サーバーメンテナンスとは?トラブルを避けるための7つの方法まで解説!

こんにちは。「クロジカサーバー管理」 IT/テックライターのkait78です。

現代のビジネスにおいて、Webサイトやアプリケーションの安定稼働は企業にとって不可欠です。そのためには、定期的なサーバーメンテナンスが欠かせません。しかし、このメンテナンス作業が原因で顧客からのクレームが発生することもあります。

本記事では、サーバーメンテナンス作業を行う際にクレームを防ぐための7つの方法を紹介します。

サーバーメンテナンスとは

サーバーメンテナンスは、Webサイトやアプリケーションを安定的に稼働させ続けるために不可欠な作業です。

総務省経済産業省においても、情報管理担当者はソフトウェアを常に最新にする対応を行う必要があるとしています。はじめに、サーバーメンテナンスの内容や重要性、クレームとの関係についてみていきましょう。

サーバーメンテナンスの作業内容

長期間にわたり、安全で快適なウェブ環境を提供するためには、定期的なメンテナンスが不可欠です。

サーバーメンテナンス作業の種類は複数あり、サーバーの状態を常に最良に保つことで、お客様へ快適なユーザーエクスペリエンスを提供することが可能です。サーバーメンテナンスには、ソフトウェアやセキュリティパッチのアップデート対応、ハードウェアメンテナンス、パフォーマンスの最適化などが含まれます。

・アップデート対応
ソフトウェアやセキュリティパッチは、利用しているソフトウェアによりますが、数週間~数か月単位でアップデートが発生します。WordPressなどプラグインを多数導入しているサイトでは、プラグインの数だけアップデートが必要となってしまいます。アプリが提供するサービス自体の機能追加もアップデート対応の一つです。

・ハードウェアメンテナンス
オンプレミス環境でサーバーやルーターを運用している場合、ハードウェアのメンテナンスが必要です。大型のルーターではエアフィルタの定期的な交換が必要な場合や、サーバーリプレース・構成変更時には通信ケーブルの抜去・挿入などの物理的な作業が発生します。また、企業によっては予防保全として長期間運用しているサーバーを交換する場合もあります。

・パフォーマンス最適化
ソフトウェアのバグ修正や、CPU・メモリの割り当ての最適化、セキュリティ対策、不要なログ・データ削除等を行い、パフォーマンスの最適化を行います。

サーバーメンテナンスとお客様クレーム

サーバーメンテナンスはWebサイトやアプリケーションの運営において重要な作業ですが、お客様のクレームに繋がることもあります。

例えば、メンテナンス通知が不十分であると、メンテナンス中にお客様から利用できないと問い合わせが来る場合や、メンテナンス中に想定外事象が発生し長期のサービスダウンとなる場合もあります。

一方メンテナンスをせずに放置しておくと、セキュリティの脆弱性を突かれ、個人情報流出やサーバー停止などのリスクを負うこととなります。これらの問題は、顧客満足度の低下だけでなく、法的な問題やブランドイメージの損傷にも繋がり得ます。従って、サーバーメンテナンスは事前の計画と準備が重要です。

メンテナンス作業でクレームを防ぐ方法7選

サーバーメンテナンスはWebサイト運用において必要不可欠ながら、その作業が原因でお客様からのクレームが発生することも少なくありません。しかし、適切な対策を講じることで、これらのクレームを効果的に防ぐことが可能です。

作業の事前告知を行う

サーバーメンテナンスを実施する際、事前に作業内容、予定される影響範囲、および作業時間を顧客に明確に伝えることが重要です。企業ホームページや会員向けメールなどで告知をしておくとよいでしょう。事前告知はサービスの特性や作業の内容にもよりますが、1週間~1か月前までには実施することが望ましいです。

メンテナンスページを用意する

メンテナンス中でも、訪問者がウェブサイトにアクセスした際には、何が起こっているのかを知ることができるよう、専用のメンテナンスページを表示させておきます。

メンテナンスページの表示方法はDNSやサーバーのルーティングを変更するなどいくつか方法があるため、自社に合った方法で行いましょう。メンテナンスページを用意しておくことで、お客様への理解を促すことができます。

