こんにちは。「クロジカスケジュール管理」コンサルティングチームの林です。
企業が業務をおこなううえで、ITを活用することは現代において必要不可欠です。インターネットなどでトラブルに巻き込まれても、被害を最小限にするためにはITリスクマネジメントが大切になります。
この記事ではITリスクマネジメントの特徴や重要とされている理由、ITリスクの種類についてご紹介します。ポイントやプロセスについても解説しますので、あわせて確認しておきましょう。
目次
ITリスクマネジメントとは
ITリスクマネジメントとは、インターネットを利用することによるリスクを最小限にすることです。システム利用に関するリスクを事前に洗い出しておき、リスクの幅と確率を見極めて許容できない場合には対処の仕方を決めておきます。
ITリスクマネジメントをおこなうことで、情報システムを安全に運用することが可能です。IT技術の拡大や経済のグローバル化などによって、リスクの種類も増えているため、企業にはより高度なITリスクマネジメントが求められています。
よく似た言葉として「リスクアセスメント」があります。リスクアセスメントはリスクに関する調査や分析、評価をおこなうものです。リスクマネジメントとは、リスクアセスメントの結果をもとに対策の実践や改善をおこなうことです。
ITリスクマネジメントはリスクが発生した場合の対処を検討するため、事前にリスクが起きないよう対策する予防とも異なる意味を持ちます。
ITリスクマネジメントが重要な理由
ITリスクマネジメントが重要な理由は、主に以下の3点です。
それぞれ解説しますので、確認しておきましょう。
企業の業務でITが必要不可欠になった
企業の業務をこなしていくうえで、ITは必要不可欠なものになりました。業種にかかわらずITを活用することは、企業が成長していくために必要なものです。
ITの活用はすでに社会基盤になっていて、ITと関係ないと思われる業種でも利用されています。業者や顧客への連絡など業務を細かく分類していけば、ITを活用しているためリスクマネジメントが必要になります。
もしもITが機能しなくなってしまったら、ほとんどの業務が止まってしまうので注意しておきましょう。
ITにおけるリスクの大きさを知れる
リスクの大きさは、発生頻度とリスクが発生したときの影響度で表されます。ITでリスクが発生すると、影響度の高いことが多いです。
具体的には顧客情報や機密情報がインターネット上に漏洩してしまうと、世界中の人が情報を見ることができる状態になってしまいます。重要度が高い情報は、パスワードやキーを設定して送信するなどの対策が必要です。
ITを活用しているために、システムダウンしてしまうと企業全体が停止してしまうことも珍しくありません。システムダウンを完全に対策することは難しいため、発生率を下げたり復旧までの時間を短くしたりする対策がオススメです。
トラブル時の被害を最小限にする
企業においてトラブルが発生してしまうと、億単位の被害が出る可能性もあるのでITリスクマネジメントは重要です。トラブルによっては信用問題に発展して、経営継続の危機に陥ることもあります。
ITリスクマネジメントをおこなって、トラブルが招く事態を事前に把握して備えておくことが大切です。適切な取り組みをおこなって有事の際に発生する被害を最小限にしましょう。
ITリスクの3つの種類
インターネットを利用するリスクとして、以下の3つが挙げられます。
- セキュリティ面のリスク
- 人的リスク
- 自然災害リスク
どのようなリスクなのか、事前に把握しておくことが大切です。
セキュリティ面のリスク
セキュリティ面のリスクとしては、データの漏洩やウイルスなどによるハッキング行為があります。セキュリティ面の対策をしていないと、データの漏洩につながって企業の大切な情報が外部に漏れてしまいます。
情報漏洩は企業の信頼を無くしてしまい、その後の業務に影響を与えるため、常に注意をしておくことが必要です。ウイルスやハッキング行為によって、システムの停止や情報漏洩のリスクもあるので対策は必ずおこなうようにしましょう。
セキュリティ対策として従業員のITリテラシーを向上させておくことは、作業効率の改善にもつながります。企業としても積極的にマニュアルの作成や、勉強会の開催をおこなうことがオススメです。
人的リスク
ITリスクにおいても、ヒューマンエラーが原因となる人的リスクがあります。機密情報のはいった媒体を紛失したり、電子メールなどによって故意的に漏洩したりといったリスクです。
パソコンやUSBなどの媒体を紛失するリスクは、パスワードの設定やリモート操作でのロック機能を使えば対策は可能です。事前に対策をしっかりと、とっておきましょう。
電子メールや外部媒体へのコピーを故意的にやられてしまうと、対策も難しく被害も大きなものになることが多いです。普段から社員に対してITリスクアセスメントの勉強会をおこなったり、信頼関係を構築しておくといいでしょう。
自然災害リスク
