LGWANの概要からメリット・デメリットについて解説|LGWAN-ASPもご紹介

LGWANの概要からメリット・デメリットについて解説|LGWAN-ASPもご紹介

LGWAN(総合行政ネットワーク)は、地方公共団体を結ぶ行政専用のネットワークです。この記事では、LGWANの基本的な仕組みから、活用ケース、セキュリティ対策、そしてLGWAN-ASPまで解説します。

この記事でわかること

① LGWANの概要と利用シーン
② LGWANを利用するメリット・デメリット
③ LGWAN-ASPの概要
④ LGWANを利用して地方自治体向けにサービス提供する方法

LGWANとは?

LGWAN(総合行政ネットワーク)の概要

LGWAN(Local Government Wide Area Network:総合行政ネットワーク)とは、全国の地方公共団体が相互に接続し、行政事務を効率的に行うためのネットワークです。一般的なインターネット回線とは分離された高度なセキュリティを確保した閉域ネットワークとして2001年から運用が開始されました。

LGWANの目的と利用シーン

先に触れた通り、LGWANの主な目的は、*地方公共団体間のコミュニケーションの円滑化、情報の共有による情報の高度利用を図ることです。利用シーンには、住民基本台帳ネットワークや電子申請システムなどが挙げられます。特に、自治体間での情報連携や文書交換、各種システムの共同利用といった行政サービスのオンライン化を支える基盤としても重要な役割を担っています。
*引用:地方公共団体情報システム機構(J-LIS)

「LGWAN」の具体的な利用ケース例

地方税の電子申告による受付システム
・マイナンバーカードを利用した各種証明書のコンビニ交付サービス
・防災・人命に関わる緊急情報(Jアラート)の発信
・自治体職員向けの勤怠管理システム
・年金や健康保険の情報確認システム

LGWANのセキュリティ対策

LGWANは、インターネットから物理的に分離された閉域ネットワークであるため、外部からの不正アクセスや情報漏洩のリスクを大幅に低減できます。また、ネットワーク内では厳格なアクセス制御や認証が行われ、セキュリティが確保されています。

さらに、情報セキュリティに関するガイドラインや規定が設けられ、運用面でもセキュリティ対策が徹底されています。 これらの対策により、LGWANは行政情報を安全に取り扱うことができるネットワークとして信頼を得ています。

現行LGWANにおけるセキュリティ対策
出典:https://www.soumu.go.jp/main_content/000866619.pdf

行政のネットワークについて理解しておきたい情報

LGWANを利用するメリット

行政事務の効率化

LGWANを利用することで、地方公共団体間の情報共有がスムーズに行え、行政事務の効率化が期待できます。 例えば、住民情報や税情報などのデータ共有が迅速になることで、手続きにかかる時間や手間を削減できます。また、電子申請や電子調達などのオンラインサービスもLGWAN上で安全に利用でき、住民サービスの向上にも繋がります。

コスト削減と重複投資の防止

LGWANを全国の地方公共団体が共同利用することで、個別にシステムを構築・運用する必要がなくなり、コスト削減につながります。また、標準化されたシステムやサービスを利用することで、重複投資を避け、リソースを有効活用できます。

セキュリティの向上

LGWANは閉域ネットワークであり、インターネットから分離されているため、外部からのサイバー攻撃のリスクを低減できます。さらに、LGWAN内で厳格なセキュリティ対策が施されており、不正アクセスや情報漏洩のリスクを最小限に抑えることができます。これにより、住民の個人情報や機密性の高い行政情報を安全に保護することが可能です。結果として、安心して行政サービスを利用できる環境が提供され、住民からの信頼度向上にも繋がります。

LGWANを利用するメリット

LGWANを利用するデメリット

システム運用の複雑化

LGWANは複数の地方公共団体が共同利用するため、システムの運用が複雑になる場合があります。また後述する、LGWAN-ASPなどのサービスを活用する際には、LGWANとLGWAN-ASP双方への理解が求められ、導入や運用に関する知見とノウハウが必要となります。

新技術の導入や仕様変更に時間がかかる

LGWANは全国の地方公共団体を接続する大規模ネットワークであるため、新技術の導入や仕様変更には慎重な対応が必要とされます。例えば、全国規模の影響を考慮し、厳格なセキュリティ要件を満たすための検証期間、さらに全自治体の対応能力の差異を踏まえた段階的導入に時間を要することが考えられます。

しかし、LGWANは定期的にアップデートされており、近年ではクラウドサービス連携やセキュアなリモートアクセスなど、新しいニーズへの対応も進んでいます。

LGWAN-ASPとは?

LGWAN-ASPの概要

LGWAN-ASP(LGWAN Application Service Provider)とは、LGWAN上で利用できるアプリケーションサービスを提供する事業者のことです。自治体は、これらの事業者が提供するサービスを利用することで、自らシステムを開発・運用することなく、効率的に行政サービスを提供できます。

利用できるサービスの例

LGWAN-ASPで利用できるサービスは多岐にわたります。例えば、住民情報管理システム、税務システム、会計システム、人事給与システム、文書管理システムなどが挙げられます。さらに、LGWAN-ASPのサービスは、LGWANのセキュリティ基準に準拠しているため、安全に利用できます。
参考:LGWAN-ASPサービスリスト

LGWANを利用して地方自治体向けにサービスを提供するには?

LGWANを利用して地方自治体向けにサービスを提供するには、さくらインターネットの「LGWANコネクト」を活用することで実行できます。「LGWANコネクト」の主な特徴は以下の通りです。

「LGWANコネクト」の主な特徴

さくらのクラウドに対応

LGWAN-ASPファシリティサービスに登録済みの石狩データセンターで、さくらのクラウドを組み合わせたASP環境を構築可能

自治体向けサービスとの相性が良い

さくらのクラウドは転送量課金がなく、月額上限が決まっているため、定額での予算提示が可能

J-LIS(地方公共団体情報システム機構)への利用申請サポート

LGWAN-ASP利用申請の手続きをさくらインターネットがサポート

信頼性の高い共用回線

25年以上の経験を持つさくらインターネットが提供する、コストパフォーマンスの高い共用回線を利用可能

「LGWANコネクト」の詳細についてはコチラをご確認ください。

LGWANは、地方自治体のデジタル化を支える重要なインフラとして、今後ますます重要性を増していくことが予想されます。セキュリティを確保しつつ、クラウドサービスとの連携を強化することで、より効率的で住民サービスの向上につながる行政システムの構築が進められていくでしょう。

監修者:クロジカサーバー管理編集部

コーポレートサイト向けクラウドサーバーの構築・運用保守を行うサービス「クロジカサーバー管理」を提供。上場企業や大学、地方自治体など、セキュリティ対策を必要とするコーポレートサイトで250社以上の実績があります。当社の運用実績を踏まえたクラウドサーバー運用のノウハウをお届けします。

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