BPaaSとは?BPOとの違いやメリット・デメリット、導入事例を紹介

こんにちは。「クロジカスケジュール管理」コンサルティングチームの林です。

BPaaSとは、業務プロセスをクラウド経由で外部に委託するサービスのことです。給与計算や人事管理サービスなどのノンコア業務を外部業者に委託できるため、生産性の向上が期待できます。

本記事では、BPaaSのメリットやデメリット、実際に導入した企業についてご紹介します。

BPaaSは業務プロセスの外注を効率化するITサービス

BPaaSとは、Business Process as a Serviceの略称で、業務プロセスをクラウド経由で外部に委託するサービスのことをいいます。

業務プロセスのアウトソーシングであるBPO(Bisiness Prosess Outsourcing)と、クラウド上で使用できるソフトウェアのSaaS(Software as a Service)を組み合わせた造語です。

アウトソーシングの主な対象は、給与計算や人事管理などのノンコア業務であるため、企業はBPaaSを取り入れることで自社のコア業務に専念できます。

BPaaSとBPOはどのような違いがある?

BPaaSと似た概念にBPOがあります。BPOとBPaaSの違いは、以下のとおりです。

BPOは、企業が特定の業務プロセスを外注し、人の手で仕事を進めます。

一方で、BPaaSは業務プロセスごと外注し、人とテクノロジーを組み合わせて自動化や最適化を行います。BPaaSはクラウド上で委託する業務を調整できるため、BPOと比較して柔軟性が高い点が特徴です。

BPaaSの主なサービス

BPaaSの主なサービスは、一般的にノンコア業務といわれる以下のサービスです。

3つのサービスを確認し、外部委託することが適しているか確認するとよいでしょう。

人事管理サービス

BPaaSの主なサービスの一つは人事管理サービスです。人事管理サービスは企業の人事関連プロセスを外注し、人事業務の効率化を図ります。

人事管理とは、

  • 勤怠管理
  • 給与計算
  • 採用のプロセス

などが含まれます。企業は人事管理サービスを外注することで、人事管理の品質向上や満足度の上昇につながるでしょう。

財務・会計サービス

BPaaSの主なサービスの一つに財務会計サービスがあります。財務会計サービスでは、企業の財務管理や会計処理の業務を外部の企業に委託します。

経理処理や資金管理、税務申告など財務部門が担当する重要な業務を外部企業が代行するため、財務プロセスの効率化やコンプライアンスの強化が実現可能です。

調達管理サービス

BPaaSの主なサービスの一つに、調達管理サービスもあります。調達管理サービスは、企業の発注や納品など調達に関する業務を外注することで、調達プロセスの効率化を目指します。

委託業者が価格交渉や物流の調整などを行うため、企業は調達業務のプロセス改善やコスト削減が期待できるでしょう。また、調達業務の透明性も図られるため、企業のリスク管理にもつながります。

BPaaSを提供している主な企業

BPaaSを提供している主な企業は、以下の3つです。

  • トランス・コスモス株式会社
  • Chatwork株式会社
  • 株式会社イデア・レコード

企業によってサービスの内容が異なるため、BPaaSの導入を考えている方は確認しておきましょう。

トランス・コスモス株式会社

トランス・コスモス株式会社は、業務知見を活かしたITと業務BPOによるBPaaSモデルでサービスを提供しています。BPaaSのモデルを利用して、

  • ビジネス競争力の向上
  • 業務効率
  • 最適化の実現

を目指しています。

経理、人事、販売などのノンコア業務から、システム導入などのIT領域の課題解決が可能です。高習熟度教育によって、システム操作でミスが発生しやすい箇所などポイントになる部分の研修を行います。

さらに、連携処理の自動化によりシナジー効果を最大化させます。BPaaSの利用を考えている企業は、トランスコスモスに問い合わせをして、詳細を確認するとよいでしょう。

*参考 トランスコスモス株式会社|業務スマートソーシングサービス

Chatwork株式会社

Chatwork株式会社は、2023年にBPaaSの仕組みを使ったオンラインアシスタントサービス「Chatworkアシスタント」をリリースしました。

Chatworkアシスタントでは、サービス経由で業務のアウトソーシングを行えます。Chatworkアシスタントは、ITの知見やノウハウが少なくSaaSをうまく使えなかった企業でもメリットを得られるでしょう。

すでにChatworkのユーザーになっている方は、Chatwork上からChatworkアシスタントへの業務依頼が可能です。

*参考 Chatworkアシスタント

株式会社イデア・レコード

株式会社イデア・レコードは、自社ブランドGATEシリーズを活用して、外食産業の企業に向けたBPaaSを提供しています。飲食店で発生する業務の運用代行や、DX化を推進するといったサービスを行っています。

飲食店業務に精通しているコンサルタントやオペレーター、そして、自社ブランドのGATEシリーズを使用して、業務効率化の手助けを行ってくれます。飲食店としての料理の質を高めるという業務にリソースを使えるようになるため、顧客満足度の向上にも役立つでしょう。

調理以外の業務で手が回らないと悩んでいる企業があれば、ぜひ一度相談してみましょう。

*参考 株式会社イデア・レコード|外食DXオールインワーツールGATE

BPaaS導入のメリット

BPaaS導入のメリットは、以下の4つです。

  • コストを削減できる
  • 生産性の向上が期待できる
  • データを蓄積できる
  • 専門的なサービスが提供できる

BPaaS導入を考えている企業は、導入によるメリットを確認しておきましょう。

コストを削減できる

BPaaS導入のメリットの一つは、コストを削減できることです。BPaaSを導入すると業務プロセスを外部に委託するため、自社でインフラストラクチャを構築する必要がありません。