自然災害リスクもITリスクとして、対策が必要になります。具体的に対策が必要な自然災害リスクは、停電などによるシステム停止やIT機器の浸水による故障、台風や地震による機器の破壊などが挙げられます。
ほかにも交通機関がストップしてしまって、従業員が出社できない状況なども自然災害リスクの一つです。
自然災害リスクは、発生頻度や被害の規模を予想することが難しいです。それぞれの最大の被害と最小の被害を踏まえて、対策をおこなっていきましょう。
災害発生時の迅速な復旧方法をシミュレーションしておけば、いざというときに対応しやすいです。リモートワークへの対応を事前におこなっておけば、出社できない場合できる仕事は多くなります。
ITリスクマネジメントをおこなうポイント
ITリスクマネジメントをおこなうポイントとしては、
- 社内でのコミュニケーションを大切にする
- 完璧を求めすぎない
- ITツールの活用を検討する
といった点が挙げられます。実際におこなうときの参考にしてください。
社内でのコミュニケーションを大切にする
ITリスクマネジメントをおこなううえで、従業員同士でコミュニケーションを密にとることは重要なポイントです。業務の作業効率が悪くなるような対策は不満も生まれやすいため、話し合いが必要になります。
話し合いのなかで現場目線の従業員から的確な意見が出て、効果的な対策が生まれる可能性もあります。それぞれの立場を理解したうえで、お互いの不便を最小限に抑えるような対策を議論してみましょう。
完璧を求めすぎない
ITリスクマネジメントにおいて完璧を求めすぎてしまうと、予算オーバーや作業効率の低下につながる可能性もあります。重要性や優先度を比較して対策を考えて、実現可能なレベルでの落とし所を見つけることも大切です。
ITリスク自体が常に変化しているため、修正点や改善点が見つかった場合はその都度対応していくことが重要です。継続的にITリスクマネジメントをおこなうことで、リスクを最小限に抑えられます。
ITリスクマネジメントで対策をおこなったときは、あたらしいリスクが生まれていないかの確認も大切です。あたらしいリスクが許容できない場合は、対策の変更や中止も検討しましょう。
ITツールの活用を検討する
ITツールを活用して、ITリスクマネジメントをおこなうこともオススメです。ITソリューションやコンサルティングなどのサービスも、IT専門企業から提供されています。
自社の現状把握をおこなうために、スケジュール管理やタスク管理ツールを導入することも効果的です。業務の負担割合を、漠然としたイメージではなく見える化することで、ITリスクマネジメントにも活用できます。
ITツールは導入や運用にコストがかかることもあるため、費用対効果を検討してから導入することが大切です。複数の機能が利用できるITツールもあるので、総合的に判断して導入を検討しましょう。
ITリスクマネジメントのプロセス
ITリスクマネジメントをおこなうプロセスについてご紹介します。まずは運用しているITシステムの弱点やリスクを、すべて洗い出して脆弱性を把握します。
ITシステムとあわせて、人的リスクについて把握しておくことも大切です。それぞれのリスクを特定したら、発生頻度や影響度を分析しておきましょう。
特定と分析が終わったら、対応する優先順位をつけます。企業において人や時間、資本は有限になるため、すべての対策をおこなうことはできないからです。発生頻度が高く、影響度の大きいものから対策することがオススメです。
優先順位がつけ終わったら、それぞれ具体的に対策を考えていきます。発生したときの影響が大きいものは、スケジュールを立てて早めに対策していきましょう。
アクシデントはいつ発生してもおかしくないため、リスクを発見したらすぐに対応することが重要です。
対策を実施したら、ITリスクマネジメントが完了するわけではありません。対策を継続することによってあたらしいリスクが生まれたり、作業効率が悪くなったりしている可能性があるからです。
企業内でのモニタリングやミーティングを継続しておこない、常に最新の判断をしていくことが求められます。対策は追加や変更だけではなく、削減もあわせて検討してみましょう。
不要な対策を減らすことで、コストや手間を削減できます。現状で対策が難しい場合は、ITツールなども積極的に活用していきましょう。
まとめ|ITリスクマネジメントを確認しておこう
この記事ではITリスクマネジメントの特徴や重要とされている理由、ITリスクの3つの種類についてご紹介しました。ITを活用して業務をおこなう企業にとって、ITリスクマネジメントは必要不可欠なものになります。
トラブルや問題が発生したときの被害を最小限に抑えるためにも、会社全体で積極的に対策を考えていきましょう。対策を検討するときは、現状把握をすることも大切です。
スケジュール管理ツールの導入やITソリューションの活用をおこなって、いままでとは違った視点から見ることもオススメです。ITリスクマネジメントだけではなく、業務効率化にも役立つので積極的に導入を検討してみましょう。
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