メンテナンスページには開始・終了時刻やメンテナンス後の改善内容を告知しておくと、お客様との良好な関係を維持することができます。

夜間にメンテナンス作業を実施する

メンテナンス作業において、お客様への影響を最小限に抑えるためには、アクセスが比較的少ない夜間帯(深夜1時~5時)に行うとよいでしょう。

日中帯のピークタイムにメンテナンス作業を実施した場合、利用ユーザー数が多いためクレームにつながる可能性が高くなってしまいます。ただし、夜間作業は担当する社員のワークライフバランスや人員の不足にも陥る可能性があるため、企業として社員側のケアも十分に考慮する必要があります。

デプロイ / リリース手法を検討する

サーバーメンテナンスやアップデートの際には、サービス中断を最小限に抑えるデプロイやリリース手法の選択が非常に重要です。例えば、ブルー/グリーンデプロイメントやローリングアップデートなどが挙げられます。ブルー/グリーンデプロイメントは、アプリケーション環境を2つ用意し、メンテナンス作業後に環境を入れ替える手法です。これによりメンテナンス中もお客様はサービスを継続利用しながらメンテナンス作業を行えます。

ただし、環境を2つ用意する必要があるなどコストや工数が掛かってしまうというデメリットもあります。ローリングアップデートでは、稼働中のシステムを完全には停止させずに徐々にアップデートしていく手法です。アプリの機能追加やバグ修正に利用されます。デメリットとして、ロールバックに時間が掛かってしまうなどが挙げられます。

異常時の障害復旧手順を用意する

どれだけ念入りにメンテナンス計画・実施を行っても、サーバーメンテナンス中に予期せぬ障害をゼロにすることはできません。そのため、メンテナンス作業の手順は事前に復旧手順を準備しておくことが重要です。障害発生時を想定して具体的な対応手順、連絡体制、復旧までのステップを明記しておきましょう。

障害発生時は現場や管理職も普段とは異なる精神状況に陥ってしまい、正常な判断が出来なくなる恐れがあります。定期的なトレーニングを行い迅速な復旧ができるように、日頃からの準備が重要です。

お客様窓口と連携を行う

メンテナンス作業中にお客様からの問い合わせが増加することを見越して、カスタマーサポートチームとの連携を強化することが非常に重要です。メンテナンスの詳細、予想される影響などの情報をエンジニアとカスタマーで共有しておきましょう。

特にお客様からの問い合わせ時に、カスタマー側が状況を把握していないと重クレームに発展する可能性があります。カスタマー側も事前にトークの内容などを決めておくなどして、顧客満足やロイヤリティの向上に繋げましょう。

お客様への情報提供と透明性を確保する

万が一メンテナンス中に想定外事象やヒューマンエラーによる障害が発生した場合は、その内容の情報提供や作業の時系列、原因究明・再発予防策の公開をしましょう。

お客様に対して真摯に向き合い、今後同様の事象を起こさないように対策を行ったとアピールすることで、ブランドイメージの低下を防ぐことができます。

まとめ

サーバーメンテナンスは、ウェブサイトやアプリケーションの安定した運用を維持するために不可欠な作業です。しかし、これらの作業が原因でサイトやアプリケーションに不具合が起こることもしばしばあります。本記事で紹介した方法を行うことでお客様からのクレームや信頼の失墜を防ぐことが可能です。今後自社でサーバーメンテナンスを行う際はぜひ、取り入れてみて下さい。

ですが、これらの対策は夜間作業のエンジニア・カスタマーの人員確保やDNSの切替、デプロイ機能の構築など技術的なスキルも必要となります。自社で対応が難しい場合は、サーバーの管理・運用をアウトソーシングするという方法があります。

クロジカサーバー管理」では、お客様のサーバーの管理・運用を代行するトータルサポートサービスを提供しています。サーバーのソフトウェアアップデートや障害時の1次復旧、会社への連絡など多岐に渡りサポートが可能です。

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ライター:kait78

元大手通信事業者のインフラエンジニア。ネットワーク・サーバー・AWS領域でIT/テック記事に特化した記事を執筆。Webサーバーにまつわる課題や悩みに対して実務経験を基にした、現場社員目線の課題解決となるアイデアを提供します。

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