額になり事業所の運営が難しくなってしまうことも実際に起きています。誠実に介護していても、事故が起きて訴えられてしまうと、たちまち信頼を失ってしまうことにもなりかねません。

事故が起きたときに介護に関わっていた職員だけのせいにしないためにも、リスクマネジメントが欠かせないのです。リスクマネジメントをおこなっていれば何かあったときでも適切に対処できるので、職員も萎縮することなく仕事ができます。

利用者をアクシデントから守る

高齢者は体力の衰えや身体機能の低下などによって、事故や命に関わる怪我のリスクが高くなっています。今日は大丈夫でも明日どうなるかわからないというのが実情です。ちょっとしたミスが命取りになることがあります。

安心して安全に生活してもらうためにリスクマネジメントは欠かせません。転倒しそうになったが転ばずに済んだで終わらせるのではなく、どうしたら転倒しそうな状況を防げるかを考えることが利用者を守ることになります。大きな事故が起きる前から、リスクマネジメントしておくと事故を未然に防ぐことができます。

介護業務におけるリスクマネジメントのプロセス

介護業務におけるリスクマネジメントにはいくつかのプロセスがあります。ここでは4つのプロセスに分けて考えていきます。

リスクの特定

リスクの特定のためにまずできることは、現場で実際に起きた過去の事例を把握することです。アクシデントには至らなかったものの危険な状態であったヒヤリハットの事例を集めます。

厚生労働省の職場のあんぜんサイトには、ハインリッヒの法則が載せられています。「1回の重大な事故の裏には、実害のなかった300回の事故が起きている」というものです。

このように考えると、いかにヒヤリハットの事例を多く集めるかが、大きな事故を未然に防ぐリスク特定の役に立つことが分かります。

*参考 ハインリッヒの法則(1:29:300の法則)[安全衛生キーワード]

リスクアセスメント

リスクマネジメントの2つめの段階はリスクアセスメント、つまり事例の分析です。先述した特定されたリスクの危険性、なぜ起きるのか、どのようなタイミングで起きるか、どれぐらいの頻度で起きるかなどを具体的に考えることです。

たとえば、ベッドから転落が起きた場合のことを考えてみましょう。

どうしてその事故が起きてしまったのでしょうか。利用者が寝返りした際に、ベッドに柵がついていなかったからかもしれません。

いつ起きる可能性がありますか。介護者が一瞬目を離した隙に起きたことかもしれません。

ベッドから転落するとどのような危険がありますか。骨折したり頭を打ったりする可能性があります。

このように事例を分析することで、どのように事故を防げるかを検討することができます。

リスク対応

リスクマネジメントの次のプロセスは、分析した事例に対して具体的な対策を考えることです。これをリスク対応といいます。

まずは、リスクそのものをどうすればなくせるかを考えます。なくせない場合は、どうすればリスクが起きる可能性を下げられるかを検討していくことが大切です。

たとえば、先ほどのベッドから転落が起きた場合のことを考えましょう。

ベッドからの転落をなくすために、ベッドに柵をつけることはできますか。介護者が声かけをすることによって、転落の可能性を下げることができるでしょうか。

具体的な方法を考えて実践することで、リスクを減らすことができます。

リスクコントロール

リスクマネジメントの最後のプロセスは、リスクコントロールです。これは、考えたリスク管理の方法をマニュアル化やシステム化するなどの対策をおこない、リスクの防止や軽減をすることです。

また、一度作ったマニュアルを定期的に見直すことも、リスクコントロールには含まれます。適度に更新し、リスク管理の現状が最善のものであるかを確かめることによって、リスクマネジメントの本来の役割を果たすのです。

介護業務でのリスクマネジメントを強化するには

高齢者の多い介護の現場では、事故の起きるリスクがどうしても高まります。些細なことでも怪我や命に関わる危険性があるため、リスクマネジメントは非常に重要です。

ヒヤリハットシートに記入するだけでは、リスクマネジメントをしていることにはなりません。同じ事故を繰り返すことがないように対策していく必要があります。

防げる事故を見極める

介護現場でのリスクには、防げるものと防げないものがあります。どんなに頑張っても避けられない事故もあるでしょう。大事なのは、起こさなくてもいい事故、つまり防げる事故を見極めて対策を講じることです。

