こんにちは。「クロジカスケジュール管理」コンサルティングチームの林です。
企業活動において報告書の作成は、業務の進行状況と成果を正確に伝えるために必要不可欠です。しかし、その作成には時間と労力がかかり、他の重要度が高い業務の足枷になっている場合があります。
この記事では、報告書作成における現状の課題を挙げ、効率化するための具体的な改善方法と有効なツールをご紹介します。コスト削減、生産性の向上、そして社員のモチベーション向上の実現にむけ、ぜひ参考にしてみてください。
目次
企業が業務効率化を目指す意義
報告書に限らず、業務効率化は企業にとって極めて重要な取り組みの一つです。業務の「無理・無駄・ムラ」を排除することで、生産性の向上やコスト削減に寄与することや、企業の成長につながることなどがその理由に挙げられます。
さらに、残業削減や働く場所の自由化が求められる現代において、業務効率化の改革は、生産性を高めるだけではなく、働きやすさによる従業員ロイヤリティの向上にも直結しています。業務効率化は、人材を有効活用し、より高い利益を実現する将来にわたって持続性の高い企業になるために必要不可欠な取り組みなのです。
*参考 業務効率化の手法とは?基本的な考え方やアイデアを紹介
報告書作成業務などを効率化するメリット
業務効率化において、しばしば課題にあがるのが報告書の作成業務です。報告書の作成を効率化することで、どのようなメリットがあるのでしょうか。主に以下の3点が挙げられます。
- コストを削減
- 生産性が向上する
- 社員のモチベーションが向上
それぞれ、詳しくご説明します。
コストを削減
報告書の作成業務を効率化することで、業務全体のコスト削減が可能です。例えば、報告書作成業務にツールやシステムを活用すれば、入力作業を自動化でき、エラーチェックやフォーマットの共有、修正・改善業務が必要なくなります。
これにより、そこに費やしていた人件費を削減できるため、企業のコスト効率が向上します。長い期間で計算すると、明確なコスト削減効果が期待できます。
生産性が向上する
報告書作成にツールやシステムを活用することで、従業員が繰り返し行っているデータ入力や、グラフ作成などの単純作業に費やす時間の削減が可能です。この空いた時間を営業活動や戦略的な取り組みを企画する業務にあてることで、全体の生産性が向上します。さらに、業務のスピードも上がることから、無駄な残業が減少し、より計画的に業務運営ができるようになります。
社員のモチベーションが向上
報告書作成のような単調で繰り返しの多い作業を効率化することで、従業員の仕事に対する満足度向上が期待できます。業務の自動化によって作業時間を削減できれば、従業員は自己成長や新しいプロジェクトの立案などにより多くの時間を費やせます。
その結果、個人のモチベーションの向上とともに、職場全体の雰囲気もより前向きになります。そして、これらは会社への満足度の向上にも直結し、従業員の離職率低下にもつながります。
報告書作成業務などを効率化するデメリット
報告書の業務効率化にはメリットがある一方で、リスクも発生します。以下の2点が主なデメリットです。
- 業務フローを変える手間がある
- 社員のデジタルスキルやセキュリティの教育
それぞれ詳しくご説明します。
業務フローを変える手間がある
報告書作成の自動化やシステム導入には、既存の業務フローの変更を求められる可能性があります。その場合、従業員にとって業務フローを覚えなおす時間や労力が負担になります。
特に、紙ベースの作業からデジタルへ移行する場合、すぐに切り替えができない場合もあります。また、全従業員が新システムに慣れるまで一時的に生産性が下がることもあるため、注意が必要です。
社員のデジタルスキルやセキュリティの教育
デジタル化が進むなかで、従業員のデジタルスキルの不足やセキュリティ対策は、新たな課題となります。特に、セキュリティ面は非常に重要で、不適切なデータ管理は情報漏洩を引き起こしかねません。業務のデジタル化において、従業員への継続的なデジタルスキルに関する教育とトレーニングが必要不可欠で、そこに新たなコストと労力がかかります。
*参考 ITトレンド|報告書を自動作成するメリットとおすすめツールを紹介!