そのため、運用コストの削減につながり、他の業務にリソースを集中させることが可能です。従来のSaaSやBPOと比較して、少ないリソースで必要な成果を得られるため、安価なコストで業務委託できます。

生産性の向上が期待できる

BPaaS導入のメリットの一つに、生産性の向上があります。BPaaSは、特定の業務プロセスが自動化や最適化され、企業の従業員は自身の業務に専念できるため、生産性の向上が期待できるでしょう。

従来のSaaSなどのクラウドサービスを利用するよりも、業務環境の改善が期待できます。BPaaSでは、プロセスの自動化やITの活用によりエラーのリスクを低減し、生産性の向上につながります。

データを蓄積できる

BPaaS導入のメリットの一つは、データを蓄積できることです。BPaaSはクラウド上で業務プロセスが行われるため、データやノウハウがクラウドに蓄積されます。

従来のBPOは、業務に関わるデータやノウハウを自社に蓄積しにくく、データ管理の一元化が困難でした。エクセルやワードなど、さまざまな場所にデータが存在していると、データを探すのに時間がかかったり、データの共有が難しかったりします。

しかし、BPaaSはクラウド上にデータやノウハウを集約できるため、データ管理が容易です。そのため、社内のあらゆる従業員とのデータの共有や連携を実現できます。

専門的なサービスが提供できる

BPaaS導入のメリットの一つは、専門的なサービスが提供できることです。BPaaSプロバイダーは、いくつかの業務プロセスの専門的な知識や経験を持っています。

そのため、企業は専門的な知識やスキルを持つ高品質なサービスが利用可能です。高品質なサービスを利用できるため、企業は内部リソースの節約や業務品質の向上が期待できます。

BPaaS導入のデメリット

BPaaS導入のデメリットは、以下の2つです。

  • セキュリティリスクの上昇
  • 依存度の増加

BPaaSを利用する際は、メリットだけではなくデメリットも確認したうえで、導入を検討しましょう。デメリットも理解し、適切にリスクを管理してみてください。

セキュリティリスクの上昇

BPaaS導入のデメリットの一つは、セキュリティリスクの上昇です。人事管理や給与計算などの業務プロセスを外注する場合は、不正アクセスにより機密情報などが漏れてしまうリスクがあります。

信頼できる業者を選び、適切なセキュリティ管理をしなければなりません。個人情報や機密情報の取り扱いには細心の注意を払い、確実なセキュリティ体制を整えておく必要があります。

依存度の増加

BPaaS導入のデメリットは、依存度の増加です。BPaaSを利用すると、特定の業務が外部企業に依存します。委託業者にシステム障害やサービスの中断があると、トラブル解決まで時間を要する可能性があります。

システムの復旧まで時間がかかると、企業の業務に影響を及ぼすこともあるでしょう。BPaaS導入は、トラブル発生時のワークフローを検討したり、SLA(Service Level Agreement)を締結したりすることにより、対策が可能になります。

SLAとは、サービスを提供する企業が契約者に対してどの程度まで品質を保証できるかなどを取り決め、合意を締結することです。トラブル発生時でも業務に支障が出ないよう、対策を検討しておくことが重要です。

BPaaS導入事例3選

BPaaSを導入している企業として、主に以下の3つが挙げられます。

  • 日東電工株式会社
  • 3eee株式会社
  • 花王株式会社

導入した際の活用事例や業務の流れを確認し、自社でどのように活用できるかをイメージしましょう。

日東電工株式会社

日東電工株式会社は、エレクトロニクス業界や自動車、医療関連など幅広い領域で製品を提供している会社です。経理や調達などの業務プロセスを外部業者に委託し、コア事業に経営資源を再配置し、ビジネス基盤の強化に取り組んでいます。

BPaaSを導入し、グループ各社でバラバラだった業務システムを統一したことで、生産性の向上に成功しました。

*参考 ZDNET Jpan|日東電工、経理・購買業務にIBMのBPaaSを利用

3eee株式会社

3eee株式会社は、通所介護事業などの事業を展開している会社です。3eee株式会社では、社員研修のリマインドや社内アナウンスを複数人で対応していたそうです。

業務のフローは決まっていたものの、通達漏れが発生しました。Chatworkアシスタントに依頼し、Chatworkなどの連携により業務の自動化や連絡漏れの防止ができるようになりました。

具体的には、研修や勤務時間数の通知などのアナウンスを効率化したそうです。

*参考 Chatwork、SaaSの進化版・BPaaSの仕組みを使った「Chatwork アシスタント」を正式リリース

花王株式会社

花王株式会社は、購買部門への業務負荷の増加が課題となっていました。購買システムを整理、統合し、コストの見える化と購買部門によるガバナンス強化を狙い、クラウド型購買システムを導入しました。

しかし、見積もり依頼から回答までのコミュニケーションは人の手に頼るしかありません。そのため、見積もり調達プロセス構築などのためにBPaaSを活用することを決めたのです。

導入後、購買申請から見積承認までのリードタイムの20%短縮を実現しました。

*参考 トランス・コスモス|導入事例|花王株式会社

まとめ|BPaaSを導入して業務効率化を目指そう

BPaaSのメリットやデメリット、導入事例を紹介しました。BPaaSを導入することで、業務プロセスの自動化や最適化が実現し、生産性の向上につながることが大きなメリットであるといえます。

ぜひ、企業の業務効率化を目指してBPaaSの導入を検討しましょう。

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