次からは気をつけようとするだけではなく、人為的なミスか、設備などの整備不良があったのかなど掘り下げて考える必要があります。

具体的な予防策を検討する

どうしたら事故を未然に防げるか、具体的に考えます。新しいチェックシートなどを作る必要があるかもしれません。定期的に設備点検するマニュアルを作ることもできます。

事故を防ぐために、利用者に不必要に制限を加えるべきではありません。安全に気を配ることと行動制限を加えることのバランスを取る必要があります。

実際に運用する

マニュアルを作るだけで終わらせることのないように、きちんと運営できているかもチェックします。現場に定着させる方法も工夫する必要があるかもしれません。職員の中に認識の違いが生まれないように、徹底的に周知させることが大切です。

リスク管理のために介護業務の効率化が必要なのはなぜ

介護現場の仕事は大変忙しいものです。日頃の業務に追われながら利用者に接していくのは、体力的にも精神的にもつらいものがあります。

介護業務にかかる負担を軽減することができれば、福祉サービスの向上や労働環境の改善、人材の確保といった多くのメリットがあります。

近い将来、高齢化はピークを迎え、要介護者が増加する一方で介護人材の不足が懸念されています。リスクを増やすことなく質のいい介護を提供し続けていくためには、介護業務の効率化が必須といえるのです。

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介護業務の効率化を推進するには

厚生労働省では介護業務の効率化を推進するために、「介護サービス事業における生産性向上に資するガイドライン」が制定されました。実際どのように介護業務を効率化できるか、具体的な取り組みが記載されています。

介護業務の効率化や改善に役立ちますので、ぜひ見てみてください。ここでは、実際に介護業務を効率化させるための4つの方法を解説します。

*参考 介護サービス事業における 生産性向上に資する ガイドライン 改訂版

ITツールの導入

介護の現場では、介護保険法によって介護記録を記入することが義務付けられています。紙媒体に記録しているとその分手間と時間がかかってしまい、本来の介護業務の時間が削られてしまいます。

血圧や体温の測定時には時間に追われながらメモに走り書きをし、後から介護記録に書き直すという現場も少なくありません。

しかし、ITツールを導入すれば、利用者の血圧や体温を測定するのと同時に記録でき、データを簡単に送信できるので、紙媒体での記録より手間も時間もかかりません。毎日繰り返される単純な業務だからこそ、ITツールによって効率化を図ることは意味のあることといえます。

円滑な情報共有

一人の利用者を複数の介護者が見ることの多い介護現場では、情報の共有が頻繁におこなわれます。だからこそ、スムーズな情報共有が非常に大切になります。介護現場で直接関わるさまざまな公共機関などとの連携も欠かせません。

たとえば、施設に入っている利用者がいつどこの病院に行ったのか、どのような診断を受けたかなどの情報が円滑に共有できるシステムが構築されれば、介護業務の効率化は進みます。

介護スタッフのスキル向上

はじめからすべてのスタッフがすべての業務をこなせるわけではありません。スキル向上には、経験を積むことが欠かせません。それに加えて、スキルを向上させるための機会を実務以外にも作ることによって、職員は日頃から不安なく仕事ができます。

それが介護スタッフのスキル向上につながり、スタッフのスキル向上は事業所全体の業務効率化につながります。定期的な研修やマニュアルの作成が役に立つことでしょう。

業務の偏りを減らす

介護現場には優秀な介護者もいることでしょう。しかし、そういった人に負担が大きくなることは避けたいところです。また同時に、経験の浅い介護者が利用者に十分満足のいくサービスができないという事態も避けなくてはなりません。

その事業所に所属しているすべての職員が同じ対応をすることで職員の負担も減りますし、利用者からのクレームを減らすことができます。どの業務をマニュアル化するか検討し、決まった人に負担がいくという業務の偏りを減らすことが大切です。

まとめ|業務効率化は福祉サービスや介護に関わるすべての人にプラスになる

命を預かる介護の現場で充実した福祉サービスを提供するために、リスクマネジメントは欠かせません。リスク管理を徹底することが、利用者と介護者を守ることになるのです。

限られた時間のなかで徹底的なリスク管理と介護業務をおこなうには、業務効率化が課題となっています。質の高い福祉サービスを実現するために、介護の現場の業務を見直し効率化していくことが大切です。

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