*参考 事務作業を効率化するメリットは?効率化の具体的な方法や進め方を解説
報告書作成・提出業務が抱える現状の課題とは
報告書作成と提出業務の効率化において、現状の課題の認知は非常に重要です。以下に主な課題を6つ挙げていますので、詳しく見ていきましょう。
報告書内の資料集めや作成に時間がかかる
報告書の作成には、関連する資料の収集や整理が必要です。しかし、これが時間を大きく消費する要因の一つに考えられます。必要な情報が散在していると、報告書を完成させるまでに多くの時間を要し、結果として業務の効率を低下させる要因になります。
書式が異なる
各部門や個人が異なる書式で報告書を作成していることも、多くの企業で課題として挙げられます。報告書の書式が異なることで読みづらくなり、内容の理解が困難になる要因になり得ます。
報告書作成を後回しにしがち
日々の業務が忙しいと、報告書作成は後回しにされがちです。これが原因で、最新の情報が共有されず、重要なデータが更新されないことも珍しくありません。
チームメンバーに共有されにくい
当事者と上司間だけで報告書のやり取りを済ませた場合、その情報がチームメンバーに共有されにくい状況に陥ります。その場合、情報の透明性が損なわれ、最新情報の取得ができず、チームにおける効果的な意思決定が阻害されてしまいます。
特に、遠方のメンバーや異なる部門間で共有する必要がある場合は、そのリスクがさらに高まります。情報共有が不十分だと、プロジェクトの進行に支障をきたすこともあるため、より慎重な情報共有が求められます。
文章作成スキルが低く内容がわかりにくい
報告書の質は、その内容を伝える報告者の文章作成スキルに大きく依存します。文章作成スキルが不足していると、報告書の内容が伝わりにくく、読み手の誤解を招く可能性があります。
集計に時間がかかる
報告書作成のなかでも、データの集計は非常に時間がかかる作業です。データを活用する場合、さまざまな集計先へのアクセスや各担当との連携が必要だったりと、業務内容以上の労力がかかります。また、手動でのデータ集計はエラーや内容の間違いも生じやすく、慎重な作業が求められます。
*参考 業務報告のよくある課題と効率化の方法【7つのポイント】
課題に対する解決策
ここまで、報告書の業務効率化が抱える主な6つの課題に着目しました。次に、これらの課題を解決するための具体的な方法について、一つずつご説明します。
- 資料作成自動化ツールの導入
- テンプレートを統一してWeb上で共有
- チーム内でスケジューリングツールを導入
- 共有ルールの設定とオンラインでの共有
- スキルアップ研修と文章作成ツールの導入
- 集計自動化ツールを導入
資料作成自動化ツールの導入
報告書の資料集めや作成の時間削減には、資料作成自動化ツールの導入がオススメです。ツールを導入することで、資料集めやデータの整理、グラフ作成などの反復作業を自動化でき、効率的に報告書を完成させられます。
例えば「Tableau」や「Microsoft 365 Copilot」などのツールは、データの自動収集やレポート作成などができるため、報告書作成の自動化に有効です。これらのツールを活用することで、手作業による時間のロスを防ぎ、報告書作成の精度と速度を向上できます。
テンプレートを統一してWeb上で共有
報告書の書式の統一への解決策としては、Web上でテンプレートを共有する方法が効果的です。事前に組織全体で使用するテンプレートを設計し、必要項目をすべて含めることで、全員が統一フォーマットで報告書を作成できます。
また、Web上でテンプレートを共有する場合、「Googleスプレッドシート」などが役立ちます。管理者以外がテンプレートを改変できないように設定できるため、個人の裁量でフォーマットが変わる心配もありません。オンラインであれば管理者はリアルタイムで更新できるため、報告書の一貫性を保ちつつ、最新の情報を共有できます。
チーム内でスケジューリングツールを導入
報告書作成の遅れに対する解決策としては、チーム内でスケジューリングツールを導入することが有効です。スケジューリングツールを利用することで、報告書の作成や提出の有無を全員で確認し、管理できます。
例えば、「Asana」や「Trello」のようなタスク管理ツールは、タスクごとに期限を設定し、進捗状況をチーム全員で共有できます。スケジュールの可視化は、タスクの遅延を防ぎ、チームの生産性を向上させます。
共有ルールの設定とオンラインでの共有
チームメンバーへの共有の課題の解決策としては、共有ルールの設定とオンラインでの情報共有が効果的です。具体的には、共有する情報の種類やアクセス権限についてルールを作り、それをチーム全員が理解しやすい形で電子文書化します。
さらに、「Googleドライブ」や「Microsoft OneDrive」のようなクラウドストレージサービスの活用も情報共有に有効です。オンラインでデータを共有することで、全員が最新の情報にアクセスできるため、業務のケアレスミスを防ぎます。これらを実行することで、業務の効率化と同時に働き方改革の促進にも貢献します。
スキルアップ研修と文章作成ツールの導入
文章作成スキルの課題に対しての解決策としては、スキルアップ研修と文章自動作成ツールの導入が有効です。例えば、社内でライティング研修を定期的に実施することで、ライティングスキルが向上し、報告書の構成や伝わりやすい表現方法を学べます。
また、文章自動作成ツールの利用も、読みやすい報告書作成に効果的です。「Troper」のような業務効率化ツールは、データからレポートを自動生成できるため、報告書の質の向上が期待でき、受け手に内容が正確に伝わりやすくなります。
このように、伝わりやすい報告書の作成には、個人のスキルアップと文章自動作成ツールの導入の両方が有効です。これらを実施することで、文章の読みやすさに加え、報告の精度と速度も向上できるため、全社的な生産性の向上にもつながります。
集計自動化ツールを導入
データ集計の時間短縮には、集計自動化ツールの導入が効果的です。自動化ツールを用いることで、手動での繰り返し作業を大幅に削減し、データの集計や分析を迅速に行うことができます。
例えば、Microsoft Excelのピボットテーブル機能や、Tableauなどのデータ分析ツールを使用することで、複雑なデータを瞬時に集計し、視覚的にわかりやすいレポートを生成します。このように、ツールを活用すればデータの正確に分析できるため、報告の効率と精度の向上が可能です。
*参考 業務報告のよくある課題と効率化の方法【7つのポイント】
まとめ|報告書作成業務などを効率化して生産性を上げよう
業務効率化のなかでも課題になりやすい、報告書作成業務の課題と解決策をご紹介しました。報告書作成業務の効率化は、業務フローの改善やツールの導入で解決できる可能性があります。
まずは課題を明確にし、社内でどのような解決方法を導入するかを検討しましょう。この記事の内容を参考に、報告書作成業務の効率化を目指してみてください。
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